ビットコインのための資金を用意しよう
仮想通貨は、いまや家電量販店や飲食店など様々な業種の店舗で使用が可能となっています。その中でも、特に認知度が高く、社会に浸透しているのがビットコインと言えるでしょう。しかし、初めてビットコインに触れる人にとっては、何から手をつければ良いのか迷われるのではないでしょうか。
そこでまず、ビットコインを使った資産運用を前提にまとまった資金を用意できるように、必要な情報を解説して行きます。ビットコインの単位構成や、取引所ごとに違う最小取引額などをご紹介します。
また、ビットコイン購入や運用に伴う費用だけではなく、仮想通貨に掛けられる税金のことについても説明して行きますので、すぐさまビットコインでお買い物や資産運用などご自身の希望に適った用途へと、行動できるよう見ていきましょう。
【ビットコインの基礎】単位と送金の限界
ビットコインを初めて買おうとする人は、基本単位である「1BTC」を、取引に必要な最低限度額と混同しがちになります。それは、「BTC」以外にも「mBTC」「μBTC」「Satoshi」など、ビットコインを換算する単位は様々にあるからだと思われます。
そこで、取引上覚えておきたいビットコインの単位を一覧表にして整理します。そして、取引に必要な最低限度額をあわせて説明していきます。
ビットコインの基本単位はBTC
ビットコインの基本単位は、「1BTC」と設定されています。しかし、取引自体は「1BTC」を最小単位として進めるわけではありません。「1BTC」の1,000分の1である「1mBTC」、100万分の1である「1μBTC」、1億分の1である「1Satoshi」があります。
ちなみに、和名のような呼び方をされる「Satoshi」という単位は、ビットコインの開発者といわれているサトシ・ナカモトに敬意を表して付けられています。
単位 | 読み方 | サイズ |
1BTC | イチ・ビットコイン | 基本単位 |
1mBTC | イチ・ミリビットコイン | 0.001BTC(1,000分の1BTC) |
1μBTC | イチ・マイクロビットコイン | 0.000001BTC(100万分の1BTC) |
1Satoshi | イチ・サトシ | 0.00000001BTC(1億分の1BTC) |
少なすぎる取引量は承認されない
ビットコインの最低取引額は、「546Satoshi」と決められています。仮想通貨を扱う各取引所は手数料を元に運営されているところが多く、手数料を確保するためにも最低取引金額を設定し、それ以下の金額での取引を「Dust」と呼び承認させません。
とはいえ、実際には各取引所を経由して取引をするので、取引所が指定する最低取引量を確認することを忘れてはいけません。
単位の変更が将来検討されている
「1BTC」=100万円程度の価値だと仮定して、ビットコインを買い物などで使おうとしたとき、0.00…BTCと言うように会計が煩わしくなります。そこで、ビットコインの基本単位を変更しようとする動きがあります。
そこで提唱されているのが「Bits(ビッツ)」と呼ばれるもので、「1BTC」の100万分の1の価値を設定し、「1Bits=1円」として分かりやすく定義しなおそうとしているのです。
ただ、現状では「BTC」を基本単位として多くの取引がおこなわれているため、新しい単位である「Bits」の導入は、時機を得ての導入が検討されているようです。
ビットコインがいくらから買えるかは取引所次第
ビットコインは、各取引所を経由して購入します。そのため、実際の取引最低額は、各取引所が設定した金額によって変わります。ですので、取引最低額を確認する際は、各取引所の最低取引額を把握しておくことが大切です。
そこで、仮想通貨取引所の最低取引額をまとめました。また、購入する際の注意点やレバレッジを掛ける際の諸注意についても解説していきます。
取引所での売買は最低数十円から
各取引所によって、最低取引額は決められています。単純に売買だけをおこなうのであれば、BTCの時価総額にもよりますが、数十円から数百円単位で始めることができます。
取引所 | 最低取引BTC | 1BTC=100万円の場合 |
BITPOINT | 0.0001BTC | 100円 |
bitbank | 0.0001BTC | 100円 |
DMM Bitcoin | 0.001BTC | 1000円 |
bitFlyer | 0.001BTC | 1000円 |
Liquid by Quoine | 0.001BTC | 1000円 |
売買には手数料がかかることに注意
ビットコインのように、時価総額が高い仮想通貨の場合、送金手数料だけでも 1,000円~2,000円ほどかかります。ですので、数百円や数千円のビットコインを買ったとしても、送金分だけでも元手が消えてしまいます。
中には、手数料が無料の取引所もありますが、多くの取引所では、取引量や取引継続性などを加味して手数料が変動するので、随時確認しておくほうが良いでしょう。
レバレッジをかけるなら証拠金が必要
少額の資本を元手に大きな取引をおこなうためには、証拠金を預ける必要があります。この証拠金は、取引上生じてしまった損失分を保障する役割があります。
また、損失額が必要な証拠金を下回った場合に、強制的に取引を決済させるロスカットを適用させ、必要以上の損失を出さないようにする役割があります。必要な証拠金は、どれだけのレバッレッジを狙うかによっても変わりますが、利益と証拠金は比例するものだと言うことを押さえておきましょう。
種類別ビットコイン投資に必要な資金
ビットコインで投資をする場合、様々な方法で資金繰りをおこなうことができます。ここでは、代表的な5つの取引方法、それぞれの運用方法のメリットを解説していきます。また、実際にどれくらいの資金を用意する必要があるのか、各々の運用方法からおおよそ必要とされる金額をご紹介します。
長期運用するなら数十万から
ビットコインを長期運用していくためには、スイングトレードという方法と、ポジショントレードという2つの方法があります。スイングトレードとは、数日から数週間ポジションを保有し、相場のトレンドに乗って数回~数十回の取引をして利益を目指します。
ポジショントレードとは、数カ月から数年をかけてポジションを保有し、一年の間で数回の取引きをして大きな利益を目指します。どちらの取引方法も、長期的な運用を視座に入れているため、一時的な相場変動に耐えられるだけの資金が必要となります。
目安としては、10万円から50万円ほどの資金を用意しておいたほうがよいでしょう。
デイトレードなら10万円から
デイトレードとは、注文から決済までを一日のうちで終わらせ、ポジションを翌日に持ち越さない取引方法です。数十回~100回ぐらいをめどに取引を進めて利益を狙います。デイトレードのメリットは、長期間ポジションを保有しないため、相場の大きな変動に影響をほとんど受けないことです。
そのため、スイングトレードやポジショントレードと比べて、少ない資金で始めることができます。ただ最初は、安全かつ着実に資金を増やしていくことを念頭においたほうが良いでしょう。生活に影響が及ばない範囲で10万円程度の少額から始めるのがおすすめです。
スキャルピングをするなら数万円から
スキャルピングとは、小さな利幅に注目して数秒から数分の間で売買を繰り返す取引方法です。数十回~100回以上の取引きを重ねて、利益を狙うのが特徴です。スキャルピングのメリットは、数秒から数分で取引きを進めるので、一方向に動くことの多い相場に対応しやすく、利益となる確率が高いことです。
一回の取引で得られる利益は小さいですが、損失も少ないのでビットコインの投資がどういうものであるのか、実際に取引を進めていく中で学んでいきたいという人にはおすすめです。10,000円から50,000円をめどに始めるのが良いでしょう。
ビットコインFXなら取引所の証拠金から
ビットコインFXであれば、通常の仮想通貨投資以上のレバレッジをかけることができます。そのため、少額の予算からでも大きな利益を生み出す本格的な取引を始めることができます。
しかし、初めて取引をおこなう場合には、証拠金分だけをかけて、スキャルピングと同様に感覚を掴むつもりで取り組んでみるのも良いかもしれません。もちろん、資産に応じて余裕があるのであれば、さらに元手を増やして緊張感をもたせることで学べることも多いでしょう。
ビットコインマイニングなら数百円から
マイニングとは、仮想通貨の取引データの正当性を承認する作業のことをいいます。この作業は、ブロックチェーンの整合性を確かめ、仮想通貨の価値を支持する大切なものです。ビットコインではこの作業を、ユーザーにビットコインという報酬を支払って、協力してもらう体制をとっています。
しかし、マイニングで儲けを出すためには、電気代や初期投資などの経費を考える必要があります。というのも、ビットコインのマイニングでは、コンピューターを動かし続ける必要があるため、電気代がかさむだけでなく、機材を冷却させるファンが必要となったりと、費用がかかるのです。
そのほか、マイニング専用のシステムを構築するとなると、初期投資だけで数十万円、プラス月々の電気代で数万円かかることも覚悟しておきましょう。
とりあえず、どのようなものか雰囲気を味わいたいのであれば、スマホのアプリで始めることもできるので、利益を狙わずに数百円単位で手軽に始めてみるのもおすすめです。
ビットコインが今いくらなのか調べる方法
仮想通貨のビットコインの価値は、まだまだ潜在的に秘められている部分が大きく、価格変動の波が大きいのが特徴です。そこで、現在のビットコインの価格を調べる方法をまとめました。
ビットコインの価値は、おもに2つのやり方で調べることができます。各取引所が公開、提供しているアプリや無料ツールを使用する方法と、複数の取引所を一覧で見ることができるサイトを利用する方法です。
登録した取引所のツール
ビットコインの取引は、ひとつのマーケットを軸にしておこなうものではありません。ビットコインを扱う取引所を経由して、初めて取引きを進めることができます。ここで注意したいのが、ビットコインの価格は取引所によって変わるということです。
なぜ、取引所によってビットコインの価格が違うのかというと、仮想通貨という媒体がまだ発展途上のものであり、価値という側面に需要と供給の移り変わりが、反映されやすいからです。
たとえば、ある取引所でビットコインが大量に購入されたとしたら、その取引所のビットコインは顕著に値上がりします。反対に、別の取引所で大量に売りに出されたならば、その取引所のビットコインの価値は急激に下がってしまいます。
ビットコインの市場参加者がまだまだ少ないということもあり、売り買いの影響が各取引所のビットコインの価格に反映されやすいのです。そのように、各取引所で差がつきやすいでの、早急に売買を進めていきたいのであれば、各取引所が提供する無料ツールやアプリを使いましょう。
日本での相場をしりたいなら横断検索
自分が保有するビットコインの相場がどのくらいなのか調べるには、複数の取引所が一覧できるサイトを利用するのがおすすめです。
代表的なものとして下記のものが挙げれます。
おすすめビットコイン取引所3選
初めての取引きでこれを選べば、間違いないという取引所を3つご紹介します。それぞれの取引所の特徴はもちろん、選定基準を分かりやすくするために、その取引所ならではの強みやどういった人におすすめできる取引所なのか、みていきます。
老舗の取引所「bitFlyer」
bitFlyer(ビットフライヤー)はビットコイン取引量・資本金・ユーザー数において、日本最大級の仮想通貨取引所です。2014年から稼働しだしたbitFlyerですが、日本の大手有名企業が出資しており、三菱UFJ・みずほフィナンシャルグループ・第一生命など、将来性が考慮され信用度が高いです。
そのため、ユーザビリティやセキュリティ面はもちろんのこと、海外への事業展開にも積極的です。海外の仮想通貨交換業のライセンスを保持するなど、安全性や信頼性が評価されています。
大きい額を運用したいという人にとって、取引所の信頼性が高く、取引き相手が多いbitFlyerは心強いといえるでしょう。
【参考:https://bitflyer.com/ja-jp/】
手数料0円が魅力「GMOコイン」
GMOコインを運営するGMOコイン株式会社は、大手インターネット関連事業会社であるGMOインターネットグループの傘下にあたる会社です。GMOコインの特質すべき点は、口座の開設や入金、出金、送金、FX新規注文、ロスカットなど、様々なサービスの手数料が無料となっていることです。
デイトレードやスキャルピングなど、頻繁に取引をおこなう人にとって、取引コストが掛からないのは大きなメリットと言えるでしょう。
また、GMOコインは、スマホ用に仮想通貨FX取引専用アプリがあり、いつでもどこでも仮想通貨のFX取引を行うことができるサービスを展開しているため、仮想通貨取引の初心者から、FXをやったことのある中上級者まで幅広くおすすめできます。
安全な取引するなら「BITPOINT」
ビットコインといった仮想通貨を取り扱う所では、日々ハッキングや盗難のリスクを考えなければなりません。BITPOINTは、楽天証券の元最高技術責任者が取引開発に携わているため、セキュリティ対策に余念がありません。
- 独自のウォレット管理システム
- マルチシグ対応
- 外部からの不正侵入を防御
- EV-SSL暗号使用
情報セキュリティ格付け会社の株式会社アイ・エス・レーティングが格付けランクのAisを認定するなど、高度な安全システムが広く認められています。安全を第一に取引をしていくのであれば、BITPOINTは裏切らないでしょう。
【参考:https://www.bitpoint.co.jp/】
ビットコインで確定申告はいくらから?
仮想通貨であるビットコインは確定申告をする際、どのような扱いになるのか、迷われることがあるかもしれません。そこで、ビットコインにかかる税金について詳しく解説していきます。
利益が20万円より大きいなら申告
事業として利益を出しているのであれば、事業所得となりますが、個人で取引をして利益を出している場合、その利益分は雑所得として分類されます。そして、雑所得で分類された利益が、20万円以上を上回る場合、申告する必要があります。
つまり、給与所得以外の雑所得が年間20万円を下回るのであれば、申告する必要はないのです。ただし、住宅ローン、医療費、生命保険の控除を受けるのであれば、20万円以下でも確定申告に記載する必要がでてきます。
税金はいくら利益が出たかで決定
仮想通貨で得た利益分は課税対象となるため、どれくらい利益を出したかによって税が決まります。また、証拠金取引をおこなえる仮想通貨ですが、申告分離税の適用はなく、総合課税として申告しなければなりません。
そのため、「給与」プラス「仮想通貨によって得た利益」を合算したものが、所得税として5~45%の税率がかけられます。高額な税率を避けるためにも、年間を通して利益をどれだけ出すのか、調整していくことも大切です。
余裕を持った資金でビットコイン運用
初めてビットコインを使った資金運用をしていこうとする人が、第一に押さえておきたい基本知識を紹介しました。取引所によって取引の最低金額が違ってくることや、ビットコインを使って何を目的とするかによって、取るべき取引方法や、契約する取引所を変えることでより効率的に取引きを進めることができます。
ただ、ビットコインは取引を円滑に進めることだけを考えるのではなく、行政上の取り決めにも注意を払わなければなりません。ビットコイン取引きで生じた利益が20万円以上ならば、所得税として数えられるので、多額の税金を支払う可能性がでてきます。
ビットコインを使って資金運用をする際は、あくまで余剰資金を元手に始めるようにすることが大切です。また、継続的にビットコインを用いて資産運用を進めることで、仮想通貨としての利便性(日常の買い物、送金手数料がかからないなど)を感じられるまでに熟達することでしょう。