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新入社員に会社を辞めたいと言われたら。取るべき対応や対処とは
2018.02.27
中間管理職ともなる40代になると、今までに多くの新入社員を育て上げ、ある程度の経験から自信が出てくる頃です。しかし、自分の年齢が上がるにつれて毎年どんどん年が離れるのが新入社員。「これだから今時の若い者は・・・」と言いたくなるような、自分たちの世代では理解できないような理由で辞めていくこともあるでしょう。この記事では、新入社員が会社を辞めると決断するまでに至る心情の背景と、その対処法を説明していきます。
新入社員が会社を辞めたい主な理由
学生気分が抜けていない
大学生活を謳歌し、卒業旅行などで思う存分楽しんだあとは、いよいよ就職スタートとなるわけですが、この学生時代の楽しさから抜けられない新入社員も多いものです。ほとんどの人は、時間が経つにつれて社会人としての生活に馴染んでいきます。
しかし、なかなか社会人生活に馴染めず、学生時代の楽しさを懐かしみ、学生気分が抜けない新入社員もいるのです。朝まで飲んで授業をサボっても平気だった学生時代に比べ、社会人というのは仕事のために遊びを我慢しなければならないなど、学生時代をベースに比較してしまいます。
この学生気分が抜け切れず、せっかく頑張って就職した会社を短期間で辞めてしまう新入社員もいます。社会人としての生活に対応できず、遅刻が多かったり、仕事に責任感を持てなかったりすることで、周りからも評価されず辞めざるを得なくなってしまうケースもあります。
友達や同期と自分とを比べてしまいがち
学生時代の友達や、会社の同期と自分を比較してしまい、自信がなくなってしまったり、周りの状況がよく見えてしまい辞めたいと考えるケースもあります。例えば、友達の就職した会社の様子を聞いて、楽しそうだったり、待遇がよいなどの情報を聞いて、今の自分と比較してしまうのです。
同期入社をした別の部署の仲間が、バリバリとどんどん新しい仕事を担当しはじめていると聞くと、雑用のような仕事や勉強続きの状態が嫌に思えてきたりします。適材適所に配置されたはずなのに、何故こんなに仕事が違うのだろうと単純に考えてしまうのです。
そんなことがきっかけになり、すべてのことがネガティブになりはじめ、辞めたいという気持ちが少しずつ膨らんできてしまうこともあるのです。
自分が仕事ができるイメージが大きすぎる
やる気満々で、自分に大きな自信を持つ新入社員の場合、仕事内容のつまらなさなどを理由に辞めたいとなってしまうケースもあります。これは、プライドの高い新入社員にありがちな状況です。入社をしたら、すぐに大きな仕事を任されてバリバリと働きたいというイメージを持って入ってきます。
しかし、新入社員であるうちは、さまざまな業務を幅広く覚え、その後その人に合った部署への配属が決まるものです。最初のうちは、仕事というよりも下積み期間であるため、やりたくないこともやらなければいけません。
こういった期間にこのようなタイプの新入社員は、俺はこんな仕事をするような人間じゃない、もっと重要な仕事を任されてよいはずだと仕事内容に不満を感じます。その不満感から、仕事を辞めたいと思いはじめてしまうのです。
入社する前にする企業分析の不足
学生時代の就活の際に、自分が入社したい企業について分析しておくことが大切です。しかし、慌てて就活をしていたり、企業の名前だけで決めてしまった場合などで、ほとんど企業分析をしていなかった場合、いざ就職をしてみたら思っていたのと違ったとなってしまうケースがあります。
企業分析も行わず勝手な思い込みで、企業のイメージを作り上げてしまい、そのイメージだけを膨らませてしまうと現実とのギャップが大きくなってしまいます。このようなタイプの新入社員が入社した場合、入社後に不満が発生し、辞めたいと早々に考えてしまう人もいます。
入社する前にする自己分析の不足
企業分析ではなく、就活中に自分の分析が不足し、自分と合わない企業を選んでしまった場合も、新入社員に不満が出る可能性が高いです。自己評価が異常に高く、入社してから自分のスキルを過剰評価していることで、実際の業務に見合うスキルがなく自信をなくし、辞めたいと考えてしまうケースがそれにあたります。
自分の持つスキルがどの程度であるのかを、入社前に自己分析ができていなく、間違った状態で把握していると、このようなケースになってしまいます。特に自己評価が自身の中で高すぎると、現実との違いに愕然としてしまいやすくなります。
会社側に問題がある場合も
仕事と新入社員とのミスマッチ
新入社員が辞めたいと思ってしまうのは、本人のせいだけではありません。会社側の対応や管理に問題がある場合もあります。その一つに、仕事内容と新入社員とのミスマッチということが挙げられます。新入社員に与える仕事内容があまりにもハードであったり、教育が充分にできていないケースです。
新入社員を育成するのも会社側の責任です。新入社員を育成し、一人前に育てることで企業にも利益が伴います。しかし、人手不足や時間がないなどの理由で、新入社員に任せるレベルではない仕事を与えてしまい、新入社員にも業務的にもマイナスに動いてしまうこともあります。
こういったミスマッチな手段をとってしまうと、新入社員には負担が大きくなってしまい、会社を辞めたいというような気持になってしまいます。下手をしたら、精神的にも追い詰められてしまいかねないので、新入社員に与える仕事への配慮はしっかりと考えるべきだといえます。
入社間もない新入社員に期待をしすぎる
新しい新入社員に過度な期待を抱きすぎることも、マイナスに働いてしまうことがあります。今回の新入社員は高学歴の優秀な人材だと会社側が大きく期待をし、用意する仕事をいつもよりもハードルの高いものにして、新入社員にプレッシャーを与えてしまうこともあります。
会社側としては、よかれと思う気持ちで迎えたつもりでも、新入社員にとっては負担になってしまいます。そして、入社間もない新入社員に対して、他の社員と同じような目線で指導をしたり、説教をするなど期待があるとはいえ、同じく新入社員にはプレッシャーが大きくなってしまいます。
何も経験のない新入社員に過度な期待をすれば、お互いに不満が溜まるだけです。時間をかけて、人材を育成していく余裕を持つ姿勢が大切です。
年齢によるジェネレーションギャップが大きい
企業によっては、年齢差が広い会社もあります。大手の企業なら、毎年多くの新入社員が入社し、それなりに年齢のバランスが取れますが、小さな企業の場合少ない新入社員とわずかな社員で回す会社もあります。同世代の若者が居ず、中高年層だけという場合も考えられます。
同世代の社員が居ず、中高年の割合が高い会社だと、昔のスタイルで過ごしているため新入社員とのジェネレーションギャップが起きやすくなります。新入社員の意見を受け入れずに、自分達の意見だけで仕事を通そうとすれば新入社員は納得できずに辞めたいと考えやすくなります。
コミュニケーションが上手く取れていない
新入社員に対して、自分は伝えたつもりでも、実際はしっかりと伝わっておらず、業務に支障をきたしてしまうのは、コミュニケーション不足の理由が挙げられます。コミュニケーションは、双方が理解できることで成立します。一方的に話しをして、相手に確認をしなかったり、ミスコミュニケーションでは意味がありません。
業務以外でも、新入社員に対して積極的にコミュニケーションを取ることで、すべての流れがスムーズにいくこともあります。このコミュニケーションがうまく新入社員と取れていないと、新入社員にとってはストレスになったりするため、辞めたくなってしまうこともあるのです。
辞めたい新入社員に対する接し方
新入社員をよく観察して理解する
では、辞めたいと考えはじめてしまった新入社員に対して、どのように接すればよいのでしょうか。まず、新入社員をよく観察して理解をする努力をしましょう。よく観察をすることで、新入社員がどんなポイントで悩んでいるのかがわかるポイントがみつかります。
どんなことにつまずいているのかがわかったら、そのポイントをしっかりとフォローできるような体制を考えてあげましょう。新入社員が辞めたいという理由が、本人にあるのか会社側にあるのかを見ておくのも大切です。
さりげなく相談相手になる努力をする
新入社員が悩みを抱え、ふさぎ込んでいるようであればさりげなく相談相手になる努力をしてあげましょう。例えば、ランチタイムに誘ってみたり、余裕があれば飲みに誘ってみるなど社外で話しができる機会が持てればベストです。
社内で、呼び出したりすれば周りにもわかってしまいますし、リラックスして話しをすることができません。上司と部下というだけで、リラックスしにくい状態ではありますが、場所を変えたり仕事とは関係のない話題で盛り上がれば新入社員も話しやすくなるでしょう。
自分が新入社員だった頃を思い出す
はるか昔の話であっても、誰もが新入社員の時代はあったはずです。そのときの自分を思い出すことも大事ではないでしょうか。時代や状況が変わったとしても、同じような思いで入社をしていたはずです。一度、新入社員だった頃の自分を思い出してみましょう。
自分の新入社員時代にどんなことを思っていたか、どんなことに不満を感じていたのか、そしてどんなことにやりがいを見出したのかを考えてみましょう。その時代の同期などに逢って、昔話をしながら当時の話を聞いてみるというのもおすすめです。
自分では思ってもいなかったような意見を聞くことができるかもしれません。新入社員の気持ちを少しでも理解できるように、同じ目線に降りられる努力をしましょう。
自分自身が仕事にやりがいを持つ姿勢を見せる
新入社員が辞めたいと考える理由のひとつに、上司が働く姿が魅力的に見えず、楽しそうにみえないというようなものもあります。せっかくやる気がある新入社員がそんな姿の上司達を見たら、やる気も失ってしまいます。仕事にやりがいが持てる会社であることを、自分自身で見せる必要があります。
新入社員から見て、上司が仕事にやりがいを持って働いているというのは、励みになりますし、やる気にもつながります。自分自身が率先して、やりがいのある仕事を楽しくやっているという姿勢を示すことは、とても大事なのです。その背中が、新入社員を引っ張っていくことになります。
相手に合ったコミュニケーションを心がける
新入社員の中にもそれぞれ個性や性格の違いがあります。一般的な教育は、同一の形で行ってもよいですが、コミュニケーションの取り方は、相手に合った方法で行うように心掛けましょう。非常に繊細な新入社員に体育会系のノリで接しようとしたら、怖がられてしまうこともあります。
逆に、元気いっぱいの体育会系の新入社員に、ソフトにあたっても拍子抜けしてしまいます。極端でなくてもよいので、それぞれに合った話し方や、伝え方を覚えてコミュニケーションを取るようにするとよいでしょう。
評価をしていることをきちんと伝える
働くといのは、決してお金のためだけではありません。やりがいや、スキルアップなども働くことの価値となります。働くということは、なんらかの結果を生み出したときに喜びとなり自信につながります。新入社員のときは、結果を出すような業務には携わっていません。
そのため、彼らの地道な仕事に対して、評価をしていることをしっかりと伝えてあげる必要があります。説教ばかりして、評価を与えなければやる気も下がってしまい、仕事への意欲も失ってしまいやすくなります。小さなことでも構わないので、褒めてあげることも忘れないようにしましょう。
気持ちが変わらなければ転職の相談ものる
さまざまな手を尽くしても退職の意思が変わらないようであれば、転職の相談にのってあげましょう。スキルや才能などを活かせる業務や、本人に合いそうな企業を知っている場合は、紹介してあげるのもよいでしょう。
新入社員が辞めたいと感じたポイントを考慮して、次回はどんな環境の企業がよいか、自分の才能を活かして働くことができるようにアドバイスを与えてあげるのもよいでしょう。企業を辞めようと決めた新入社員も、最後までケアをしてくれたことを忘れないでしょうし、相手にとってよい勉強となるはずです。
辞めたい理由をしっかり見極めよう
新入社員が辞めたいと考えてしまった理由をしっかりと見極めることが大切です。辞めたい理由がどこにあり、改善できるものなのかどうかを理解する必要があります。辞めたいと思うことは誰でもあります。しかし、誰かがその悩みに対して耳を傾けてくれたら、解決につながることもあります。
一度しっかりと彼らと向き合い、お互いに改善点がないのかをしっかりと考えてみるとよいでしょう。