ロードバイクのペダルを交換。ビンディングペダルで快適な走行を

ロードバイクのペダルを交換。ビンディングペダルで快適な走行を

2018.03.13

Share :

ペダルでこんなに変わる

ロードバイクに乗り始めると、より早く、より効率的に走ることを考えるようになってくるものです。そして耳に入ってくるのが、ビンディングペダルというキーワード。ビンディングペダルに交換すると、効率的にはなるものの、注意すべき点も出てきます。 ペダルの種類や、それぞれのペダルの特徴、そして、ビンディングペダルのメリット・デメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。こうしたことをしっかり把握し、より快適な走行を楽しみましょう。

サイズは取り付けネジの規格により2種類

ペダルを交換する際には、ペダルをクランクに取り付ける必要があります。クランクとは、ペダルと車体をつなぐ棒状の金属の部分のこと。このクランクに、ペダルから出ているボルト状のネジを回し入れるわけです。 そして、このネジの太さには規格が二種類あります。ひとつは、9/16インチのもの。もうひとつは、1/2インチのもの。この二つには互換性がないので、しっかりと確認しておくことが大切なのです。

現在主流の9/16インチ

一般自転車や実用自転車、マウンテンバイク、ダウンヒルバイク、さらには三輪車や一輪車といったものまでに、幅広く使用されている規格です。1インチが約25.4mmですので、9/16インチは、約14.3mmとなります。ロードバイクに採用されているサイズは、この9/16インチネジです。

ビーチクルーザーにみられる1/2インチ

1/2インチなので、約12.7mm。ですので、9/16インチのものよりも細くなります。ワンピースクランクともいわれる規格で、ビーチクルーザータイプの自転車や、自転車競技で使用されるBMX(バイシクルモトクロス)などで使用されています。

種類は大きく分けて2つ

自転車のペダルには二種類あります。ひとつは、何気なく乗っている自転車で採用されいているノーマルペダル。もうひとつは、ビンディングペダル。こちらは、よりスピードや安定性が求められるロードバイクなどで採用されています。

通常の自転車に付いているノーマル

ノーマルペダルは、フラットペダルと呼ばれることもあります。一番普及していて、自転車に乗ったことがあるなら、ほぼ間違いなく使用したことのあるペダルです。足が、ペダルに固定されないので、自由になります。それゆえ、バランスを崩した時や、急に止まる際などに、すぐに足を地面につけて車体を支えられるというメリットがあります。

足を固定するビンディング

英語で「binding pedal」。bindの意味は「留める、縛る」。もともとスキーブーツをスキー板に固定するアイデアをもとに開発されたといわれており、その名の通り、足をペダルに固定します。 そして、足を固定するためには、ビンディングシューズを履く必要があります。この靴の底には、クリートという留め金具がついており、このおかげで足とペダルをしっかりと固定できるのです。ペダルと足が固定されるので、こぐときに安定し、力が逃げることなく、しっかりとペダルに伝わります。それゆえ、効率のよいペダリングが可能となるのです。

ビンディングのメリット

ペダルには主に二種類あることがわかりました。それでは、ビンディングペダルに焦点を当てて、メリットを詳しくみていきましょう。

ペダリングが効率的になる

まずメリットとして挙げられるのは、足とペダルが固定されるので、ペダルを踏み外すことなく常に安定したフォームで、ペダルをこぐことができる点です。 また、ノーマルペダルと比べて、脚が疲れにくくなります。それはなぜでしょうか。ビンディングペダルは、足の裏に固定されています。それゆえ、踏み込む際と引き上げる際の両方で、ペダリングができます。一方、ノーマルペダルの場合、ペダリングできるのは、踏み込むときのみです。そして、踏み込む際と引き上げる際では、使用する筋肉が異なります。 ここからは少し大雑把になりますが、目的の速度を維持するために100の力が必要だとします。ビンディングペダルの場合、踏み込みと引き上げで、別々の筋肉を使用して、この100を達成すればよいことになります。対してノーマルペダルの場合、ひとつの筋肉で100を達成する必要があります。当然、ひとつの筋肉で100の力を出すほうが、疲労度は大きくなります。 それではと、複数回に分けて100の力を達成すればよいのではと考えるかもしれません。もちろんそれでも問題はないのですが、分ければ分けるほど、時間がかかります。また、ノーマルペダルの場合、ペダルが上昇する際には、脚自体の重量が、ペダルが上昇する際の「負荷」となるので、合計100以上の力を出す必要が出てきます。 こうした理由から、ビンディングペダルを使用すると、ノーマルペダルを使用した場合と比べて、効率的なペダリングが可能となるのです。

足が滑らない

雨の日や、雨上がりに、底が濡れた靴で自転車に乗り、ペダルが滑って危ない思いをした人も多いのではないでしょうか。ビンディングペダルの場合には、ビンディングシューズとペダルが物理的に固定されているので、こうしたことが起こりません。 また、天気が良い日に、立ちこぎをして全力でこぐとします。このとき自転車と接しているのは、手と足の裏だけです。とくに、脚を踏み込むときには、全体重に近い負荷が、ひとつのペダルにかかります。 ロードバイクの場合、車道を時速30km近くで走行するわけですから、この力を加えたタイミングで靴とペダルがずれたら、いかに危ないかは容易に想像できます。しかしビンディングペダルを使用していれば、足はしっかりとペダルに固定されているので、安心して力を加えられます。

ビンディングのデメリット

ビンディングペダルのよさを知ってしまうと、そのメリットのみに注目してしまい、すぐにでも交換したくなるものです。しかし、当然デメリットもあります。ビンディングペダルが苦手とする状況をしっかりと把握しておき、万が一そういう状況に陥っても、安全に対処できるようにしておきましょう。

立ちごけする

ビンディングペダルのデメリットとして一番最初に挙げられるであろう点が、この立ちごけです。急ブレーキをかけて急停車するときや、低速で走っているときには、バランスを崩しやすく、このとき、足が自由になっていれば、足を地面につけてバランスを保てます。 しかし、ビンディングペダルの場合は、足が固定されているので、足をつけません。それゆえ転倒につながり、車道で自動車の前を走っている場合には、非常に危険です。ですので、ビンディングペダルに慣れないうちは、とくに注意を払う必要があります。 たとえば、道が混雑しているなどの理由で、低速で走行する必要がでてきたら、ペダルを外しておくなどの対策をしておきましょう。とくに初心者のうちは、スピードを落とすタイミングをきっかけにして、ビンディングペダルを外すことを習慣にしておくと安全です。また、利き足を先に外すこと、そして外す際は、ペダルが一番下に降りたときに行うと、素早く外せ、何かあった場合にも対応できるということも、しっかりと覚えておきましょう。

歩きづらい

もうひとつ、デメリットとしてよくいわれるのが、歩きにくいということ。そもそもビンディングシューズは、歩くのには向いていないので、仕方がないともいえます。それでも最近では、かなり歩きやすいビンディングシューズも手に入るようになってきています。 選ぶ際のポイントは、靴底が曲がること。これに注意して選ぶだけでも、ずいぶん歩きやすさが変わってきます。また、靴底にクリートがついているのも歩きにくさの原因です。この場合は、クリートカバーを装着することで多少改善されます。このカバーはビンディングシューズの購入時に付属しているものではなく、クリートを取り付けた後に、その上から使用できるものです。 また、クリートカバーをせずに、アスファルトの上などを歩くと、クリートの寿命を縮めることにもなります。カバーも1,500円程度で手に入るので、歩くときは、ぜひともこのカバーを装着しておきましょう。

シマノ製ビンディングおすすめ3選

ロードバイクのパーツといえばシマノ製。そのシェア率は圧倒的で、「世界基準」となっています。そのシマノ製のビンディングペダルの中から、おすすめの三つを厳選しました。

PD-R9100

ロードバイクに最適なSDP-SLペダル。シマノの中でも最高級グレードであるDURA-ACE。世界最軽量の234gを実現しながらも、足の裏との接地面積も広く、踏み込んだ時のパワーを余すことなく伝えてくれます。丈夫さと重量のバランスを高い次元で両立し、高効率なペダリングを可能とする、世界最高峰のビンディングペダルです。

PD-R8000

前モデルのPD-6800から11gの軽量化に成功した、SDP-SLペダル。軽量化されているものの、堅牢さには妥協がなく、価格と性能のバランスは、シマノのモデルの中でもトップクラス。それゆえ、プロユースからサイクリングまで、幅広い状況に対応してくれます。レースにも使用できますが、ツーリング目的などでロードバイクに乗る人に、ぜひおすすめしたいモデルです。

PD-5800

初心者からプロのライディングまで広く使えるSPD-SLタイプのビンディングペダル。重量が285gと、シマノのトップモデルと比較すると若干重く感じるかもしれませんが、レースにおいても活躍できるだけの十分な性能と耐久性を持っています。 ですので、通勤やツーリングなどで使用する分には、十分すぎる性能といえます。クリートが外しやすいように設計されているので、通勤などで交通量の多い道路を走り、頻繁にクリートを外すことが多い場合には、大変重宝するでしょう。

ペダルを交換して効率的ペダリングを体感しよう

ロードバイクに乗り始めて少し慣れてくると、よりスピーディに、より爽快に走りたくなります。そこで活躍してくれるのが、ビンディングペダル。フラットペダルと比較して、疲れにくく、効率的なペダリングを可能としてくれます。 ビンディングペダルには、メリットだけではなくデメリットもあるので、本記事を参考にして、ビンディングペダルに関する知識を自分のものにし、より安全で、より快適な走行を実現しましょう。

category

記事カテゴリー