股関節の伸展が与える影響とそれが原因で引き起こす症状を解説

股関節の伸展が与える影響とそれが原因で引き起こす症状を解説

2019.01.24

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股関節はどんな働きをしているのか

股関節の働きについて、意外と人は気にせずに生活をしています。人が日常生活で行う動作のほとんどに関与している股関節は、上半身と下半身を繋ぐ重要な役割を担っている部位となります。日々繰り返し使っている股関節には、優れた機能がたくさん備わっていますので、股関節にトラブルが発生してしまうと、動きが制限され、日常生活に大きな影響を及ぼします。

股関節の状態により人の動作はどのような影響を受けるのか、ここでは、股関節の働きや機能、伸展できない時の影響について紹介したいと思います。

股関節とは

股関節について知っているようで、実はほとんどの人があまり知らずに生活しています。そもそも股関節は1つではなく、人の体には2つ備わっています。この2つの股関節が正常に働くことで、体が安定し、人が繰り返す動作に対応できるようになっています。では、日頃あまり意識しない股関節の特徴について紹介します。

二本の脚と胴体をつなぐ関節

股関節=股の関節というイメージがあるためか、1つしかないと勘違いしている人も少なくありません。しかしながら、腕をつなぐ肩関節が2つあるように、足をつなぐ股関節も2つあります。股関節が2つあり、股関節によって、上半身と下半身が繋がり支えられているために、きちんと機能してくれるおかげで我々の日常生活は成り立っています。

股関節の2つの骨の表面には、2~7ミリの厚みがある水分の多い軟骨で覆われており、クッションの役割を果たしています。さらに、関節包と呼ばれる関節液で満たされた袋状のものに包まれており、潤滑油のように関節をスムーズに動かすサポートをしています。

股関節周りの筋肉

股関節周りには、屈筋、伸筋、外転筋、内転筋、外旋筋などから構成されていて、様々な筋肉と腱に囲まれる形で支えられ、足の動作に大きく関連しています。

屈筋は股関節を上に曲げる動きに関わり、伸筋は股関節を伸ばすための筋肉です。外転筋は外側に足を開く動作、内転筋はその逆の動作に関わる筋肉です。外旋筋は、股関節を外側にねじる動作に関わり、これらの筋肉のおかげで、股関節が安定した動作を実行することができています。

股関節の機能

股関節が担う機能について紹介します。股関節は、全身で行うほぼ全ての日常動作に関与していると言っても過言ではありません。股関節の位置は、股間の部分にあると思われがちですが、実際にはもっと奥にあり、お尻付近の太ももの骨と骨盤が接しているあたりにあります。

日常の動作に影響する

股関節は、日常の基本的動作である歩く、階段を登る、椅子から立ち上がるなどの動作に影響しています。ゴルフや野球のように、スイングする動作は腰の筋肉の影響が大きいというイメージがありますが、実は、基本的に股関節が関わる動作であり、股関節が上手く機能しているおかげでスムーズにスイングすることができています。股関節が上手く動かない場合、腰もスムーズには回転できなくなってしまいます。

痛めると起こる症状

股関節は頻繁に動かす部位であり、負担もかかりやすいため、痛めやすい部位となります。人の動作にとって重要な役割を担う股関節を痛めてしまうと、立ち上がる、歩き始めるといった基本的な動作でも股関節に痛みを感じるようになります。足を組んだり、歩くだけでも足のつけ根が痛い、朝起きた時に足のつけ根がこわばるという場合は、変形性股関節症などの病気が原因である可能性があります。

年を重ねるにつれ、股関節が痛むようになったという場合、変形性股関節症であるケースが多いとされています。股関節の軟骨が摩耗してすり減り、関節が変形することで発症する疾患です。あるいは、股関節脱臼や大腿骨近位部骨折、関節リウマチでも股関節部位に痛みを引き起こす原因になります。

股関節の伸展が制限される

股関節に痛みを生じることで、伸展の動作が制限された場合の影響について紹介します。基本的な日常生活に深く関わる股関節が伸展できなくなると、動作というよりも生活そのものに大きな支障を及ぼします。どのような影響があるのか、また対処方法について知っておくと後に役立つ可能性があります。

歩く動作に影響が出る

股関節の伸展、いわゆる伸ばす動作が限られるケースについて、例えば歩行のフォームの場合、背筋を伸ばした綺麗な姿勢を保つことが大切で、背筋が曲がった状態で歩行動作を行うと、背筋や腰、股関節に負担がかかり、股関節の伸展が制限されてしまいます。

結果として、歩幅を広げにくくなるため、背中を曲げたまま歩行を続けると、転倒する恐れもありますので注意が必要です。股関節が外にねじれた状態(外旋)や内側にねじれた状態(内旋)でずっと歩いてしまうと、関節に大きな負担がかかり損傷の原因になりますので注意してください。

リハビリが効果的

変形性股関節症などの疾患により、股関節の伸展になんらかの問題がある場合は、リハビリを行うことで、痛みや症状を和らげる効果が期待できます。リハビリの例としては、杖を用いた歩行や昇る動作、降りる動作などがあります。

さらに、床に着座する、床から立ち上がる、床から物を拾う、靴下を履くといったリハビリが基本動作となります。なお、リハビリを行う時には、必ず病院へ行って専門医からの指導をきちんと受けることが大切です。

股関節の伸展が普段の動作に影響する

股関節は上半身と下半身を支えながら、両足と胴体を繋いでいる重要な関節になります。日常生活のほとんどの動作に関わっているため、姿勢が悪かったり、変形性股関節症などの病気が原因で、股関節の伸展に影響を及ぼす可能性があります。

立ち上がる、歩き始めるなど、生活の基本的動作において股関節に痛みがある場合は、病気などの可能性が疑われます。リハビリにより緩和される可能性がありますので、専門医師にかかり、きちんと指導を受けて対処されることをおすすめします。股関節は加齢と共に柔軟性がなくなり、筋肉も弱るなどの理由で動きが悪くなります。痛みを感じたらすぐに病院で診察を受けることが大切です。

 

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