FXにおけるロスカットの仕組みとは?大損しないための対策紹介

FXにおけるロスカットの仕組みとは?大損しないための対策紹介

2019.02.01

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FXはロスカットで損失拡大を防いでいる

FXには、特有のシステムであるロスカットといわれる、仕組みが存在しています。これは、投資目的のFXトレーダーたちに対して、大幅な損失を与えない為のシステムで、FX取引きにロスカットを投入する事で損失拡大を防いでいるものです。

FXでのロスカットとは

FX取引きも、常に為替の値動きで、利益を得る事もできますが、逆に損失となる事もあり得ます。例えば、下げ止まるとにらんでいた相場も、そのまま下がってしまえば、大きな損失をこうむる事になり、ロスカットのシステムは大損をしない為の仕組みと言えます。

FX取引きのルールでは、実際の取引きを行うトレーダーたちの証拠金をベースに、為替の取引きを行います。この証拠金は、いわば運用資金となるもので、あらかじめFX取引き所に証拠金として預けておくものです。つまり、この証拠金が無くなってしまえば、取引不可能を意味するもので、それを回避する為のシステムが強制ロスカットというシステムです。

このロスカットのシステムが無ければ、負けが込んで来た場合、次々と負債を抱え込むことになりますので、FXのトレーダーたちにとっても、大切な救済システムになっているわけです。

FX取引所が決めた資産保護のルール

FX取引きを行う方すべてが御承知の通り、FXは元本保証のない投資方法です。つまり、FXは常に元本割れを起こすリスクがある資産運用で、運用次第では資金をすべて無くしてしまうといった可能性があります。つまり、負け続けていれば、負債は膨らむ一方ですので、そうした資産保護のシステムとして活用されているわけです。

ロスカットは、一定の額が失われてしまった場合、強制的に行われるものですが、業者によってその対応は異なっています。したがって、ロスカットでは、FX取引き所が決めたルールが満たされると、自動で全ての未決済ポジションを済ませてしまうシステムという事になります。

ロスカットの発動は証拠金の維持率で決まる

ロスカットは、FX取引きを行う投資家にとって救済措置と言えるものですが、FX取引き所においてもそうした損失分を補うリスクを回避するものとなっています。FX取引きにおいては、取引きを行う際に取引き所一定額を入金しますが、これが証拠金となるものです。

つまり証拠金とは、取引をする際に必要となる最小の資金の事で、レバレッジが高い程証拠金は少なくて済みますが、それだけロスカットされる危険性も高くなるという事になります。ロスカットは、証拠金維持率で行われるもので、証拠金維持率の計算式は次のような数式で計算する事ができます。

(純資産額-注文証拠金)÷ポジション必要証拠金×100 =証拠金維持率

ただし、取引き業者によって、ロスカットの発動の比率は異なります。

ロスカットの発生前に警告が届く

ロスカットの発生タイミングは、あらかじめ設定されているロスカットレベルによって行われますが、取引所によっての対応は異なっています。基本的に、ロスカットは証拠金の維持率が一定以上下がると、警告をするシステムがあり、を取引きの専用口座に資金を追加すると、警告は消えるようになっています。

ロスカットは、利用者にとって、大きな損失を発生させない為の救済措置と言えるものですが、いったんロスカットが発生してしまえば、証拠金の大部分が失われてしまいます。

ロスカットで手数料の発生

ロスカットの発生による、手数料の発生についてですが、基本的にはロスカットが発生した事によって、手数料を取られるような事はありません。しかし、一部では手数料が発生するような取引所も存在しており、GMOクリック証券の場合は、手数料として500円が徴収されるようです。

FXには、株式のようにに幅いっぱいまで取引可能なストップ高や、ストップ安などといったシステムが存在しません。そして、FXにはレバレッジによって、大きく儲かるシステムがありますが、逆に損をする事もあり、ロスカットはそうした大損を防いでくれるものなのです。

取引所によるロスカット条件の違い

ロスカットは、FX投資家に対して、それ以上大きな損益を与えない為の救済措置であり、FX取引き所に関しても資金を回収できないといったリスクを軽減するものになっています。ここで、ご紹介するFX取引き業者3社ですが、これまで解説した通り、ロスカットのレベルがどのように会社によってことなるのか、その条件を簡単な表でまとめてみましょう。       

(純資産額-注文証拠金)÷ポジション必要証拠金×100 =証拠金維持率
FX会社ロスカット発生レベルポジション 最大レバレッジ
ヒロセ通商100%未満古いものから順に約定が決済される25倍
DMMFX 50%未満一度で全ての約定の注文が決済される 25倍
FBS20%未満新規及び出金予約は全て取り消し処理2000倍

ヒロセ通商なら証拠金維持率100%未満

ヒロセ通商の実質的ロスカットシステムでは、ロスカット発生レベルは有効比率、つまり証拠金維持率が100%未満となった時点で、ロスカットの対象となっています。このロスカットは、投資家たちの持つ証拠金に応じて、予想以上に大きな損失が見込まれる際に行われるものです。

具体的には、ロスカットの判定は、常に行われており判定そのものは、1秒から10秒単位で行われています。ヒロセ通商の場合は、証拠金維持率が100%未満となった時点で、ロスカットの対象となりますのでこの場合は、ポジションが古いものから決済される事になりますので、すべてのタイミングが一定というわけではありません。

DMMFXは50%以下でロスカット

DMMFXの場合は、ロスカット発生レベルは、50%未満でロスカットの判定が行われます。ただし、ポジションが古いものから決済されるわけではなく、ロスカットが発生した場合、全ての約定の注文は消えて、未決済のポジションが自動で確定されるといったシステムを取っています。

また、毎営業日のマーケットクローズ時点で、証拠金維持率を判定していますので、例えば100%を下回り、抑営業日の04時59分までに追加の証拠金がないと、マージンカットもされますので気をつけておかなければなりません。

FBSのロスカット条件は20%

FBSのロスカット条件は、全てのFBS口座において、証拠金維持率が20%未満になった時点で、強制ロスカットが発生します。また、マージンコールは40%となっていますが、このマージンコールとは、私たちがFX業者に預け入れしている証拠金が、現在の含み損を差し引いてマイナスになった場合、証拠金の追加を促す合図ともなる警告の事をいいます。

初心者の方に注意して欲しいのは、有効証拠金の全額を必要証拠金として、ポジションを保有された場合で、この場合は新規で約定を確定させた直後にロスカットが発生する場合があります。また、FBSの場合は、ロスカットに際してのゼロカット対応を実施している為、口座残高がマイナスとなってしまっても、追加証拠金は発生しないというメリットがあります。

ロスカットがあっても大損のリスク

FXにおけるレバレッジは、少ない投資額で大きな投資を可能にしたもので、成功すれば投資額の何倍もの利益を手にする事ができます。しかしその一方で、失敗してしまえば、投資額の何倍もの損益が出てしまいますので損をしない為のシステムが、ロスカットと呼ばれるシステムです。

過度なレバレッジをかけてしまうとプラスに転じた時は良いのですが、逆にマイナスに転じてしまった場合、レバレッジの倍数が高ければ高いほど、ロスカットによる取引き停止の危険性が大きくなっていきます。

FXの約定にはタイムラグがある

まず、FX取引きをやり始めたばかりの方には、非常に分かりづらいものですが、FXの取引所はあくまで FX取引きにおける仲介を行っている会社という事です。約定について説明しますと、約定はFX取引きの現場で、あなたのだされた貝あるいは売り注文が成立したことを意味しています。

つまり、注文した時点では、売買は成立しているわけでは無く、売買が成立した時点で初めて約定も成立するものです。FX業者によっては、この約定力の違いによってタイムラグがあり、注文が殺到すると約定するまでに時間がかかるといった事も、十分考慮しておかなければなりません。

約定が間に合わないと追加入金

前述の通り、レバレッジは大きく富を増やしてくれる半面、逆に大きな損失を生み出してしまう可能性があるもろ刃の剣です。つまり、レバレッジは、倍数が大きくなればなる程そのリスクも増え、レバレッジをあまりかけ過ぎてしまえば、当然損失も大きくなりやすい事になります。

FX取引きを始めたばかりの方で、失敗しやすいのがこうしたレバレッジをかけ過ぎた事による短絡的なミスで、実際に莫大な借金を背負うはめになった人もいますので、過度なレバレッジは身を滅ぼしてしまいます。

過度な投資による損失は自己破産を妨げる

投資そのものは、所有している資産を効率的に増やしていく為にも、非常に有効な手立てとなります。特にFXの場合は、少額の資金から始められますので、初めて投資を行う方にとっても、比較的ハードルがが低い投資方法と言えるでしょう。しかし、あまり無茶な投資によって借金を背負ってしまう可能性もあります。

実際にFXの為に借金をしていた場合、免責不許可事由が適用され、自己破産ができなくなりますので注意が必要です。自己破産は、すべての借金を棒引きにしてくれるものですが、裁判所が射幸行為による借金と評価される事で、自己破産が認められない事によるものです。

ロスカットが起きやすいタイミング

ロスカットそのものは、FXトレーダーが相場を読み間違えてしまい、注文した約定とは反対方向に値動きが動いてしまう状況で、思いのほかその損失が大きくなってしまった場合に起こるものです。また、レバレッジをかけ過ぎてしまう事で、さらにレバレッジの倍数に応じて、ロスカットによる危険率が高くなるという事になります。

FX初心者が気をつけておく事は、レバレッジをあまりかけ過ぎない事、また資金額のすべてを取引きに使用しない事で、ロスカットを回避しやすくなります。

その他にもロスカットが起きやすいタイミングがありますので紹介していきます。

定期的な経済指標の発表後

ロスカットの危険性は、相場の動向によっても、かなり左右される部分があり、急激な価格の変動は、FXの投資家たちにプラスの影響よりも、マイナスの影響を与えてしまう事が多いものです。こうした、相場の変動が起こりやすい状況は、定期的な経済指標の発表後などにも起こり得るものです。

具体的に言えば、ニュースなどで発表される各国の雇用統計や、業種別の経済指標、そしてGDPの発表後などは特に相場が変わりやすいといえます。FXトレーダーたちが、常に経済ニュースの動向を把握するのは、こうした状況を見過ごさない為のものだったのです。

休日明けの月曜日の取引開始時

為替相場が大きく動く状況は、休日明けの月曜日の取引開始時にも、多く現れるケースもあります。その理由としては、FXの市場には個人のトレーダーたちが、参加できないといった時間帯がある事をご存じでしょうか。

この時間帯では、個人投資家たちは参入する事が出来ませんので、そこでヘッジファンドなどが仕掛けると、取引開始時に相場が急変して、ロスカットの危険性が高くなるというものです。対応策としては、前日までにすべてのポジションを、決裁しておく事でこうした危険を未然に防ぐ事が可能です。

政府の為替介入の対応

すでにFX取引きが身についている方なら、2015年のスイスフランショックはまだ、記憶に新しいのではないでしょうか。このスイスフランショックとは、同年の1月15日に起こった外国為替市場の、世界的な大混乱の事を言います。

この事件は、スイスの中央銀行である、国立銀行の政策変更によって引き起こされたもので、ギリシャの財政問題に端を発したものでした。そこで、ユーロ売り・スイスフラン買いが進み、急激な値動きに危機感を抱いたスイス国立銀行は、スイスフランのレートを一定以上高くしないと取り決めたのです。

つまり、スイスが無制限に通貨を発行し始めた為、投資家たちの買いスイス銀行の売りといったレンジ相場が確定し、ついにはスイス中央銀行が介入を取りやめてしまいスイスフランは暴落、市場が大混乱に陥ったわけです。

選挙の結果が確定したとき

政治の動向などは、政局に影響されやすいものでそうした政権交代が起こった場合やねじれ国会が発生する議員の割合になったなど、大きく相場が変動する事があります。

その背景には、政策の変更といったものがあり、将来の政策に決定的な影響が出る時などにも、急変する事が多いものです。

戦争や企業の倒産が起きた瞬間

様々な政情の動きや、経済によるダメージなどには、為替相場が大きく変動すていく傾向にあります。まだまだ、私たちの記憶に新しい9.11アメリカ同時多発テロですが、そのほかにも戦争の勃発や大企業の倒産など、こうした際にも為替の大きな変動が起こりやすい状況となります。

これは、時代の移り変わりによって、どんなに世の中が移り変わろうとも不変で、世界情勢が不安定になると、安定した通貨への注文が増えてしまう為、どうしても相場が急変してしまうといった背景があるのです。

FXでロスカットを回避する4つの対策

FX投資家として大切な資産を守っていく為に、ロスカットはぜひ回避しておきたいものです。なぜなら、ロスカットは資産がゼロになる危険性を回避するものですが、いったんロスカットが行われてしまえば、資産の半分以上が失われてしまう可能性が高いからです。

ロスカットが行わなければ、市場の反発で儲けが出たのに、と考えるのはあくまでも結果論で、ロスカットといった状況を回避しなければ、何も始まりません。そこで未然にロスカットを防ぐ為の、考えられる四つの対策を掲げてみましょう。

証拠金に余裕のある状態で取引

FXを始められたばかりの方に、よく見られる傾向ですが、あまりに目先の儲けに欲を出してしまい、証拠金すべてをFX取引きに充ててしまうという事です。ロスカットは、証拠金の額の割合に、応じて行われるもので、資金の残高が少なくなってしまえば、それだけロスカットの危険性が増してきます。

つまり逆に言えば、証拠金に余裕があれば、瞬間的な値動きによる損失を防げますので、それだけ余裕のある状態で取引きが行える事になります。これは、レバレッジに関係なく、証拠金ギリギリの資産での取引を避けるといった意味でもあるのです。

損切りラインを決めてリスクコントロール

まず、FXを始めたばかりの方であれば、自分の資金をよく把握し、余裕をもった取引きを行う事を心がけてきます。具体的には、まず自己資金を見て、どのくらいまでがロスカットラインであるのかを、把握しておく必要があるという事です。

安全な方法として、初心者にお薦めしたいのは、ロスカットラインより上に、事前に損切りの注文を出しておくという事です。また、損切りラインに関しては、ご自分の投資スタイルで決めていきましょう。具体的には、スキャルピングなら小さめで行い、スイングトレードなら大きめで行うという事です。

急変しそうなときはポジションを減らす

ニュースや経済新聞などを常に読んでいても、あまりにも不安材料が多すぎて、対応できないといった事も、初心者にはよくある状況です。こうした、経済指標の発表前や週末など、先行きが予想できそうにない時などは、無理にポジションを持つ必要がありません。

FX取引きは、24時間のほとんどで、取引きが可能となっていますので、無理してポジションを持つ必要がないです。特に初心者には、チャートの流れが把握しにくいといった事もありますので、こうした相場が急変しそうだと感じた時は、ポジションを減らしトレンドがハッキリしてからエントリーした方が、利益を得やすいという事が言えます。

ロスカットの保証ありの取引所を使う

ロスカットを防ぐ手立てに、海外の取引所を使うといった方法もあります。海外の取引き所では、ロスカットによる追加証拠金を、取引所が補填してくれるシステムがあり、これらゼロカットと呼ばれるシステムです。ただし、ゼロカットのタイミングは、入金時であったり自動の場合もありますので、しっかりと確認しておきましょう。

FXの損失はロスカット前に確定

ロスカットは、FX投資家たちにとって、救済措置となるものですが、実際にロスカットが起こってしまえば、簡単に持ち資金が半減以下になってしまう可能性もあります。そこで賢い選択として、FXの損失は事前に、ロスカット前に確定させておきましょう。

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