LPO(ランディングページ最適化)は、コンバージョン率の改善に役立つ施策の1つです。
この記事では、Webマーケティングを学んでいる方や、現在Web広告を運用している方向けに、LPO(ランディングページ最適化)の基礎知識から手順についてを分かりやすくまとめています。
「LPOって何?」「何から始めればいいの?」という疑問にお応えし、具体的な進め方やツールを紹介しているので、ぜひ効果改善に役立ててください!
LPO(ランディングページ最適化)とは?
LPOとは、「ランディングページ最適化」のことです。
「Landing Page Optimization」の頭文字をとり、「LPO」と呼ばれています。
LP(ランディングページ)とは、ユーザーがGoogle、Yahoo!の検索結果やSNS広告などから一番最初にたどり着くページのことで、流入してきたユーザーに対し、商品・サービスの購入や来店予約などのアクションへ誘導する役割を担っています。
売上アップや集客アップのために作られるLPですが、途中離脱が多くCVR(成約率)が低いままでは、Web広告の成果を上げることはできません。
そこで、LPのCVRを上げてWeb広告による収益を最大化する手法として、LPOが注目されるようになりました。
LPO(ランディングページ最適化)の目的
LPOは、LPを訪問したユーザーのニーズを満たし、途中離脱を防ぐことでCVRを高めることを目的としています。
LPOと同じ「最適化」と呼ばれる手法では、SEOやEFOを耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
どれもユーザーのニーズを満たしてWebでの収益を最大化するという最終目的は同じですが、改善する指標が異なるため、以下でそれぞれの違いについて解説していきます。
LPOとSEO・EFOの違い
◆ SEO(Search Engine Optimization)について
SEOは「検索エンジン最適化」と呼ばれ、想定したキーワードで検索された際に自社サイトが上位に掲載されるための施策です。
LPOがLPのCVRを高めることを目的としているのに対し、SEOはサイトへのアクセス数を高めることを目的としています。
◆ EFO(Entry Form Optimaization)について
EFOは「入力フォーム最適化」と呼ばれ、ユーザーがストレスなく入力できるようにフォームを整えることで、フォーム入力完了率の改善を目的としています。
LPは資料請求やセミナー参加予約などのフォームと一体化していることが多いため、EFOはLPOの手法の1つとも言えます。
LPO(ランディングページ最適化)の手順
LPOは「解析」と「改善施策の運用」を繰り返してPDCAをまわしていくのが基本のプロセスです。
ここからは、具体的なLPOの手順や、役立つツールについてご紹介します。
ステップ1:現状を把握し、課題点を見つける
具体的な施策の選定や運用に入る前に、まずは現在のLPの現状を把握し、どこに課題があるのかを見極めなければいけません。
LPの中でユーザーの興味関心が高い箇所はどこか、ユーザーが離脱している箇所はどこかを可視化できるツールとして、ヒートマップが有効です。
ヒートマップについて
ヒートマップは、LPに訪れたユーザーの行動履歴がサーモグラフィーのような色の濃淡で表れます。
閲覧が多い箇所は赤く、閲覧されない箇所は青くなっていくので、
ユーザーが
▫️どこを熟読しているのか
▫️どこにクリックが集中しているのか
▫️どこで離脱しているのか
を簡単に把握することができます。
ヒートマップの結果をもとに、想定外に読まれている箇所からユーザーのニーズを再確認したり、離脱が発生している箇所の文章や画像を再検討するなど、ユーザーの目線に立ち返ってLPを俯瞰的に確認していきましょう。
おすすめのヒートマップツール
以下、よく使われているヒートマップツールをご紹介します。
ヒートマップは初心者でも使いやすいツールなので、是非チェックしてみてください!
▷特徴
世界20万人以上の利用者数を誇り、国内利用者数No.1のPtengine。
スピーディーな施策運用には欠かせない簡単な操作性で、マーケティング初心者にも導入ハードルが低い点に定評があります。
▶︎料金
月額:4,980円(税抜)
・計測ヒートマップ枚数無制限/チャット、メールサポート など付帯
・14日間無料トライアルあり
※3000PVまでのサイト向けフリープランあり
※大規模サイトにも対応できる従量課金プランあり
▷特徴
熟読・離脱・クリック箇所を確認できる3つのヒートマップで、課題把握をしやすい点が特徴です。
解析結果を自動でキャプチャ保存する機能も搭載しており、ページ変更前後の比較にも役立ちます。
▶︎料金
月額:9,800円(税抜)をはじめ、組織規模別に5プラン
・計測ヒートマップ枚数無制限/メールサポート/導入前レクチャー/セミナー など付帯
※3000PVまでのサイト向けフリープランあり
ステップ2:仮説を立てて、施策を選定・実施する
LPのどこに課題があるかが見えてきたら、仮説を立てて改善施策を選定・運用していきましょう。
例えば以下のようなイメージです。
特定の場所で離脱が発生している。
<仮説例>
仮説①:離脱発生箇所の前でユーザーが求める情報を記載できていない、または、競合と比較し劣っているのではないか。仮説②:次のアクションへ誘導するCTA(Call to Action)ボタンの配置箇所やデザインが分かりにくいのではないか。
<改善施策例>
改善策①:ユーザーインタビューの追加など、コンテンツ内容の見直し。
改善策②:CTAボタンに「無料」というキーワードを追加、色を目立つ色へ修正。
ステップ3:施策の結果を検証する
改善施策を実施したら、重要なのは施策結果の検証です。
今回は、検証に有効な手法として代表的なA/Bテストについてご紹介します。
A/Bテストについて
A/Bテストは、Webマーケティングにおける検証手法の1つで、
名前の通りAパターンとBパターンを用意し、どちらの反応が良いかを検証するものです。
A/Bテストの導入には2点メリットがあります。
▫️CVR改善に繋がる
▫️計画的なリニューアルでコストを削減できる
それでは、2つのメリットについて、それぞれ確認していきましょう。
① CVR改善に繋がる
1つ目のメリットは「CVRの改善に繋がる」です。
LPにおけるA/Bテストは、異なる2つのLPを同期間に並走して運用し、どちらのLPがCVRが高いのかを検証します。
それぞれの施策結果がCVRとして数値化できるため、効果を得られやすい施策を定量的に選択できるようになります。
注意点としては、どこを変えたらどう変わったかを正しく検証するために、コンセプトから大幅に異なるLPを用意するのではなく、画像やコンテンツの順番・CTAボタンの位置やデザインなど、ポイントを絞った小規模なテストを複数回実施することです。
② 計画的なリニューアルでコストを削減できる
2つ目のメリットは、「計画的なリニューアルでコストを削減できる」です。
Webサイトの全面的なリニューアルには膨大な時間と、場合によっては数百万円単位のコストがかかります。
そのため、明確な計画なしに感覚だけで動きだすのはリスクが高くおすすめできません。
Web広告から収益をあげるためには、計画的かつ効率よくコストを活用する必要があります。
ですので、小規模なテストを繰り返すことで着実にデータを蓄積できるA/Bテストは、サイトリニューアルの意思決定において非常に重要な役割を担っています。
【事例】オバマ元大統領の活用で注目を集めたA/Bテスト
今や多くのWebマーケターが活用しているA/Bテストですが、元アメリカ大統領のオバマ氏が選挙戦で活用したことでも話題になりました。
FacebookやTwitterなどのSNSを積極的に活用していたオバマ氏は、受け皿となる自身の公式サイトづくりにおいて、A/Bテストを実施しています。
出典元:Optimizely, Obama’s $60 million dollar experiment
動画を含む6パターンのメインビジュアルと、文言を変えた4パターンの登録ボタン(上記参照)を組み合わせた計24パターンを用意し、それぞれの効果を測定しました。
出典元:Optimizely, Obama’s $60 million dollar experiment
その結果、家族写真のビジュアルと「LEARN MORE(もっと詳しく知る)」というボタンの組み合わせが最もCVRが高いことが分かり、最終的にはこのサイトで46億円の支援金を獲得し、大統領戦を勝ち抜いたと言われています。
ステップ4:検証結果をもとにPDCAを回す
LPOでは、得られた検証結果をもとに実際にWebサイトやLPを改善し、再度効果を検証していきます。
LPOは一朝一夕で効果が出るものではなく、PDCAを素早く回しながら中長期的に取り組む姿勢が必要です。
一時的なCVRの改善で満足することなく「LPの収益を最大化する為にできることはないか」を常に追求する根気強さも求められます。
※PDCA…Plan(仮説立て・施策選択)Do(施策実施)Check(結果検証)Action(対策)
まとめ
ここまでLPOの意味や目的から具体的な手順をお伝えしてきました。
ポイントをまとめると以下です。
- LPOは「ランディングページ最適化」の略で、LPのCVRを改善することで収益を最大化することを目的としています。
- LPOは、SEOやEFOと「収益の最大化のための施策」という本質は同じですが、着目する指標が異なります。
- LPOは、ヒートマップなどでの解析・A/Bテストなどを活用した効果検証の手順で進めます。
- LPOは短期的な施策ではなく、こまめな効果検証を行い中長期的にPDCAを回すことで実現できます。
いかがでしょうか?
Webマーケティングにはセンスが必要と思われがちですが、解析や検証を丁寧に行い、データをもとに根拠を立ててPDCAを回すことが、成果を出す近道です。
Webマーケティングのメソッドを総合的に学ぶことができるLPOに、ぜひチャレンジしてみてください!
コメント