【ロードバイクのタイヤ交換】手順・ポイントを押さえて簡単に

【ロードバイクのタイヤ交換】手順・ポイントを押さえて簡単に

2018.02.23

Share :

ロードバイクのタイヤ交換に必要なもの

ホイールからタイヤを外すタイヤレバー

タイヤレバーは、タイヤをリムから外すための道具です。リムとタイヤの隙間に差し込んで使います。また、てこにして、ホイールにはめ込んだりする際にも使用されます。 さまざななブランドから出ていますが、先が細いもの(隙間に差し込みやすい)や、耐久性の高いものがおすすめです。タイヤレバーはおおむね、3本セットで売られています。

ケガや手の汚れ防止の軍手

タイヤ交換中は、ケガをする恐れがあるため、軍手が必須になります。ギアやチェーンに手をひっかけたり、タイヤをはめるときに、手のひらの皮がむけたりするからです。 また、オイル汚れは、服や手につくとなかなか落ちないため、汚れを防止する意味もあります。作業のしやすい、滑り止めタイプのものを用意しておくといいでしょう。

ホイールサイズに合う新品のタイヤ

タイヤの側面には、規格が表示されています。ロードバイクの場合、WO(ワイヤード・オン)という規格が用いられており、以下のように表記されます。 例:27×13/8 「27」はタイヤの外径を、「13/8」はタイヤの太さをインチで表したものです。 幅部分が「1.50」のように、小数点で表記されているものは、別規格であるHEタイヤ規格のものとなっています。 WOとHEでは互換性がないため、購入する際は、間違えることのないようにしましょう。

タイヤに空気を入れる空気入れ

新しいタイヤを、はめ込んだ後に使います。メンテナンス用に使われるフロアポンプや、携帯できる小型空気入れといった種類があります。それぞれ用途が違うので、両方とも用意しておくといいでしょう。 また、ロードバイクのバルブのほとんどは仏式です。英式のものも売られているので、間違って購入することのないよう、注意してください。

ロードバイクタイヤの外し方

前輪の取り外し方

スポーツサイクルの車軸とレバーは、「クイックリリース」と呼ばれるタイプが一般的です。素早く簡単に車輪の取り外しと、装着ができるように考えられたもので、クイックリリースレバーを起こすと、ホイールの固定が解除される仕組みになっています。とはいえ、はじめは手間取りやすいため、しっかり手順を確認しながら作業しましょう。

1.ブレーキワイヤーの保護ゴムをずらす

まずはじめに、ブレーキワイヤーを正面から見て右にずらします。

2.固定されていたワイヤーを外す

現時点では、ブレーキワイヤーが固定されています。ブレーキの両端を持ち、縮めるようにワイヤーを引っ張って外しましょう。

3.クイックリリースレバーを引き起こす

ホイールの中央についている、クイックリリースレバーを引き起こすと、ホイールの固定が解除されます。しかし、この状態でホイールを抜こうとしても、ブレーキシューにタイヤが引っかかってしまいます。 あらかじめ、ブレーキのクイックリリースレバーを解除しておきましょう。ブレーキとタイヤの間隔が広がり、ホイールが抜けるようになります。

4.レバーを反時計回りに回して緩める

次に、車軸の脇についているレバーを、反時計回りに回してネジを緩めます。

5.車体を持ち上げて車輪を外す

最後に車体を持ち上げて、そのまま車輪を外せば、前輪の取り外しは終わりです。

後輪の取り外し方

基本的な手順は、前輪の外し方と同じです。しかし、後輪にはスプロケットがついています。前後のギアを、一番小さい歯に入れてから作業に入りましょう。チェーンが緩むので、ホイールを外すことが、格段に楽になります。ギアチェンジをするときは、ロードバイクを逆さまにした状態で行うことを、おすすめします。

1.ブレーキワイヤーの保護をずらす

前輪の取り外しと同様、ブレーキワイヤーの保護をずらします。

2.固定されていたワイヤーを外す

タイヤをずらしたとき、ブレーキパッドが邪魔にならないように、ブレーキワイヤーを外します。

3.クイックリリースレバーを引き起こす

前輪と同様に、車輪のクイックリリースレバーを引き起こして、ホイールの固定を解除します。

4.レバーを回して緩める

クイックリリースレバーを、反時計回りに回して緩めます。チェーンが邪魔なときは、ディレイラーを手で少し伸ばすようにすると、チェーンが緩みます。このとき、チェーンを触って、手を怪我しないように注意してください。

5.タイヤを手で押さえながらフレームを持ち上げる

ロックが外れている状態なので、あとはフレームを持ち上げれば、タイヤを外すことができます。変速機に傷をつけないよう、タイヤを手で押さえながら、ゆっくりと後ろにずらしましょう。

タイヤ交換のやり方やコツ

タイヤ交換の手順

1.チューブの形状が残る程度に空気を抜く

タイヤ交換をする際は、あらかじめチューブの空気を軽く抜いておきます。チューブがパンパンな状態だと、固すぎてハメ込みづらいからです。 ただし、空気がまるで入っていない状態だと、チューブがねじれやすいので、ある程度の空気は入れたままにしましょう。また、空気を入れることで、リムとタイヤの間に挟まりづらくなるので、作業しやすくなります。

2.タイヤレバーを差し込みタイヤを外す

タイヤレバーは、2本セットで使います。まず、タイヤとリムの間に、1本目のタイヤレバーを差し込み、隙間をつくります。次に、そこから少し離れた位置に、もう1本のタイヤレバーを差し込み、少しずつレバーをずらしながら、タイヤを外していきます。 タイヤレバーの端には溝があり、スポークに引っ掛けて固定することができます。1本目のタイヤレバーを差し込むときは、スポークに固定するようにしましょう。ただし、このときに、チューブにまで引っ掛けないように注意しましょう。

3.新品タイヤをリムの片サイドにハメていく

次は、新品のタイヤを、片サイドのリムにはめる作業です。はじめに、タイヤについているロゴと、バルブ穴を合わせるようにしましょう。バルブをはめるときや、タイヤ位置を確認するときに、わかりやすくなります。まずは、片サイドだけをリムにはめていきましょう。この時点では、あまり力を入れなくてもはめることができます。

4.逆サイドもリムにハメていく

先ほどの逆サイドも、リムにはめていきます。このとき、タイヤが固くて中々入らないということが多いです。タイヤのビードを、リムの中央に寄せるとはめやすくなります。

5.手で握るようにしてしっかりハメる

チューブを溝にはめるとき、チューブを溝の中にはめ込もうとすると失敗しやすいです。溝部分に押し込むのではなく、チューブとタイヤをまとめて手で持ち、握るようにしていくと成功しやすくなります。手全体の力を使って、しっかりはめましょう。

6.ハマったか全方向確認してから空気を入れる

タイヤが全てはまったら、チューブが挟み込まれていないか、全方向・両面とも確認します。タイヤの片側を指でぐいっと寄せて、ホイール部分が見えればOKです。ホイールとタイヤの間に、チューブが挟まっていた場合は、まずそのあたりのタイヤを外してから、中にはめ直しましょう。 チューブの挟み込みと、バルブの固定をチェックしたら、空気を入れていきます。このチェックをしっかりしていないと、整備不良でパンクしやすいため、注意が必要です。

初心者はタイヤを寝かせるとハメやすい

タイヤを立てた状態で、タイヤをはめる方も多いですが、初心者の方は、タイヤを寝かせた状態で行うことをおすすめします。タイヤをはめ込むときには、力が必要になります。 片膝立ちの状態や、中腰の状態だと力を入れやすいため、タイヤをはめ込みやすくなるのです。タイヤを寝かせた状態で、力のいれやすい体勢で作業するといいでしょう。

はめ込むときはレバーは使用しない

タイヤレバーを使ってはめると、空気を入れた際にパンクしやすくなります。リムとタイヤの間にチューブが挟まり、穴があく危険性があるからです。 なかなかうまくはまらないときは、ビードワックスを使うと、滑りが良くなってハマりやすくなります。タイヤレバーは、それでもどうしてもうまくハマらないというときの、最終手段として使うようにしましょう。

チューブを噛んでいないか確認して空気を入れる

タイヤを全てリムに納めたあとは、必ずチューブが噛んでいないか、確認してから空気を入れましょう。チューブが噛んだ状態のまま走ると、リム打ちパンクの原因となります。 チューブは傷がつきやすいので、もしもタイヤとリムの間に挟まっていたら、傷をつけないように丁寧にしまってください。噛んでいないことを確認したら、チューブに空気を入れて、タイヤの交換は完了です。

ロードバイクタイヤの車体への取り付け方

前輪の取り付け方

ホイールを車体に取り付ける際は、基本的に、外す場合と逆の手順を行えばOKです。前輪にはチェーンが付いていないので、後輪に比べると、比較的簡単に取り付けることができます。 ただし、間違った状態で取り付けると、重大な事故を招く可能性があるため、注意が必要です。装着したあとは、走っていて違和感がないか、よく調べてからサイクリングに出かけましょう。

1.タイヤにフロントフォークをのせる

前輪をフォークに差し込みます。このとき、腰を痛めないように気をつけてください。

2.クイックレバーをある程度回してタイヤを仮固定

次に、タイヤを仮固定します。クイックレバーをある程度回し、タイヤを固定しましょう。レバーと車軸が一直線上になり、急に固くなったらちょうど良い状態です。

3.ハンドルを真っ直ぐにしてレバーをしっかり締める

ハンドルが曲がった状態だと、ホイールがしっかりはまりません。傾けないように注意しながら、上から押さえて、レバーを倒して固定します。

4.レバーをロックする

ブレーキのリリースレバーを戻し、ロックすれば完了です。車体を持ち上げて、車輪とブレーキがこすれていないか確認しましょう。

5.最後にブレーキワイヤーのロックを戻す

ブレーキワイヤーのロックを、しっかり戻せば前輪の取り付けは完了です。

後輪の取り付け方

後輪の取り外し方も、基本的に前輪と同様の手順で行なっていきます。とはいえ、チェーン周辺の作業を行なっていると、各パーツがどのように噛み合っていたかを忘れがちです。したがって、外す前の状態を、よく覚えてから作業に取り掛かるようにしましょう。また、チェーンやギアでケガをしないよう、注意しながら作業してください。

1.チェーン間にスプロケットが入るように態勢を整える

チェーンの間にスプロケット(後輪のギア)を入れ、体勢を整えます。タイヤをまたいだ状態だと、作業がしやすいです。このとき、一番小さいギアを、チェーンにハメることを忘れないようにしましょう。

2.ドッキングさせる位置を確認する

タイヤをはめる前に、ドッキングさせる位置を確認しておきます。リアディーラーを動かしていた場合は、プーリー(変速機の歯車)が、一番小さいギアの位置にあるかチェックしてください。

3.タイヤを後方に引くようにずらしてハメる

タイヤを後ろに引いて、ホイールの軸をしっかりハメます。このとき、まっすぐに入れることがポイントです。

4.クイックレバーをある程度回してタイヤを仮固定

しっかりホイールがハマったら、クイックレバーを回して軽く固定します。微調節するときは、レバー側を固定し、反対側のナットを回して調節しましょう。

5.車体を真っ直ぐにしてレバーをしっかり締める

仮固定をしたら、車体をまっすぐにしてから、レバーをしっかり閉めて固定します。車体が曲がっていると、リムとブレーキシューの隙間が左右でばらつきやすくなります。

6.レバーをロックする

ブレーキのクイックリリースレバーを戻し、しっかりとロックします。

7.最後にブレーキワイヤーをロックする

ブレーキワイヤーをロックしたら、後輪の取り付け作業は完了です。

ロードバイクのタイヤ交換で気を付けること

後輪を外した際は左を下にして寝かせる

後輪を外した際は、必ずロードバイクの左側を下にして寝かせるようにしましょう。変速付きのロードバイクのほとんどには、リアディレイラーが装着されています。リアディレイラーは、少し力を加えただけでも位置がずれ、変速が鈍くなってしまうことがあります。 最悪の場合、後輪がロックされて転倒したり、チェーン落ちを起こして、フレームに傷がついたりするので、破損を防止するために、リアディレイラーを上にするようにしましょう。

後輪を外した際は上下ひっくり返しておく

また、後輪を外してからの作業は、上下を逆さまにした状態で行う必要があります。ハンドルバーとサドルを床に接地させ、自立した状態にしましょう。 上下をそのままに作業しようとすると、片手でフレームを持ちつつ、もう片方の手で後輪を持つことになります。力が入らないと自転車が倒れ、リアディレイラーの破損につながる恐れがあります。

汚れても良い服装で行う

タイヤ交換を行う際は、汚れてもいい服装に着替えましょう。今まで走っていたタイヤやロードバイクはもちろん、新しいタイヤにも土や埃、油といった汚れが付着しています。 タイヤを抱えたり、全身を使って押さえたりすることになるため、服はどうしても汚れてしまいます。そのため、汚れてもいい、丈夫な服装で行うことをおすすめします。

ブレーキワイヤーロックの戻しは忘れないように注意

タイヤ交換も終わったし、すぐに乗りたいというときは、ブレーキワイヤーに注意しましょう。ブレーキワイヤーのロックを戻していないと、ブレーキが利かない状態のままです。 したがって、必ずブレーキワイヤーのロックは、戻しておくようにしましょう。気づかないままでサイクリングをすると、重大な事故を招く可能性があるため、十分な注意が必要です。

タイヤには方向が決まっているので注意

多くのタイヤには、取り付け方向が決められています。濡れた路面の上を走る際、タイヤの溝によって排水されるためです。正しい方向に取り付けられたタイヤでは、排水が正常に行われ、グリップ力の低下が防がれています。 ロードバイクの場合は溝が浅いため、あまり水切りの効果はないといわれていますが、ウェット環境を走る際は、注意しておいた方がいいでしょう。メーカーやタイヤの種類によって変わりますが、ほとんどの場合、タイヤのサイドに取り付け方向が表記されています。

ロードバイクのタイヤ交換は手順を守り正しく行うことが大切

道具を揃えて、タイヤ交換の準備は終わった、と考えている方も多いでしょう。しかし、それだけでは遠出をした際に、サイクリングが残念な結果に終わってしまうかもしれません。タイヤ交換は、コツをつかめば一人でも十分に行えるようになるため、1度は予習しておきましょう。

category

記事カテゴリー