なぜ自転車のタイヤに空気が入らないのか
自転車のタイヤに空気が入らないということは「パンク」と考えがちですが、原因はパンクばかりではないのです。自転車を交通手段としているものとしては、タイヤに空気が入らなければ移動できません。なぜ、自転車のタイヤに空気が入らないのか、まずは原因から理解しましょう。
空気が抜ける原因とは
自転車のタイヤの空気が抜けてしまう原因として代表的な状態がパンクです。しかしパンク以外にも色々なことが理由で空気が抜けてしまうこともあります。バルブ、虫ゴムなどもかかわってくるのです。
バルブの緩みが原因
タイヤの空気が抜けている感じがあったり、空気入れで空気を入れても入らないと思う時には、まずバルブを確認してみましょう。タイヤに空気を入れる部分がバルブですが、この部分が少し緩んだだけでも空気が抜けていきます。
タイヤの調子がおかしい時や減っていくと感じる時に思い浮かぶ理由として、代表的な原因はパンクですが、このバルブが緩んだことが要因となってタイヤの空気が抜けることもあります。パンク修理の前にバルブのゆるみがないか確認すべきです。
虫ゴムの劣化が原因
自転車に虫ゴムなんて部分があるのかと思う方も多いでしょう。虫ゴムというのは自転車のタイヤの空気を入れる所、注入口の金具についているゴム部分のことです。これは自転車の部品の中で消耗品となるので、定期的に交換する必要があります。
空気入れでタイヤに空気を入れる際、虫ゴム部分に空気入れの先を入れて空気を注入するので、この部分が劣化していると空気が入らないのです。虫ゴムは自転車の種類によって形が違うこともあるので確認が必要になります。
虫ゴムは逆止弁で入れた空気が外部に漏れないようにしてくれる働きを持っている消耗品です。タイヤに空気を入れたい時、空気入れの先が入ったときに開く便となっている仕組みなのでこの部分が劣化すると空気が漏れる原因となります。
パンクが原因
バルブを確認してもおかしくない、虫ゴムも劣化していないようだ、しかし空気が入らない、抜けるという場合には、パンクが原因でしょう。自転車のタイヤ修理を自分でしたことがない人は、最初にパンクを疑ってしまうのですが、実はパンクが原因ではなかったということが結構あるのです。
最初にバルブ、次に虫ゴムを確認、異常がない場合にパンクと考える、この順序を覚えておくといいでしょう。
空気を上手く入れる方法とは
自転車を常に使っているとタイヤに空気を入れる作業は多くなり、慣れてきてちょうどいい空気圧で入れることができます。でも入れ慣れていないと、パンパンになるまで入れてしまい、それがパンクのもとになったり、部品の劣化につながることもあるのです。空気を上手く入れる方法を知ると、タイヤの調子もよくなります。
バルブ別の空気の入れ方
タイヤの空気の入れ方はバルブの種類によって違うので、その方法をそれぞれ覚えておくと安心です。通勤にママチャリからクロスバイクなどに変えようかなと思っているサラリーマンも多いと思います。クロスバイクなどのプロも利用する自転車はバルブの形状が変わるので、英式についても、また米式・仏式に関しても空気の入れ方を覚えておくほうがいいでしょう。
英式の空気の入れ方
英式バルブは一般的にママチャリや学生さん用の通学自転車、街でお買い物などによく使われている自転車に利用されています。クロスバイクやマウンテンバイクなどの特殊な自転車以外は、英式・仏式バルブです。
この英式バルブ、実は車いすにも利用されているので、介護されている方にとっても修理する際に理解しておくべきバルブといえます。
英式クリップは洗濯場ばさみのような形状をしているアダプターで、見たことがあるという人も多いでしょう。よくトンボロともいわれています。クリップが突き出たような形をしているので、そこを口に押し込んでロックレバーでロック、しっかり固定されます。
バルブキャップを外してから自転車のバルブのトップナットにクリップをはさみます。これでポンピングすれば空気が入ります。
米式の空気の入れ方
クロスバイク、マウンテンバイクに利用されている事が多い米式バルブは、車、バイクなどでも利用されているので、覚えておくと非常に便利です。
米式アダプターはが突起があり、突部分がタイヤのバルブを押し下げることで便が開く方式です。空気を抜いた状態だとうまくバルブの位置が定まらないのでタイヤのチューブを押し上げるようにしましょう。
タイヤの外側をつかむようにしてからバルブをリムの方向にぐっと押し付けてチャック部分を取り付けます。しっかり奥まで差し込んでからロックレバーを固定、ロックしたら手を放してもはずれないはずです。
こうしたクロスバイクなどは指定空気圧がタイヤに書かれている事が多いです。指定された部分までゲージを読み空気を入れると空気が漏れたような音がしますが、空気は漏れていないので安心してください。これでバルブ部分がまっすぐになっていれば完了です。
仏式の空気の入れ方
スポーツバイクに利用されている事が多い仏式は、仏式アダプタを利用しないと空気を入れることができません。バルブの先端についているゴムを取ってからバルブ先端部分を指でつまみ緩めます。空気を入れる前にバブルの先端を少し押して軽く空気を抜いてから作業すると空気を入れやすくなるのです。
バルブ先端が柔らかくなっているので非常に曲がりやすいです。ポンプヘッドはまっすぐに差し込みます。片手でタイヤを支えるようにして行うとうまく入るでしょう。入ったらポンプヘッドをロック、これでポンピングして空気を入れます。
仏式の特徴としてはプロが利用するロードバイクなどに利用されている事が多いので、バルブそのものが細かく、また高空気圧に耐えられる設計となっています。プロ仕様なのであまり利用する機会はないと思いますが、ちょっと知識として持っておくといいでしょう。
空気入れの注意点
どのタイプのバルブでも空気を入れる時に注意すべき点があります。空気を入れる前に注意点を理解しておくと、今までよりもずっと空気入れが楽になりますし、効率よく空気を入れることができるでしょう。
タイヤの空気を上手く入れることができないという人を見ていると、ポンプを最後までしっかり押しきれていない様子が見られます。ポンプのハンドルを大きく引き伸ばし、そこから最後までしっかり押し切ることで空気が効率よくしっかり入るのです。最後は固くなりますが、そこを頑張ってもうひと踏ん張り押し下げてみると沢山の空気が入ります。
また空気を入れる頻度も自転車の種類によって違うので、その違いを理解し適切な時期に空気を入れることが必要です。シティサイクル、いわゆるママチャリは2週間に1度、マウンテンバイクも同様です。ロードバイクやクロスバイクはさらにスパンが短く、1週間に1度入れるようにしましょう。
自転車の保管環境は
自転車の保管場所も自転車本体の劣化、またタイヤの劣化・空気抜けを防ぐために重要な要素です。毎日乗るから外に放置という人もいますが、それでは劣化が早くなります。長く快適に乗れるように、保管場所についても考えておくべきです。
室内保管方法
通勤で利用している自転車も非常に高級なものを利用されている方が多くなっています。人気の高級自転車は軽くいい材質が利用されているので、盗みやすく、ロック錠をしていても切られて被害にあった方もいるのです。室内保管することでこうした盗難被害から守ることができます。
クロスバイクやロードバイクはカスタマイズする事が楽しいという人も多いです。室内保管ならいつでも整備点検、カスタマイズ可能です。またきれいに整備した自転車を壁に飾るなどもできます。
自転車専用の壁掛フックを利用して壁に飾ってもいいですし、自転車スタンドなどもあるので省スペースで保管可能です。天井に梁があるお宅なら梁に天井フックを取付けて自転車をぶら下げるように保管する事もできます。
屋外保管方法
屋外にやむなく保管するしかないという人も、工夫次第で傷、汚れを防止することができるのです。駐輪場などに置く場合、下がきれいに整地されていればいいのですが、アスファルト舗装されてない所もあります。
その場合、すのこを駐輪場の自分のスペースにおいてその上に自転車を保管すれば汚れることが少なくなるでしょう。できればタイヤのことも考慮し、直射日光に当たらないよう、カバーなどをかけようにしましょう。
屋外に置くのはいや、でも室内に置くスペースがないという時には玄関出の保管も考えてみます。ハンドルが邪魔になるので前輪を外しハンドルをきった状態にしてメンテナンススタンドなどを利用しかけておくときれいに省スペースで保管可能です。ハンドルを壁に沿っておくことができればそれほどスペースを取りません。
自分の自転車にあった空気入れをしましょう
自転車の空気を入れるという作業は学生さんも通勤に自転車を利用しているサラリーマンも頻繁に行うことだと思います。しかし自転車にあった空気入れをしないとタイヤや部品が傷むことにもなるのです。自転車の種類による正しい空気の入れ方を理解し、定期的に空気を入れることでタイヤはいい状態を保てます。
自分が乗っている自転車が長く愛用できる自転車となるように、保管方法に関してもしっかり考えるべきでしょう。