サンマを釣ろう。メインは北海道の沿岸。大群で北太平洋から南へ回遊

サンマを釣ろう。メインは北海道の沿岸。大群で北太平洋から南へ回遊

2018.02.27

Share :

サンマを自分で釣ってみる

サンマを狙える時期

サンマは釣りとなると本州では情報が少なく、メインは北海道になります。サンマは、沿岸に来ることが少ない、または予測できない魚です。お魚屋さんや、食卓によく並ぶサンマは、北海道、三陸の沿岸~沖合でのサンマ漁、遥か彼方の太平洋から、遠洋漁業のサンマ棒受け網漁で獲ってきたサンマです。 サンマ釣りは、釣りの本には載っていません。北海道以外のところで、日本全国、釣れないことはないのですが、サンマが沿岸近くに来れば釣れるということになります。東京湾では、20年前に大量のサンマが入って来て話題になりました。数年前には、大阪湾に回遊して来ました。来るとしばらくいるので、ニュースを見てから釣りに行って、釣れた人もいたそうです。そのように、各地でサンマが来たという情報が入れば、釣りに行くのも楽しいと思います。 夏から冬にかけて、6月~1月がサンマの時期になりますが、7月~12月がベストシーズンです。日本近海から、北アメリカの沿岸の北太平洋まで、広い範囲で回遊しています。日本近海では、サンマは春から夏にかけて、オホーツク海にまで北上して、水温が下がり始める季節には、寒流にのって四国、九州辺りの海へ南下します。太平洋と日本海では、北上と南下する時期は違います。 サンマは群れを作って、数百から数千匹の大群で海の表層を回遊します。天敵から逃げるときには、トビウオのように海面を跳ねながら泳ぐといわれています。20年前の東京湾のサンマのように、稀に、北海道の港の湾内や、各地の湾に来るときは、大群でワーッと入ってくるので、海面を見ただけで、夜でもわかるそうです。または、沿岸近くをサンマの大群が通りがかることがあれば、堤防から釣ることも可能です。

狙いたいなら北海道

北海道でのサンマ釣りができる港です。道東の港、堤防などは季節によってサンマがいます。道東は、北海道の東部の地域で、釧路、網走、十勝、根室などです。

枝幸港

枝幸港は、北海道枝幸郡枝幸町幸町。最寄り駅は、JR宗谷本線、音威子府駅。2月~4月下旬にかけては休漁期ですが、それ以外はいつでも釣りに行くことができます。5月からはカレイ、1月からはサンマ、チカ、ニシンなどの小魚が釣れます。7月~11月は、サケ釣りもできます。釣り場は、港の右側から、沖の方へ飛び出している堤防です。家族連れの釣りから、大物を釣りたいベテランまで、幅広いお客さんが来ています。駐車場、トイレ、コンビニ有。

頓別漁港

頓別(とんべつ)漁港は、北海道枝幸郡浜頓別町頓別。最寄り駅は、JR宗谷本線、問寒別駅。頓別川の河口と豊寒別川の河口にある港で、海水と淡水の混ざった場所のため、いろいろな魚を釣ることができます。豊寒別川河口に面した場所では、クロガシラ、カワガレイ、チカなどが釣れ、9~10月はとくに、大きいクロガシラが釣れるそうです。サンマは、サビキ釣りなどは10月~11月が季節です。そのほか、チカ、ニシン、沖合ではイシモチが釣れます。駐車場、トイレ、コンビニ有。

鱒浦漁港

鱒浦(ますうら)漁港は、北海道網走市鱒浦。最寄り駅は、JR釧網本線 鱒浦駅。港内には、釣りポイントがいくつも広がっています。魚影が濃く、いつも釣り人がいます。鱒浦漁港では、カラフトマス、サケ、サンマ、チカなどが釣れます。とくに、秋はカラフトマスの浮きルアー釣りが人気があります。港内の堤防の右側は、サンマを狙いやすい場所だそうです。駐車場有、トイレなし、コンビニなし。 そのほかの釣り場でも、北海道では10月くらいから、オホーツク海側、東の沿岸などにサンマが岸寄りすることが多く、堤防や港などで、サビキ仕掛けで釣ることができます。

意外と力が強いので注意

北海道の堤防などでは、比較的釣ることができるサンマ。サンマを釣るときには、予想以上に強いひきがあるそうです。サンマの力が強いことと、体が細長いことで遠心力がかかります。こどもや初心者の釣りでは、得難い体験になるといわれています。

サンマ釣りの仕方とコツ

サビキ仕掛けで狙う方法

サンマが大群で漁港などに回遊して来たときは、サビキ仕掛けで狙います。サビキ仕掛けは、竿に5~10本のハリが付いています。竿は、渓流竿が手返しがよく、釣りやすいです。市販のサビキ仕掛けの釣り道具は、渓流竿(4.2~5.3m)、幹イト(1.5~2号)、ハリス(1号くらい)、ハリ(4~6号)、ミチイト(ナイロン2号)。 サンマを釣るときは、仕掛けを投入するとすぐに、群れのサンマがたくさんかかって来るので、サビキ釣りで使用するコマセ(撒き餌)は必要ないそうです。

重りは3~6号を使う

サビキ釣りのオモリは、少し重めの、3~6号を使います。一度に何匹も魚が掛かる、多点掛けをするので、オモリを少し重くしておくと、仕掛けが絡まりにくくなります。

サバ皮などスキン系のサビキ

サビキは、ハゲ皮、ピンクスキン、蛍光スキン、フラッシャーサビキ、カラ針サビキなどがあり、時と状況によって5種類くらいから使い分けます。魚が食い渋ったときと、冬の水温が低いときには、ハゲ皮によくアタリが来るそうです。スキンサビキは、餌をつけられないので、カゴ釣りもするときは、ハゲ皮のサビキが使いやすいです。日中は、ピンクスキン、魚皮のサビキ、夜間は蛍光スキンがいいといわれていますが、自分の釣りの経験で、その日にアタリがよいサビキを見つけると、釣果もよくなるそうです。

?夜釣りでサンマを狙う

よい季節にサンマが来たときには、夜釣りも楽しいです。夜は夕マズメという、魚が活発になる時間帯があります。夕マズメ(日が沈み始めて、暗くなる時間)から、2時間くらいは、魚は活発になって、常夜灯の下などに集まり、プランクトンや小魚を食べる時間です。またその小さい魚を食べに、もっと大きな魚も集まって来ます。夜は投光器を使うと、サンマが集まって来て盛り上がります。サンマが来るときは大群で来るので、釣り場も迫力のある眺めになるそうです。 投光器は、電球のような黄色の光でもいいのですが、蛍光灯、水銀灯のような青っぽい光の方が効果的です。光が当たると、プランクトンが集まります。それを食べに、アジ、サンマなどの魚が寄ってきます。投光器を使うときは、光の当たっているところより、まわりの暗いところで釣るといいそうです。魚の目は、海の暗さに慣れているため、投光器の光の中心は眩しすぎるということです。投光器を使ったときは、光のまわりの暗い水面のところで釣りましょう。 投光器を使うことで、釣り場によっては、周りの人の迷惑になることもあるので、他の人も使用していないときは、人気のないところで使用するといいです。初心者のときは、夜釣りに詳しいベテランの知り合いがいたら、一緒に行って教えてもらうのもいい方法です。夜の釣り場は暗くて危ないので、ヘッドライトを装備して、足場に気をつけて釣りをしましょう。

朝の釣りもオススメ

朝マズメは、東の空が薄く明るくなり始めて、日の出で明るくなるまでの2時間くらいの時間帯です。秋から冬は、1時間くらいになります。潮が満ちてきた時間には、魚の餌となるプランクトンや小エビなどが集まってくる時間です。サンマなど、餌を捕食するその時間は活発になってきますので、よい時期にサンマがいれば、夜明けに釣りに行くのも楽しいと思います。

サンマを釣るときの注意

冷え込みに注意

一般的な釣り場でも、夜明けの釣り、夜釣りなどは季節によって冷え込みますので、羽織るものや、防寒のジャケットなどを着ましょう。北海道は、秋冬は一般的な気候ではないので、北国専用の、防寒の装備が必要になります。

北海道の秋から冬の寒さ

サンマのメインの北海道では、専門の防寒着を着ても、11月後半からは現地の人か、北国の人でないと難しいです。北海道では、10月初旬に初雪が降ります。11月~2月が降雪期になって、北海道では、冬の気温は低い地域では-20℃になります。旭川は、1902年1月25日には、日本史上の最低気温-41.0℃を記録しています。現地では、冬の厳寒でも専門の防寒着が開発されたり、性能がよくなっているので、夜釣りの釣り人は増えているそうですが、寒い地域に体が慣れていない場合、釣りにならないこともあるそうです。 北海道で釣りをするときは、サンマは小さいですがなるべく10月か、専門の防寒着を着て、まず日中に行ってみるのがいい方法です。旭川と比べると、港や釣り場のある道東は比較的降雪量は低く、気温は下がりにくいのですが、それでも、11月の初旬から後半にかけては、10cm~40cmくらいの降雪量になります。道東の平均気温は、10月初旬で最高気温21℃~最低気温-1.5℃。11月初旬で最高気温16℃~最低気温-5℃から-9℃。12月初旬で最高気温10℃~最低気温-15℃。1月初旬は、最高気温6℃~最低気温-20℃。2月の初旬は、最高気温-6.2℃~最低気温-21℃、くらいになります。

靴は滑りにくいものを

雪が降ったり、氷が張っている釣り場は危ないです。行くときは、専用の長靴を用意しましょう。北海道の「冬用長靴」は、保温性にとても優れています。北海道第一ゴムの「防寒長靴」、強力スパイク、エアースパイク付。滑り止めも付いているため使いやすいです。そのほかは、Columbiaの「防水ブーツ」(クリマプラス200で内ボア付き)、ウェーディングシューズとしてはクロックス ターボ(CROCS)(ムラサキスポーツのみで販売)などです。普通の靴でも、北海道の冬用、防寒底の付いたスニーカーや、防寒紳士長靴などがあります。雪の多い場所に行くときは、防寒と、滑り止めが付いた靴を選びましょう。

動きやすく風が入りにくい服装がベスト

防寒のために大切な服装は、一つめは、風を通さないこと。二つめは、服の中に空気をキープしておく層を作ること。三つめは、血液を温めるようにすること、です。風をシャットアウトして、上半身は、アウター、ミドル、インナー3枚を着ると、5つの空気の層ができます。その内側から、自分の体の熱、カイロなどで温めた熱を蓄えます。人は、首から上は寒さに強いので、首から下をとくに保温しましょう。 冬の防寒に強い服装は、下着、インナー上、インナー下。靴下は薄手と厚手の2枚。ミドル上はタートルネック、ミドル下はジーパンまたはジャージ(足場が悪い場所など)。アウターは、ネックウォーマー、アウター上(フード付き)、アウター下、釣り専用の手袋、イヤーウォーマー、北海道の冬用長靴です。 防寒の服装をするときの注意点は、一つめは、綿を含まない衣類にすること。綿は汗を吸収するので、冷えやすくなります。二つめは、インナー、ミドルレイヤー、アウターで空気の層をつくること。三つめは、汗をかかないようにすることです。アウターでは、防水、透湿、防風、保護が大切です。その中で、透湿が一番重要で、水蒸気を通せるアウターでないと、アウターの中に水蒸気が溜まって濡れて冷えます。アウターは、水を通さないで、水蒸気は通せる素材であることが必要です。GORE-TEXなど、防水透湿の素材を使ったアウターを選びましょう。

回遊魚なので釣れないことも

サンマは回遊魚なので、たいていこの時期に釣れるといわれていても、場所を少し移動していて釣れないこともあります。そのときは、その場にいるほかの魚を釣りましょう。変えられるくらいの場所ならいいのですが、回遊に合わせて場所を移動することは難しいです。北海道では、沿岸では、アブラコ、カジカなどの根魚、クロガシラガレイ、マコガレイなどの平魚。季節によって、サケ、カラフトマス。春から秋にかけては、チカ、コマイ、ニシンなどが釣れます。

釣ったサンマをおいしく食べる

やっぱり王道の塩焼き

サンマがいないときは、お魚屋さんなどで調達してください。 1.サンマはウロコを取って、流水でさっと洗います。(買ってきたサンマはたいていウロコは取れています) 2.全体に薄く塩を振って、少し置きます。(20分くらいで水分が出てきます) 3.キッチンペーバーで水分を取り、荒塩を少しパラパラとつけます。 4.焼いたときに皮が破れないように、表面に少し切れ目を入れます。 5.表面がこんがりするくらいに焼き上げます。

お酢で〆てお寿司に

材料は、さんま(新鮮なもの4匹かお刺身用)、あら塩、米2合、米酢(さんまを浸す)、すし酢(2合分)。 1.お刺身用のサクにするか、頭とハラワタを取って3枚おろしにする。 2.バットに並べて、塩をやさしくすり込む。 3.2~3時間冷蔵庫で寝かせる。 4.塩を水洗いして、水気を取る。 5.米酢に浸けて、一晩寝かせる。 6.タッパーにラップを敷いて、サンマのサクを並べる。 7.寿司飯をのせてしっかりと押す。 8.取り出して、好きな大きさに切り分ける。

サンマを煮付けてご飯のお供

材料は、サンマ4匹、水200cc、お酒大さじ4、日高昆布1枚、砂糖大さじ2、みりん大さじ4、しょうゆ大さじ4、生姜のスライス5枚、梅干し大1個。 1.さんまは頭と内蔵を取って、尾を落として三等分に切る。 2.フライパンに、水、お酒、昆布を入れて、昆布がもどるまで置いておく。 3.2のダシを沸騰させて、砂糖、みりん、しょうゆを入れる。 4.再び沸騰させて、さんまを並べる。 5.二つに分けた梅干しと生姜のスライスを入れる。 6.煮汁のとろみが出て、照りが出るまで煮詰めたら出来上がりです。

サンマを竜田揚げにしておつまみに

材料は、サンマ、塩コショウ、片栗粉、適量。 1.サンマを三枚おろしにして、いくつかに切る。 2.サンマに塩コショウ適量、片栗粉を多めにまぶす。 3.油を熱してブツブツと泡だったら、サンマを揚げる。 4.塩、ポン酢、ショウガなどを添えて出来上がり。

自分で釣っておいしく頂く

自分で釣った魚は、サンマにかぎらず、本当においしく頂けます。サンマは北海道以外では、釣れることが少ない魚なので、サンマが沿岸にいないときは、漁師さんが太平洋の遥か彼方の海から、サンマ棒受け網漁で獲ってきてくれたサンマを頂きましょう。9~11月には、北海道の根室と襟裳岬沖に、サンマ棒受け網漁の漁船が集まり、11月以降は三陸沖へ、サンマの南下とともに、太平洋を南下します。 南下の途中で、近くの港にサンマの大群が入ってくるとラッキーです。何年かに一度のようですが、サビキ釣りの用意をして釣りに行きましょう。そして、季節に合った、ほかのおいしい魚も釣ることができます。好きな料理で、おいしく頂きましょう。

category

記事カテゴリー