コンパクトロッドの種類と選び方。どんな釣りをするかで賢く決めよう

コンパクトロッドの種類と選び方。どんな釣りをするかで賢く決めよう

2018.03.15

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コンパクトロッドの種類と選び方を紹介

「海外出張の際、空いた時間で釣りができたら」、「旅行の際、立ち寄った港で釣りができたら」、コンパクトロッドはこんな思いに応えてくれます。しかし、やみくもに選んでしまっては、後々後悔することにもなりかねません。ですので、コンパクトロッドにはどんな種類があるのか、そしてどうやって選べばよいのかを知っておきましょう。

コンパクトロッドの種類は

振り出しタイプと継ぎタイプの二種類に分けられるコンパクトロッド。これまでは、コンパクトロッドは、ワンピースやツーピースのロッドには性能面で勝てないといわれてきました。しかし最近のコンパクトロッドの性能には目を見張るものがあり、継ぎタイプにいたっては、ワンピースロッドに近い頑丈さと性能にせまる勢いです。まずは、この二種類がどんなものなのかみていきましょう。

伸縮する振り出しタイプ

竿の先端側が、手元側の竿の内側へ出たり入ったりして伸縮するタイプの竿です。また、この重なり合った筒が伸び縮みする構造をテレスコピックというので、このような振り出しタイプの竿のことをテレスコピックロッドとも呼びます。 先端側を手元側の竿の内側に収納するので、ほかのタイプの竿に比べて、どうしても握る部分が太くなってしまい、継ぎタイプの竿よりも性能が劣ってしまいます。しかし、そのおかげで非常にコンパクトになり、ほかのタイプの竿ではかなわないほど、持ち運び性能が抜群です。 以前は、ほかのタイプの竿とは実感できるくらいの性能差がありましたが、最近の振り出しタイプのコンパクトロッドは、かなり進化しています。値段の面でも、持ち運びの面でも、その手軽さから人気を博しており、各釣り具メーカーも競って続々と新しいものを発売しています。

繋ぎ合わせる継ぎタイプ

一本が、三本から六本くらいのピースと呼ばれる短い部分に分かれるタイプのロッドです。もともとは、竹から釣り竿を作るために考えられた手法で、各ピースのつなぎ方により、並み継ぎ、逆並み継ぎ、印籠継ぎの三タイプに分かれます。大まかに説明すると、竿の先端側を手元側に入れてつなぐのか、それとも手元側を先端側に入れてつなぐのかの違いです。 それぞれのつなぎかたには適した用途があり、並み継ぎは遠投用の投げ竿で使われていることが多く、逆並み継ぎはルアーロッドやエギングロッドで採用されています。印籠継ぎは製造に手間がかかりますが、そのため性能が一番よく、高級ロッドで採用されていることが多いです。 振り出し竿に比べると、竿の曲がり具合を表す「調子」のバランスがとれています。また構造上、竿を細く設計できるので、性能もよいです。とくに、最近の継ぎタイプのコンパクトロッドの性能は、ワンピースやツーピースの竿の性能にせまる勢いがあるといわれています。

振り出し竿の特徴は

それでは、コンパクトさに優れている振り出しタイプの特徴を具体的にみていきます。価格も低い傾向にある振り出しタイプのコンパクトロッドですが、お手軽だからといって安易に選んでしまうと、いざ魚がかかったときに壊れて後悔してしまうことも。ですので、自分に合った一本を見つけるためにも、しっかりと竿の特徴を把握しておきましょう。

携帯性に優れている

振り出し竿は、ガイドにラインを通したままで、竿を縮められます。ですので、ルアーを付けたままで、竿をコンパクトにたたんでポイントを回るなど、アクティブに釣りを楽しめるのが大きな魅力です。 たとえば、突然な雨や雷などで、急いで片付けなければならなくなった場合。とりあえず、ルアーやラインはそのままで竿だけ短くたたみ、その場を移動。そして、安全な場所に移った後に、ルアーを外してきちんと保管する、というようなことも可能なのです。

収納しやすい

仕舞寸が40cmぐらいになるので、収納しやすいのも大きな特徴です。リュックにも簡単に入ってしまうので、少し遠出する際に一本持っていけば、気軽に釣りを楽しめます。 たとえば、アウトドアに持っていけば、キャンプ先で魚を釣り、現地で調理して食べるというアウトドアならではの素敵な体験もできてしまうのです。また、出張の際、スーツケースに忍ばせておけば、よいポイントを見つけたときに、釣りができなくてくやしい思いをしなくても済みます。片付けが簡単にできる点も、隙間時間を有効利用して趣味を楽しむためには非常にありがたいところです。

竿の強度と感度が下がる

釣り竿というのは、継ぎ数が多ければ多いほど、つまり、ピース数が多くなれば多くなるほど、強度が落ちます。これは物理的な構造上、避けられません。振り出しタイプの竿は、コンパクトにできる反面、継ぎ数が多くなってしまうので、どうしても強度が下がってしまうのです。また、ラインを通すガイドも誘導式なので、この部分も故障しやすいといえます。 また、振り出し竿の特徴として、どうしても竿が太くなってしまいます。そうすると感度が落ち、アタリを感じにくくなります。それゆえ、振り出し竿はルアーフィッシングよりも餌釣りに適しているといわれるのです。しかし、本当に繊細なアタリを感じ取る場面というのは、意外に少ないものなので、そこまで神経質にならなくてもよいといえるでしょう。 また、竿の細い先端を頻繁に出し入れすることになるので、なかなか入らないといって、少し力を入れて無理やり押し込もうとすると、壊れてしまうことも。しかし、一本の竿が複数の短いパーツに分かれているので、実は振り出しタイプのコンパクトロッドは、先端が故障しても修理しやすいという面も持っています。もちろん、竿の先端を保護するに越したことはないので、竿の先端を保護するカバーが最初からついていない場合は、別途購入しておきましょう。

継ぎ竿の特徴は

性能と丈夫さに優れている継ぎタイプの竿。最近では、ほとんどのルアーロッドは継ぎタイプとなっています。つまり、それだけ感度がよいということです。しかし継ぎタイプの竿にも、振り出しタイプのコンパクトロッドにくらべて劣る点もあります。こうしたことを踏まえながら、継ぎ竿の特徴をみていきましょう。

準備に手間が掛かる

一本の竿が複数本の短いパーツに完全に分かれているので、いざ釣りを開始する場合の準備に手間がかかってしまいます。竿をつなぐ際には、ラインを通すガイドを必ず一直線にしなければならないので、しっかりと確認しながらつなぎ合わせる必要が出てきます。 また、片付ける際も、ルアーを外し、ラインをリールで巻き取ってから、竿をばらさなければならないので、振り出しタイプのコンパクトロッドに比べると時間がかかってしまうのが弱点という人もいます。しかし実際には、慣れてしまえばその差は時間にして数分なので、そこまで大きな影響とはならないでしょう。

振り出しタイプよりかさ張る

振り出しタイプのコンパクトロッドはたたんだ状態で30cm〜40cm程度。一方、継ぎタイプのコンパクトロッドの仕舞寸は、各ピースの長さに左右されるので、どうしても振り出しタイプのコンパクトロッドに比べて長くなってしまい、50cm程度です。それゆえ、持ち運ぶ際にかさ張ると感じることも。 しかし、逆にいえば、つないだときに長く丈夫になるので、より重量のあるターゲットを狙えたり、より遠くまでルアーを投げることができます。また購入時に専用の収納ケースや収納バッグがついている場合もあるので、持ち運ぶ際にはそれを使用するのがおすすめです。

細みで軽量である

構造上、細く設計できるのが継ぎタイプのコンパクトロッド。細くできるということは、それだけ軽くなります。釣り竿というのは、細ければ細いほど、感度が上がります。それゆえ、継ぎタイプのコンパクトロッドは、振り出しタイプに比べると、感度のよさに優れています。 そうした理由から、何度もルアーをキャストし、繊細なアタリを感じ取る必要があるルアーフィッシングには、この継ぎタイプのコンパクトロッドがより適しているといえます。

強度があり飛距離がでる

ラインを通すガイドが竿にしっかりと固定されていて口径が小さいのも、継ぎタイプのコンパクトロッドの特徴のひとつです。それゆえ、キャストする際に中を通っているラインがブレにくく、まっすぐと出て行き、飛距離が伸びます。 強度に関しても、振り出しタイプのコンパクトロッドに比べて継ぎ数が少ないことから、より頑丈であるといえます。またガイドもしっかりと固定されているので、この部分の故障も比較的少ないです。 それゆえ、強度や飛距離が求められるルアーフィッシングには、振り出しタイプよりも継ぎタイプのほうが適しているといえます。とくに、各ピースをしっかりとつなぎ合わせれば、ワンピースのロッドに近い強度と感度になるので、エギングやシーバスでも安心して使えます。

振り出しでおすすめのコンパクトロッド

振り出しタイプのコンパクトロッドを選ぶ際に一番重要視すべき点は、仕舞寸の長さ。自分がどういう風に持ち運ぶのか、持ち運ぶ際のバッグのサイズはどのくらいなのかをしっかりと確認し、それに合った仕舞寸のコンパクトロッドを選ぶことが大切です。仕舞寸に注目しつつ、海、川、池で小物釣りを楽しめる竿を四本ピックアップしました。

Zacro ロッド

・仕舞寸:42cm ・全長:2.4m ・重量:200g カーボン製のスピニングロッド。場所を選ばず、淡水なら川や湖、海水なら堤防や船釣りで使用できます。また値段が低いので、最初の一本にもおすすめできます。しかしその値段とは裏腹に、作りがしっかりしていているのが特徴です。弾力性もあり、比較的高重量にも耐えられ、不意にかかった大物もしっかりとキャッチできるでしょう。 適しているリールは2,000番前後。ルアー釣りで使えないことはありませんが、どちらかといえば、堤防でのサビキ釣りや餌釣りに適してるロッドです。

ENKEEO 釣り竿

・仕舞寸:47cm、49cm、53cm、54cm ・全長:1.8m、2.1m、2.7m、3.0m ・重量:147g、177g、235g、290g 4種類の長さから選べるコンパクトロッドです。リールはスピニングで、番手は2,000番から4,000番。この竿の特徴は、なんといっても全長が3.0mになるサイズを選べること。振り出しタイプのコンパクトロッドで、全長が3.0mになるものはめったにありません。それでいて仕舞寸が54cmになるので、非常に使いどころが多い竿といえます。 海釣りの多くの場面で使うことができ、堤防での五目釣りなどはもちろんのこと、2.7mや3.0mのタイプならば、エギングでも使え、シーバス、マダイなどの大物も狙えます。また竿が若干硬めなので、ルアーフィッシングにも適しています。

ナチュラム 釣具屋がキャンパーのために真剣に考えたコンパクトフィッシングロッド

・仕舞寸:38.5cm ・全長:1.78m ・重量:91g アウトドア製品を取り扱うナチュラムが、キャンプ場の近くで釣りをしたいという要望に応えたコンパクトなルアーロッド。一番の魅力は仕舞寸38.5cmで超軽量なところ。替えパーツが付属しているので、万が一竿の先端が壊れた場合でも安心です。外出先でアクティブに動き回るルアーフィッシングを楽しみたい場合に最適といえます。 対応ルアーが2gから10gなので、対象魚は小物。渓流や湖などでのトラウトフィッシングやバスフィッシング、海での小物ルアー釣りなどで活躍してくれるでしょう。もちろん餌釣りでも使用できます。また専用のキャリーケースが付属している点もうれしい点です。適合リールは1,000番から2,000番となります。

ダイワ リバティクラブ ライトパック

・仕舞寸:45cm ・全長:1.87m〜2.73m ・重量:118g〜208g 有名釣り具メーカーのダイワから発売されている万能コンパクトロッド。用途や長さに応じて12種類から選べます。ですので小物釣りから、ルアーフィッシング、サビキ釣りやちょい投げ釣りなどさまざまな用途に使用できます。どの長さを選んでも、仕舞寸が一律45cmという点が、さすがダイワと感じさせられます。 出張先に竿を持っていきたいけれど、どんな魚が釣れるかわからないというような場合には、この竿の長めのタイプを一本持っていけば、とりあえず対応できるでしょう。適合リールは、竿の長さによって変わりますが、1,500番から3,000番であれば問題ないでしょう。

継ぎタイプでおすすめのコンパクトロッド

振り出しタイプのコンパクトロッドに比べて高性能な継ぎタイプ。ターゲットの幅も変わってきます。ここではバスフィッシングにも使え、海でも小型青物をルアーで狙える竿を中心に三本チョイスしました。

OGK オカッパリX-4

・仕舞寸:51cm ・ピース数:4本 ・全長:1.84m ・重量:約108g ・適合ルアー:5g〜18g 大阪の有名釣り具メーカーであるOGKから販売されている並み継ぎタイプのスピニングロッド。継ぎタイプのコンパクトロッドでありながら、仕舞寸51cmを実現。川、湖、海と活躍できるフィールドは多彩。継ぎタイプのメリットである高感度性と、コンパクトロッドのメリットである携帯性の両方のバランスを高い次元で実現したモデルです。 リールは1,000番から2,000番がおすすめ。重量が108gとかなり軽量なので、淡水でのトラウトやバス、海水でのアジ、メバルなどをターゲットとしたルアーフィッシングでその性能が発揮されるでしょう。

シマノ トラスティック

・仕舞寸:57cmから72cm ・ピース数:4本〜5本 ・全長:約1.53m〜約2.43m ・重量:133g〜192g ・適合ルアー:約4g〜約28g 気軽に釣りを楽しみたいルアーマンのためにシマノが開発したスピニングタイプのコンパクトロッド。付属の専用ロッドケースはしっかりとしたつくりで、大事な竿を守ってくれます。メインは海でのルアーゲーム。定番のアジやシーバス、ロックフィッシュ、チヌ、さらにはヒラメ、タチウオ、エギング、小型青物など幅広く狙えます。もちろん淡水でトラウトやバスを狙うことも可能です。

シマノ ワールドシャウラ ツアーエディション

・仕舞寸:51cmから54cm ・ピース数:4本〜5本 ・全長:約1.53m〜約2.43m ・重量:130g〜185g ・適合ルアー:約5g〜約80g 海外出張に持っていくならこの一本。釣り具のトップブランドであるシマノ製。仕舞寸法54cm以下で、その名の通り、世界を飛び回る飛行機の中にも持ち込めます。スピニングリール用とベイトリール用の二種類があるのもうれしいところです。扱えるルアーの重さも幅広く、まさに世界の魚相手に戦えるできる一本といえます。リールは、下は1,000番から上は3,000番ぐらいまでは使えるでしょう。 ほかのロッドと比較して価格が上がりますが、この性能で仕舞寸54cm。そして世界のタフなコンディションの中で大物を狙うことを考えると、決して高くはありません。長きにわたって愛用でき、一緒に世界を飛び回ってくれる大事な相棒となってくれるでしょう。

釣り方に合わせてコンパクトロッドを選ぼう

最近のコンパクトロッドの性能は昔では考えられないほどです。そんなコンパクトロッドを選ぶ際に大切なのは、最初に、振り出しタイプか継ぎタイプのどちらにするかを決めることです。そして狙う魚に合わせて扱える重量や竿の長さなどを決めるとよいでしょう。 どうしてもできるだけコンパクトにする必要がある場合や、餌釣りメインといった場合には振り出しタイプ。ルアーフィッシングメインならば継ぎタイプをおすすめします。ぜひお気に入りの一本を見つけて、出張先や旅行先で大いに釣りを満喫しましょう。

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