CVTオイル交換は慎重に。正しい判断で故障を回避しよう

CVTオイル交換は慎重に。正しい判断で故障を回避しよう

2018.02.27

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CVTオイルの交換時期について学ぼう

ほとんどのメーカーがCVTオイル交換は不要

最近の車は、基本無交換になっています。また、メーカー推奨の交換時期は、5年又は10万キロと、想定している場合が多いですが、交換の必要性はないと推奨しているメーカーもあります。加速が悪くなった、燃費が悪くなった、シフトをニュートラルからドライブに入れると振動を感じる、などのような体感上の要素も交換時期の参考にしています。

CVTオイルの役割

CVTとは、「コンティニュアスリー バリアブル トランスミッション」の略で、CVTはAT車特有の自動変速機を動かす機械です。CVTオイルはCVTの内部で使われているオイルです。 ●エンジン側のパワーをタイヤ側に伝達する。 ●摩擦や焼き付きを防ぐ。 ●装置を動かすために必要な油圧を伝え、金属ベルトなどを作動させる内部を循環、冷却し破損を防ぐ。

オイルを交換して異物が入る方が困る

エンジンオイルは直接燃焼しているので劣化が早いですが、CVTオイルは動きを良くするための潤滑油なので、劣化の仕方がエンジンオイルに比べて遅いです。CVTには5年10万キロの保障があるので、もし、オイル漏れや変速不良等があれば、無償交換になります。そしてその時にはオイル交換されるので、5年は交換しないほうがいいでしょう。 交換する時にオイル漏れをおこしたり、異物が混入してはいけないので、作業する人はリスクを伴います。CVTオイルは、組成も手技もかなり特殊なので、オイル内に糸くず一本でも混入させてはいけないのです。

正規ディーラー以外の交換がわかるようになっている

CVTオイルのトラブルの多くは、オイル交換時の際に混入するゴミであるので、多くのメーカーがオイル交換を不要としています。そのために交換したかどうかがわかるように封印がしてあるので、正規ディーラー以外での交換はわかるようになっています。

シビアコンディションなどの特殊なときに交換

シビアコンディションとは、走行距離が多い車や、勾配がきつい道路、塗装をしていない道路を走る時などの特殊な使われ方を意味します。CVTオイルは、基本無交換なのですが、シビアコンディションの場合は、40,000キロ毎に交換したほうがいいでしょう。シビアコンディションなのかわからないという人は、ディーラーでの点検を受けるとわかるので、心配な人は受けてみてはいかがでしょうか。 シビアコンディションは、一般的な使い方に対して特殊な使われ方を想定した事例です。当てはまらないと思っても、高回転が多かったり長時間のアイドリング、急発進、長時間の渋滞走行などは部品の劣化を早めるので、シビアコンディションに当てはまらないと思っていても、これらのような使い方をする場合は、ディーラーに相談してみるといいのではないでしょうか。

オイルはギアのために必要なもの

ギアは、エンジンが動いていれば常に回転しているものなので、ギアを選択すれば車は動きます。動くときにギアにはかなりの力が加わるので、オイルがなかったり、劣化していれば摩擦で削れ、車は止まってしまい、高額な修理費用がかかってしまいます。点検時期にはCVTオイルについて相談してみることをおすすめします。

ギアを変えるときに衝撃がある場合は相談しよう

ギアを変えるときに、「ガクッ」とくるような衝撃があれば、劣化している可能性があります。オイルが規定量より少なくなっていたり、長い間交換していないなど、ギアを変えたときに少しあいだをおいてから車体全体に伝わる衝撃は、内部のメカニズム自体の故障がおきている場合があるので、まずは整備工場で点検しましょう。 車 ギア 劣化

CVTオイルの交換を進められたら確認しよう

正規ディーラー以外のおすすめは一度保留にする

CVTオイル交換は、取扱説明書や整備記録簿にメーカー推奨時期が書いてあるので、それに従うといいでしょう。もし、カー用品店やガソリンスタンドでCVTオイル交換を進められたら、一度保留にして正規ディーラーに確認してから判断するといいでしょう。また、どうして交換を進めたのか説明を求めるのもいいかもしれません。

正規ディーラーにオイルについて確認する

正規ディーラー以外にCVTオイル交換を進められたら、一度保留にしておき正規ディーラーに確認するといいでしょう。正規ディーラーは、ユニットごとの交換マニュアルを熟知しているので、安全ではないでしょうか。正規ディーラーで交換すると金額が高めで、ガソリンスタンドやカー用品店などは低めの金額になっている場合が多く、金額のことを考えるとディーラー以外でと考えがちですが、なぜ金額が高くなるのかと説明を聞くと、納得ができるのではないかと思われます。

むやみにオイル交換をすると故障の原因になる

CVTのオイル交換は、慎重に決める必要があります。CVTはとても精密な機械構造なので、オイル交換時に少しでもゴミなどの異物が入ってしまうと、故障の原因になってしまいます。また、過走行車は新しいオイルを入れると、内部に蓄積した汚れを循環させてしまう場合があります。よく考えてから判断するのがいいのではないでしょうか。 オイルは交換しなければ確実に劣化していきます。そして劣化により、変速ショックなどの不具合の原因になる場合もあります。メーカーは、無交換を推奨しているので、何度もオイル交換をする必要はないと思われます。安易に決めないようにしましょう。

カー用品店などはオイル交換をおすすめしてくる

カー用品店などは、オイル交換を進めてくる場合が多くあります。本来交換しなくてもいい場合でも、売り上げのために進めてきたりすることが多々あります。 CVTオイルなどの油脂類というのは、あまりよくないものが割とあり、純正オイルを使っている店はほとんどないと思ったほうがよさそうです。もし、交換したオイルと相性が悪ければ、故障の原因になるので金額は高くなりますが、正規ディーラーで純正オイルを交換してもらうのがいいかと思います。 車 整備

各社のCVTオイルの交換時期のまとめ

ホンダの交換時期

ホンダのCVTオイルは、新型CVT専用のウルトラHCF-2とCVT専用のウルトラHMMFがあります。ウルトラHCF‐2は、伝達トルクの実量を上げた新型CVT専用に開発したもので、今までのCVT車には使うことができません。ウルトラHMMFは、CVTベルトによる無段変速の潤滑油としての機能を果たします。スムーズで効率の良い走りに導きますが、新型CVTにはつかえません。交換時期の目安は、40,000キロごとです。 シビアコンディションに当てはまる場合は、20,000キロ以上での交換が目安になります。メンテナンスノートを見ていただくか、ホンダ販売店に相談してみるのがいいかと思います。

トヨタの交換時期

トヨタは、ディーラーや車種で交換時期が異なる場合が多いようです。原則は無交換、シビアコンディションで10万キロです。 交換をしないと、スムーズに加速しない、燃費が悪くなる、軽いシフトショックを感じる、等の不具合が出てきます。交換をすると、スムーズな加速力、燃費の良い状態をキープでき、快適な乗り心地になります。交換を考え始めたら正規ディーラーに相談するといいでしょう。

日産の交換時期

日産のCVTオイル交換、点検の目安は、40,000キロ走行ごとです。CVTオイルは、変速動作部油圧の制御、摩擦の制御、潤滑作用、冷却作用の4つの役割を持っています。放っておくと燃費が悪化、パワーが落ち変速ショックの増大につながります。また、車種により異なるので、メンテナンスノートで確認または、各販売会社のカーライフアドバイザーに問い合わせて判断してください。   シビアコンディションでは、部品の劣化が一般と著しく異なる場合があるので、特別な点検整備をしています。毎日自宅から8キロ以内のスーパー、コンビニなど短距離の移動のみに利用する場合でも、シビアコンディションに当てはまります。

ダイハツの交換時期

CVTの働きは、プーリーの幅を変動させることで、金属ベルトの回転数を変え速度を変更します。CVTオイルの性能は、金属同士を滑りにくくすることで動力の伝達ロスを減らすことです。   交換時期は50,000キロ毎です。交換しないと劣化が進みCVT本体の故障につながります。また、故障の目安として燃費の低下、加速がもたつく、変速ショックが気になるなどがあげられます。劣化の原因として、走行時の熱による酸化、添加剤の消耗、劣化、金属摩擦粉、スラッジなどの混入があげられます。   日本では、山岳走行や坂道、高速道路もあるのでシビアコンディションとまではいかなくても、ノーマル走行ともいえないので、通常との中間位と考えておいたほうがよいでしょう。30,000~40,000キロで交換するのが適切でしょう。また、CVTオイルは、メーカー指定のオイルがいいでしょう。

スズキの交換時期

スズキのCVTオイルは、原則無交換です。しかし、整備や修理などで補充が必要とされた場合は交換可能です。燃費、加速が悪くなってきている、ニュートラルからドライブにシフトチェンジすると、振動や違和感を感じる、などのような場合はディーラーで相談してみましょう。   適切な時期に適切な方法で交換すれば、ベストの状態が継続すると思えば良いし、その変化は自分でしかわからないので、あまり気にならなければリスクも費用もかからないので、交換しなくてもいいかと思います。

スバルの交換時期

スバルのCVTオイルは、40,000キロごとの交換がいいとされています。   以前はどこのメーカーも、20,000から30,000キロの交換が推奨されていましたが、今は故障のリスクが少なくなり交換時期が何倍にも伸びたり、交換が不要とするメーカーが増えてきました。CVTオイルは、長年の走行により不純物がオイルに蓄積されるために故障の原因になってきました。そして、交換するときにその不純物が循環して、故障の原因になってしまうと言われていたのであまり交換をしないほうがいいとも言われてきましたが、現在は交換時期が伸びたのでメーカーや年式により判断基準が全く違います。   交換費用は、軽自動車で10,000円前後、普通車で10,000円~30,000円くらいです。排気量が大きくなると料金は高くなります。また、メーカー推奨のオイルを使用し、交換はディーラーですることをお勧めします。 車 修理

CVTオイル交換を勧められたら正規ディーラーに確認しよう

CVTオイル交換は、メーカーや車種、年式などによって幅が大きくあり判断もいろいろあります。交換を考え始めたら取扱説明書を読んだり、正規ディーラーに相談をして自分自身で判断するのがいいかもしれません。また、CVTオイルは特殊なものなので、交換はカー用品店などではなく正規ディーラーで行うのがいいかと思います。最終的には、あなた自身の判断が一番重要になると考えるのがいいのではないでしょうか。

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