タコが釣れる条件 釣れる時期は5月から10月まで タコというのは一年中平均して釣れるわけではなく、一年を通してみると5月から10月が適したシーズンといえます。特に6月~8月はたくさんのタコを釣るのに適しており、9月上旬以降は釣れる数は減りますが、大きい個体が釣れるようになります。 ただしタコの種類によっても釣れる時期は若干違ってきますので、なにの種類のタコを釣りたいかを明確にして季節を選ぶことも大切です。例えばイイダコは冬から春に産卵するので、秋から冬にかけて浅場にくる習性があります。ですから9月から12月が釣りに適した時期ということになります。 夜行性だから暗くなってからがよい タコは基本的に夜行性で、暗くなるとエサを探して活発に動き回るという習性があります。ですから堤防などで効率のよい釣りをしようと思うのなら、タコが堤防に接近してくる夜間の釣りがおすすめです。 ただし船釣りの場合、素人が夜間にでるのは少し危険なため、午前中の6時からお昼ごろまでが一般的です。何度か船釣りにでてコツがつかめてくれば、昼間でも比較的豊漁が楽しめます。 潮が動いているときがよい 潮は釣りをする際には、必ず考慮しなければならない大切な条件ですが、タコを釣る場合は潮がゆるやかに動いているときが最もたくさん釣れるようです。 よく大潮よりも小潮のときのほうが釣りやすいという意見を聞きますが、大潮とは「干潮と満潮の差が最大のとき」小潮とは「差が最小のとき」という意味です。タコ釣りでは小潮のときのほうが一般に収獲が多いといわれています。 晴れているほうがよい 釣りは水温や潮の流れ、時間帯や季節などによって微妙に変化するデリケートな趣味です。だからこそファンも多いわけですが、天候的には晴れでも雨の日でもそれほど釣れる数に違いはないようです。釣る側としては晴れの日のほうがもちろんやりやすいのですが、晴天続きの日よりも雨が続いたあとに急に晴れあがった、そんな日が狙い目です。 河口に近い場所で釣る場合、雨が降っていると真水が河口から流入してタコが離れていってしまうので、河口近くで釣りを予定している人は晴れの日を選びましょう。 タコの種類 西側に多いマダコ タコにはいくつかの種類がありますが、特に食用として有名なのがマダコです。マダコは体長約80cm、体重は平均が1.5kg、大きいものになると3kg以上になります。 能登半島以南の日本西側で獲れることが多いこのマダコ、日本海側はいないという特徴があります。マダコは日本では最もポピュラーなタコで、白いものを餌として認識する傾向があるようです。 本州全域で釣れるイイダコ イイダコはマダコよりも小さめですが、本州全域で釣ることができます。小さいタコでクセがなく、味がおいしいということで、このイイダコにターゲットを当てて釣りをする人はたくさんいます。イイダコ専用の仕掛けなどもありますので、いろいろテクニックを開発するのもおもしろいでしょう。 釣り歴の浅い人でも、楽しみながら釣り方を覚えることができるというメリットがあります。料理のバリエーションが多いのもイイダコのメリットです。最もシンプルなところではイイダコ飯がおすすめ。釣りから持ち帰ったら、くちばしと目を取り除き、塩と酒を加えたお湯でさっと茹でておきます。お米をといで醤油・みりん・酒・昆布などを加え、イイダコと一緒に炊飯器で炊けばおいしいイイダコ飯のできあがり。 大きいミズダコ マダコより大きいタコにはミズダコがあります。ミズダコの大きさは世界最大級で、腕を広げると3mから5mにもなります。中には9m以上になるものもあるようです。マダコは頭がつるつるした感じですが、ミズダコのほうは、ひだひだがあるのが特徴です。 冷たい海が大好きなので冬でも釣ることができます。日本海側や東北地方でもこのミズダコがよく釣れます。マダコとミズダコを比較するとミズダコのほうは、やや水っぽくて身が柔らかく、マダコのほうが身が引き締まっていて味がいいという違いがあります。 毒をもつヒョウモンダコ タコのすべてが食用になるというわけではなく、なかには毒性の強いものもあります。特にヒョウモンダコは、体長10cmほどと小さいわりに強い毒性がありますので、万が一釣れたとしても絶対に触らないようにしたいものです。 特に唾液には「テトロドキシン」というフグの毒と同じ猛毒が含まれていて大変危険です。体色は周囲の海藻などに合わせて素早く変化させることができますが、非常時には青い輪状の模様がでてきます。 タコ釣りの仕掛け 餌が不要なタコジク タコを釣るにはいくつかの仕掛けを使う方法がありますが、防波堤で釣りをする場合には初心者向けとして「タコジグ」がよく使われます。タコ釣りのルアーを使うメリットは餌が必要ないことですが、防波堤の壁際にくっついているタコを釣ろうというのであれば、タコ型の仕掛けを沈め、竿先を小刻みに上下に動かします。 仕掛ける深さは夏場なら中層、秋なら底を狙うといいでしょう。壁から少し離れた場所のタコを狙うのであれば、舟型のタコジグを使用し、15~20mほどの距離に仕掛けを投げ、重みを感じたらすぐに巻き始めるようにしましょう。 基本の仕掛けのタコテンヤ タコ釣りの代表的な仕掛け、タコテンヤは1,000円~1,500円程度で購入できますが、凝り性の人は自分で作ってしまうのもいいアイディア。必要な材料は「タコハリ」と「オモリ」「サルカン」と、餌を巻き付ける「ステンレス線」「瞬間接着剤」そしてベースとなる「木材」です。 木材は長さ150mm×幅24mm×厚さ6mm程度にホームセンターで切ってもらうといいでしょう。素材としては水に強い赤松がおすすめです。タコの視覚は色も識別するそうなので、木材は赤などで塗っておくとより効果的です。 タコ釣りのコツ 仕掛けを海底にキープ タコ釣り初心者の場合、成果があがりやすいのは漁港や防波堤などです。タコは基本的に海底にじっとしていて目の前をよぎった餌に襲いかかる習性があります。 泳ぐことがたまにはあってもあまり上に行くことはないので、仕掛けは海底にキープして浮かない様にするのがコツです。オモリはタコテンヤ専用のものも市販されていますが、特にこだわらなくてもいいでしょう。 派手な飾りがよい タコは派手な飾りに寄ってくるので、テンヤ釣りをする人はできるだけ光沢がある飾りなど、派手なものを選ぶといいでしょう。 赤や金色・銀色・ピンクなどの、キラキラしたビニールテープを付けると、タコの関心を惹きつけることができます。水が濁っているときや夜間は白か銀色、昼間で水がクリアなら赤色がおすすめです。 アワセはゆっくりおこなう タコジグやテンヤ釣りの場合、タコがよってくるタイミングは今ひとつ正確にわからないものですが、この辺りは経験を積んで慣れるしかありません。タコがよってきたと感じたら、竿を上に持ちあげるようにするのがポイントです。 横に引くと掛かりが浅くなって逃げられてしまう可能性が大きくなります。タコジグでは海底をトントンしますが、タコジグが動かなくなったらゆっくり合わせましょう。 やりとりは一定のスピードでおこなう タコの仕掛け針には基本的に返しが付いていませんので、スピードを一定に保ち、テンションをキープしながらゆっくりと巻きあげていくのがポイントです。タコの吸盤の力は非常に強いので、壁などに貼り付いてしまうと剥がすのがとても難しくなります。 また、タコはとても狡猾な生き物なので、気を抜いてしまうと自分で針を外して逃げてしまうこともあるため、慎重かつスピーディーにすすめることが重要です。 タコ釣りで釣れる他の魚 毒針のあるウミケムシ 餌釣りで釣れるタコ以外の魚のなかに、ウミケムシがあります。このウミケムシは毒針を持っているので、触らないように注意しなければなりません。その名前の通り毛虫にそっくりですが、体長10cm以上の大きいものもあり、毒針に刺されてしまうと激しい痛みとかゆみ、腫れに悩まされます。 痛みは丸1日続きますが、痒みのほうは数週間続くこともしばしば。ウミケムシが釣れた針には毒が付着していますので、再活用せずに処分しましょう。 襲ってくるウツボ ウツボはタコの天敵です。引っ掛かったタコや餌に向かって襲いかかってくることがあり、タコだと思って引きあげたらウツボだったということも。ウツボは非常に鋭い歯を持っており、うっかり近づくと噛み付こうとしますので危険です。 顎の力が強靭で、手首に噛みつかれて手術を余儀なくされた釣り人などもいるため、近づかないのが一番。釣りあげずに切ってしまうことをおすすめします。 高価なアオリイカ イイダコやマダコを釣ろうとしていて、たまにアオリイカが釣れる場合があります。アオリイカは、たいへん美味で、市場では高値で取り引きされているイカなため、釣れたらもちろん持ち帰りましょう。アオリイカは1kgが3,000円~5,000円と高価なため、スーパーマーケットでは、なかなかお目にかかれない逸材です。 いろいろな食べ方がありますが、やはり刺身が一番です。透き通るようなアオリイカの身は繊細な味わいで、甘みも強く、次にタコ釣りに行くときもアオリイカの余録を狙ってしまいそうです。 噛む場合があるクロアナゴ クロアナゴもタコ釣りでときどき引っ掛かってくる魚の一種です。「クロアナゴ」という名前から食用の本アナゴを想像する人も多いかもしれませえんが、クロアナゴは本アナゴよりも身体が黒っぽいだけではなく、獰猛な性格で噛み付いてくる場合がありますので注意が必要です。 別名「カラス」「クロべエ」「バカ」などともよばれているクロアナゴは、食べられないことはありませんが、あまりおいしいとはいえません。おろすのに手間がかかるので、プロが調理した湯引きが大分県白木杵市の料理屋で食べられる程度で、一般家庭で食べられることはほとんどありません。 タコを持ち帰る方法 眉間を刺す 釣ったタコを持ち帰る場合には、生きたままではなく、シメてから持って帰ったほうが、おいしくいただけますし、生のままクーラーボックスに入れると吸盤で他の魚に吸いついたり大変なことになります。 じょうずにシメるには、両目の間をフィッシングナイフで刺すのがポイントです。ナイフで急所をうまく刺すと身体が白くなるのですぐにわかります。ナイフを刺すときは頭の皮を引っ張るようにするとやりやすいでしょう。 内臓と筋を切る 身体が白色に変わったら、内臓を取り除くために頭を裏返す必要があります。一見難しそうですが、目の裏側の部分の筋を切れば簡単に裏返すことができます。やり方がわからない人は動画を検索して研究するのがおすすめです。 ただしイイダコは小さいので、特にシメたりせずにそのままジップロックに入れて持ち帰り、家に着いてから調理しても大丈夫です。 真水に浸からないようにする タコは真水に入れると鮮度が極度に落ちてしまうので、ビニール袋と氷を用意しておき、内臓を取り除いたあと一杯ずつビニール袋に入れて氷で鮮度を保ちます。ビニール袋はジップロックタイプのものがいいでしょう。 タコは持ち帰ったらぬめりを取る必要があります。タコをボウルなどに入れ、多めの塩でもんでぬめりを取り、きれいに水洗いします。ぬめりがなくなるまで、何度も塩でもんで水洗いを繰り返します。 タコ釣りはコツをつかんで釣る タコは終始泳ぎ回っている魚とは習性が違うため、慣れるまでは少し手こずるかもしれませんが、いったんコツを掴めば、思わぬ豊作に出逢うことも。どんな状況で、どんな仕掛けをすると成功率が高いのか、何度も実地で試してみるのが上達への早道です。 RELATED POSTS 関連記事一覧 筋トレ効果が出始める期間を知ろう|筋トレの目的別効果も大公開 | 2020.04.06 人気の「ダンベルスクワット」で鍛えよう。正しいフォームや効果とは | 2020.04.06 男性用の白髪染め初めての方は必見|どこから見ても隙のない男へ | 2019.09.05