【刑務官の仕事】そのやりがいと社会的役割について徹底解説します

【刑務官の仕事】そのやりがいと社会的役割について徹底解説します

2018.09.24

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辛いというイメージを持たれがちな刑務官の仕事

刑務官の生活は受刑者と暮らす毎日であり、実社会から隔絶されている閉鎖的な空間にいるため、実態が知られておらずあまりよいイメージを描きにくいところがあります。 元来口コミ自体はマイナスなものが多いのですが、刑務官の口コミ等を見てもあまりよい内容のものが見当たりません。やはり、受刑者と接していると辛いのではないかというイメージを抱く人が多いのでしょうか。 刑務官の仕事は、社会貢献ができるやりがいのある仕事なのです。しかも意外と知られていないのですが、刑務官は刑務官採用試験で採用されるれっきとした公務員なのです。 部屋

刑務官の仕事内容

まずは、刑務官が普段どのような仕事をしているのか見てみましょう。

刑務所や少年刑務所で作業の監督と指導を行う

刑務官は法務省に所属する国家公務員です。刑務所や少年刑務所、拘置所などで、受刑者が行う作業の監督や指導に当たります。 この作業は懲役刑を受けた者が行いますが、受刑者に規則正しい生活態度や責任感を身に着けさせ、社会復帰をするにあたり社会に参加する意義を理解させるために行っているものです。 刑務官は作業場まで受刑者を引率しますが、気の荒い受刑者同士のもめ事が発生することもあるので、その場合には制止して適切に指導します。作業場には凶器となり得る物品もありますので、しっかり監督することが必要になります。 受刑者の収容されている房の点検、健康状態のチェック、保安を確認するための巡回も行います。

受刑者のカウンセリング

受刑者をよい状態で社会復帰させることが目的なので、更生のため受刑者のカウンセリングの手助けも行います。また、受刑者の家庭での悩みや生活面での相談に乗ることもあります。 カウンセリングの際には、専門の人やボランティアなどと協力して飲酒・ギャンブル・薬物などの害についての講習や矯正教育を行うこともあります。

物品調達などの事務処理

施設の備品や機器の確認、物品調達などの事務処理も刑務官の仕事です。また、報告書の作成や郵便物の管理、各種証明書の手続きもあります。内勤業務として、庶務や会計を扱う事務専門の部署もあります。事務専門であっても、いざという時のために刑務官として訓練をひととおり終了しています。 ハート 割れ

刑務官の仕事での辛いこと

それでは、刑務官の仕事で大変なこととはなにかについて見ていきましょう。

上下関係が厳しい

警察・自衛隊と同じで刑務官の世界も軍隊式であり、職業柄上下関係に厳しいところがあります。また閉鎖的な社会で生活しているため、人間関係も通常よりも密接になりがちです。そのため上司・先輩との人間関係で悩む人が多いのです。 一度人間関係がこじれると、常に顔を合わせている環境に耐えられず退職してしまう人もおり、気の弱い人には向かない職場といえます。

ストレスの負荷が大きい

受刑者の監督や指導、矯正を行うということは、心ならずもきつい対応をしなければならないケースも出てきます。受刑者が規則を守らなかったり、もめ事を起こしたりする場合には毅然とした態度で臨まなくてはならず、時には反抗的な受刑者から非難を浴びることもあるでしょう。 そのほかにも、拘置所勤務の場合には死刑の執行手続きなど精神的に厳しい業務もあり、ストレスの負荷が大きい仕事といえます。死刑執行の場合は、3人の刑務官の誰が押したボタンが死刑執行につながったのかわからないようにしているようですが、やはりそのストレスは想像以上にきついものでしょう。

女性の場合は体力での不安もある

確かに女性の刑務官もいますが、男性に比べると人数は少ないのが現状です。粗暴な受刑者たちを相手にした仕事ですので体力面での不安があります。また、女性刑務所の場合、女性が多い職場に有りがちなあつれきが見られ、閉鎖的な環境のため人間関係など精神面でのプレッシャーがきつくなる傾向にあります。 女性刑務官の大半は女性刑務所に配属されていますが、男子刑務所にも若干名配属されています。警備上での身体的な問題もあるため、武道をやっているなど体育会系の女性がより適性があるといえるでしょう。 ハート

刑務官の仕事でのやりがい

マイナス面を先に解説しましたので、ここからはプラス面を解説します。

社会貢献ができる

受刑者を監督・指導することにより、受刑者が正しく社会復帰できる手助けをしているという自負心。この自分が社会のために働いているという実感が、肉体的にも精神的にもきつい刑務官の励みになっているといっても過言ではありません。 社会貢献ができる仕事であるというのが、刑務官の一番のやりがいでしょう。

自分にとって自信になる

受刑者の監督・指導をする反面、自分自身にも規律を重んじる生活を求められるため、時間厳守と自己管理の面で人より抜きんでるようになり、新しい仕事をする際にもその経験が大きな自信となります。 また、上下関係に厳しい中での生活は精神力の鍛錬にもなり、よりきつい仕事にも耐えられるようになるはずです。

待遇が良い

刑務官は一般の国家公務員よりも待遇面で恵まれており、通常より12%ほど高い給与が支払われます。平成30年4月30日現在、東京都特別区内に勤務する場合の初任給の例は、20万3,4000円となっています。 そのほかに各種手当(扶養手当、住居手当、通勤手当、期末・勤勉手当、超過勤務手当等)が支給されます。 勤務地は本人の希望を考慮して決定されていて、宿舎は勤務地の近隣に設けられており宿舎費は原則無料となっています。 1週当たりの勤務時間は38時間45分であり、週休2日制となっていて主として交代制勤務(昼間勤務と昼夜間勤務)に従事しています。 刑務官の階級は看守、看守部長、副看守長、看守長等となっており、順調に昇進した場合には、採用後おおむね14年で看守長に昇進できます。実力次第では、刑務所長等の上級幹部に昇任する道も開かれています。 スーツ 男性

大変な反面大きなやりがいもある刑務官

日本全国で刑務官は約17,500人勤務していますが、受刑者が大幅に減ることは期待できず、人員不足の施設があるなど環境的には厳しいものがあります。仕事自体もきつい仕事であるため精神的にタフさが求められます。 しかしながらその反面、受刑者に職業訓練指導をするなど社会に貢献しているという実感を得られ、他の国家公務員よりも待遇面で恵まれていて、ソーシャルワーカー的な側面を持っているのでやりがいを感じられる仕事です。 今後も刑務官の募集がなくなることはまずないので、安定性の高い社会的にも立派な仕事といえるでしょう。

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