仕事でのストレスは多かれ少なかれ誰にでもあり、放っておくと体調にも異常をもたらしてしまうこともあります。どのようにしたらストレスを感じることなく仕事ができるのか。その解消の仕方を知って毎日の仕事にプラスになるようにしていきましょう。
ストレスを感じやすい人の特徴
周囲の人の緯線を過度に気にする
誰でも、「他人から見て自分がどのように見られているか」ということは気になるもの。過度に気にすると自分が思っているような行動ができなくなることもあります。人の視線や人を気にしすぎる人は、他人への依存度が高いので、人に良く見られたいと常に思っている方が多いです。このような方は、自分に対して劣等感があり、他人と上手く接することが苦手な人に多く見られ、周りの人を気にしすぎて自分の思っている行動がとれなくなり、ストレスを感じやすい傾向にあります。
また、責任感が強く、限界まで我慢してしまうことがあります。精神的にも肉体的にも辛くなり、仕事を辞めなくてはいけなくなる場合も…。また、仕事以外でも人の視線を気にしすぎると、余計にストレスが溜まってしまい、自分に関係がないことも気にしてしまうので、視線や空気などを気にせず思ったことを発言するといいでしょう。
過度に負けず嫌い
何に対しても負けず嫌いが強い人は、いつでも周囲の人を気にしていることが多いでしょう。それは、「少しでも他人より優位に立ちたい」と思いがあるから。周囲の人と自分とを比べるためにいつも人を気にしていて、それがストレスにつながってしまうのです。負けず嫌いというのは悪いことではありませんが、度を超してしまうと、「何に対しても人より上に立たなければ…」という思いが強くなり、周囲の人から反感をかってしまう可能性があります。人と比べて競い合うのではなく、人は人、自分は自分と割り切って考えたに変えると、ストレスを感じにくくなるでしょう。
また、負けず嫌いな人は、自分は負けたくないのに負けてしまったというときに大きなストレスを感じやすいようなのです。普段から、あまり周りと比べないよう心がけましょう。
仕事に自信をもっている
仕事に自信がある人というのは、責任感が強い人が多くいます。責任感があると、自分の小さなミスや他人のミスなどに対して責任を感じてしまい、ストレスを感じやすくなる傾向にあります。周りから見ると仕事に自信を持っていて、とてもストレスを感じやすいようには見えます。このような人は小さなミスでも大きなミスのように感じ、ストレスをためやすくなってしまうのです。仕事に自信がありそうに見えても、内面は違っているという場合もあるでしょう。
普段から、仕事以外の話をしたり、身体を動かしたりして早めにストレスを発散することを心がけてください。そして、ミスや失敗を受け入れるようにしてみましょう。ミスや失敗を受け入れている人は心配事が少なく、ストレスが少ないです。また、そこから学ぶことができ、難しい仕事でも結果を出すことができるでしょう。
責任感が人一倍強い
責任感が強すぎる人は、鬱病になる人が多くいます。まじめで責任感が強い人というのは、何事もすべて自分一人で抱え込んでしまう人が多く、ミスが見つかれば自分はダメな人間、だと自分を悪く思ってしまい、周囲の人のミスさえも自分が悪いように思ってしまうのです。会社の社員の中には、他人に仕事を任せて自分の仕事を少なくしようと思う人もいます。そのような人に利用されやすくなり、人一倍ストレスを感じることになってしまいます。
いろいろと考え始めてしまうと、やらなければならないことはとても多くなってしまいます。何を優先にしなければならないかを考え、まずは優先先事項だけに集中するといいでしょう。そして集中している間は他のことは考えないようにするとストレスを軽減することができるでしょう。
完璧主義でこだわりが強い
何に対しても完璧にこなそうとする完璧主義の人は、強いストレスを感じやすくなります。仕事は仕事、プライベートはプライベートとオンとオフを上手に切り替えて、プライベートの時は仕事のことは考えないようにするとストレスも軽減できるのではないでしょう。
また、完璧主義の人は、自分が完璧であることは当たり前なのですが、他人にも完璧を求めるので周りの人たちをイライラさせてしまいます。少しでもミスがあったりすると、そこに焦点を当ていつまでもこだわってしまい、自分が正しいと思うようにしようとします。完璧を目指すあまり心も体も疲れてしまっている可能性が高いです。体の力を抜いて、物事の見方や考え方を少しだけ変えてみるとストレスは軽減されるでしょう。
ストレスが原因で起こる症状
肌が荒れる
肌はストレスを感じると自律神経が乱れ、血の巡りを悪くなってしまうことがあります。血の巡りが悪くなることで肌に栄養がいかなくなり、便秘や肌荒れを起こし、睡眠不足は肌に悪い影響を与えてしまうのです。睡眠を十分とると、肌の改善や新陳代謝が活発に行なわれるので、ゆっくり休むようにしましょう。また、ストレスを軽減させるためには、気分転換や趣味をするのがよいでしょう。
出勤前に急に胃痛がする
強いストレスを感じたり、緊張が強いと「胃けいれん」を起こすことがあります。ストレスや疲れ、睡眠不足が続くと自律神経が乱れて胃の働きが悪くなり胃が痛くなります。胃はストレスに弱く強いストレスを感じると激しく収縮して痛みを引き起こすこともあるのです。
また、通勤中のバスや電車の中で突然胃痛がしたり、気分が悪くなって立っていられなくなり、途中で降りなければならなくなることもあります。あまりひどい時は会社を休んで、一日仕事のことは考えないようにしましょう。ゆっくり休んで体を休め自分の好きな音楽を聴いたり、趣味をしたりして楽しくなるようなことを考えるとよいでしょう。
毎日頭痛がする
ストレスによって引き起こされる頭痛は、「緊張型頭痛」であることが多いです。身体ストレスや精神的ストレスなどが原因で神経や筋肉の緊張を高め、肩や首の筋肉の「こり」で痛みが出てきます。毎日頭痛がする場合のほとんどは危険なものではないですが、一度病院を受診した方がいいかもしれません。また、自律神経が乱れると頭痛の原因になります。ストレスで筋肉が収縮し頭痛の筋肉も収縮して頭を締め付け、頭痛を引き起こさせてしまうのです。
ストレスは自分が思っている以上に体を悪くしていきます。こうでなければならない、というような考え方を持っているならそれを改めると、物事を柔軟に、前向きにとらえることができるでしょう。
何も食べていないのに吐き気がする
ストレスが原因で起こる吐き気は、「心因性嘔吐」である場合が多いです。嘔吐までにならなくても、吐き気が続くこともあります。心因性のよる吐き気は時間はかかりますが、治すことはできます。手首の内側にあるツボは、吐き気を抑えてくれます。手首から指三本分くらいの場所で、力を入れずに優しく刺激をするといいでしょう。これは車酔いのも効果があります。また、空腹時以外にも吐き気がする場合は心因性嘔吐に当てはまります。
吐き気や嘔吐は、脳の嘔吐反射中枢が刺激されて「吐きたい」という指令が出されることで起こるものなので、ストレスが原因である場合は、本人が意識していなくても条件反射的に吐き気や嘔吐が出てしまいます。
過度に食べ物を食べるようになる
お腹がすいた時、ストレスを感じた時は、ドーパミンというホルモンが分泌されます。ドーパミンが出ると脳が錯覚を起こして、お腹がすいていなくても食べ物を食べたいと勘違いをするのです。また、ストレスが溜まってくると、セロトニンというホルモンの分泌が普段よりも少なくなっていきます。セロトニンは心の健康にとても重要で、不足すると精神的に不安定になりやすくなり、ドーパミンとの乱れで、過度に食べてしまう原因になるのです。ストレスが解消されれば食べ過ぎるということは減ってくるでしょう。
食べたい欲求があまりにも強い時に自分で気が付いたら、一度休憩してみましょう。深呼吸などして気持ちを落ち着けることで、症状が落ち着いてくるかもしれません。また、イライラして食べたいことを我慢できなくなった時は、カルシウムを摂るといいでしょう。カルシウムが正常な神経活動を支えているので、カルシウムを摂ることにより正常な状態を保つことができます。
食べ物が入らなくなる
ストレスで緊張状態が続いたり、職場に強いストレスになる人がいると、食欲不振の原因になります。ストレスが強くなると消化器官の働きをつかさどる副交感神経が抑えられるので、食べ物が食べられなくなってしまうのです。
疲れて食事が進まない、辛いことや悲しいことがあって食事が進まないなどという場合は、あまり心配する必要はありません。しかし、何日も食べ物が食べられない場合は、何か病気である可能性が高くなります。心理的なストレスが長く続くと他の症状と共に現れてくる場合もあるので、食べられない状態が続く時は、一度病院へ行き検査をするとよいでしょう。
病院へ行きなにも異常がなかったら、食事が進まなくても自宅ではゆっくりと時間をかけ、少しでも食べるようにしましょう。何も食べないともっと体が弱って力がでなくなります。1時間や2時間かけてでも少しでも食べることをこころがけてみましょう。時間をかけてでも食べることが出来ると気持ちが変わってきます。
仕事中に吐き気を感じた時の対処方法
まず医務室で休ませてもらう
仕事中に吐き気を感じたら、無理をせずに医務室で休み安静にするといいでしょう。無理をして仕事をしても周囲の人に気を使わせかえって迷惑をかけてしまいます。真面目な人はとくに自分がやらなければ、という気持ちの人が多いですが、吐き気がするときは、体を休めたほうがいいでしょう。リラックスして1時間ほど休めば、回復するかもしれません。
治らなければ早退する
具合が悪くなり医務室で休んでも治らない時は、思い切って早退するといいでしょう。無理して仕事をしても具合が悪いとミスをしたり、仕事の能率はあがりません。会社から離れることで少しストレスから解放され、吐き気が治まる場合もあります。自宅でゆっくり休み、その日は仕事のことを考えず、自分の好きなことをして過ごすのがいいのではないでしょうか。無理をせず、時には気分転換と思って早退してみるのもいいでしょう。
一度出社してしまうと具合が悪くても、途中でなかなか帰りにくいですが、調子が悪いまま仕事を続けていると周囲の人に気を使わせてしまい、かえって迷惑になる場合もあります。そして、早退をすると決めたら、上司に早退の理由を話し、周りの人にも声をかけておくことを忘れないようにしましょう。
吐き気が何日も続く場合は心療内科を受診する
吐き気が何日も続いたり、吐き気を感じることが多い時は、病気を疑ってみてもいいかもしれません。ストレスが原因で吐き気が続いているときは、「自律神経失調症」の場合があります。内科、消化器科で受診し、異常がなければ心療内科を受診するといいでしょう。早い段階で受診すれば、早く良くなる可能性は高くなります。
ストレスは自分が考えているよりも大変な病気です。心療内科は行きづらい、緊張すると思う人もいるかもしれませんが、多くの人が受診していて、待合室は静かで落ち着いて待っていることができます。また、予約制が多いので、待合室に人が大勢いることも少ないので初めての人でも安心できるでしょう。ストレスが原因で吐き気に悩む人が多いので、良い薬もたくさん開発されていて、医師の指導に従って受診することできちんと回復できるのです。
思い切って休職してみる
ストレスが多く体と心に限界を感じたら、思い切って休職するのもいいことです。ストレスがたまり上手に解消できないと、心と体に症状が出てきます。今は休職制度が充実している企業が多いので、一定期間休職してみるのもいいことだと思います。また、休職したらその間は仕事や会社のことは考えないようにし、何のために休職したのかを考え、自分の心を満たすことを最優先にしてみてはいかがでしょうか。
休職することでメリットになることもあります。毎日の忙しさが当たり前になっていて、自分がどれほど疲れているか自覚がないので、休職して健康的な生活をすることで、どれだけ自分が不健康だったのかがよくわかり、また、生活習慣の改善にもなるので、い変化がでてくるでしょう。
信頼のおける人に相談する
今の自分の状況を、信頼できる人に相談してみることが必要です。家族、友達などに話してみましょう。一人で抱え込んでいても状況はよくならずに、かえって悪くなってしまう場合もあります。アドバイスがなくても話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になったりするでしょう。また、吐き気を感じたら焦らずに落ち着いて対処することが大切です。
人は誰でも何か悩みは持っているものです。自分だけではないので、誰かに話すということは大切なことなのです。話してみたらこんなことで悩んでいたのかと、物の見方が変わるかもしれません。
ストレスと向き合う方法
感情に名前をつける
ストレスを感じない人が行なっていることの一つに、感情に名前を付ける、ということがあります。怒った時の感情を「○○さん」、楽しい気持ちに「○○さん」のように名前を付けてみることです。名前は普通のものより、変わった名前をつけると、イライラした感情が馬鹿馬鹿しくなり客観的に物事をとらえることができるようになります。
周りに人に感謝する
失敗は誰にでもあります。しかし、努力をしていれば結果は必ずついてくるので、目先のことばかり気にしていてはいけません。失敗をしたときは自分一人で解決しようとするのではなく、周りの人に相談してみることです。相談することで、違うやり方や考え方を見つけて成功することができます。すると、感謝の気持ちが生まれます。
周りの人は会社の人だけではありません。むしろ会社以外の人とのかかわり方が多くなることもあります。そのような人たちとのかかわりの中で、感謝する気持ちを持つことが、ストレスに向き合うにはいいのではないでしょうか。そして、感謝の気持ちを持つと、心にゆとりができ、イライラしたりすることが少なくなります。
物事の見方を変える
今まで自分が悪いこと、良くないことだと思っていたことを良いことだったと思うことで、ストレスは少なくなりなす。ネガティブをポジティブに変えるということです。ストレスを多く感じていると、何事に対しても悪いほうへ考えてしまう事が多くなるのですが、そのような考え方を改め、良い方へ捉えてみましょう。例えば、落ち着きがない人を、活動的、まめに動くなど、八方美人を社交的、コミュニケーション能力が高い、というように、前向きに考えるのです。そのような考えが習慣化していくと、今までと違った見方で物事を捉えることができるようになります。
ストレスを感じやすい人は、物事や出来事、人に対して「こうあるべき」「~とは○○だ」という自分の考え方の基準や捉え方を決めてしまっている人が多く、考え方を柔軟にできる人は、ストレスを感じることなく処理ができます。自分の物事の見方を少し変えることで、考え方や捉え方の基準が変わり、ストレスを少しでも減らすことができるのではないでしょうか。
完璧主義ではなく80%主義で生きる
ストレスと上手に向き合うことができるようになると、プラスになることもあります。ストレスを見方につけ、大きなプラスにすることができるのです。完璧でないと気が済まない、という人は、小さなミスで落ち込み、周りと上手に付き合うことが出来ずにいます。80%で良い、完璧でなくても最善をつくせばよいと思うことで、周りの人とも上手く付き合うことができるでしょう。
完璧主義の人は、自分にも他人にも厳しくなりがちです。自分に求める厳しい基準を他人にも求めてしまい、完璧でないと衝突してしまうこともあります。少し力を抜いて一人で全ての責任を負いこもうとせず、もう少しゆっくりとした生き方をしてみてはいかがでしょうか。
ストレスと上手に付き合おう
ストレスがたくさんたまる人は、一度自分の考え方をよく見直してみることが必要なのではないでしょうか。「こうでなくてはいけない」という考え方や捉え方を少し柔軟にすることで、ストレスは軽減することができます。ストレスが多い人は、自分とよく向き合い上手に付き合うことが大切。ストレスを増やすも減らすも自分自身の考え方ひとつです。