辛い股関節の筋肉痛の原因は?早く治す方法も具体的に紹介

辛い股関節の筋肉痛の原因は?早く治す方法も具体的に紹介

2019.02.28

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股関節の筋肉痛はどう治せばいいのか

普段から酷使することの多い股関節。ほぼ1日中休ませることができないため、筋肉痛のリスクがどうしても高くなり、放置すると慢性化する恐れもあります。厄介な股関節の筋肉痛をやわらげるために効果的とされるストレッチなどのアプローチについて詳しくお伝えしていきます。

対処法だけでなく、筋肉痛の原因についても具体的に解説していますので、しつこい筋肉痛をできるかぎり繰り返さないためのメソッドについて理解していきましょう。

股関節の筋肉が痛む驚きの原因とは

股関節の筋肉痛には必ず原因があります。日頃の生活習慣、筋肉の構造、年齢、性別など、その人の属性によって筋肉痛のなりやすさが変わってきますが、それ以外にも、筋肉内部に蓄積する化学物質や神経伝達物質などが増えることによって筋肉の痛みが生じやすくなると言われています。

股関節の筋肉痛が生じるおもな原因を把握して、筋肉疲労を少しでもやわらげるためのアプローチについて考えていきましょう。

筋肉の柔軟性が落ち硬くなっているため

若い頃は急な運動で体を酷使しても筋肉痛にはなりにくかったのに年齢を重ねるにつれて筋肉痛のリスクが高まっていくのは、単純に筋肉が固まっていくためです。

つまり、筋肉を健康に保つためには柔軟性が大切であり、日頃から筋肉をほぐすなどして柔軟性をキープしていればシニア世代になっても股関節の可動域が維持され、筋肉痛や骨折のリスクを低くおさえることができます。

股関節にかぎらず、筋肉の柔軟性を守るためにはストレッチが有効ですが、普段あまり運動をしない人がいきなり本格的なストレッチを行うと筋肉の損傷がかえって大きくなり、痛みがさらに強くなってしまいますので、慣れないうちはまず軽いウォーミングアップ程度のストレッチが覚えていくようにしましょう。

ブラジキニンなどの痛み物質が筋膜を刺激している

筋肉には、何らかの刺激や圧力を受けると反射的に収縮状態に入り、それ以上の損傷から組織を守るシステムがそなわっています。筋肉が収縮して硬くなると次第に周辺の血管や神経を圧迫し、その結果として血流が阻害されます。

血流が阻害されるとその周辺が酸素不足に陥り、栄養不足を感知した神経伝達物質が大量に分泌され、違和感や傷みとして伝えられます。

この時の痛みがいわゆる筋肉痛であり、放出される神経伝達物質が「ブラジキニン」です。筋肉の収縮レベルには段階があり、「筋攣縮(スパズム)」、「筋拘縮」、「筋硬化症」の順に筋肉が硬くなっていきます。

慢性的な筋肉痛を長期間にわたって放置していると次第に筋攣縮へと近づいていき、筋硬化症まで至ると通常のマッサージでは簡単に元の状態に戻せなくなりますので、筋肉痛が軽いうちからストレッチやマッサージなどでこまめに筋肉疲労をやわらげる必要があります。

股関節の筋肉痛には軽い運動が効果的

股関節の筋肉痛をやわらげるためには、適度な運動が重要です。痛みがあるからといって長い間股関節を動かさずにいると周辺の筋肉まで固まってしまい、本格的な筋硬化症へとつながってしまいます。

傷みがある状態でも無理なくつづけられる股関節の運動のメソッドについて、初心者の方にもわかりやすくお伝えしていきます。

股関節を柔らかくするストレッチ

股関節の筋肉痛を防ぐためにはまず、筋肉や関節の柔軟性をキープすることです。柔軟性を保つうえでは毎日のストレッチがポイントとなり、正しいメソッドでストレッチをつづけることによって自然と関節や筋肉がやわらかくなり、筋肉痛だけでなく骨折や脱臼の予防にもつながります。

股関節の可動域を広げるために有効なストレッチとしては、「あぐら前屈ストレッチ」が挙げられます。詳しい手順は以下の通りです。

1.床に座る 2.あぐらをかくようにひざを曲げ、両足の足の裏を合わせる 3.あぐらをくずさないまま上体をゆっくりと前へ倒す

このストレッチのポイントは「股関節を開く」ことにあります。普段の生活ではどうしても股関節が収縮する動きのほうが多くなり、筋肉痛を助長する原因になってしまいます。

股関節の筋肉痛を柔軟に保つという意味では、「開脚前屈ストレッチ」もおすすめです。上記のストレッチを足を伸ばして開脚して行うバージョンとしてイメージすればわかりやすいかもしれません。こちらのストレッチは「無理のない範囲で関節を開く」ところがポイントで、開く角度が浅すぎても充分な効果は得られませんし、だからといって無理をして開きすぎると余計に痛みを強めてしまいます。

壁や椅子を使うだけで簡単にできるストレッチ

身近なアイテムを使うことで、股関節ストレッチのバリエーションをさらに広げることができます。 まず、壁を効果的に使ったストレッチを以下にご紹介します。

1.片膝立ちになる 2.両手のひらを壁につける。 3.片方の足を後方へのばしていく

ご家庭でも広い壁さえあれば手軽に行えるのでおすすめです。 また、以下のように椅子を効果的に使うこともできます。

1.椅子に座る 2.両手を腰に当てて、片方の足を反対側の太ももに乗せる。 3.上半身を前に倒し、その姿勢を20秒キープ。

股関節はもちろんのこと腰や骨盤の柔軟性をキープすることができ、筋肉痛や骨折の予防にもつながります。

バランスボールを使った運動も効果的

股関節の可動域を広げ、柔軟性を保つためには「ひねる」動作も重要になります。バランスボールを取り入れることで股関節ストレッチにひねる動きをくわえることができ、運動不足で凝り固まった関節を段階的にほぐしていくことができます。

バランスボール運動ではひねりを最大化したほうが効果が高まるため、腰をひねりながらも頭と肩はできるかぎり正面のポジションを保つことが大きなポイントと言えます。

スクワットも良い効果が期待できる

特別なアイテムを使わずに股関節をやわらかくする運動としてはスクワットがより効果的です。屈伸運動の際に股関節を意識的に開くようにすることによって運動効果をさらに高めることができ、毎日30分程度、1回あたり10回〜30回のセットを3セットほど繰り返すことで無理なく股関節の筋肉をきたえることができます。

ただし、スクワットをやりすぎると関節に過剰な負担をかける運動ですので、もともと股関節に少しでも違和感がある場合には決して無理をせず、必要ならば専門医に相談したうえで始めるタイミングを見きわめましょう。

股関節の運動時に気を付けるべき点

筋肉痛や骨折の予防には毎日の適度な運動が不可欠ですが、誤ったメソッドによってストレッチを続けるとかえって筋肉に負担をかけてしまい、せっかくの運動効果が台無しになってしまいます。股関節ストレッチでまず注意すべきポイントについてしっかりチェックしておきましょう。

週に2回程度継続して続ける

どんな運動も、長いスパンで継続して行わなければ意味がありません。股関節ストレッチの場合、おおよその目安として週に2回程度つづけることが望ましいとされており、それ以上の頻度で行うと筋肉の損傷をかえって大きくしてしまうと考えられています。

ストレッチのポイントは「こまめにつづけること」で、1回10分ほどのセットを5セット〜10セットほど定期的につづけることで筋肉の負荷が適度に取りのぞかれ、疲労が蓄積しにくくなります。

痛みが強い場合は運動は避け安静にする

ストレッチの基本は一定の間隔でコンスタントにつづけることですが、筋肉や関節に痛みがある状態で無理をしてつづけてしまうとデメリットのほうが大きくなり、まったくの逆効果になってしまいます。

股関節のあたりに少しでも違和感がある場合は決して無理をせず、ストレッチなどの負荷がかかる運動をさけて安静にしていたほうが長いスパンで見ても安定した痛みの緩和効果を得られると考えられています。

その他股関節の筋肉痛を改善するためにできること

ストレッチ以外にも、股関節の筋肉痛をやわらげるメソッドはいくつか紹介されています。仕事などで毎日忙しい方でも御家庭で簡単につづけられる筋肉のメンテナンス方法について具体的にお伝えしていきます。

体を温めて血流を良くする

筋肉痛がひどくなる大きな原因として、血流の悪化が挙げられます。いったん血流が阻害されると周辺が酸素不足に陥り、痛み物質が大量に分泌されるため筋肉痛がより強く感じられます。

血流を改善するためには温熱療法が効果的で、入浴や温湿布などで筋肉を温めるだけでも充分な血行促進効果が期待でき、筋肉痛の緩和につながります。

栄養のバランスには気をつける

ストレッチや筋トレなどの外部的なアプローチも有効ですが、一方で体の内側から筋肉痛になりにくい土壌をととのえることも重要です。

健康の基本は何よりも、日頃の栄養バランスをととのえることであり、肉類、魚介類、野菜、果物と幅広い栄養素をコンスタントに摂取することで自然に体質が改善されていきます。筋肉痛の緩和に特に効果的とされる栄養素についてチェックしていきましょう。

タンパク質を意識して摂取する

筋肉の原料として知られるタンパク質。特に、運動後に良質なタンパク質を補給することで損傷した筋組織をすばやく回復させることができ、なおかつ次のトレーニングにつながるエネルギーを充填することにもつながります。

ビタミンやミネラルも忘れずに

ストレッチを長いスパンでつづけるためにはエネルギーの補充はもちろんのこと、蓄積した筋肉疲労を迅速に回復させる、ということもポイントになってきます。

ビタミンやミネラルを日々の食事から効率的に摂取することによって疲労回復のサイクルがととのえられ、毎日トレーニングをつづけたとしても負荷が蓄積しにくい体質へと変わっていきます。

痛みが強いときや少しでも不安がある場合は病院で診察を

「継続は力なり」というように、筋肉痛の緩和には定期的なストレッチやトレーニングが不可欠ですが、痛みが強い状態で我慢してつづけるのは百害あって一利なし、です。股関節にもともと持病を抱えていたり、ストレッチをつづけていくなかで痛みや違和感が強まってきた場合にはただちに運動を中止し、専門医に相談しましょう。

股関節の筋肉痛の原因としてはいろいろなパターンが考えられます。一時的なものだろうと軽視せず、痛みや違和感が表れた時点ですみやかに専門医に相談し、ストレッチやマッサージなどの緩和的アプローチを摸索しましょう。

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