虫エサが苦手でもOK。手が汚れないエギングで冬のヤリイカを狙おう

虫エサが苦手でもOK。手が汚れないエギングで冬のヤリイカを狙おう

2018.02.23

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ヤリイカの特徴

大型のヤリイカは35センチある

沖縄を除く日本列島各地で釣れる食用イカとして人気が高いヤリイカですが、胴体の部分だけを見てもメスで20~30cm、オスでは30~40cm程とサイズが大きいのが特徴です。胴体部分だけで40cmほどもあるので、足まで全て含めた大きさはとても大型のイカといえるでしょう。 ヤリイカは胴体の色は平常時は透き通っていてとても綺麗なのですが、興奮すると赤茶色に変化します。ケンサキイカと比べると全体的にほっそりとしているのが特徴です。

産卵前がサイズが大きい

ヤリイカの寿命は1年です。1月あたりには九州地方で存在が見られ、それから徐々に北上していき、春先にはほとんどの地域で産卵を完了し寿命を全うします。孵化後3カ月で3センチほどになり半年で成熟するのですが、卵を持つ事により産卵前が一番大きいサイズになります。また、この卵も美味で、子持ちのメスは煮付けをするのがおすすめです。

群れで泳いでいる

ヤリイカは北海道南部から九州にかけた全国の沿岸部に分布し、水深30~200mの砂泥底の海域に群れを成して生息しています。その為、1匹釣れると立て続けに釣れ続けるという『爆釣』といった現象が発生する事もあるので、群れを見つけるとラッキーです。ただ、春先の大きなヤリイカは単独行動をしているものもあるので『爆釣』をあてにするのは危険です。

ヤリイカとケンサキイカの見分けポイント

ヤリイカの方が腕が細く短い

ヤリイカと、ケンサキイカはとても似ているため、パッと見ただけでは判別は難しいでしょう。特に、釣りに慣れていない人なら1ハイだけ見ただけで特定ができる人は少なのではないでしょうか? ヤリイカはケンサキイカよりも腕が細くて短いのが特徴です。10本の腕のうち2本は「触腕」と呼ばれる、先端に吸盤がある長い腕になります。この触腕を使い獲物を捕らえる事が可能ですが、ヤリイカは腕が短い為、小さめのエサを好みます。

ヤリイカの方が尾部が鋭い

ケンサキイカを漢字で書くと「剣先イカ」。名前の通り、尾部が剣の形になっています。ヤリイカは「槍イカ」。その文字の通り、尾部が鋭い槍のような形です。胴体が細く大型で、特にこの部分はとてもわかりやすい特徴なので、尾部を見ればどちらか見分けが付きやすいといえます。 また、同じ胴長の場合、胴長に対する太さや細さも、ヤリイカとケンサキイカの見分け方の一つで、胴が細い方がヤリイカで太い方がケンサキイカです。

ヤリイカのエギングについて

餌を使わないで釣る方法

堤防から狙う餌を使わない釣り方を「エギ」といいます。エギとは、小魚を模った木に様々な色の生地を巻き付けた、日本に昔からあるイカを狙うルアーのことです。近年はプラスチック製のものが主流になっているのですが、昔からの名残で「餌木」と呼ばれています。この「エギ」での方法は餌を付け替える必要がない為、手が汚れる心配がなく、エサ付けが苦手な人でも安心して釣りを楽しむことができます。

餌を巻き付けて釣る方法

警戒心が高く腕が短いヤリイカは、エギに抱きついてもすぐに離してしまいます。他のイカよりも釣り上げにくいのが特徴です。仕掛けに鶏皮やササミ、キビナゴなどを巻き付けて、食い付いた時に肉から出るアミノ酸によって本物の餌だと勘違いさせ抱く時間を長く取る「テーラー」という仕掛けを使用する方法があります。 イカの警戒心が弱まる夜に、電気ウキを使って行います。蓄光する仕掛けに生エサを巻き付け、頻繁にリールを巻いて仕掛けを動かすことでイカにアピールします。

ケンサキイカのエギングの釣り方

夜の方が釣りやすい

先ほど記載したように、ケンサキイカは非常に警戒心が高いので、夜の方が釣れやすい傾向にあります。夜は警戒心が弱まる事もありますが光にも寄ってくるので、発光するものや電気を持って行った方がよいでしょう。波止場に外灯があれば最高の環境といえるでしょう。

ゆっくりリールを巻く

エギングはシャクる事がポイントですが、ゆっくりとリールを巻く平行移動の方法でもイカを誘う事ができます。ヤリイカは身がとても柔らかいため、強く巻いてしまうと身が裂けてしまいます。そのため、仕掛けに抱きついたらゆっくりと巻きましょう。イカが仕掛けを離してしまわないように慎重に行動する事が重要です。しかし、モタモタしすぎてしてしまうと離れてしまうので、最適な速さを見極める必要があります。

ヤリイカエギングのシャクリ方

2~3回シャクるのがポイント

先ほどから頻度に使用している「シャクる」という作業は、まずエギを遠投して底まで沈め、底に着いたらロッド(竿)を素早く上に振り上げることを指します。そうするとエギは水中で上に跳ね上がりますのでこれを「シャクる」と呼んでいます。このシャクりを2~3回軽く「チョンチョン」とするのが効果的で、その後沈み始めたところにイカが乗ってくる傾向が見られます。

優しくシャクる

アオリイカなどは強く何度もシャクる方がよいとされているのですが、ヤリイカは非常に臆病なため、あまりにも大きな動きをする獲物には近寄りません。エギをいかに本物の魚のように動かすかは重要なポイントなのですが、ヤリイカを狙う際はあまり激しく行わない方がよいでしょう。優しくシャクる事でヤリイカに安心感を抱かせ、いつでもエギを狙えるようにしておくことが大切です。

ヤリイカエギングのタックル

丈夫なエギングロッドを選ぶ

ヤリイカは他のイカと比べると比較的大型のイカで、風や波が強い冬の時期に釣れやすいといえます。その為、少しパワーのある表示がミディアムくらいのエギングロッドをおすすめします。パワーがないと風が強い時にロングキャスト(遠投)ができなくなるので注意しましょう。

エギの操作がしやすいPEラインがよい

PEラインは強度があり強くしなやかな為、大型のヤリイカ釣りにはおすすめで、号数は0.8~1.0がよいでしょう。数字が小さい号数は当たりがわかりやすいので好んで使用する方が多く見られますが、このぐらいの大きさだと、ヤリイカがヒットしても安心して釣り上げる事ができるので、やはり小さい数字よりも適しているといえます。逆にこれ以上大きくすると潮に流されやすくなってしまうので、最適なのは1.0までです。

リーダーはエギング専用がおすすめ

リーダーはフロロカーボンを使いましょう。フロロカーボンは摩擦に強く岩などで糸が擦れても切れにくい素材です。また、水よりも比重が重い為、エギが沈んでいくのを邪魔しません。ポンド数は8~12ポンドぐらいがおすすめです。長さは1.5~3mほどで、風の強さなどで調節し、風が強い時に長くとっておくと、PEラインを安定させやすいでしょう。

ヤリイカエギングのアクション

ロッドのリズムが大事

シャクるよりもロッドを小刻みに動かし、エギを水平に移動させるテクニックを「ジャーク」といいます。このジャークの後にリールを1回巻き取る行為をリズミカルに繰り返す事によって、水中ではエギが、弱弱しくなった小魚が逃げていくように見えます。そうする事によってイカが乗りやすくなるので、ロッドのリズムはとても重要になります。ただし、イカはとても賢く、同じようなリスムの繰り返しは偽物だとバレてしまいますので適度に変化させる事が重要です。

潮の流れに乗せる事が重要

海中では潮の流れに沿って生物が移動している為、イカの餌となる小魚やエビも同様な移動をしています。エギももちろん、その流れに乗せる事が重要で、通常の餌と勘違いして食い付いてくれる効果があります。流れに乗せる方法をドリフトといい、シャクるのをやめてひたすら流れに身をまかすのです。これでは全く釣れないのでは?と心配になりますが、潮の流れがある時にはこの方法がとても有効になる場合もあるので、一度試してみる価値はあるでしょう。

ヤリイカの調理方法

内臓もあるので塩辛も作れる

釣りあげたヤリイカはとても新鮮で、歯ごたえもとても良く、一度口にすると病みつきになってしまうほどです。お刺身はもちろんですが、ここでは新鮮なヤリイカで作る自家製塩辛の作り方をマスターしましょう。

必要な材料

・ヤリイカ…2杯 ・塩…大さじ2

作り方

1.内臓に塩を振る 2.一晩おいて酒とみりんでのばす 3.細切りにした身と混ぜる

作り方のポイント

身の部分は水分をキッチンペーパーなどで拭き取り、外で半日ほど干すとより美味しさが増します。生ならではの食感を楽しみたい方は干さずにそのまま使いましょう。

味の染み込んだイカ飯

ヤリイカは火を通しても身が硬くなりにくいのが特徴です。味がしっかり染み込んだイカ飯はお酒のアテにもピッタリです。大きなヤリイカで作るイカ飯は食べごたえも見応えもインパクトがありアウトドアの料理には最適で、醤油との相性もピッタリです。ぜひ、ヤリイカを使った簡単なイカ飯で仲間と盛り上がりましょう。

必要な材料

・ヤリイカ…2杯 ・大根…15センチほど ・もち米…2分の1カップ ・うるち米…2分の1カップ ・ニンジン…4分の1本 ・ゴボウ…10センチほど ・ショウガ…1片 (米の下味用) ・醤油…大さじ1 ・酒…大さじ1 ・みりん…大さじ1 ・だし汁…100ml (煮汁用) ・ショウガ…1片 ・めんつゆ…大さじ3 ・酒…大さじ3 ・砂糖…大さじ1

作り方

1.もち米を1時間以上浸す 2.げそをもち米と混ぜる 3.イカの中にもち米を詰める 4.鍋にだし汁、酒、めんつゆ、砂糖を入れて沸騰させる 5.沸騰したらイカを入れて20分煮る

作り方のポイント

イカの胴にお米を詰める時は7分目ぐらいにしましょう。入れすぎてしまうと、膨張したりお米に芯が残ってしまいます。

ヤリイカのエギングはコツは掴むことが大事

冬に捕れる魚介類の代名詞ともいわれ、とても上品な甘みがあり歯ごたえが抜群のヤリイカは、高級イカとして分類されています。特に九州地方ではとても重宝されていて、今では地域を代表する名産物となっています。 このヤリイカを釣り上げるには、エギングのコツを掴むことが大切です。シャクる回数や強さ、ドリフトのタイミングなど、エギングをマスターするのはとても奥が深いといえます。潮の流れも見なければなりませんし、頭の良いイカを相手にどのようにして食い付かせるかという駆け引きもとても魅力的です。 最初はスマートなスタイルや「虫エサが苦手だから」という理由でエギングを始める人も多いのですが、そこからイカ釣りに魅了されるのは、この奥深さなのでしょう。ヤリイカのエギングをマスターし、新鮮なヤリイカの味覚を楽しみましょう。

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