MEO(地図検索エンジン最適化)は、Google Mapsを使用しているユーザーが検索を行った際、検索結果の上位に表示されることを目的としています。
MEOはSEO(検索エンジン最適化)と同じように対策することが可能で、来店型ビジネスをされる方からの注目度が高いマーケティング手法です。
この記事では、MEOの基礎知識から、具体的な対策方法について紹介します。
是非ご自身のビジネスに役立ててください!
MEO(地図検索エンジン最適化)とは?
MEOは、Map Engine Optimizationの略で「地図検索エンジン最適化」という意味です。
具体的には、自社の店舗情報を位置情報をはじめとする検索アルゴリズムに則って整えることで、Google Mapを活用するユーザーの検索結果で上位表示させ、結果的に集客に繋げることを目的とした施策になります。
「近くのラーメン」「近くの美容室」など、位置情報を活用した検索はスマートフォンの普及に伴い、2013年以降急激に増えており、MEO対策は実店舗を持つビジネスオーナーから注目を集めています。
MEOとSEOの違い
検索結果で上位に表示させるための手法として、SEO(検索エンジン最適化)が有名ですが、MEOとSEOには異なる点がいくつかあります。
目的の違い
SEOがWebサイトを上位表示させるための手法であるのに対し、MEOは後述する店舗のGoogleプロフィールをMap検索で上位表示させるための手法です。
例えば、「近くのラーメン」というキーワードで検索した際、東京と大阪で検索結果が異なる様に、MEOでは検索アルゴリズムに検索ユーザーの位置情報とGoogleプロフィール上の店舗情報が大きく影響するのが特徴です。
コストの違い
SEOの外注は月額10万円以上が相場で、サイト設計から依頼する場合は100万円ほどかかる場合があります。
一方、MEOで必要となるGoogleプロフィールは無料で利用ができ、専門業者に外注したとしても月数万円程度。ノウハウと時間があれば、コストをかけずに自力で対策することも可能です。
また、SEO対策では記事数を増やすなど地道な施策が必要で、成果が出始めるまで最低でも3~6ヶ月程かかります。MEOの場合は、対策から1週間前後で効果を実感できることもあり、費用対効果の高さも魅力の一つです。
費用 | 成果が出るまで | |
SEO(検索エンジン最適化) | 相場:月額10万円以上 サイト設計から依頼する場合は100万円ほど |
最低でも3~6ヶ月程 |
MEO(地図検索エンジン最適化) | 無料 専門業者に外注したとしても 月数万円程度 |
1週間前後 |
MEO対策のメリット
MEOとSEOの違いを理解いただいたうえで、実際にMEO対策によってどんなメリットがあるのかをご紹介します。
SEOよりも成果が出やすい
SEOの方がコストと手間もかかるため、得られるメリットが大きいのでは?と思われるかもしれませんが、MEOの方がユーザーの視認性を高められる場合もあります。
例えば、新宿で「近くのラーメン」と検索した場合、以下の様に地図情報が検索結果の上位に表示されます。
地図情報が自然検索結果よりも上位に表示されるため、SEO対策がされたWebサイトよりもユーザーの目に止まりやすい仕様になっています。
これは、Googleが「店舗情報を知りたい」という検索ユーザーの意図を判断し、マップ検索結果の上位を表示しているためです。
SEOの場合、同ビジネスの多くのWebサイトが競合になり得ますが、MEOの競合は同地域内に限られます。
SEOと比較しても競合が少ないため、対策次第では着実に来店数を増やすことが可能です。
来店に繋がりやすいユーザーへ訴求ができる
「近くの○○」や「特定の地域名×サービス名」で検索しているユーザーは、明確な目的を持って店舗検索をしており、来店に繋がる可能性が非常に高いです。
店舗検索をするユーザーの中には、「口コミを見たい」「店舗内の写真をみたい」「予約をしたい」「店舗までの経路を確認したい」など、ニーズは様々です。
正しくMEO対策をすることで、あらゆる検索ユーザーのニーズに応えられるため、結果的に来店に繋げやすくなります。
MEO対策のデメリット
メリットの多いMEO対策ですが、一方でデメリットも確認しておきましょう。
対策できるビジネスが限られる
MEOは、実店舗を持つ来店型ビジネスに向いています。そのため、Webサイトでコンバージョンを獲得するサービスには不向きです。
また、特に地域性の高いto Cのビジネスに効果的で、価格やサービス内容を重視されがちなto Bのビジネスの場合、SEO対策を重視した方が成果を得やすい場合があります。
自社サービスの特徴を踏まえたうえでMEOとSEOの優先順を見極め、施策を検討することが大切です。
口コミ対策が必要
Googleビジネスプロフィールに店舗情報を登録すると、ユーザーからネガティブな口コミをもらう場合があります。勿論良い口コミは集客に効果的ですが、ネガティブな口コミが続き評価が低いままでは、逆効果です。
MEO対策は接客等のサービスを総合的に高めていくことも必要なので、店舗全体で取り組むべき施策とも言えます。
MEO対策の流れ
ここからは、MEO対策の具体的な進め方をご紹介します。
ステップ1:Googleビジネスプロフィールの登録
Googleビジネスプロフィールは、既にGoogleアカウントを持っていれば、そのまま利用可能です。
だだ、店舗情報を管理するためのアカウントなので、新規アカウントを作成し、店舗スタッフで共有・運用することをおすすめします。
※Googleビジネスプロフィールはこちら
Googleビジネスプロフィールでは、以下の内容を登録していきます。
■ ビジネス名
■ カテゴリー選択
■ 住所
■ 店舗・オフィス所在地のマップ指定
■ 連絡先・Webサイト
ステップ2:NAP情報の統一
Googleビジネスプロフィールの登録では、店舗情報を正確かつ詳細に設定することが重要です。
特に、以下の3項目(NAP情報)はMEOだけでなくSEOにも大きく影響します。
■ N:Name (店舗名・ブランド名・会社名など)
■ A:Adress(住所・店舗所在地)
■ P:Phone(電話番号)
Googleは、Web上で取り上げられている情報が多い「知名度」の高いビジネスを上位表示します。情報量を増やすためにSNSで情報発信をするのも効果的ですが、発信する情報とビジネスプロフィールのNAP情報が統一されなければ、同一ビジネスとして認識されず、一向に評価を得られません。
■「株式会社」の位置や略称
■ 中黒(・)の有無
■ ハイフンの有無
■ アルファベットとカタカナ
■ 全角と半角
■ 数字と漢数字
などは、クローラーには判断ができないため、注意して入力しましょう。
ステップ3:カテゴリ設定
Googleビジネスプロフィール上で設定するカテゴリは、検索ユーザーに自社を見つけてもらうための最重要項目です。
ここでは、ビジネスの業種や業態を表す『メインカテゴリ』1つと『サブカテゴリ』を9つまで設定できます。
例えば『メインカテゴリ』で「レストラン」と設定し『サブカテゴリ』では「和食・中華料理・イタリアン」など、メニューの詳細を設定していきます。
Googleは検索キーワードとビジネスプロフィールの「関連度」も重視しているため、必ずしもサブカテゴリーを多く設定した方が良いというわけではなく、自社ビジネスにあった適切なカテゴリ設定が重要です。
ステップ4:各種機能の活用
先述の通り、検索ユーザーのニーズは多岐に渡るため、可能な限りビジネスプロフィー
ルを充実させ、網羅的に情報を提供する必要があります。
必須ではありませんが、検索ユーザーの注目度が高く、集客に結びつき易い機能を以下でご紹介します。
口コミ管理機能
口コミ管理機能は、ユーザーから投稿された口コミの確認や返信・削除依頼など、口コミを管理できる機能です。
デジタルマーケティング事業を展開するクロス・マーケティングの調査によると、ネットユーザーの約80%が口コミを見ているとの結果が出ています。
口コミは良くも悪くも集客に大きな影響を与えるので、自社に寄せられている口コミを把握し、適切に対処する必要があります。
参照:クロス・マーケティング「オンライン上の口コミ利用に関する実態調査」
Googleビジネスプロフィールでは、ユーザーから投稿された口コミへの返信や、ネガティブな口コミの削除依頼をすることも可能です。
ただし、口コミの削除はGoogleが提示するポリシーに反する場合が対象となります。
仮に自身の非を指摘するネガティブな口コミがあった場合は、感謝とともに謝罪し改善策を提示するなど、誠実な対応を心がけましょう。
写真管理機能
写真管理機能は、Googleビジネスプロフィールに写真や動画を追加できる機能です。
Googleビジネスプロフィールに写真を追加すると、Google検索結果やマップ情報に写真が掲載され、視認性を高めることができます。
「画像検索」はGoogleが2001年にサービス開始してから急激に進化を遂げており、「写真を見て雰囲気を知りたい」というユーザーのニーズは拡大中です。
店舗の外観・内装の写真や、人気メニューの写真は積極的に追加し、自社のビジネスプロフィールを充実させていきましょう。
ヘルプページでは、具体的な写真の構図や撮影ヒントが提供されているので、是非参考にしてみてください。Googleビジネスプロフィールヘルプ
予約管理機能
予約管理機能は、検索結果で表示される自社店舗情報に予約窓口リンクを設けることができる機能です。
予約管理を使用すれば、ユーザーは店舗情報を確認後そのまま予約まで完了することができ、満足度が高まります。
勿論、自社の店舗情報ページにユーザーを留められるため、来店の離脱防止にも役立ちます。
予約管理を使用するにあたり、以下2点は事前に確認しておきましょう。
① ビジネスプロフィールと連携している予約管理システムの利用が必要。(ぐるなび、Ozmall、アソビューなど)
② 現在は飲食・美容・レジャー・フィットネス業界の予約管理に限られる。
MEO対策のポイント
MEO対策で一番大切なのは、Googleビジネスプロフィールの情報を正しく入力し、最新情報を更新していくことです。
Googleは常に検索ユーザーにとってのメリットを重視しており、ユーザーの検索ニーズを満たしている情報を評価しています。
自社サービスの質を向上させることにも通じることですが、何よりも「ユーザー目線」で有益な情報を提供し続けることが大切です。
まとめ
ここまでMEOの意義や具体的な手順をお伝えしてきました。以下にポイントをまとめています。
■ MEOは「地図検索エンジン最適化」の略で、Google Mapを活用するユーザーの検索結果の上位に表示させることが目的です。
■ MEOは、SEOと比較して競合性が低く、低コストかつ短期間で成果が期待できます。
■ MEO対策には、Googleビジネスプロフィールの登録・活用が必須です。
■ Googleビジネスプロフィールは、あらゆる検索ニーズを満たせるよう意識して作成します。
■ MEO対策には、常に「ユーザー目線」でサービス向上と情報提供を心がけることが大切です。
いかがでしたでしょうか?
MEO対策は、手間をかける必要はあるものの、ノウハウがあれば比較的成果に繋がり易いマーケティング手法です。
ぜひご自身のビジネスに活かしてみてください!
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