ロードバイクの平均速度は実力の指標
ロードバイクを楽しむ人が増えており、スポーツアイテムやスポーツアプリを利用すれば、距離や時間、速度や心拍数、消費カロリー、位置情報などまで一発でわかるようになっています。ただし、ロードバイクの平均速度の考え方について、正しく理解できていない方も少なくありません。重要なロードバイクの平均速度の出し方について紹介します。
平均速度の正しい考え方
自転車の種類がたくさんある中で、ロードバイクは最も速く走ることができる自転車です。そのスピード感がロードバイクの魅力であり、他の自転車に比べてスピードを出しやすく、長距離の走行にも向いています。ただし、アプリなどの数値をそのまま見てしまうと、実際の平均速度と異なることがあるため、実際の速度の味方や注意すべきことも知っておきましょう。
平均速度は重要
ロードバイクの魅力は、なんと言ってもそのスピード感です。ロードバイク初心者の方は、こんなに簡単にスピードが出るのかと、ロードバイクの魅力にどんどんハマっていくようになります。スポーツアイテムやアプリでロードバイクのスピード数値が可視化されると、速度もわかりやすくなり、もっと速さを出したいと考える方もおられます。
しかしながら、ロードバイクは短距離型ではなく、長距離を速く走り続ける競技となります。そのため、最高速度の瞬間よりも、平均速度が重視される点となります。最高速度を出すためにパワーを振り切ることはNGであるという認識が必要です。
平均速度は勘違いしやすい
平均速度は、距離を時間で割れば簡単に計算することができます。ロードバイクの平均速度は、基本的に速さが出るように設計されたスポーツ自転車のため、初心者であっても速くこぐことが可能です。デジタル化が進み、様々な数値やステータスが見えるようになると、自分の実力を見誤りがちになってしまいます。
ロードバイクを始めて間もない人は、その数値が何を意味しているのかわからないまま周りに平均速度として伝えてしまうと、相手にも間違った解釈で伝わってしまう事がありますので注意しましょう。
平均速度は2種類ある
ロードバイクの平均速度は、「グロス」「ネット」の大きく2種類に分けられています。グロス(GROSS)とは全体、総体という意味の英語からきており、ネット(NET)とは、正味という意味をもちます。信号待ちや休憩時間を含む平均速度を「グロス平均速度」、それらを含まず、走行している間だけの平均速度を「ネット平均速度」と呼びます。
ロードバイク初心者は、このネット平均速度だけを考えてしまいがちです。計測条件の設定によっては、より都合のいい結果を導くことにもなり、当然ながら、グロス平均速度よりもネット平均速度の方が速くなるため、上級者並の平均速度になってしまいます。
目指すべき平均速度について
ロードバイクを始めるにあたり、平均速度の目標となる数値が必要になります。普通の自転車と違ってスピードが出やすいロードバイクは、瞬間的にスピードを出せても、長距離的にそのスピードを維持することはほぼ不可能となりますので、現実的な設定を行うことが大切です。もちろん、誰でもすぐに上級者並に出せるわけではありません。技術を少しずつあげていくためにも、最初の設定が肝心となります。
初心者は20キロ程度を目安
プロのロードバイクのレーサーなら、平均速度40キロでも普通に走ることができ、ゴール直前には自動車レベルの60~70キロ程度まで出すことも可能です。ただし、初心者の場合は、瞬間的にその速度を出すことはできても、維持することはまず不可能です。つまり、プロの数値を目標にする必要はなく、まずは空気抵抗の少ない速度を目標にします。
初心者レベルであれば、15~25キロ程度、中級者レベルは25~30キロ程度、上級者レベルは30~40キロ程度とされています。時速30キロあたりから空気抵抗による壁ができますので、初心者は平均速度25キロを目安にすると無理のない設定となります。
慣れてきたら30キロの壁に挑戦
ロードバイクの平均速度は、25~30キロのあたりから空気抵抗がグッと大きくなる速度帯となり、空気の壁が立ちはだかるため、平均速度をキープすることが困難になります。ロードバイクの最初の平均速度25キロ設定に慣れてきたら、中級者と上級者を分ける30キロの壁を目標に挑戦してみてください。
ロードバイクの速度を出すためには、空気抵抗にいかに対抗できるかが勝負となります。スピードを上げれば当然ながら空気抵抗も大きくなりますのでより高度なテクニックが求められるようになります。
上を目指すなら40キロ
平均速度が初心者レベルの25キロをクリアし、空気の壁である30キロを超え、ロードバイクの平均速度が上がってきたら、大会に参加して実力を試してみたいという方も出てくると思います。国内外のプロのロードレースの場合、平均速度が40キロ程度にもなりますので、大会への意欲がある方は、平均速度40キロを目標に練習することをおすすめします。
一定のレベルの速度で、一定の時間をしっかり走りきれるように上を目指します。ロードバイクの練習はもちろん、スタミナ作り、心肺機能もアップさせるなど、基礎に戻って強い体作りを行うことがポイントです。
より上の平均速度に到達するには
平均速度を上げるためには、体作りの他にも、乗る時のフォームも大切になってきます。さらに、ロードバイクやウェアなど、よりロードバイクに特化した専門のアイテムに変えることでも、平均速度を上げることができます。トレーニングや食生活を管理しながら体力レベルをアップさせると同時に、ロードバイクのスペックも高めていくことがコツとなります。
服装を自転車用のウェアにする
ロードバイクの速さを出すためには、空気抵抗を少なくする服装がおすすめです。サイズにゆとりのあるような服装を選択してしまうと、風邪の影響を受けやすくなって空気抵抗が大きくなり、速度が出なくなってしまいます。ロードバイクの際には、必ず服装にも気を遣うことが大切です。スポーツ洋品店で販売されている、自転車専用のウェアであれば、空気抵抗を抑えるように設計されていますのでおすすめです。
フォームを直す
平均速度を上げてそれを維持できるようにするには、ペダリングやポジショニングなど、フォームを見直すことが大切です。ペダリングの場合は、1時の位置から踏み込み、下に踏み降ろすように行います。少ない力で、効率よく力を入れることができるペダリングをすることで、推進力を高めていきます。
また、ポジショニングは、空気抵抗を可能なかぎり減らすために、前傾姿勢で漕ぐことを意識します。例えば、競輪選手の姿勢などを参考にするとわかりやすいと思います。前傾姿勢で漕いでもしんどくないように、サドルの上下の位置調節や、上・下ハンドルなど、自分に適したポジショニングを見つけましょう。
自転車のパーツを変える
ロードバイクを自分に合わせてカスタマイズすることで、平均速度を上げることも可能です。特に、ペダルとタイヤを変えると平均速度が上がりやすくなります。先述したように、ペダリングも速度アップのための大きなポイントになりますが、ペダリングの効率を高めるビンディングペダルに変えてみるなどのカスタマイズ方法があります。
タイヤについても、選ぶタイヤによって平均速度が変わると言われるほど大切なポイントです。ただし、タイヤは奥が深く、より整備も難しくなっていきますので、徐々にカスタマイズしていくことをおすすめします。
初心者の方がカスタムする場合は専門店で店員さんに相談してみるのも一つの手です。
正しい知識を身につけてランクアップを目指す
ロードバイクの平均速度には、グロス平均速度とネット平均速度があり、初心者が平均速度を設定する際には、グロス平均速度で25キロ程度が目安となります。慣れてきたら30キロの壁や40キロの大会レベルに挑戦してみてください。専用ウェアや自転車のカスタマイズ、フォームを見直すなどの方法でランクアップを目指しましょう。