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ツーリングカーレースを見に行こう。おすすめの選手権も紹介
2018.02.27
ツーリングカーとは一般の乗用車のことをいいます。一般の乗用車を改造して行われるツーリングカーレースでは、スピードだけで競うモータースポーツとは違ったバトルが繰り広げられストレス発散におすすめ。個人規模で参加可能なツーリングカーレースも紹介。
ツーリングカーの概要
一般の乗用車のこと
JISの規定により、通常、車はスポーツカーとツーリングカーの二種類に分類されています。軽快な走りを楽しむ乗用車をスポーツカーとし、人や荷物を乗せて長距離の走行もOKな乗用車をツーリングカーとしています。ツーリングカーは、スポーツカーに対する用語をして使用され、スポーツカーではない一般の乗用車はすべてツーリングカーになります。
ツーリングカーレースにおける位置づけ
ツーリングカーレースでは、市販車や市販車のような外見をしたマシン、市販車を改造したマシンを使用。このレースにおいてはJISの定義が異なり、市販のスポーツカーであればツーリングカーとされています。ツーリングカーレースで使われる乗用車の基準は、座席の数よりも市販車と呼べるかどうかで決まります。
乗用車の中でもセダンやクーペ、ハードトップなどは箱型に分類され、自動車雑誌ではハコ車として紹介。ハコ車のドライバーをハコレーサーやハコ使いと呼びます。
ツーリングカーレースの特徴と魅力
改造範囲に制限がある
ツーリングカーレースでは、ベースは市販車両を用意。改造できる範囲が少ないグループNやショートルームストックからアンリミテッドと呼ばれる改造範囲を無制限に設定されているものまでありますが、改造の範囲についてはそれぞれのレースの主催者によって決められています。どのレースにおいてもベースである市販の車両構造を大きく逸脱しないように規定が設けられています。
ですが、この規定と異なるツーリングカーレースも開催されます。ナスカーやドラッグレースで使用される車両は、見た目には市販車両の形をしていますが、構造が大きく異なっています。
レース距離が短い
モータースポーツレースで有名なF1の走行距離は1レース300km程に対し、ツーリングカーレースの距離は短く、世界ツーリングカー選手権、通称WTCCの1レースは50km程しかありません。非常に短い距離で行われるツーリングカーレースでは、短時間でいかに素晴らしいドライビングテクがあるかを競います。また、1周あたりの走行距離が長く設けられている場合は、周回回数が少なくなるなど、短い距離と時間で観客を楽しませることができるように設定されています。
激しいバトル展開が見られる
レース距離が短いツーリングカーレースでは、サーキットの格闘技や喧嘩レースなどと呼ばれ、激しいバトル展開を見ることができます。スタート直後のクラッシュ事故は定番とされ、短く設けられたレース距離で頂点に立つためにはぶつかってでも追い抜いて行くという、ドライバー達の熱い戦いが繰り広げられます。
改造範囲が決められている中で、重量や車両の性能をドライバーがどれだけカバーできるかの腕を見るのもツーリングカーレースの楽しみの一つ。短時間のレースなので、飽きることなく盛り上がることができます。
世界中で行われているツーリングカーレース
世界ツーリングカー選手権「WTCC」
世界一の喧嘩レースとも呼ばれるWTCC。他のツーリングカーレースに比べ激しいぶつかり合いを許容し、サーキットでの観客動員数よりもテレビ中継をメインとして行われるツーリングカーレースです。当初は、スーパー2000規定によって改造範囲を厳しく制限されていましたが、2014年から大幅な空力開発が認められTC1規定に移行しました。
短時間で激しいバトルを見ることができるWTCCは、3ラウンドのノックアウト方式。2ラウンドめでは、予選を勝ち抜いた上位12台でスタートします。3ラウンドめに進むことができるのはトップ5台のみなので、上位に入るための激しいぶつかり合いを見ることができます。
イギリスツーリングカー選手権「BTCC」
1958年から開始され、名称変更や車両規定変更、幾度かのルール変更を重ねてきた歴史あるツーリングカーレース、BTCC。低コスト化、性能均衡化を強く意識したNGTC規定では、改造範囲に厳しい制限が設けられ、ベース車両を四輪駆動のものを使用し、前輪駆動もしくは後輪駆動のどちらかを選定。構造についての改造範囲も厳しく、約1,500万円でシャーシが作れるように電気系やブレーキ、サスペンション、クラッチ、ギアボックスなどのコンポーネントの共通化やエンジン形式は2,000ccターボに統一するなどドライバーの技術が試されるレースになっています。
レースは16周~25周程度で行われ、上位10名に付けられるポイントで競うポイントシステムを採用。危険な走行が少なく、WTCCに比べ落ち着いたレースが繰り広げられます。
日本で開催される「スーパー耐久」
偉大なる草レースやS耐と呼ばれる、スーパー耐久。改造範囲が極端に狭いため、自動車メーカー系のワークスチームが参加することは少なく、個人規模のプライベーターチームが多く参加しています。個人規模が参加しやすい極端に狭く設定されている改造範囲は、エンジンの型式の変更や排気量の変更を禁止。車両の構造についても純正品もしくは純正品と同等のものを使用することとされ、車体の加工や外装パーツなど内外装についても細かく決められ、市販車の性能を逸脱しないようになっています。
スーパー耐久は、短時間で行われるツーリングカーレースとは異なり、500kmもしくは規定時間を最低2回のピットストップのみで走り続けなければいけない種目。この長時間のツーリングカーレースを全6戦行い、1戦あたりのポイントを集計。6戦終了後の合計ポイントで優勝チームが決定されます。
ツーリングカーレースの熱いバトルを見に行こう
激しいぶつかり合いを許容されているWTCCやドライビングテクを競い合うBTCC、基本の四輪駆動の性能を見ることができるスーパー耐久など、ツーリングカーレースでは、スピードだけではないバトルを楽しむことができます。ストレス発散や広いサーキット場でのリフレッシュにもおすすめのツーリングカーレース。サーキット場で繰り広げられる熱いバトルを見に行ってみましょう。