日産200SXはどんな車か
日産200SX(ツーハンドレットエスエックス)と聞くと、どんなイメージを持ちますか。日本ではほとんど知られていない名前ですが、海外では高い人気を持ち、長く愛されてきた車の1つです。 実は日本でも、日産シルビア、日産ルキノとして、多くの人に愛されてきました。そんな日産200SXがどんな車なのか知っていくと、車の歴史についても触れることができます。日産200SXの特徴
そもそも日産200SXとはどんな車なのか、車名の由来や特徴をお伝えします。どういう車なのか
日産200SXというのは日本国外輸出仕様車の名称であり、輸出された地域や時期によってさまざまなタイプの200SXが登場します。 欧州輸出モデルであれば「RPS13型180SX」、北米輸出モデルであれば「S10」「S11」など、東南アジアに渡れば「S12」や「S15」など、さまざまなモデルが存在します。海外輸出仕様車というだけあって、タフな乗り心地とスポーティー度の高い車で、日本車とはまた違った特徴を備えています。 日本に逆輸入されることは稀であり、ほぼ目にする機会はありません。中古車市場でも情報がほとんど出回らず、海外の検索サイトなら検索にヒットすることもありますが、まさに知る人ぞ知る車といえます。車名の由来
この車名の由来は、2,000ccのエンジンにあります。このエンジンの変化によっても、名称が変わります。例えば1,800?のエンジンを搭載していた180SXが、そもそも200SXのもととなっているのですが、このエンジンが2,400?に変化すると名称も240SXへと変わります。 240SXは北米仕様車であり、北米で人気の高い特徴を兼ね備えています。 車名だけ聞くとまるで型番のようにも思えますが、こうした由来がきちんとあるのです。さまざまな名称がある
この200SXが日本販売車になると、シルビアあるいはルキノという名称で販売されています。最初に地域や販売時期によって名称が変化することをお伝えしましたが、こちらの名前だと知っている人も多いかもしれません。 シルビアもルキノも、すでに日産では販売・生産共に終了しているため中古でなければ手に入れられませんが、走りを愛する人たちからは往年の名車として愛されています。 【画像ページ引用:http://cargeek.jp/5861】日産シルビアについて
今も高い人気を持つ日産「シルビア」とは、どのような車なのでしょうか。その歴史やモータースポーツでの活躍についてみていきましょう。シルビアの概要
シルビアは、日産が開発・生産していた2ドアスポーツクーペ。 クーペとはフランス語の「coupe(クペ)」から来ているともいわれ、2ドアで前の座席に座ることを主とする、2人乗りの車のことを指します。中でもシルビアはスペシャルティカーとして登場し、初代から7代目に至るまでの間に、多くのカップルの憧れの車として人気を集めました。 車高は低く、流麗なデザインが特徴で、後輪のみが動く後輪駆動車のためスポーティーな乗り心地が味わえます。また自分で手を加えて乗りやすくしていく「調律」が施せるチューニングカーとしても知られており、海外でもその評価は高いのが現状です。 中古でも、状態の良しあしに関わらず人気が高く、部品やパーツも大切に取引されています。車名の由来
シルビアと聞くと、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか。 この名前は、ギリシャ神話に登場する月の女神に仕える清楚な乙女に由来します。シルビアの語源はラテン語で「森」を意味しており、スポーティーな印象とはまた一味違います。 日産ではその乙女のイメージを新しい感覚でアレンジし、シルビアと名付けたそうです。シルビアの歴史
はじめてシルビアが世に登場したのは、1964年の第11回東京モーターショー。当時としては画期的な美しいデザインは、のちに「クリスプカット」と呼ばれるようになり、人気を博します。しかしこの初代シルビアは、美しいデザインに反するように、スポーティーでタフな乗り心地であったため、1968年には総製造数554台で製造を終えてしまい、一度は絶版になります。 1975年にはニューシルビアの名称で、初代の美しいデザインとはうって変わり、北米市場向けのスタイルに変更されました。初代よりは販売台数は伸びたものの、ライバルであったトヨタ・セリカにおよばず、不振に終わってしまいます。 その後も、1979年の3代目シルビア、1983年の4代目シルビアと、代を重ねるごとに徐々に販売台数が伸びはじめ、ついに1988年発売の5代目シルビアで、その人気が爆発します。 5代目シルビアはCMなどのコピーで「アートフォース・シルビア」と表現され、当時としては実に未来的なデザインが若者世代に絶大な人気を誇りました。グッドデザイン大賞を受賞したことからも、そのデザイン性の高さが分かります。スポーティーでタフな乗り心地は走りを重要視した男性層にも受け、一方でその外観から女性層からも人気が高かったのが特徴です。改造をして峠やサーキットで乗る人がとても多く、現在もこの5代目シルビア以降の車が、中古車市場でも高い人気を誇っています。 そして2002年、シルビアが生産終了する最後まで販売・製造されていたのが、7代目シルビアS15型でした。デザインやスタイル、サイズ感、走行性能の高さが評価され、一時は人気が低迷したのを復活させます。しかしスポーツカーモデルの人気の低迷や、2000年の排気ガス規制が影響し、惜しまれつつも2002年に生産終了となります。 今でも7代目シルビアは外見の派手さもあり、愛好家が多い車です。後輪駆動のためドライバーの好みによっては分かれますが、それでも未だ、根強い人気を誇っているといえます。モータースポーツでの活動
1980年のマカオグランプリに参加して以来、シルビアはモータースポーツでも活躍してきました。 特にモータースポーツの入門車両として、デビュー以来5代目シルビアは熱い視線を注がれ、鈴鹿や西日本など日本各地にシルビアクラスが設定されるようになります。富士GCなどでの優勝など、1980年からは目覚ましい活躍も見せ、その人気を高めていきます。 また比較的軽量ながら、パワフルなターボエンジンを搭載していることが受けて、ストリートで車を走らせる峠族などにも人気を博しました。そうしたアンダーグラウンドな世界での、ヒーロー的な車両だったともいえます。 モータースポーツの世界では、現在は日産の主力であるZ33型フェアレディZにその座は譲り、2004年シーズンからは第1線より退いています。日産ルキノについて
日産ルキノは、販売期間も短かった車ですが、クーペとは思えない収納能力の高さで知られています。ルキノの概要
ルキノクーペ、ルキノハッチ、ルキノS-RVと車名がいくつかあり、- ルキノクーペ:日産のB-14型サニーベース
- ルキノハッチとルキノS-RV:N15型パルサーセリエベース