変化をし続ける軽自動車
軽自動車は、自動車税も安く、造りも比較的質素で燃費が良く、維持費も普通乗用車と比べてみても、余りかからないという利点があります。しかし、現在のワゴンRを見るように、一見しても普通乗用車とは変わらず、車内もかなり広々としています。軽自動車の中でも、絶大の人気のワゴンRは、変化をし続ける軽自動車としても人気の車種です。
スズキのワゴンRの特徴
ワゴンRは、モータースポーツメーカーでも知られるスズキが独自に開発した軽自動車で、生産と販売を手掛ける軽トールワゴンの車となっています。初めてこのワゴンRが発売されたのは、1993年のことで、これまでの軽自動車といえば、車高が低く室内が極端に狭い車でした。
当時はまだ、軽自動車の普及には遠く及ばず、軽自動車の代名詞といえば商用車タイプのワンボックスモデルだったのです。しかし、初代ワゴンRは、軽自動車のネックとなっていたこの狭さを克服し、機能性を充実させた事で、のちのワゴンR全盛期を作り上げるきっかけとなったのです。
新型6代目は選べる3デザイン
初代のワゴンRが発売されてから、早25年ともなりますがその血統は生き続けており、現在では6代目を数えるまでになりました。新型6代目の特徴として、ユーザーのニーズに応じて大きく分けた3タイプから、デザインを選べるというのもかなりの高評価を得ています。
新型ワゴンRは、基本的にはFAとハイブリットFXのチョイスとなりますが、もちろん値段的にも大きな価格差があります。FF車である4WD車も、標準車としてラインナップに加わっていますので、その力強い走りはワゴンRユーザーをきっと満足させることでしょう。新型ワゴンRの、外観を大まかに言えば、FAとハイブリッドFXは、四角いイメージのフロントデザインとなっているのがその特徴です。
スポーティーなハイブリットFZ
新型ワゴンRの、上位版ともいえるハイブリットFZの外観は、二段に分かれたヘッドライトが特徴となっており、よりスポーティーなフロントマスクが取り付けられています。ターボとまでは行きませんが、省エネとアシスト機能がありますので、パワー不足を十分に補う事ができます。
目立った特徴としては、クリープ走行時などに最長10秒の電動走行が、可能なマイルドハイブリッド機構を搭載しているところでしょう。また従来タイプよりも、20キロという軽量化も成功した事で、これまでよりもさらに燃費が良くなった事も、ワゴンRユーザーたちには朗報と言えるでしょう
存在感の強いワゴンRスティングレー
2017年に、新たにリニューアルされたワゴンRですが、このワゴンRの上位モデルがワゴンRスティングレーと呼ばれる車種です。まさにワゴンRの高級版とも呼べる車で、メッキ加飾とブラックパール塗装のフロントグリルは、かなり高級感が漂ってきます。
また、縦型のLEDヘッドライトで、夜間などは非常に迫力満点となり、さらにその存在感は高まっています。また、軽自動車で初となる、ヘッドアップティスプレイも搭載され、デュアルセンサーブレーキサポートによって、車の苦手な方でも楽に使いこなす事ができます。
新しいアイドリングストップシステム
世界的な環境問題が提起され、世界のあらゆる化石燃料で動く乗り物などはすべてその対象となりました。さらには資源保護の影響で、エコロジーが推奨され、現在ではリサイクルが主眼とおかれるようになったのです。車を業界もこうした影響を受け、各企業も努力を積み重ねた結果の一つが、このアイドリングストップシステムなのです。
ワゴンRでは、新しいアイドリングストップシステムが開発され、効率良くエンジンを切る事で低燃費に繋がるとしています。このシステムは、ある程度速度がゆるんだ時に発動するもので、停車時には完全にエンジンが切れ、アクセルを軽く踏みこむ事で、再度自動的にエンジンがかかるものです。
ワゴンRの主なスペック
現在でも、国内の軽自動車の世界では、不動の人気を誇っているワゴンRですが、単にかっこいや可愛いだけでは、それだけで車が売れる道理はありません。当然の事ですが、ワゴンRは新たに新型が発表される度に、カーユーザーたちの心をつかみ、デザイン以上に機能性や燃費などを、重視する私たちのニーズを満足させるものでした。
新型ワゴンRも、そういった意味では新たな機能や、これまでにない装備を身につけていますが、改めてワゴンRの主なスペックを確認してみても、いいのではないでしょうか。
マイルドハイブリットで低燃費
軽自動車の世界も、年を重ねるごとにハイブリッド化が進み、非常に低燃費の車が次々と現れるようになってきました。新型ワゴンRでは、このハイブリッドタイプと言えるものが、HYBRID FZとHYBRID FXの2車種で、様々な低燃費システムを披露してくれる事は御承知でしょうか。
まず、これらの車種は、電力で加速時のパワー補助をしてくれますので、これまで以上にスムーズな加速が期待できますが、この電力元となるものは、減速時に行われる蓄電池を利用してのエネルギーを利用しています。
万一の為のデュアルセンサーブレーキサポート
世界でも、非常にまれな超高齢化社会に突入したわが国では、車に関する諸問題も随分と増えてきました。特に多いのが、高齢者による誤認運転で、ブレーキとアクセルを踏む間違えるといった事故が後を絶ちません。
新型ワゴンRでも、ハイブリッド車であるFXとFZに、デュアルセンサーブレーキサポート機能が標準装備され、歩行者を認識できるレーザーレーダーが取り付けられるようになりました。このシステムにより、これまでよりも、更なる安全システムが確立された事になります。
R06A型のエンジン
車に多少詳しい方であっても、なかなかエンジンの良さには、たどり着けないという事もよくありますが、新型ワゴンRに、搭載されているR06A型のエンジンは、軽自動車とは思えないほどのパワーを誇っています。
しかも、力強いエンジンとは真逆の静粛性を持ち合わせている為、非常に静かな乗り心地を再現してくれます。街中でも、坂道であってもスムーズに加速が行われ、普段走行で使われやすい低中速域で、特に高い動力性能を発揮してくれます。この事は、低燃費にもつながっています。
排気量は変わらない
ハイブリッドを含めると、新型ワゴンRは3種類のデザインと、ラインナップでリニューアルされましたが、驚くことに共に排気量が658㏄であるという事は、従来通り変わらないという事です。考えてみれば、大型自動2輪に750CCがある事を考えると、その性能の良さに改めて驚かされるのではないでしょうか。
ご存じの通り、排気量は性能の高さに比例するものです。そう考えてみれば、ワゴンRを開発するスズキの技術力の高さに、思わず脱帽してしまいます。
知っておきたいメリットとデメリット
軽自動車人気ランキングでも、常に上位を占めるワゴンRは、6代目となるリニューアルによって、大きくその環境を変える事となりました。実際には、4年ぶりとなるフルモデルチェンジでしたが、車内の広さは相変わらず広く感じ、事実軽自動車の中では、軽ワゴンの中で最長の車内長を誇っています。
また、軽自動車では初めてとなる傘ホルダーが、リアドアの両側につけられた為、雨の水滴で衣服が濡れるという事も少なくなりました。そんなワゴンRですが、改めてメリットとデメリットを比較してみましょう。
機能も装備も充実のメリット
新型ワゴンRになり、これまで以上に車内長が長くなった事から、さらに車内内部がゆったり広々と感じられるようになりました。さらには、視線を高くして、圧迫感を軽減したほか、シートアレンジができる事で、自由な空間を広げる事ができるというのも大きなメリットと言えます。
特に、赤ちゃんのおむつを替える時など、広々募した空間はとても有り難いもので、ラゲッジアンダーボックスを使えば、ベビーカーをたたむ事で縦に収納する事も可能になったのです。
収納スペースが充実
6代目となるワゴンRは、完全にフルチェンジという事になり、車内のレイアウトもかなり変更されたようです。特に、助手席に乗る事も多い方に好評の、助手席オープントレーやインパアアッパートレーなど、収納場所が豊富になった事も、大きなメリットの一つとなっています。
軽初と言われるアンブレラホルダーは、雨の日などには非常に重宝するもので、片手でポンと入れる事ができますので、素早く乗り込める事はもちろん、雨て濡れる事を最小限に抑えられます。
小回りがきき乗り心地が良い
新型ワゴンRで、大きく異なったのは、プラットホームを一新した事にあります。この事により、従来よりもさらにホイールベースが広くなったことから、乗り心地が今まで以上に良くなった事が挙げられるでしょう。
さらに、軽自動車の特徴ともいえる小回りの良さは、少しも損なわれておらず、その最小回転半径は4.4mとなっていますので、狭い路地での左右方向転換や、バックでの車庫入れも楽になりました。特に、こうした運転の苦手な初心者ドライバーや、お年を召された方にも大変喜ばれています。
セーフティサポートで予防安全
新型ワゴンRで、採用されたセーフティサポートは、標準装備でない車種でも、メーカーオプションで選べるようになりました。これは、近年増えている誤運転による事故を未然に防ぐもので、最近よくニュースで見かけるようになった、コンビニなどでの衝突事故や人との接触事故を未然に防ぐものです。
セーフティサポートの機能としては、衝突被害軽減ブレーキやふらつき警報機能、そして全方位モニター用カメラと誤発進抑制機能など、あらゆるサポートに機能しますので、安全度がさらに増したわけです。
気になるデメリット
一部のワゴンRユーザーの中には、外観の変化が少ないので、少し物足りないといった意見を耳にする事があります。相対的に見ても、新型ワゴンRは初代ワゴンRの雰囲気がある為、デザイン的に少しおとなし目といった感は否めくもありません。
また、エクステリアデザインの変化が少ない為、斬新さに欠けるといったチープなイメージを感じるといった方も少なくないのです。特に、内装は大きく変更されていますので、目立つ要素として車内の白さは少し貧相に見えるようです。
見にくいセンターメーター
スズキの新型ワゴンRは、普通のリニューアルではなく、フルモデルチェンジされた為、これまでに慣れてきたワゴンRと、どうしても比べてしまいます。ワゴンRのセンターメーターは、車の速度以外にもエンジンの回転数や、ガソリン残量などが確認できますが、少々見づらいといった意見も聞かれます。慣れるまでに、時間がかかるのは、致し方のない事でしょう。
また、オプション装備の、ヘッドアップディスプレイも、かなりざん新な新規のですが、見にくい感じは否めません。
その他のスズキの人気車種
新型ワゴンRをご覧の通り、軽自動車には実績のあるスズキですが、何もスズキの軽自動車はワゴンRだけではありません。もちろん、もともと軽自動車のノウハウを持つスズキですので、そのほかの車種も開発、生産を手掛けていますが、どこが異なっているのか、一般のユーザーにはわかりにくい部分があります。
そこで、スズキが販売する軽自動車で、その他の人気車種をご覧いただきましょう。選定基準としては、ワゴンRと比較して本体価格があまり開きすぎていない事に着目してみます。
スズキ ハスラー
スズキ ハスラーのスペックを見てみると、排気量658㏄・R06A型エンジン搭載という事で、ワゴンRをベースに開発された事はお分かりいただけるかと思います。しかし、あくまでも、基本のですが同じというだけで、性能そのものが同一なわけではないのです。
スズキの公式では、燃費24.8㎞/Lとまずまずの燃費力を見せていますが、Jスタイル3はノンターボで2WDといった事を考慮すると、まずまずなのではないでしょうか。パネルやシートに、ゴールドを使用していますので高級感を感じます。
スズキ スペーシア
スズキ スペーシアは、2017年12月にリニューアルモデルとして発売されました。ベースはワゴンRと同様に、排気量658㏄と同じR06A型エンジンを搭載しています。ターボ車ではありませんので、パワー不足は否めませんが、燃費は30.0㎞/Lとまずまずの燃費力を誇っています。
アイドリングストップ機能が付いていますので、走行停止時にはエンジンが切れますので、その分燃費は良いはずです。パワーモードが搭載されていますので、上りてもストレスを感じる事はありません。
スズキ ジムニー
こちらも、ワゴンRがベースとあって、排気量658㏄とR06A型エンジン搭載は同一仕様となります。2018年に、リニューアルされたばかりですので、イメージ的にはかなり好印象を受けます。
スズキ ジムニーには、マニュアル車もありますので、こちらの方は燃費16.2㎞/L(5MT)で、オートマチック使用の方は燃費が13.2㎞/L(4AT)と、燃費に関して言えばマニュアル車が当然有利となります。4WDと走行性能には、自信をもつスズキですので、走行に関してはかなりパワフルと言えるでしょう。
目的にあった車を購入しよう
軽自動車の世界も、一昔前とは大きく様変わりを見せ、走行性能やスピード感もかなり素晴らしいものに仕上がっています。軽自動車のメリットは、税金の安さと維持費のコストパフォーマンスが良い事、そしてなんといっても燃費が良い事が挙げられます。ただし、軽エンジンという事もあり、パワー不足は否めませんので、パワーを求めるのであれば普通乗用車にするのが一番です。