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北アルプスで人気の山と、初心者でも登れるおすすめ登山コース
2018.03.10
北アルプスで登るべき山とは
槍ヶ岳、穂高岳、白馬岳、乗鞍岳など北アルプスの山々は、急峻な山容で、人を簡単には近づけない神々しさでそびえています。しかし、それだからこそ、いつかはあの頂上を踏破したいとも思うもの。あの山々の稜線を歩き、岩場に咲く可憐な花を愛で、日本にも残る氷河を歩き、岩を登り、そして頂きに立って風を感じ、雲海を見たい。
とはいえ、はじめから北アルプス縦走はできません。では、初心者としてはどの山から登っていけばよいのでしょうか。北アルプスで登るべき山をみていきます。
北アルプスの基礎知識
北アルプスとは、どこにあるどの山を指すのでしょうか。北アルプスの基礎知識について書いていきます。
飛騨山脈のことを北アルプスと呼ぶ
日本列島のほぼ中央に日本アルプスと呼ばれる山岳地帯があります。この日本アルプスも3つの山脈に分かれており、北部に位置する飛騨山脈のことを北アルプスと呼び、南に向かって木曽山脈(中央アルプス)と赤石山脈(南アルプス)があります。
北アルプスでは、3,000m級の高山が広範囲につながり、大断層による地殻変動や氷河による浸食、そして火山活動により山岳地帯が形成されました。穂高岳や立山周辺の観測結果によると今でも北アルプスの隆起はつづいています。
4つの県に跨っている
北アルプスは、富山、新潟、岐阜、長野の4つの県にまたがっており、100kmにもおよぶ広さで連なっています。北は富山と新潟の間にある朝日岳(2,418m)から始まり、南に向かって富山と長野にまたがる白馬岳(2,932m)、鑓ヶ岳(2,903m)、鹿島槍ヶ岳(2,889m)、烏帽子岳(2,628m)と続きます。
富山県に属している山には、剱岳(2,999m)、奥大日岳(2,611m)があり、長野県と岐阜県にまたがるのは、槍ヶ岳(3,180m)、穂高岳(3,190m)、乗鞍岳(3,026m)、そして長野県の燕岳(2,763m)、常念岳(2,857m)です。
中部山岳国立公園に指定されている
北アルプスを中心とした山岳地帯は、日本を代表する山岳公園である「中部山岳国立公園」。巨大なV字谷である黒部渓谷、剱岳や立山などの立山連峰、白馬岳、鹿島槍ヶ岳などの後立山連峰、南の乗鞍岳や観光地として名高い上高地などの主要部分を中心に構成されています。
山々では高山植物や、ニホンライチョウ、イヌワシなどの珍しい鳥を見ることができ、火山活動でできた池や温泉なども、この公園の特徴です。
湿性の花畑が豊富
北アルプスには氷河がつくったカールやU字谷が多くみられ、雪解け水が集まり、多くの池や湿地帯をつくっています。立山弥陀ヶ原・大日平湿地は、日本で一番いところにあるラムサール条約登録湿地で1,600m〜2,000m以上の高さに1,500haの広い湿地。ここには稲のようなミヤマホタルイや、ワタスギ、モウセンゴケなどの湿性植物が生えています。
また白馬岳山麓、標高1,900mの栂池自然園には連続する湿原があり、整備されたトレッキングコースから見ることができるのはミズバショウ、シラネアオイ、チングルマ、ニッコウキスゲの群落です。
南の上高地自然研究路には大正池から河童橋を結ぶ小道があり、透明な池や川をめぐるコースで、マイヅルソウ、ニッコウキスゲなどを見ることができます。
基本的に入山料の設定はない
入山料とは環境保全のために登山者が納めるもので、入山者が多い富士山では「富士山保全協力金」として徴収。北アルプスは基本的に入山料の支払いはありません。富士山のように登山口が限られていれば入山料の徴収も簡単ですが、北アルプスは広くて登山口が多く、徴収するのは難しいようです。
しかし、登山計画書については提出を求められています。長野県では平成28年7月1日から長野県内の指定登山道を通行する際には、登山計画書の提出が「長野県登山条例」にて必要となりました。
富山県でも「富山県登山届出条例」にて、岐阜県でも「岐阜県北アルプス地区における山岳遭難の防止に関する条例」にて、登山計画書の提出が義務となっています。
北アルプスで人気の高い山
北アルプスにはどのような山々があるのでしょうか。人気の高い山をピックアップし、その特徴をみていきます。
ダイナミックな山容の立山
立山は古代より霊山として信仰されていた山。最高峰は大汝山(おおなんじやま、3,015m)で、主峰の雄山(おやま、3,003 m)と、富士ノ折立(ふじのおりたて、2,999 m)の3つの峰を合わせて「立山」とされています。
しかし、今では公共交通機関で標高2,450mの室堂ターミナルまで行けば、すぐ近くで立山連峰の雄大な山容を楽しむことができます。その点ではより身近な山とも言えます。
立山には雄山北西斜面の山崎カールをはじめ、スプーンでえぐられたような形の氷河地形も見ることができ、そこの雪渓を登ったり、稜線を歩いたりして壮大な自然を満喫できます。
大岩壁が鎮座する穂高岳
穂高岳とは、北穂高岳、涸沢岳(からさわだけ)、奥穂高岳、前穂高岳などの総称。中心にそびえる奥穂高岳(3,190m)が北アルプスで一番高く、日本でも富士山(3,776m)、北岳(南アルプス、3,192m)に次いで3番目に高い山です。圧倒的なスケールの大キレット、高山植物、紅葉、雪氷など季節ごとの魅力も多く、登山者を魅了します。
北穂高岳と南岳を結ぶ「大キレット」は最高難度のルートです。ちなみに「キレット」とは「切り戸」と書く日本語。キレットでは、3,000m級の高山の、足の幅ほどしかないような岩場の稜線を、重い荷物を背負ったまま歩きます。大変危険で事故が多いので、「大キレット」は登山上級者のみに許された領域です。
穂高登山のベース基地に「涸沢(からさわ)カール」という日本最大規模のカールがあり、夏は色とりどりの高山植物で彩られ、秋には紅葉が色鮮やか。登山道が整備され、上高地から歩いて来られるのも人気の一因です。
槍の穂先が美しい槍ヶ岳
槍ヶ岳(3,180m)は穂高の北にあり、氷河の浸食により山頂が鋭く尖って槍のようになっています。その姿がヨーロッパアルプスのマッターホルンのようで、その山頂に立つのがアルピニストの憧れ。四方からの登山ルートがありますが、どれも長距離で体力を消耗し、登山技術も必要なルートばかりです。
この山を開山したのは、江戸時代末期の僧、播隆上人です。ひときわ高く、鋭くそびえるその山容に神聖な浄土を感じたのでしょうか。自分だけでなく、多くの人が槍ヶ岳に登れるように岩場に鎖を鎖をつけて登山道を整備しました。”日本近代登山の父” と呼ばれるイギリス人のウェストンが日本アルプスを世界に広めるより65年もさかのぼる出来事です。日本のアルピニストの功績を想いながら槍ヶ岳に登るのも一興。
夏でも雪の残る白馬岳
白馬岳(2,932m)という名前の由来は、田植えの代掻きの時期に、雪の溶け具合で山肌に馬の模様が現れるからといわれています。白馬岳のある後立山連峰は、残雪が織りなす美しい模様をふもとから望むことができます。ふもとから近いので、登りやすい山です。
白馬岳は後立山連峰の最高峰で、日本最大規模の雪渓と高山植物が咲き乱れる広いお花畑があり、「日本百名山」はもちろん「花の百名山」にも選ばれています。その上、温泉にも恵まれ、鑓ヶ岳中腹に白馬鑓温泉、白馬大池の近くに蓮華温泉があります。
こ魅力にあふれた登りやすい山なので、夏の週末には、山頂近くの白馬山荘は多くの登山者で賑わいます。最初の高山登山として、大変おすすめの山。
コマクサが美しい燕岳
燕岳(つばくろたけ、2,763m)は北アルプスの中央にあり、表銀座縦走コースのスタート地点で、ここから槍岳、穂高という北アルプスの深部に入ります。燕岳の名前は、春の残雪がツバメの形に見えるところからつけられました。
山頂は変わった形をした大きな花崗岩が突き出し、奇景をつくっています。7月から8月にかけて、稜線周辺の砂礫地に高山植物の女王と呼ばれる薄桃色をしたコマクサが咲き、遠景に槍ヶ岳が見られるという絶景。コマクサの名は、この花を横から見ると馬の顔に似ているところから名づけられています。
北アルプスの魅力
多くのアルピニストやハイカーを引きつける北アルプスの魅力とは何でしょうか。北アルプスを特徴づけるその魅力をみていきます。
壮大な3,000メートル級の岩壁
北アルプスの魅力は、標高3,000メートル級の岩壁に奇岩群、中央にそびえる槍ヶ岳の景観、そして夏登山で見ることができる可憐な高山植物やライチョウなどの自然界の生き物たち。また、アイゼンで登る雪渓登山、U字型にえぐれている巨大なカールと、足幅くらいの狭い稜線。そのほか火山でできた湖、深い渓谷など、変化に富んだコースをほんの数日で体験できることです。
しかも最高2,450mまで公共交通機関で登れる気軽さがあり、ファミリーハイキングから、本格的なアルピニストまで、誰でも自分のペースによって北アルプスに入ることができます。
山岳リゾートには車でアクセス可能
「特別名勝」と「特別天然記念物」のふたつの称号を与えられている場所が、北アルプスには2箇所あります。上高地と黒部峡谷です。
上高地は透きとおった雪解け水が流れる梓川沿いにホテルやロッジが並ぶ山岳リゾートで、雄大な穂高連峰の山容を近くで見ながら、温泉、散策、キャンプを楽しめます。なかでも「河童橋」から望む穂高連峰や焼岳の風景は、上高地を代表する風景。
鏡面のような静かな水面に、雄大な穂高の山容を映す大正池は、立ち枯れの木々が神秘的で、多くの写真家や画家を魅了しています。明神池は北アルプスの総鎮守である穂高神社奥宮が鎮座する神域で、常に伏流水が湧き出ているため、冬でも凍結しません。
上高地は環境保護のためマイカーの乗り入れ規制をしていますが、沢渡駐車場、平湯のあかんだな駐車場に停めてバスかタクシーで行きます。
景勝地として有名な黒部峡谷は日本一深いV字峡谷で、トロッコ電車でしか行けません。宇奈月温泉は黒部川の渓谷にある温泉地で、黒部峡谷トロッコ電車の出発点です。
美しい高山植物
3,000m級の山になると、高度によって生えている植物も変化します。標高2,500m以上になると、背が低いハイマツ群落や高山植物のお花畑が広がります。特に、白馬岳一帯は高山植物のお花畑が有名で、シロウマアサツキ、シリンドウなど「しろうま」という名前がつけられた植物も多く生育しています。
標高1,900mの栂池自然園には白馬連峰を背に白いミズバショウの湿原があり、乗鞍岳の標高2,700mあたりでも、お花畑と遊歩道があります。
頂上から見ることのできる雲海
低山でも条件がそろえば雲海を見ることができますが、北アルプスの頂上から見る雲海は、まるで別世界のよう。一面白い雲が広がり、ところどころ山々の頂がのぞきます。日の出や日の入りで赤く染まった雲海を見ると、どんなにつらくてもまた高山に登りたくなります。
頂上近くの山小屋に泊まり、疲れた体を休め、雲海を眺めながらビールを飲む。極楽です。
北アルプスでおすすめの登山ルート
北アルプスには、登山上級者向けばかりでなく、初心者向けの登山ルートもあります。人気のあるルートとその特色をみていきます。
入門コースの八方尾根から唐松岳
白馬岳近くの八方尾根から唐松岳(2,096m)へ登るルートは、初心者向けながら雄大な北アルプスを充分に楽しめるおすすめ登山ルート。緑が茂る山道から、お花畑、雪渓、山頂へと続く登山道は変化があり、整備もされています。登山者も多く、ゴンドラリフトを利用でき、途中にトイレもあるので、初心者におすすめできます。
ゴンドラリフト(八方アルペンライン)を利用すると、標高1,830mまで40分で登ることができます。ゴンドラの営業日は6月初旬から10月末までですが、この期間は初心者でも北アルプスにトライしやすい季節です。
4時間登り続ける中房温泉から燕岳
中房温泉は長野県南部にある温泉で、燕岳の登山口。この中房温泉から燕岳までの登山ルートは、北アルプス三大急登のひとつで、登山口から燕岳山頂まで、1,287mの高低差があります。大変人気のある山なので道が整備されており、初心者でも挑むことができます。
登山口から2〜3時間登ると「合戦小屋」と呼ばれる休憩所があり、トイレや食事ができます。ここではカットしたスイカを売っており、登山者の渇いたのどを癒してくれます。
山頂手前の「合戦尾根」は急激な坂で、大きな花崗岩が突き出て奇景を作っています。太古の火山活動を想像できます。
ロープウェイで登る新穂高温泉から西穂独標
新穂高ロープウェイの「新穂高温泉駅」から、標高2,156mの「西穂高口駅」までロープウェイで登ることができます。「西穂高駅口」の5階は展望台になっており、ここからは誰でも?西穂高岳、槍ヶ岳などの北アルプスの山々を楽しむことができます。
西穂独標までの登山はここから始まります。まず目指すのは西穂山荘で、ここまでは緑の多い山道を約90分ほど登ります。
西穂山荘で一休みをして、西穂独標へ向かいます。ここからはハイマツがおおう稜線上の道で、次の小ピークである「丸山」からは北アルプスの広大な景色を楽しみがら、西穂独標を目指します。独標に近づくと険しい岩場や鎖場になるので、注意が必要。
ファミリーにもおすすめの室堂から雄山
一般の観光客にも北アルプスの大パノラマを楽しんでいただけるようにつくられたのが、ケーブルカー、バス、ロープウェイを乗り継ぎながら富山から長野に抜ける山岳観光(アルペン)ルート。室堂ターミナルはアルペンルートの駅で、標高2,450mに位置しており、日本で最も高所にある駅です。レストランや展望テラスなどの設備があり、立山登山口であるとともに、北アルプスをもっとも身近に感じられる観光地でもあります。
室堂から立山連峰の主峰のひとつ雄山(おやま、3,003m)への登山ルートは、ファミリー層でも利用できるほど整備ずみ。室堂から雄山へは約2時間かかりますが、室堂ターミナルに全国名水百選に選ばれた「玉殿の湧水」があるので、登山者は水分補給用に水筒に入れています。
40分ほど登ると、祓堂(はらいどう)に出ます。ここは立山信仰で下界と神域との境界とされた場所。石畳の遊歩道は、一ノ越山荘まで続きます。一ノ越からは足場の悪い石場が続き、小さな峰を何度か越えて?雄山頂上に到達。山頂からは360度の展望で、富士山、御嶽山、富山湾まで一望できます。
人気の高い表銀座縦走コース
北アルプスの中房温泉から、燕岳、大天井岳、東鎌尾根、そして槍ヶ岳へ至るコースを表銀座縦走コースと呼びます。ほぼ稜線を歩くので、周囲のアルプスの山々の絶景を十分に楽しめる魅力のコース。
表銀座縦走コースは尾根伝いに山から山へ渡るコースで、一般的には5泊6日で予定を組みます。山小屋はたくさんあるので、体力や日程に合わせてルートを調整します。
参考モデルルート:
- 1日目:中房温泉泊
- 2日目:中房温泉を出発、燕山を踏破し、燕山荘泊
- 3日目:大天井岳(おてんしょうだけ)(2,922m)を踏破し、ヒュッテ西岳泊
- 4日目:東鎌尾根から槍ヶ岳を踏破し、槍ヶ岳山荘泊
- 5日目:下山し、新穂高温泉か、上高地でゆっくりと宿泊
- 6日目:自宅へ移動
3日目の、ヒュッテ西岳から槍ヶ岳は、槍ヶ岳のとんがった頂上が見えて、とてもテンションが上がります。しかし途中の東鎌尾根が一番の難所で、重い荷物を担ぎながら岩場やはしご場を登らなくてはいけません。ここはヘルメット着用推奨地域に指定されているほど、厳しいルートです。
表銀座縦走コースは、稜線歩きと槍ヶ岳の魅力で登山家に人気があるコース。夏の週末には山小屋は大変混み合うので、早めの手配が必要なほど。しかし、長野県と長野県山岳遭難防止対策協会が設定した「信州 山のグレーディング」では、体力度は10分の9、技術的難易度は6分の3と、かなり難易度が高いコースに指定されています。初心者は訓練と経験を積んでから、指導者や山岳ガイドと入るべきでしょう。
初心者が北アルプスに挑むポイント
3,000m級の高山に挑むには、誰でもそれなりの準備が必要ですが、特に初心者が挑むときに注意するポイントをあげてみます。
行く時期は春から夏にかけてがベスト
初心者が北アルプスに挑むには、雪がないシーズンを選ぶ必要があります。2,000m〜3,000m級の山は晩春まで残雪があり、高山は6月末頃にやっと雪が溶けて初心者でも登れるようになります。いわゆる「夏登山」。6月末頃から登山者数も増え、7月になると混みあいますが、道に迷うことも避けられます。
ゴールデンウィークの頃は空も澄んで気持ちがよいのですが、2,000mを超えると登山道はまだ雪で覆われているので冬装備が必要。6月ごろから、残雪を確認して登るようにしましょう。
余裕のあるスケジュールを組む
山は天候が変わりやすいので、午後2時までには目的の山小屋に到着できるようにスケジュールを組みましょう。日帰りなら、午後2時過ぎにはほぼ下山していいるくらいを目途にしましょう。
歩いているうちに急に雨が降ったり、霧が出たり、時には雷が鳴ったりすることも。そんな急激な天候の変化があっても、迷うことなく目的地に到着できるように余裕のあるスケジュールで登山を楽しみましょう。
ゴンドラやリフトを利用する
初心者はなるべくゴンドラやリフトを利用し、時間と体力を節約しましょう。ゴンドラやリフトを利用するときも、早めに動きます。例えば新穂高ロープウェーは朝8時から開業しているので、始発から乗る、もしくは前日にロープウェーで西穂高山荘まで行き、翌朝に山荘を出発するくらいのスケジュールを組みます。
山荘や山小屋でゆっくり1泊する
北アルプスは標高が高いので目的地に到着するのに時間がかかりますし、天候も不安定なので、山荘や山小屋をうまく利用するようにします。昼過ぎには山小屋や山荘に到着して、ゆっくりと過ごすことをおすすめします。
最近の山小屋は設備が整っているところが多く、食事もバリエーションに富んできました。例えば日本最大の山小屋である「白馬山荘」は800名も収容可能。ホテルや旅館のような個室で、朝夕の食事だけでなく喫茶やおつまみも提供しています。
装備をしっかり整える
北アルプスを登るのに、装備をしっかり整えるのは言うまでもありません。服装は雨風をしのげるウィンドブレーカー、軽いフリース(夏でも必要)、替えのインナーと靴下は数着必要です。布は保温性があってすぐに乾く素材がよく、ウールやポリエステルがおすすめ。コットンは汗冷えするのでおすすめしません。
靴はスニーカーなどではなく、必ず足にあった登山靴を用意すること。登山靴は重いですが、底に凹凸があって滑りにくく、下山のときに足と足首を守ります。雪渓を登るときはアイゼンが必要です。
また、万が一遭難した時の非常食として、軽くて高カロリーの食料、カロリーメイトやチョコレートをリュックに入れていきましょう。
マナーを守って北アルプスの雰囲気を楽しもう
夏の北アルプスは多くの登山者で賑わっていますが、ちょっとした気の緩みで大事故にいたることがあります。先に登っている人が落とした石が当たってケガをしたり、雪渓では足を滑らせて大事故になることも。
また、希少な高山植物を摘んだり、持って帰ることは厳禁。犬などのペットを連れて行くのも、山の生態系を崩してしまうのでよくありません。もちろんゴミを捨てるのは論外です。
北アルプスに入るときは大自然に敬意を払い、マナーを守って山の雰囲気を楽しみましょう。