ビットコインのデメリットについても理解しておこう
ビットコインにはメリットだけではなく、デメリットも多々あります。投資は何よりリスク管理が大切です。運用の仕組みから時代の潮流までしっかりと把握したうえで運用・投資をしていく必要があります。例えばビットコイン市場で大きな影響力をもつ中国国内の動きは、ビットコインの値動きに大きく影響します。
2017年はビットコインをはじめ、多くの仮想通貨の価格が急上昇しました。来年2019年以降も仮想通貨に対する注目が集まるのは間違いないでしょう。ただビットコインについては肯定的・否定的な意見ともに多く、相変わらず賛否両論なのです。全体を通してみると、ビットコイン自体には懐疑的な姿勢でもブロックチェーン技術の応用に大きな期待をよせる声が多いのは確かです。IoT事業やフィンテック事業が進む現在、ブロックチェーン技術はとても画期的な技術です。
ブロックチェーン技術が普及すれば、必然的にその技術を利用したビットコインもなじみ深いものとなり、通貨として利用される日が来るかも知れません。それでもビットコインに対して懐疑的な見方をする人も多いのは、ビットコインなどの仮想通貨に殺到する投資家に儲けることを主目的とした初期投資家が多いこと、実体をもたない仮想通貨であるだけに政府や行政・金融機関が将来的な予測をすることが難しいことなどがあげられます。
仮想通貨だからこそ抱える3つのデメリット
最初に仮想通貨の「価値」「危険性」に関するデメリットを3つ紹介します。
どの国も価値の保証をしていない
日本の場合、銀行が倒産しても利用者の預金額の1000万円までが補償されるのはご存じだと思います。ところがビットコインの場合は、基本的に取引所が破産してしまった場合でも国による補償制度はありません。もちろん補償制度を取り入れている取引所も存在しますがまだまだ異色です。各取引所の補償制度をしっかりと確認したうえで取引所を選ぶことをおすすめします。
マネーロンダリングの片棒を担ぐ可能性
マネーロンダリングとは、違法に得た資金を出所を辿られても問題のないお金に変える手法をさします。ビットコインがマネーロンダリングに活用されうるのかということに関しては「現金(法定通貨)と同様にマネーロンダリングに活用されうる」と言うことができます。
平成28年11月に警察庁によって公表された犯罪収益移転危険度調査書では、新たに仮想通貨及び国際テロリストに関する記載が加わりました。調書には、「仮想通貨は、その利用者の匿名性が高いこと、仮想通貨の移転が国際的な広がりを持ち、迅速に行われること等から、犯罪による収益の移転に悪用される危険性があると認められる」とあり、仮想通貨が資金洗浄に使われる危険性について、明確に記載しています。
さらに、2018年2月23日日本経済新聞の記事によれば、マネーロンダリング(資金洗浄)などの疑いがあるとして、2017年4月から12月までに仮想通貨の交換業者が国に届け出て受理された「疑わしい取引」が669件あったとのことです。
チャージバックに対応できない
決済における利用者保護の観点からみてもビットコインにはデメリリットがあります。売買だけでなく、決済手段としても使われるビットコインですが、決済における利用者保護の仕組みは整っているとは言えません。
例えばチャージバックというのはクレジットカードが不正利用された際にカード会社がその利用代金の売上を取り消すことができるシステムですが、ビットコインはチャージバックの仕組みそのものがなく不正に使われたビットコインを取り戻すことはできません。販売者にしてみたらチャージバックがないのはメリットですが、利用者からすれば怖いだけで何のメリットもありません。
ビットコインの運用に関わる3つのデメリット
「運用」面から仮想通貨のデメリットについて考えてみましょう。
相場の乱高下が激しく投機要素が強い
2018年初頭には一時200万円を突破したビットコインの相場が、3ヶ月経った現在80万円前後の価格で推移しています。2017年~2018年の年末年始にビットコインを購入した人は大損しているということです。ビットコインは株やFXより暴落、暴騰の幅が激しいのです。そこがビットコイン投資の最大の魅力と言えなくはないですが、数か月で価値が半分以下になることさえあります。
家族が財産の把握をしにくく相続に手間がかかる
資産の保有者に何かあったとき預金や保険などの金融商品で資産を置いている場合は、遺族への資産移行がスムーズにすすみます。遺産整理などを進めておけば、家族が知らなかった財産なども把握できます。しかしビットコインなどの仮想通貨で置いている場合は、しっかりと家族とその情報を共有しておかないといけません。まして秘密鍵(パスワード)を家族が誰ひとり知らないなら預け先から取り出すこともできません。
ハッキングで資産運用がストップ
ビットコイン自体はプログラムとブロックチェーンによって改ざんするのは難しく、また所有者が誰かわかるためハッカーによる被害が少なくなっています。ところがビットコイン取引所は、ハッカーによる攻撃で、ビットコインの盗難事件を頻繁に起こしています。現在のところビットコインの盗難被害に遭った被害者を救済する法律が整備されていないため、利用者がビットコイン口座を設けていた取引所がハッカーに襲われ、ビットコインが流出したとしても、失ったコインを取り戻す手段がないのです。
2014年2月に、当時東京に本社のあったビットコイン取引所マウントゴックスが、ハッカーの攻撃により75万BTC(約479億円)のビットコインを引き出されて破たんしました。ビットコイン取引所がハッカーに襲われ、預かっていたビットコインを喪失すると、その取引所の利用者はビットコインを失い、しかも、それに対する補償はないため、大損をします。
今後の改善が期待される3つのデメリット
早期改善を求めたいビットコインに関する3つのデメリットについてお伝えします。
支払いで使える店舗が少ない
2018年8月10日現在 国内でビットコインを支払いに使える店舗は通信販売が73件、実店舗が259件(通信販売と店舗販売の両形態で販売等を行っているところは通信販売に分類)であり、まだまだ少ないのが実情です。日本ではクレジットや電子マネーよりまだ浸透していないため、支払いで使える店は限られているのです。海外だと交通機関で使える場合もあるくらいです。
市場での取引量が少ない
流動性リスクとは市場の取引量が少なかったりすると希望した価格で売れなかったり、売りに出してもすぐに売れないようなリスクをさします。ビットコインの流動性の低さは時間が経てば解決するといわれていますが、FXや株式と比べると取引量は決して多くありません。売り手と買い手のバランスが悪いと売買が成立しないという事態が起こりえます。ビットコインの流動性が低い理由にもう一つあってビットコイン保有者の4%が全体のビットコインを97%保有しているといわれているのです。
損益が出ても控除がない
ビットコインに関する税金に関して損益通算と繰越控除ができないという特徴があります。損益通算とは、利益が出た所得以外で損益が出た場合、それらをプラスマイナスして計算することができるものですが、ビットコインの場合、他の仮想通貨を含めた仮想通貨同士以外の損益通算ができません。
例えば株式投資などをやっていてそちらでマイナスが出たとしても節税対策として損益通算ができないのです。繰越控除とは、最初の年でマイナスが生じた場合、翌年以降最大3年間マイナスを繰り越しできるものですが、こちらもビットコインでは適用されません。今年大きくマイナスになったとすれば、それを翌年に持ち越すことができないというわけです。
デメリットに負けないビットコインのメリット
次世代の通貨としてようやく主流への道を歩みはじめたビットコインですが、たいていの人はなんとなく「儲かりそう」だというイメージで取引しているかのようで、なぜそれを使わないといけないのかメリットを把握していないようです。
なぜビットコインを使うのか?ビットコインをあえて使う必要があるというその根拠を紹介します。
いつでも好きな時に取引ができる
ビットコインなどの仮想通貨の場合、土日だろうと祝日だろうと関係なく取引できます。24時間365日取引可能です。これは極めて大きなメリットです。仕事や学校から帰ってきてから取引したり、休日に取引したりできます。平日は忙しくて取引できないけれどデイトレードをしたい場合、ビットコインはとても便利です。株やFXの投資では時間や曜日が決まっていて、仕事で忙しい人は満足に取引できなかったりします。
世界中どこでも銀行を経由しないで個人に送金
ビットコインと日本円や米ドルなどの法定通貨との大きな違いは、個人間で直接送金を行うことができる事です。個人にお金を手渡しする感覚でビットコインを送金できます。他者に送金を行う際に銀行などの第三者を介する必要がないということです。そのため、第三者に対して仲介手数料を支払うことなく、迅速に送金を行うことができるのです。
インフレの心配なく資産を保有できる
ビットコインの発行量は2100万枚と決まっています。それ以上、絶対に発行されません。誰かの管理下にあって、誰かが発行量を決める仕組みとは違うからです。発行量の上限が、予め仕様として決められプログラムの中に予め組み込まれています。供給量が増えなければ原則的にインフレは起こりません。
誰かが任意に通貨の供給量をコントロールすることができないのです。発行量が決められている通貨だけに、価値は一定に保たれています。もし仮に実現通貨で過度なインフレが起こり通貨価値が下落したとします。ですが価値は一定に保たれているので、値段はインフレ率に比例してくれるということです。
<ビットコインメリット> | <ビットコインデメリット> |
いつでも好きな時に取引できる | 支払いで使える店舗が少ない |
世界中どこでも銀行を経由しないで個人に送金 | 市場での取引量が少ない |
インフレの心配なく資産を保有できる | 損益が出ても控除がない |
ビットコインでの資産運用の始め方
ビットコインがこの先どこまで上昇するかはともかくとして、オランダには家や車など財産を売り払ってまでビットコインに投資している人がいるそうです。資産運用としてビットコインはそれだけ魅力的だということです。
売買をしたいなら取引所に会員登録
ビットコインを売買したいのであれば取引所に会員登録する必要があります。ここでは国内の仮想通貨取引所BITPointを取り上げます。BITPointではビットコイン・イーサリアム・ビットコインキャッシュ・ライトコインなどの仮想通貨を取り扱っています。BITPointでビットコインを購入する際は以下の流れを終えておく必要があります。
・アカウント作成、本人確認
・日本円入金
本人確認終了までは数日かかる事がありますのでBITPointを利用しようと考えている場合はあらかじめ上記2点を終わらせておく事をお勧めします。
マイニングをしたいならソフトのインストール
ビットコインのマイニングとは、PCの計算能力を利用し、ビットコインの取引情報をデータの整合性を取りながら取引の承認・確認を行うことでブロックチェーンという取引台帳に追記していく作業をさします。成功させた最初の人には、報酬として世に出回ってないビットコインがもらえます。それで新たなコインが生み出されるというわけです。この行為が鉱山の金脈の採掘行為に似ていることからマイニング(採掘)と呼ばれます。ではマイニングは実際どのように参加できるのかということですが、参加方法には大きく分けて2つあります。
- 自分のPCの計算能力を使ってマイニングに参加する
- クラウドマイニングと呼ばれる、投資をしてマイニングに参加する
デメリットを回避するビットコイン運用
世界中どこでも両替なしで使えるうえに送金コストが安いビットコイン投資ですが、いくつかのデメリットもあります。主なデメリットとしては信用・流動性リスク、税負担が重くなることなどがあげられます。デメリットを回避するためのビットコイン運用について以下お伝えします。
ビットコインは余剰資金で売買
資産運用・投資は余剰資金で行うべきです。資産運用・投資に使っても良い余剰資金とは、自分が保有している現金や換金が可能な資産から「当面の生活のためのお金」、「近いうちに使う予定があるお金」、「急な支払いに備えるためのお金」を除いたお金です。余剰資金以外のお金で資産運用・投資を行って、生活や各種支払いに困ってしまわないようにしましょう。取引所の倒産や価格の乱高下にも動じて、冷静な投資判断が出来なくなってしまえば元も子もありません。
将来性を見越して長期投資
仮想通貨での稼ぎ方には2種類あります。短期トレードか長期投資かのどちらかになりますが、長期投資とは安い時に買って高くなるまで保有しておき、十分に上がったところでそれを売る期間が長めの方法です。長期投資なら多少の相場の変動は気にならず、複利でも資産を増やせる利点があります。売りを確定しなければ税金も心配しなくていいです。取引所と呼ばれるところで取扱いがある数種類の通貨のどれを選ぶかがポイントとなります。
信頼のおける取引所でビットコインの売買
仮想通貨、ビットコイン取引所は、日本国内だけで16カ所あります。日本の場合、ビットコイン取引所は金融庁の認可が必要なため、ビットコイン取引所は海外ほど乱立していないです。信頼のおける取り引き所は当然取引量も多いため、希望の価格で売買できます。また倒産による資産喪失のリスクも下げられます。
ビットコインの保管は自前のウォレット
ビットコインを長期保有するのであれば、取引所に置いておくことは避けてください。日本ではコインチェックやZaifの大手仮想通貨取引所が狙われ、仮想通貨がハッキングされたというニュースが後をたちません。1日にインターネットを使った莫大な取引がある取引所はいつ狙われてもおかしくありません。貯めた通貨もハッキングされれば、返金されるまで時間がかかります。
取引所に預けるのは便利な反面、常に危険な状態に晒されているということなのです。取引所を使うのは法定通貨(円)から仮想通貨を購入する時と、仮想通貨から法定通貨(円)に戻す時だけにします。それ以外は、ハードウェアウォレットと言われるウォレットに送金し保管します。ハードウェアウォレットの価格は1万円以上はしますが、仮想通貨投資をしているのなら購入しておくことをお勧めします。
ビットコインはデメリット対策をして開始
具体的な時期はともかく将来的にビットコインは10万ドルまで値上がりすると予測をするジャーナリストもいます。ビットコインに代表されるブロックチェーン技術は、現在の金融に関わる体制を大きく覆すものですから銀行にとっては脅威となります。
ブロックチェーン技術やビットコインを30年前のインターネット技術の登場と比較し、生活のあらゆるものを変えるのと同じだけの能力を備えていると期待する人もいます。ビットコインに関する見通しは意見が玉石混合しているのが実情で、メリットとデメリットをしっかり見極めた上で、取引するのが賢いやり方と言えます。