カロリー制限によるタンパク質不足が危険 ダイエット中などの理由で、カロリーをおさえるため、お肉などのタンパク質を控えている人は多いでしょう。しかし、タンパク質不足は、心身のトラブルを引き起こす原因になります。 運動しても体力がつかなかったり、集中力が続かなかったりと、一見、食事とは関係なさそうなできごとが、タンパク質不足が原因の症状であることもあります。タンパク質不足のサインを見逃さないよう、栄養バランスが整った食事をとることが大切です。 ダイエット中のタンパク質不足の危険とは 人の体を作るために必要不可欠なタンパク質が、ダイエット中などで不足してしまうと、人の体にさまざまな悪影響が出てきます。タンパク質不足が原因となって起こる危険性とは、一体なんでしょうか。 タンパク質不足が招く体へのダメージ タンパク質は筋肉や臓器、遺伝子など、体の多くの役割を担っています。タンパク質不足により、体に必要なエネルギーが確保しづらくなると、体は筋肉を分解して必要なエネルギーを作り出します。また、タンパク質は筋肉を作る材料そのものなため、結果的に筋肉量の減少をまねきます。 肌のハリやツヤなどを維持するコラーゲンもまた、タンパク質から構成されています。髪の毛の大部分も「ケラチン」とよばれるタンパク質で構成されており、タンパク質不足は、肌や髪のトラブルもまねきやすくなります。 そして、神経伝達物質もタンパク質で作られているため、集中力や思考力の低下を防ぐためには、タンパク質の摂取が必要不可欠でしょう。 かえってダイエット効果を下げることも タンパク質が不足すると、筋肉量が減少するため基礎代謝が低下します。そのため、太りやすく痩せにくい体質になり、ダイエット効果を下げてしまう要因となります。 また、摂取した脂肪が消費されずに、内臓まわりに溜まる「メタボリックシンドローム」を引き起こす危険性も出てきます。ダイエット効果を上げるためには、筋肉の材料となるタンパク質をしっかり摂取し、基礎代謝を上げることがとても大切です。 正しい知識と高タンパク低カロリーの食事でダイエット成功を 肉類や魚などの動物性タンパク質は、大豆や穀類などの植物性タンパク質と比べると、アミノ酸の栄養素がバランスよく含まれていますが、高カロリーな食品が多いです。 しかし、植物性タンパク質は、人の体とアミノ酸の組成が違うため、摂取しても筋肉になりにくいデメリットがあります。良質な動物性タンパク質を低カロリーで摂取するためには、脂肪部分を取り除いたり、調理に油を使用しないなどの工夫が必要です。 ダイエットを成功させるためには、栄養についての正しい知識を習得し、高タンパクで低カロリーな、栄養バランスのよい食事を心がけることが大切です。 タンパク質の基礎知識 人の体の約60%は水分で出来ていますが、残りの約20%はタンパク質で出来ています。水分を除いた重量の約半分をタンパク質が占めるほど、体にとって重要な栄養素といえます。 三大栄養素の一つ タンパク質は、脂質、炭水化物(糖質)とともに、三大栄養素の一つに数えられています。人の筋肉や臓器、体内の調整に必要な栄養素で、体を動かすエネルギー源にもなっています。 主にアミノ酸によって構成されており、体内で分解と合成を繰り返しながら、体に必要なタンパク質へと再形成されます。 タンパク質は体を作る タンパク質は、20種類のアミノ酸から構成されており、筋肉や臓器、肌、髪、爪、そしてホルモンや免疫体など、さまざまな体の部分を作っており、栄養素の運搬も行っています。 髪や爪などの新しく作られるものだけでなく、筋肉や臓器などの古くなったものを分解して体外へ排泄する働きもあります。 カロリーの基礎知識 カロリー消費やカロリーセーブなど、ダイエットをおこなっていると、「カロリー」という言葉がよく出てきますが、実際はどういったものなのか知っている人は少ないでしょう。 カロリーはエネルギーの単位 カロリーとはエネルギーを表す単位です。1Lの水の温度を、1度上げるために必要なエネルギーが1kcalです。また、1mlの水の温度を、1度上げるために必要なエネルギーは1calです。 電化製品を動かすために電気エネルギーが必要なのと同じで、人も生きていくために食糧から得るエネルギーが必要です。 食べ物に含まれるカロリー 食べ物でカロリーを含むものは、「炭水化物」「たんぱく質」「脂肪」の3つだけであり、ビタミンやミネラルなどにはカロリーは含まれません。 代表的なもので、おにぎりは1個あたり約200kcal、ハンバーガーは1個あたり約360kcal、ラーメンは1杯あたり約850kcalです。 ダイエットとタンパク質とカロリーの関係 たんぱく質は1gあたり4kcalです。体重を1kg減らすために必要なカロリーは、7000kcalと言われており、運動で消費したり、食べることを我慢して7000kcalに達することで、減量することが可能となります。 しかし、1週間で1kg痩せたいからと、毎日1000kcalもの食事を我慢するのは不可能に近いでしょう。無理な食事制限をせず、運動で消費するほうが効率的といえます。 高タンパク低カロリーの食事のポイント 美しいスタイルを作るためには、体脂肪を落とすだけでなく、程よい筋肉をつけることも大切です。メリハリのある体を作るためにも、高タンパク質で低カロリーな食事をとることが大切でしょう。効果的なタンパク質のとり方や、そのポイントをみてみましょう。 低カロリーな肉類を摂取する 肉類には100gあたり約20gのタンパク質が含まれます。しかし、バラやサーロインなどの部位は、100gあたり約500kcalととても高カロリーのため、摂取する量を気にする必要があります。 鶏肉やヒレ、レバー、牛モモ、カタ、スジ、豚モモ、ボンレスハムなどは比較的低カロリーなため、高カロリーにならずにタンパク質をしっかり摂取することができるでしょう。 魚介から良質な脂質とタンパク質を摂取 魚介は肉類と同じ位のタンパク質を含みますが、脂質が肉類よりも少ないため、比較的低カロリーで高タンパク質な食品といえます。また、魚介の脂質には、EPAやDHAといった「不飽和脂肪酸」が多く含まれるため、コレステロールを減らす効果も期待できます。 桜エビ以外のエビも100gあたり約20gのタンパク質を含み、カロリーも100kcalに満たないため、同じく低カロリーで高タンパク質な食品といえます。魚介の脂質は肉の脂質よりも良質で、ダイエットにおすすめな食品といえるでしょう。 大豆から植物性タンパク質を摂る 植物性タンパク質の中では珍しく、大豆は必須アミノ酸をバランスよく含む高タンパク質で低糖質の食品です。また、大豆に含まれる植物性タンパク質は、コレステロールの心配がなく、食物繊維も豊富に含まれるため、ダイエットに効果的といえます。 大豆の脂質の約80%が「不飽和脂肪酸」であり、血液中の中性脂肪やコレステロール量を調節する働きもあります。 卵や乳製品からもタンパク質を摂る 卵や乳製品は高タンパク質ですが、卵1個約90kcal、牛乳1杯約140kcalと低カロリーな食品とは言い難いです。しかし、ダイエット中に不足しがちなビタミンやミネラルなどが豊富なため、とりすぎに注意しながら、バランスよく食事に取り入れるとよいでしょう。 たとえば、卵2個分のカロリーは、ごはん1杯分のカロリーとほぼ同じです。ごはんやパンなどには炭水化物以外の栄養素はあまり含まれていないため、1食分の卵とごはんを置き換えてみるのもよいでしょう。 しかし、炭水化物も健康に必要不可欠な栄養素のため、減らしすぎないよう、バランスをみながら食生活を変えることが大切です。 高タンパク低カロリーでバランスの良い食事を心がけよう タンパク質の効能をみてきましたが、高タンパク質で低カロリーな食事は、健康増進や、ダイエットなどに適した食事といえるでしょう。 自分のライフスタイルに合わせた、バランスの良い食生活を心がけ、食べることも楽しみながら、理想のスタイルと健康な体をぜひ手に入れましょう。 RELATED POSTS 関連記事一覧 筋トレ効果が出始める期間を知ろう|筋トレの目的別効果も大公開 | 2020.04.06 人気の「ダンベルスクワット」で鍛えよう。正しいフォームや効果とは | 2020.04.06 男性用の白髪染め初めての方は必見|どこから見ても隙のない男へ | 2019.09.05