股関節の形成不全を知ろう!症状や治療法、治療後の過ごし方をご紹介

股関節の形成不全を知ろう!症状や治療法、治療後の過ごし方をご紹介

2019.01.20

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股関節臼蓋形成不全とはなにか

股関節臼蓋形成不全は股関節にある臼蓋(きゅうがい)の形が小さいため、大腿骨の先端(骨頭)に収まらない状態のことを言います。何らかの原因で臼蓋の発育が不完全なのかもしれません。そのために、大腿骨側の軟軟骨がすり減り、股関節が変形してしまう場合があります。

臼蓋形成不全について

それではまず、臼蓋形成不全について少々詳しく掘り下げていきます。大きさについて、原因である臼蓋の発達について、紹介しますので、ご覧になって参考になさるとよいです。特に股関節に不安のある方はご覧ください。

大きさが正しくない

本来、股関節は構造上、骨盤の下部に受け皿のように臼蓋があり、そこに大腿骨の先端になる骨頭が収まります。しかし、臼蓋形成不全ですと、臼蓋の大きさが十分でないために大腿骨の骨頭がぴったり収まらないのです。その結果、大腿骨の軟骨に摩擦が生じて、すり減るようになります。

若い頃は特に、痛みもなく自分は臼蓋形成不全とは気づかすに過ごしてきたもののある程度の年齢になると、痛みを感じるようになるという人が多いです。痛みを感じる時は軟骨に体重がかかり、すでにすり減っている状態の時になります。そのような痛みがあるときは、股関節の炎症や変形が起こっている場合もあるのです。

原因は臼蓋の発達

その原因が、何であるのかは気になるところです。実は幼少期の股関節の病気やケガ、遺伝のために臼蓋の発達が不完全ということは考えられます。また、有力な説では赤ちゃんの時のおむつの当て方や抱っこの仕方が適切でなかったのではないかとも言われているのです。

おむつの当て方で考えてみますと、昔よく使っていた布オムツをあてる場合、赤ちゃんの足が自由に動けないような当て方になります。そのため、発達すべき時期に股関節の動きが妨げられ、臼蓋が発達しなかったかもしれません。または抱っこの仕方が悪く、足を自由に動かせない状態になってしまったために臼蓋の発達が十分でなかったということも考えられるのです。

臼蓋形成不全の症状

では、臼蓋形成不全の症状とはどのようなものか、紹介します。思い当たるところがある人は、今後のことを考えてみた方が良いかもしれません。20代までは症状がなく、それ以降は足を動かしづらいといったことが症状としてあります。

20代までは症状が出ない

実は20代までですと、軟骨に厚みがあるために、痛みなどの症状はほとんど表れません。ただし、運動後に腰、大腿、膝などに重苦しい、疲労感を感じるかもしれませんが、すぐに直ってしまうという程度でしょう。そのために、自分臼蓋形成不全であるということには気づかないものです。

それでも、気付かぬうちに軟骨のすり減りは少しずつですが、始まっているのです。20代の時は何でもないと思っていた人も、30代、40代と年齢が進むにつれて、股関節に違和感をおぼえてくるものでしょう。できれば、少しでも若いうちに気づいた方が治療を始めるのには有利です。

20代以降は動かしにくい

軟骨がすり減ってくると関節の隙間が狭くなります。そうなると、足を動かすのがつらい、歩くと太ももの前あたりや横の部分が痛いといった症状を感じるようになるでしょう。そうなると、症状がずいぶんと進んでいるということです。

軟骨が年齢が進むにつれて薄くなると、骨に穴が空き、骨の変形が始まります。それは、明らかに骨の異状で、股関節が常に痛いという症状が出るでしょう。さらに軟骨がほとんどないという状態になると、左右の足の長さが異なり、歩くのも困難になり、痛みは常につきまといます。そうならないうちに、少しでも足腰に違和感があれば、整形外科を受診した方がよいです。

臼蓋形成不全の治療について

では、臼蓋形成不全の治療をどのようにするのか、紹介します。幼少期は手術、青年期以降は経過観察です。その理由などについて触れてみますので、ご覧ください。

幼少期は手術をする

幼少期に臼蓋形成不全が見つかった場合、赤ちゃんでしたら簡単なバンドで固定して、臼蓋の形成の成り行きを経過観察します。そして、4~5歳以降に股関節を安定させるために手術を行う場合が多いです。但し、医師の判断にもよりますし、親の考え方にもよります。

赤ちゃんを抱くときは、抱く人と赤ちゃんが向き合う姿勢にしましょう。横抱きは股の動きを妨げますので、やめたほうがよいです。その他に、昔の人がやりがちの赤ちゃんの股に手をいれる抱き方も股の動きを制限してしまいますから、NGになります。

青年期以降は経過観察

青年期以降は経過観察になりますが、痛みがなければ、股関節周辺の筋肉トレーニングをします。その間は整形外科医に通って医師と相談しながらのトレーニングですから、信頼できる医師の指示を仰ぐことも大事です。その間に痛みが出てきたり、ひどくなったりした場合はすぐに医師に相談します。

手術はその関節の状態によります。もし、関節が傷んでいないのであれば、股関節の負荷を分散を目的とした骨切り術という手術、関節の状態が悪い場合や高齢の場合は、人工股関節置換術という手術を考える事が多いです。いずれにしても、医師とよく話し合い、関節の痛み具合や家族のことも考えながら、決めましょう。

経過観察中と治療後の過ごし方

最後に、経過観察中と治療後の過ごし方をどうすればよいか、わからないという人は多いかもしれません。そこで、そういった時はどのように過ごせばよいのか考えます。経過観察中は激しい運動をしない、筋力トレーニングを第一にするなどの諸注意を伝えますので、股関節の疾患に興味のある方はご覧ください。

経過観察中は激しい運動はしない

経過観察時は、素人判断で何か困ったことになると大変なので、医師や理学療法士の指導に従いましょう。無理なことはせず、関節周辺の筋肉を鍛えたり、可動域を維持するようにします。どんなに運動が好きな人や運動の選手であっても、全力疾走やジャンプなどする激しいスポーツは控えたほうがよいです。

おすすめなのは、筋力アップの期待できるウォーキングや水中ウォーキングです。筋力をおとろえさせてはいけませんから、こういったトレーニングは大事でしょう。けれども、無理は禁物ですから、医師や理学療法士にどのくらいの運動ならば可能か聞いてみるとよいです。

治療後は筋力トレーニングが大事

治療後でしたら、筋力トレーニングが大事になりますが、無理して何かあったら大変なので、自分の判断のみならず医師や理学療法士の指導に従います。どんなに走る事が好きな人でも全力疾走、ジャンプ等の激しさを伴う運動は避けたいものです。

重い物を持つのは持つことで、股関節に負担が掛かってしまいますから避けた方がよいです。けれども、禁止事項ばかりではありません。旅行に行くなど、普通の生活はできますし、むしろ治療前よりも行動力などに変化があったか見極めるのにはある程度、動いていた方がわかりやすいです。治療してよくなったという自信を持つこともできるでしょう。

診察を受けそれぞれの治療法で治療する

股関節に違和感を感じたら、股関節臼蓋形成不全が考えられます。その場合、すぐに医師に相談して指示を仰ぎ、その人に合った治療法で治療しましょう。きちんとした治療をすれば、よくなりますから自己判断をせずに医師の治療を受けることをおすすめします。

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