ロードバイクの重量に関する基礎知識 レースに使うバイクは重量制限がある ロードバイクとは、主に舗装道路を高速走行を目的に設計された自転車で、ロードレーサーとも呼ばれ、フランスで開催される「ツール ド フランス」の自転車用ロードレースで使用されます。 ロードバイクの特徴としては、高速走行の性能を優先して設計されており、空気抵抗の点では、先鋭化させたリカンベントが存在。普通の自転車にあるような、泥除けやスタンドなどといった、基本的に走ることに不要な部品は装備していません。 さらに、前照灯や後部反射板を備えていない自転車も存在し、溝が細くて浅く、幅の細い高圧タイヤを使用し、転がり抵抗の減少をおさえています。また、基本的にドロップハンドルと呼ばれる形状のハンドルで、部品や素材は常に開発が続けられ、軽量化を図っています。国際自転車競技連合(UCI)の規定では、過度な設備の軽量化を防止する目的で、クロスバイクの質量の最低重量を6.8kg以上と設定されています。 平均的な重量の目安は8kg ロードバイクの性能を見極める目安の一つとして、重量は大切な指標となります。自転車は軽いほど漕ぎ出しがスムーズで、きつい坂道でも楽に進むことができます。重量を最も左右する自転車の材質はフレーム。フレームがカーボンかアルミで多少の基準は変わるものの、ロードバイクの平均的な重量の目安は8kgと言われています。ちなみに、クロスバイクの重量の目安は10kgが一般的です。 ロードバイクの方がクロスバイクよりも軽い理由は、現在のクロスバイクのフレームの材質の主流がカーボンに対し、ロードバイクの主流がアルミであったり、使用されているコンポーネントのグレードが、ロードバイクの方が高いことがあげられます。 軽いものほど価格が高い 一般的にロードバイクは軽いと言われていますが、コンセプトの違いやフレームの材質によって、重量が10kgあるものや5kgほどしかない自転車もあり、ロードバイクといってもさまざまです。ロードバイクは、軽量モデルになるほど高価になるものが多く、同一メーカーでも、重量が10kg程度の入門向けモデルと、6kgのハイエンドモデルとでは、価格差に数十万単位の差があることも。 ロードバイクでヒルクライムに強くなるには、筋力のアップ、効率的なペダリング、体重を落とす、機材の軽量化があります。ロードバイクでは平地での速さよりも、ヒルクライムの強さが重視されることが多いため、自転車の軽量化が最も有効とされています。重量が軽いものほど漕ぎ出しが早く、ヒルクライムも効率よく走ることができますが、機材の軽量化は大金がかかる場合が多いので、気をつけましょう。 アルミよりもカーボンのほうが軽い ロードバイクはグレードにより、価格は10万円以下から100万円を超えるものまであり、幅が広いと言えます。特に価格の差となる要素の一つにフレーム素材があり、高級モデルはフレームが軽量なカーボンやチタンで作られていることが多く、10万円以下のモデルは、多くがアルミやクロモリと呼ばれる鉄で作られたフレームが主流。 例えば、クロモリ製フレームのエントリーグレードモデルは、重量が10kgを超えるものが多く、アルミ製のフレームでは9kg台が多い場合も。より軽さを求めるのであれば、カーボン製のフレームを選ぶといいでしょう。 編集部の選んだ重量の軽いロードバイクランキング MERIDA スクルトゥーラ9000LTD MERIDA(メリダ) SCULTURA 9000 LTD(スクトゥーラ 9000 LTD) ロードバイク 2016年 Sサイズ メリダ スクルトゥーラ9000LTDは、メリダのロードバイクの主力モデルである「SCULTURA」シリーズの2016年モデルとして発売された、量産世界最軽量となる4.56kgの限定モデルです。 パーツがほとんどカーボンで構成されている機材で、軽量化の実現に成功。第四世代のスクルトゥーラは、より軽く、快適性を向上させ、空力性能の最適化が施されており、レースに最適なハンドリング特性を保ちながら、快適性能は従来よりもさらに30%向上しています。 URL:http://www.orbital.site/item/stg-1705061906-bi-037600137 TREK EMONDA TREK(トレック) EMONDA ALR4(エモンダ ALR4) ロードバイク 2017年 52サイズ TREC EMONDAは、TREC(トレック)の最軽量オールラウンド系ロードバイク。EMONDA(エモンダ)はフランス語で「?monder」といい、「削ぎ落とす」という動詞を意味します。 フレームは素材違いで4グレード用意され、最上位グレードのEMONDA SLRはフレーム重量が690g(56cm、U5塗装済み)、下位グレードのEMONDA SLやEMONDA Sについても、同クラスのMADONE(マドン)やDOMANE(ドマーネ)をはるかに凌ぐ、クラス最軽量級の軽さです。 自転車はフレームサイズが小さくなると過剛性に、大きくなると剛性不足に陥ると言われていますが、ステムとハンドルが一体型になっていてるため、EMONDAは設計を工夫することで乗り心地にも配慮しています。 URL:https://www.trekbikes.com/jp/ja_JP/%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AF/%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%90%E3%82%A4%E3%82%AF/%E3%83%91%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89/%C3%A9monda/c/B211/ SCOTT ADDICTSL http://www.scott-japan.com/bikes/term/100 SCOTT ADDICTSLは、新たに独自のエンデュランスジオメトリー仕様となった、新型アディクトシリーズ。「軽量」「空力」「快適性」を追求し、スコットが独自に開発したカーボン配合クロスHMX-SLは、東レ社製T-1000品番を加え、フレームの重量が軽いのが特徴です。 アディクトSLは、スラム レッドを装備した6kgを切る超軽量モデル、MFカーボン素材のフレームを使用し、バランスのとれた走りと、快適なポジショニングを提供します。 URL:http://www.scott-japan.com/bikes/term/100 ロードバイクの重量の測り方 メーカーの公表値を参考にして計算する ロードバイクの性能が優れていても、機材が自分の体に合っていなければ意味がありません。特にロードバイクは、乗っている時間が他の自転車に比べて長いため、自分の体に合っていない機材だと、体に大きく負担がかかり、痛めてしまう可能性があります。ロードバイクを購入する際は、フィッティングと呼ばれる、体格に合った適正サイズをメーカーの公表値を参考にすることができます。 ロードバイクの適正サイズですが、メーカーによってサイズを計算して表にした「ジオメトリー表」があります。ロードバイクのジオメトリー表を参考に、身長に見合ったホリゾンタル変換トップチューブの長さを把握し、フレームを選びます。さらに、最適なフレームを選び出したあとは、自分の体がどれだけ柔軟なのか、手足の長さはどれくらいなのか、自転車の使用目的をしっかりと考慮しつつ、サイズを決定します。 自分の体格に合う機材になるように、ロードバイクのサイズをきちんと計算することは、事故やトラブルを防ぐ大切な作業。体にサイズが合っていないと、姿勢が悪くなり、体を痛めやすくします。手足の長さや、自転車をどう使うのか、しっかりと店員さんと相談しながら、試乗を繰り返し、自分に合ったロードバイクを選びましょう。 吊り下げ式のデジタル計測器を使う ロードバイクが人の力で走る以上、バイクの車体は軽いに越したことはありません。また、ロードバイクに乗っていると、気になってくるのがバイクや各パーツの重量です。バイクの重量を量るには、吊り下げ式のデジタル計測器が役立ちます。Amazonなどインターネットで検索すると、種類もとても多く、手軽に購入することができます。自転車も簡単に計測できるので、デジタル計測器は一つでも持っていると便利です。 自転車を持って体重計に乗る ロードバイクの重量を、体重計で測定する方法があります。理論は簡単で、数式で表すとX = (A + X) – Aとなり、Xは自転車の重量、Aは自分の体重で計算します。自転車を手で持って、自分の体と一緒に体重計に乗って計測します。これは自転車と自分の体重を足した重量になります。 次に自分の体の体重を計測して、自転車と自分の体重を足した重量から、自分の体重を引くことで、自転車単体の重量を割り出すことができます。体重計なら持っている人も多いと思うので、試してみるといいでしょう。 専門店で計測してもらう ロードバイクは普通の自転車と違い、サイズが詳細に設定されています。自転車専門店では、フィッティングと呼ばれ、自転車の適性サイズを計測することができます。 サイズのための身長測定だけではなく、サドルの高さや前後位置、ハンドルまでの距離、さまざまな角度からの微調整で、個人に合ったものを選んで調整していきます。フィッティングでは、身長やスポーツバイクの経験、スポーツ歴や既往症なども問診し、股下を計ります。 専門店での計測は、料金が発生するので、専門店に料金を確認して測定しましょう。基本的にコースが分かれていることが多いですが、簡易測定で10分から20分、料金は1000円から。本格的にロードバイクを始めたい人向けには、高度な測定を行うコースで5000円くらいから。さらに上級者向けのコースもあるので、興味があれば、専門店に相談するといいでしょう。 パーツごとに分けて重量計で計測する ロードバイクはパーツごとに分けて重量計で計測することも可能です。ロードバイクは車体が軽ければ軽いほど、エネルギーの消耗も防ぐことができます。ロードバイクはタイヤやホイールなど、部品を交換することができ、パーツを交換するときに重量計で測ることで、重量が明確に分かるので、とても便利です。 ロードバイクでは、車体の重さの違いを体感することで、走行する際に感じる重みを、全て自分自身に集中します。自転車の各パーツを、グラム単位であっても大きく違いを感じることは、ロードバイクを乗る上で重要です。 ロードバイクの重量を軽くするメリット スタート時の加速が有利になる ロードバイクを軽量化することで、スタート時の加速が有利になります。個人差はありますが、2kg重さが違えば、その違いを体感することができます。スタート時の他に、自転車のスピードを上げるときには加速が必要なので、軽いロードバイクの方が有利に。 特に、ロードレースでアタックをかける際には、後ろに付かれてしまうので、一瞬で差を広げる必要があるため、加速のキレはとても重要になります。レベルが高いレースなどは、わずかな差がスピードに出るので、軽量なバイクの方が有利になります。 ヒルクライムが楽に登れるようになる ヒルクライムとは、山、坂、峠を登ることですが、距離や勾配が厳密に決まっている訳ではありません。ヒルクライムは坂を登ることなので、平坦な道を走るよりも息が上がってしまいますが、ロードバイクの重量を軽くすることで、楽に坂を登ることができます。 自転車のさまざまなパーツをカスタマイズし、軽量化することで、走行がスムーズになり、ヒルクライムを楽しむことができます。 平地での速度が上がる ロードバイクの重量を軽量化することで、平地での巡航が楽になり、速度を上げることが可能です。特に、ホイールを軽くすることによって、巡航速度が上がります。ホイールは自転車を動かすための軸とも言えるパーツで、乗り心地や軽さの変化が最も分かりやすく、実感しやすくなります。 同じ速度を保って走ることで、微妙な加速を高速で繰り返して速度を維持することになるので、車体が軽い方が余分なパワーを使わずに巡航することが可能です。 ホイールの回転率が上がる ロードバイクのパーツで、軽量化の効果が高いパーツにホイールがあげられます。最大の理由として、足の力で直接回転させるため、ホイールが軽いと漕ぐペダルも軽くなり、回転率が上がるからです。よって、ホイールを軽量化することで、格段に自転車の走りを変えることができます。走行速度を高めたい場合、思い切ってホイールの軽量化をおすすめします。 軽いタイヤはロングライドが楽になる 自宅周辺を走る場合は気になりませんが、ロングライド(長距離走行)となると、楽に走れるタイヤを選ぶことが大切。自転車のタイヤやチューブもホイールと一緒に回転するため、軽量化することで走りに差が出てきます。 ただし、ロングライドで最重要なのは耐パンク性になり、あまり軽すぎるタイヤはパンクしやすいので注意が必要です。ロングライドでタイヤを軽くすることは大切ですが、パンクのしない頑丈なタイヤを選ぶようにしましょう。 軽さだけでなくパーツの質にもこだわろう さまざまなスポーツの中で、ロードバイクは年齢や性別を問わずに長く続けられるスポーツの一つです。ロードバイクを100%楽しむため、必要な知識をしっかりと抑えて購入に役立てましょう。 また、自転車の軽さだけを追求するのではなく、パーツの質にもこだわって、自分の体にあったロードバイクを手に入れて、バイクライフを存分に楽しみましょう。 RELATED POSTS 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