ダンベルは賢く使えば筋トレの最高の友となる 本格的な器具が並ぶジムに通い、がっつり鍛える筋トレはたしかに効果が高くて素晴らしいものです。が、誰もがお金と時間をかけて、最高の環境でトレーニングできるわけではありません。手軽なトレーニングを望む人もたくさんいます。そんな人にとって、ダンベルは最高の友になりうる器具です。 筋トレにダンベルを使うメリットは? ダンベルというトレーニング器具にはどんな長所があるのか、メリットを整理してみましょう。 なんといってもお金がかからない まず、ダンベルで筋トレする最大のメリットは、安く済むことです。スポーツジムの会費はさまざまですが、月1万円程度はかかるものと思ったほうがいいでしょう。一年ジムに通えば12万円は飛んでゆく計算です。 ダンベルは高級なものでも2〜4万円程度。安いダンベルもたくさんあります。そして一度買ってしまえば、それ以上お金はかからず何年も使うことができます。トータルでいえば断然お得といえるでしょう。 好きな時にトレーニングができる スポーツジムに通わなくなる原因は何か、を調べた調査がありますが、引っ越しや病気など、わかりやすい原因で通うのをやめた人は一割程度しかいなかったそうです。九割の人は、確たる理由もなく、なんとなく通わなくなっていくものだそうです。 多忙だったり疲れて面倒になったりして、まあいいや今日はやめとこうと思っているうちに通うこと自体を忘れるようになっていってしまうと大抵の人は思うのではないでしょうか。自宅のすぐそばにジムがあるならともかく、普通は電車や車で通わなくてはなりませんし、営業時間がある場合はその時間内に行かなくてはいけません。ジムにずっと通い続けるというのは、なかなか大変なことです。 その点、ダンベルを使って自宅で筋トレをするというのは長く続きやすいスタイルです。空いた時間にすぐできますし、疲れているなら量を減らして短い時間で終わるのも自由。融通がきくので生活のなかに組み込みやすいのです。 マシーンのように場所を取らない ダンベルは収納しやすい器具で、部屋のスペースをほとんど占拠しません。重たいバーベルなどと違って片手で持てる重さなので持ち運びも簡単です。実はこれは意外に大事なメリットなのです。ウォーキングマシーンやサイクリングマシーン、あるいはマッサージチェアなど、大掛かりな健康器具を持っている場合は、意外に場所をとるということで困った経験があるかもしれません。 健康器具を使用する時間は、長くても一日1時間ぐらいですので、残りの23時間は邪魔になる可能性もあるのです。簡単に片付けられるダンベルはありがたい存在といえるのではないでしょうか。 ダンベルの種類と選び方 一言でダンベルといっても、種類もお値段もいろいろです。ダンベル選びの基礎知識を詳しくみていきましょう。 重さが変えられるものを選ぼう ダンベルを大きく二種類に分けるなら、重量を変えられるタイプと変えられないタイプ、ということになるでしょう。昔はダンベルといえば重量を変えられないのが普通でした。昔のドラマなどには、鋳鉄を成型した変えられないタイプの「鉄アレイ」と呼ばれるダンベルがよく出てきたものです。 重量を変えられるダンベルにはいろいろなものがありますが、主力はバーベルなどと同じように重りのプレートを交換できるタイプのものです。ダンベルを買うと重りプレートのセットも付属してきて、付け替えることで重さが変えられるわけです。他にもピンを抜き差しして重さを変えられるタイプなど、面白い製品が出ています。 重さを変えられるものと変えられないもの。どちらを選ぶべきかというと、断然、変えられるタイプです。というのは筋トレで要求される重さはトレーニングの種類によって違うからです。また、体調や自分の鍛え方によっても重さは変えてゆくべきもの。旧タイプの重さを変えられないダンベルでは柔軟な対応ができません。ですから昔の人は本格的に鍛えたいときは、ダンベルをいくつも買って持っていたものです。 いまは柔軟に重さを変えられる製品があるのですから、いくつも買ったりする必要はありません。多少高くても、重量可変タイプを1種類買うのがおすすめです。 ラバー付きのものを選ぼう もうひとつ、ダンベルを選ぶポイントとして「重りにラバーが巻いてあるかどうか」というのがあります。安めのダンベルは金属むき出しなことが多く、わざわざラバーを巻いたタイプは少し高くつきます。 ですが、できればラバー付きのものを選びましょう。というのはダンベルは相当な重さがあるので、丁寧に扱ったつもりでも簡単に床を傷つけてしまいます。ラバーがそれを防いでくれるので、家のメンテナンスという面で安心できます。 初心者にちょうどいいダンベルの重さは? 次は、ダンベルの重さの話。筋トレ初心者は、どのくらいの重さのものを選べばいいのでしょうか。 ちょうどいい重さは人や目的によって違う ダンベルの重さについては、「どんな人が、どんな目的で、どんなトレーニングをするために使うのか」ということから割り出す必要があります。いくつも条件があるなかで決めなくてはいけないのでなかなか悩ましいのですが、簡単に整理してみましょう。 まず、男性と女性で適当な重さは変わります。そして、筋トレ初心者か経験者かでも変わります。男性の経験者がいちばん重く、女性の初心者はいちばん軽いものを選ぶとよいでしょう。また、どのような目的で筋トレをするかによっても変わります。 一般的に言われていることは、回数がこなせない負荷の高い筋トレほど、速筋、すなわち瞬間的パワーを生む大きな筋肉が育ちやすい、ということです。 逆に、適度な回数繰り返せるようなトレーニングは、速筋だけでなく持久力を生む遅筋も鍛えられ、よりバランスのいい鍛え方になります。もし筋肉を増やしムキムキでパワフルになることを優先したいなら重たいダンベルを、よりバランスよく鍛えてゆきたいならやや軽めのダンベルを選ぶべきといえます。 そしてもちろん、トレーニング内容によっても適当な重さは違ってきます。と、こう考えてゆくと、ダンベルの重さは奥が深い問題でいちがいには正解が言えません。そこで、重量可変のダンベルがいい、ということになります。重さを変えながら、自分の身体に問いかけながらよい重さを追求できるからです。 男性の場合は10kgを基準に、女性ならその半分 上記の話をもとに、具体的に数字を挙げてゆきましょう。まず、成人男性が負荷の高い筋トレをする時に使いたいダンベルの重さは、20kg以上といわれています。ですがこれは相当がんばってやらなくてはならない筋トレで、自宅で定期的にやるならば、もう少し軽めがいいのではないでしょうか。 というわけで、重量可変式であることを前提として、10kgの重さを中心に据える感じが初心者にはいいと思います。もし軽めのトレーニングをしたいなら5kgに落とし、がんばって筋肉を大きくしたいなら15kg〜20kgにしてゆく感じがいいのではないでしょうか。もちろん自分のパワーにある程度自信があるなら、より重たい20kg標準ぐらいを使っていってもいいでしょう。 女性は男性の数字の半分ぐらいか、それより少し軽いもの、と考えるといいと思います。ひたすらムキムキになりたいという女性でなければ、2〜5kgぐらいのダンベルでバランスよく鍛えてゆくのがおすすめです。 初心者でもできるダンベルを使った筋トレメニュー では、ダンベルを使った筋肉トレーニングの中から、初心者でも簡単にトライできるものをいくつかピックアップしてみましたので、参考にしてみましょう。 大胸筋を鍛えるダンベルプレス 大胸筋を鍛えたくましい胸を作るなら欠かせない、といわれているのがダンベルプレス。仰向けになり、肩甲骨を寄せて、両肘が肩の真横に来るよう腕を広げ、肘から先を上に向けた状態でダンベルを持ちます。このときダンベルは横向きでなく、縦向きに持つと効果的。そこから両腕を伸ばしてダンベルを押し上げ、またゆっくりと肘が肩の真横に来るよう下ろします。これでワンセット。深く息を吸って吐きながら、ゆっくりと行うのがコツです。 注意点は2つ。ダンベルが腕の骨の上にまっすぐ乗っている状態から始め、それをキープすること。そして、上げて下ろすときダンベルが肩関節の真上からあまり大きく離れないようにしすること。つまり、余計な動きやひねりを加えず、腕だけでダンベルを上げ下ろしすることです。とくにダンベルが頭側に行ってしまわないよう注意しましょう。故障の原因になります。 大胸筋の内側と外側に効果があるダンベルフライ 大胸筋の、ダンベルプレスとは少し違う部分を鍛えられるのがダンベルフライ。プレス同様、仰向けに寝て肩甲骨を少し寄せた状態にします。そして両腕にダンベルを持ち、腕を真上に伸ばします。 そこからゆっくり腕を真横に開いてゆきます。なるべく腕を曲げず、できるだけ深い位置までダンベルを下ろし、また真上へ戻してゆきます。ダンベルが肩の真上に戻ったらワンセットです。このときより効果を高めるコツがあります。腕を上げきったとき、両方のダンベルをさらに寄せて上に突き上げるように動かしてみてください。この動きにより大胸筋の内側が完全に収縮するので、筋トレの効果がさらに増します。 背中の筋肉を鍛えるダンベルベントオーバーロー 次は背筋を鍛えるトレーニングです。まず、「ニーベントスタイル」という姿勢を取ります。立った状態から少しだけ中腰になり、膝がつま先より前に行かないようやや後ろ体重のままお尻を後ろに突き出します。そして顔はやや上を向き、胸を張り背中を少し反らします。前かがみでへっぴり腰の、一見微妙な姿勢ですが、これが背筋を鍛えるのにぴったりの基本姿勢なのです。 このニーベントスタイルでダンベルを両腕に持ち、肩と腕が直角になるよう腕を下ろします。そしてダンベルフライ同様、腕を曲げないまま、肩の真横に来るまで腕を開きつつ上げてゆきます。上げきったら、またゆっくり下ろします。背筋全体を強力に鍛えられる素晴らしいトレーニングです。 下半身も鍛えられるダンベルデッドリフト まず、足を肩幅ぐらいに開いた姿勢で立ちます。ダンベルは両足の前に置きます。次にしゃがんでダンベルを握り、身体の前にダンベルがある状態のまま立ち上がって、中腰の姿勢になります。そう、この中腰の姿勢は前項で解説した「ニーベントスタイル」です。背中を丸めず胸を張り、お尻を後ろに突き出した姿勢です。この姿勢がスタートとなります。 次に、ダンベルを持つ腕に力を入れずに全身の力で完全に立ち上がります。直立したら、今度はゆっくりとしゃがみ、ダンベルを地面に着くか着かないかぐらいまで下ろしてゆきます。そしてまたニーベントスタイルに戻ってワンセットです。 ポイントは、つねにニーベントスタイルに戻るのを意識することです。背中を丸めたり前重心になりすぎたりすると効果が激減します。 ダンベルを使った筋トレは狭いスペースでできる効果的なトレーニング ダンベルは手軽なトレーング器具ですが、これを使って行える筋トレは多彩で、また効果の高いものがたくさんあります。自宅で気軽に行えるトレーニングのパートナーとして、ぜひ有効活用してみてはいかがでしょうか。 RELATED POSTS 関連記事一覧 筋トレ効果が出始める期間を知ろう|筋トレの目的別効果も大公開 | 2020.04.06 人気の「ダンベルスクワット」で鍛えよう。正しいフォームや効果とは | 2020.04.06 男性用の白髪染め初めての方は必見|どこから見ても隙のない男へ | 2019.09.05