適切なギア比でロードバイクの走行性アップ
ロードバイクにとってギアは、動力源となる足の回転を車軸に伝え、発進や走行を可能にする重要な部分となっています。ロードバイクのギアには、ペダルから直接動力を伝える為のフロントギヤ、そしてフロントギアからチェーンを通して、後輪部分にあるリアギアに動力が伝わり、タイヤが回転する力を得ています。
つまり、ロードバイクは、後輪駆動で動く乗り物であり、このギアの大きさを変える事によって、適切なギア比を選び出し、ロードバイクの走行性をアップさせている訳です。
ギア比とロードバイクの速度の関係
ロードバイクの、動力源を伝える為の重要な位置づけであるギア部分は、地上で走るすべての乗り物に、無くてはならないものとされています。すべての車にとって、重要なパーツとなるギアは、ロードバイクの世界にとっても、重要なポイントとなってきます。
さらに言えば、ロードバイクの愛好者として、このギア比とロードバイクの速度の関係を知る事で、更なる知識アップにつながることは間違いのない事実です。また、前方にあるフロントギアと、後輪にあるリアギアの関係性を知る事は、バイクを動かす重要なヒントになるはずです。
ギアの数の基本的な考え方
ギアが、動力を車軸に伝える為の、重要なパーツである事は、ある程度お分かりいただけたかと思います。このギアには、円盤状に歯が刻まれている為に、歯車とも呼ばれているものです。ロードバイクのギアは、フロント部分とリア部分の2カ所にありますが、役割は同じでもその性質は少し異なっています。
具体的に言えば、フロントのギアは数が多い程自転車をこぐ力が重く、逆に少ない程軽くなるのが特徴です。そして、リア部分となる後ろのギアは数が多い程軽く、少ない程重くなるのがその特徴です。
ギア比は大きいほど速度がでる
一般サイクル車などでも、スポーツタイプの自転車は発売されていますが、その多くのギアは3速から5速程度で、多いものでも6速程度が普通です。しかし、ロードバイクの場合には、タイプにもよりますが20速程度までの変速が可能となっており、坂道も楽に登れ平地でもかなりのスピードを出す事ができます。
この変速の仕組みは、ギア比をもとに行われているもので、フロントのギアの数 ÷ 後ろのギアの数 = ギア比 という数式で計算することができます。また、ケイデンスとタイヤサイズを具体的に想定し、速度を計算する事も可能となっています。
同じギア比なら組み合わせが違っても同じ速度
ロードバイクをのるようになって、ケイデンスといった言葉をよく耳にするようになりますが、このケイデンスとは簡単に用途、自転車ペダルの回転数を指すもので、1分間にどれだけクランクを回せるかといった、速さを数字で表すものなのです。
具体的に言えば、ケイデンスは同じタイヤサイズによってケイデンスを想定した場合、フロントと後ろのギアの組み合わせが異なっていても、ギア比が一緒であるならば、ペダルの1回転で進む距離は一緒という事が、ご理解いただけると思います。
極端なギア比の設定は高速走行で事故の元
ロードバイクを乗り始めて、一番使いづらいと感じてしまうのは、ロードバイク特有のギアチェンジの方法と言えるでしょう。一般自転車では、左手側にある変速機を使ってギアのシフトチェンジを行いますが、ロードバイクの場合はこの変速機が左右にある為、慣れるまで多少時間がかかってしまいます。
ロードバイクでは、パーツを交換する事により、自由にギア比を変える事ができますが、あまり高くし過ぎてしまうと、チェーンが斜めになる事で余計な負荷がかかり、破損したり外れたりして事故の元になります。
目的に合ったギア比のクランクを選ぶコツ
まず、ロードバイクのギア比の事を知る為には、チェーンリングの事を学んでおく必要があります。始めたばかりの頃は、パーツをばらして組み立てる事も難しく、ロードバイクの仕組みをある程度覚えるまでは、少々時間がかかってしまうからです。
チェーンリングとは、ギア比を決める重要なパーツで、チェーンリングは一般的に42歯から55歯のものが使われています。このチェーンリングに動力を伝え、回転させる重要なパーツがクランクと呼ばれるもので、クランクはペダルにつながる重要なパーツです。
本格的に走り込む人向けノーマルクランク
チェーンリングを回す為に、必要不可欠となるクランクには、ロードバイクの用途に応じて、いくつかの種類のクランクが用意されています。この中で、ノーマルクランクと呼ばれるものは、チェーンリングが53歯-39歯程度のもので、39がインナーリングで53がアウターリングと覚えておきましょう。
ノーマルクランクは、平坦な道路が向いており、急な坂を上るのにはあまり適してはいません。しかし、クランクの種類の中では、ギアが大きく重量もある為、変速性能が上昇し変速回数が減る事で負担が少なくなります。
ヒルクライム向けのコンパクトクランク
ロードレースなどでも、かなり人気の高い山岳レースですが、こうしたレースで使われるロードバイクは、ヒルクライム向け仕様のバイクを使用しています。この、ヒルクライム向けのロードバイクですが、コンパクトクランクを装着するのが常識で、チェーンリングが50歯-34歯程度のものが目安となっています。
軽い上り坂は、だれしも経験のある事ですが、ギアの歯車の数が少なければ、軽い力でペダルを回す事ができますので、坂道であっても楽に登る事ができるのです。
走る場所を選ばないセミコンパクトクランク
最近流行りともいえる、ギア比のクランクチェーンに、ノーマルクランクとコンパクトクランクの中間の性能である、セミコンパクトクランクというものがあります。これは、チェーンリングが、52歯-36歯程度のものを指しています。
セミコンパクトクランクの特徴として、インナーリングは36とコンパクトクランクに近く、反対にアウターリングは52とノーマルクランクに、近いギアとなっている事がお分かりいただけると思います。つまり、ダウンヒルであれ、ヒルクライムであっても、ギアを非常に選びやすいという事が言え、最適なギアを瞬時に選べますので、最近のロードバイクの世界では、よく使われるようになってきました。
ギア比を変えるメリットデメリット
ロードバイクに夢中になる要素に、パーツの組み替えを自分の体に合わせて行える事で、自在性の高いカスタマイズが可能というところにあります。チェーンリングやクランクも、そうしたパーツの一つで、カスタマイズする事で、即座に走りに影響を与えますので、非常に体感しやすいのも面白さの要素です。
しかし、知識もなく、いきなりパーツを好感してしまうのも考えものです。特にギア比は、走りに直結しますので、とても繊細で慎重に行わなくてはならないからです。では、メリットやデメリットは、どんなところにあるのでしょうか。
自分に合ったペダリングを追求できる
ギア比を変える事で、得られるメリットやデメリットには、いくつかのパターンが存在しています。当然ですが、ロードバイクにとってギア比はかなり重要な要素をもってますので、交換する場合はある程度の知識を得て、慎重に行う必要があります。
まず、ギア比を変えるメリットとして、これまでペダリングが軽すぎてしまい、思いきりペダルを回しても回りきれないという事があります。自分に合ったギア比にする事で、力が無駄にならず重すぎて体力の消耗が激しい、といった事が無くなる利点はかなり大きなものです。
苦手なコースでも快適に走れるようになる
ロードバイクを、始めたばかりの初心者にもよくある事ですが、変速機の操作もままならず、トレーニングを始めたばかりで脚力不足になりやすいという事があります。専門的になりますが、脚力には個人差というものがあり、誰しも同じ条件で素早く走る事ができるという事はありません。
もちろん、ご自分の脚力が、どのようなコースに合っているかを確かめておく必要がありますが、ギア比を調節する事によって、山道を平地と同じ力で走る事も可能なのです。
慣れるまでパーツ交換に手間がかかる
これまで、ギアを変える事で、得られるメリットを説明してきましたが、当然の事ながらメリットばかりではありません。デメリットとして考えられるのは、パーツ交換の際にしっかりとトルクを締めて、部品交換を確実に行わなければ、せっかく交換しても走行中に外れるという事も考えられます。
また、カスタマイズの知識も非常に重要性が高く、誰しも簡単にパーツを組むといった事ができないという難点もあります。確かに、手順を踏んだパーツ交換ができるようになるには、一定の慣れが必要ですが克服は可能です。
走りやすいギア比でロードバイクを満喫
ご自分のロードバイクを満喫する為にも、カスタマイズという要素は、かなり重要な位置を占めています。確かに、こうしたパーツは、慣れるまでパーツ交換に手間がかかるのは事実ですが、ロードバイク愛好者としては、いつかは通る道と考えれば、少しは気が楽になるのではないでしょうか。