股関節から音がなるのは病気なのか?その原因を紹介!

股関節から音がなるのは病気なのか?その原因を紹介!

2019.01.19

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股関節から音がしたらどうするべきか

年齢を重ねると、股関節から音がする、違和感がある、といった症状を抱える人が多くなります。そのままにしておくと、痛みを生じるようになったり、症状が悪化してしまう可能性もありますので、なんらかの対処が必要になります。股関節は、普段の生活でただ歩くだけでも大きな負荷がかかる部位となりますので、股関節の正常な機能を維持するためにも、音がした際にどう対処するべきかを知っておくことが大切です。

この記事では、股関節からなぜ音が鳴るのかについて、股関節の構造や考えられる病気、対処法について紹介します。今現在、股関節から音が鳴って不安に感じている方は、これを読めば少しは安心できるのではないかと思います。ぜひ参考にしてみてください。

股関節が鳴る理由

股関節が鳴る理由について紹介します。股関節は、日常生活における多くの動作に関わる部位となりますので、音が鳴るようになると不安も大きくなりますし、違和感があると気持ちのよいものではありません。まずは構造からきちんと理解しておくことが大切です。

股関節の構造

股関節は、大腿骨のつけ根にあるボール状の大腿骨骨頭を、骨盤の臼蓋(きゅうがい)が包み込むように重なる構造になっています。大腿骨と骨盤の間にある軟骨がクッションの役割を果たしており、関節の動きをスムーズにしたり、骨と骨が摩擦を起こるのを防いでいます。股関節のこの構造により、前後左右、斜め、回転など、様々な方向に脚を動かすことを可能にしています。

股関節から音がする理由

股関節から音が鳴る理由について、考えられる要因を紹介します。音が鳴っても痛みがある場合とない場合もあります。痛みの症状の有無によって理由は異なりますので、どちらが当てはまるか確認を行います。

痛みがある場合

股関節から音がして、痛みを伴う場合には、股関節部分の骨や軟骨、腱、靭帯、神経などのどこかの組織にトラブルが起こっている可能性があります。痛みを感じるようであれば、すぐに整形外科医などの専門家に診察を受けて相談してください。股関節から音が鳴り、なおかつ痛みを伴う代表的な股関節の疾患に、「変形性関節症」が考えられます。

痛みがない場合

股関節には、骨盤と大腿骨を結ぶ腱、関節を支える靭帯が周りに渡っているため、股関節を回したり動かしたりする際に、腱や靭帯が股関節の骨の突起に引っかかることがあります。その際、腱や靭帯が骨を乗り越えるときに、コキコキと音が鳴ることがあります。ときにゴリッと筋が動くような感覚があるケースもあります。

このように、股関節の構造により起こる現象のため、音は鳴っても痛みがないという場合は、即病気とは判断できません。

変形性股関節症とは

股関節の音とともに痛みを伴う場合は、変形性股関節症の疑いがあります。まずは変形性股関節症について、どのような病気か紹介します。中高年の方の股関節の悩みのほとんどが、変形性股関節症によるものと言われています。

股関節が変形し炎症がおきる病気

日本人の変形性股関節症の原因は、臼蓋形成不全(臼蓋の変形)によるものがほとんどです。股関節は、臼蓋が大腿骨骨頭を包むように収まっていますが、股関節の軟骨が摩耗することで、臼蓋と大腿骨が直に触れて摩擦を引き起こし、骨が変形してしまう症状です。

幼い頃に足をきつく締め付ける状態が長く続くと発症する原因になると言われています。あるいは、生まれつき臼蓋形成不全のケースもあります。変形性股関節症の進行度は三段階に分かれており、初期、進行期、末期に分類されています。

初期の症状

変形性股関節症の初期は、関節の軟骨が傷ついて関節の隙間が少し狭くなっている状態です。股関節からポキポキと音が鳴り、股関節に加えておしりや太もも(股関節の外側)、ヒザが痛むこともあります。少し股関節を動かすと痛みがある程度で、休めば収まります。初期状態では、股関節の動く範囲が狭くなるため、歩幅が狭くなったり、膝が上がりにくくなります。

進行期の症状

変形性股関節症の進行期になると、関節が広く摩耗・変形を起こしており、関節の隙間は明らかに狭い状態です。痛みは股関節に加えておしりや太もも(股関節の外側)、ヒザにも及ぶことがあります。痛みは慢性化し、歩行時の痛みがとれなくなります。股関節を動かしにくく、しゃがみ込むことも難しくなります。

末期の症状

変形性股関節症の末期になると、関節の隙間がなくなり、臼蓋、および大腿骨が変形してしまいます。痛みは股関節に加えておしりや太もも、足首まで及ぶことがあります。末期症状では、動いてなくても強い痛みを感じるようになり、痛みを感じる方のおしりや太ももが、反対側より細くなってきます。左右の足の長さに差が出てくるケースもあります。

痛みがない場合の対処法

痛みがない場合にできる対処法について紹介します。股関節から音がしても、痛みがないのであれば、病気ではなくトレーニングや温熱療法で対処できる可能性があります。また、生活に少しの工夫を加えるだけでも股関節への負担を軽減することができますので、ぜひ試してみてください。

股関節を鍛える

加齢や運動不足になると、股関節が硬くなって動きにくくなってしまいます。股関節のストレッチや、筋肉トレーニングを行い、股関節を鍛えることで股関節の柔軟性を高め、動きやすい体にしていきます。無理は禁物となりますので、毎日少しずつ行うことが大切です。

痛みを我慢してまで股関節を鍛えるのは厳禁となります。無理に動かして悪化してしまう可能性があるためです。股関節のコンディションを見ながら継続して行うことがポイントです。

股関節の負担を減らす

股関節の痛みを改善するためには、日常生活の中で股関節にかかる負担を減らしてあげる工夫も有効です。起き上がる動作やしゃがみ込む動作が多い生活の場合、股関節に負担がかかりやすくなります。和式から様式の生活スタイルに変え、座布団を椅子にするなど、普段使う家具を変えてみると股関節への負担を軽減できます。この対処法なら、コンディションに関わらず行うことができます。

温める

体を冷やすと血管が収縮して筋肉がこわばるため、股関節も硬くなり血管を圧迫します。それが原因で血行不良になり股関節が動かしにくく、関節にかかる負担も大きくなってしまいます。冷えからくる場合の対処には、日常生活の中で、体を冷やす原因をなくす工夫が大切です。冷房を控えめにしたり、暖かい服装にする、体を温める食べ物をとる、入浴するなどの方法で対処してみてください。

それでも痛みが引かない場合

股関節を鍛える、柔軟性を高める、温めるなどの対処を施しても改善されない場合は、なんらかの病気が原因である可能性があります。我慢や無理をせずに、すぐに専門医にかかり、相談することをおすすめします。

股関節への負担を減らし、痛みがあれば病院へ。

股関節から音が鳴るという方は、変形性股関節症という病気の疑いがあります。ただし、痛みの有無によって対処法が異なりますので、まずは記事をよんでご自身の症状について確認し、痛みを伴うようなら専門の医師に相談することをおすすめします。

変形性股関節症とは、股関節の骨が変形して摩擦が起こり、炎症を起こす疾患となります。初期・進行期・末期と三段階に分かれており、末期になってしまうと日常生活も困難になってしまいます。股関節の音とともに痛みがある場合は、早期対処することが大切です。

なお、痛みがない場合には、ストレッチや筋肉トレーニングで股関節を鍛えて柔軟性を高める、生活スタイルを様式に変える、体を温めるなどの方法を試してみてください。それでも改善されない場合は、他の原因が考えられますので、無理や我慢をせずに、整形外科医などの専門医師に相談することも大切です。

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