【TL1000Rの魅力に迫る】スポーツバイクの意欲作

【TL1000Rの魅力に迫る】スポーツバイクの意欲作

2018.03.17

スポーツバイクの魅力は、レーシングスーツを身にまとい、峠のワインディングロードをカッコよく走り抜け、爽快感が感じられることでしょう。そんな爽快感を十分に味わえるスポーツバイク、TL1000Rのの魅力に迫ります。

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革新的な技術が用いられたスズキの意欲

スズキのTL1000Rは、特徴的な空力を考慮したシングルカウル、こぶのような形をしていて、見るからにレース仕様ということがわかります。フレームは、アルミツインスーパーフレームを採用、エンジンは軽量、高硬度を持つ鍛造ピストンを採用し、一気筒辺りニつのインジェクタ(燃料噴射ノズル)の2ステージ制御燃料噴射装置で、高回転での燃料供給を確保して、135psのハイパワーを生み出しています。 今回は、美しいフォルムもさることながら、革新的な技術が採用された、スズキの意欲作ともいえるスーパーバイク、TL1000Rの魅力に迫ります。 【参照:http://www.bikebros.co.jp/】

今なお人を魅了するTL1000R

TL1000Rの誕生

TL1000Rは、レーシング仕様でレースユースにつくられたバイクです。若手開発陣が、とにかく馬力のあるバイクをつくることを意識した意欲作。開発陣の意欲に満ち溢れているバイクで、若手陣の思いが詰め込まれた傑作です。 若手のトライエンドエラーがあっても、それを非難する年配者がいなかったため、思い通りに開発ができたのです。リッターツインマシンとして革新的な技術を集め、まさに、レースのために開発され、ほかにはない新しいものを作ろうという、熱意のこもったスーパーバイクです。

TL1000R基本のスペック

TL1000R国内向けモデルの基本スペックを見ていきましょう。
  • 全長・全高・全幅:2105mm・1125mm・740mm
  • 最低地上高:120mm
  • シート高:815mm
  • 乾燥重量:197kg
  • エンジンタイプ:水冷・4ストローク2気筒・DOHC・4バルブ
  • エンジン始動:セルフスタター式
  • 点火:フルトランジスタ式
  • クラッチ形式:湿式・多板
  • ブレーキ形式:前輪は油圧式ダブルディスク・後輪は油圧式ディスク
  • フレーム形式:ダイヤモンド
  • タイヤ:前、後輪ともチューブレス

速さを追求して生まれた特徴的外観

アルミスーパーツインフレームを採用することで、速さを追求した外観、燃費向上のためのディアルインジェクション、たまらないフォルムのシングルシートカウル、コンパクトにまとめた、まさにレースを意識したスポーティーな外観で乗りてを飽きさせないロードバイク。素晴らしいデザインを実現した、誰もが憧れるスポーツバイクです。 カチ上がった2本のマフラーもかっこよく、レーシングタイプでコンパクトにまとまった外観や、レーシングタイプのフロントカウル、一目見ただけでかっこいいと思わせるデザインは、スポーツバイク愛好者ならぜひ欲しくなるバイクでといえます。

スズキ初のVツインエンジン

エンジンは、995水冷4ストローク90度V型2気筒で、高回転域の加速を実現、高回転域での燃料供給の確保のため、1気筒あたりニつのインジェクタ2ステージ制御燃料噴射装置を採用しています。そのため、135psのパワーを生みだしています。 最高速は260kmをマーク、何速からでも加速OKで、加速は7000回転からが本気モード、4000回転で気持ち良さを体感でき、グイグイと加速してくれます。気になるところは燃費ですが、一般道では1Lあたり17km、高速道1Lあたり24.0kmです。

世界初の試みとなったロータリーダンパー

TL1000Rはフロントカウルの下に、ラジエーター、エキパイ内側にオイルクーラー、さらにカムをオフセットしました。それだけでは、スイングアームを付けるステップ部分のフレームがあるため、短くならないV型ツインの難点は、ホイールベースが長くなってしまうことです。 ホイルベースが長くなると、旋回性が悪くなります。そこで、リアサスペンショに採用されたのが、世界初となるロータリーダンパーです。オイルが入っているダンパー部を、伸縮の筒に変え、回転式に変えてコンパクト化し、それによってVツインの中では、かなり短いホイールベースにすることができました。

TL1000Rのインプレッション

前傾もそれほどでもなく、腰や背中が楽で乗りやすいバイクです。しかし、シート高が高く、足の着き具合が悪いので、実際に確かめることをおすすめします。アクセルのレスポンスが良く、粘りのあるエンジン低回転でもスムーズな走り、中高回転でも振動が少なく、クラッチも軽いので、コントロールがしやすいです。 大型車の割には車体が軽いので、取り回しがしやすいことも、コンパクトならではのメリットでしょう。しかし、バッテリーが上がりやすいところが難点です。エンジンサウンドは、低速ではドコドコ感があり、6000回転からは「シューン」という音に変わり、2気筒とは思えないほどの爽快感。 ツーリングでは抜群のコーナーリングですが、1時間ごとに休憩しないと、手首が持ちません。そのため、腹筋を鍛えて、手首に負担がかからないようにしたほうがよいでしょう。高回転域での燃費は、1Lあたり12kmが平均なところです。初心者にも乗りやすいバイクといえるでしょう。

TL1000Rの現在

TL1000Rの中古市場は、現在どうなっているのでしょう。状態のよいバイクの業者間取引(オークション)における12カ月の取引成立価格は、平均28万円、最高価格は43万4,000円、最低価格は16万円です。ネットオークションでは、程度のよいTL100Rが手に入るようです。 メンテナンス面ですが、クラッチは、ワイヤーのこまめなメンテナンスが必要です。また、高速で曲がるときにも中途半端では曲がらない、ロータリーダンパーの交換をしている人が多いようです。 この場合、ウイルバースサスペンションがよいでしょう。青いバネが人気で、比較的安いことも人気の一つです。純正サスはリザーバータンク付きで、オイル量の調整が可能。さらに燃費改善のために、スプロケットを交換するとよいようです。

TL1000Rのカスタマイズ

フルパワー化に必要なパーツ

せっかくのスポーツバイクですから、フルパワーでライディングしたくなることも、ライダーの心理ではないでしょうか。それには必要なパーツがあります。どんなパーツがあり、そしてそのパーツを使うと、どれだけフルパワーに近づけることができるのかを見ていきましょう。 まず、ECUについてです。ECUとはエンジンを制御するコンピューターで、燃料の量、燃料の噴射タイミング、点火するタイミングをコントロールする装置です。純正のECUでは、吸入空気量が変わってきても、その変化に合った燃料の量に変えられない難点があります。汎用ECUは、アクセルのコントロール性の改善がみられます。また、馬力の向上だけではなく、乗り心地の改善もみられ、スムーズなアクセルのオンオフ、侵入時のエンジンブレーキ対策にもなります。 そのほか、インシュレーターについてもみていきましょう。インシュレーターとは、シリンダーヘッドの吸気ポートとキャブレターをつなぐパーツのことです。エンジン側がアルミ製で、キャブ側がゴム製になっています。ゴム製なので、どうしても劣化してしまうため、フルパワー化のためにも注意したいところです。また、マフラーの軽量化もフルパワー化には欠かせません。

多くのドライバーが頭を悩ませるマフラー

ツインエンジンは、マフラーを交換するとすさまじい音になるようです。しかし、ノーマルマフラーだとフルパワーが出ません。そこが、ドライバーの悩むどころといえるでしょう。 そこで軽くて、1本出しフルエキゾーストのヨシムラのマフラーが、TL100Rには適しているようです。エンジン音も良くなり、車体も軽くなり一段とライディングが楽しくなります。

足回りをマイルドにするリアサスの変更

サスペンションを交換すると、確実に走りに違いが見られます。リアサスの変更もその一つの方法です。そこで、人気の高いサスペンションといえば、オーリンズのサスペンションです。 人気の一つが、調整が簡単なところでしょう。スプリングのプリロード幅を調整する工具は不要で、ダイヤル式のアジャスタを回すだけです。この調整で足回りがマイルドになり、走行性も向上するでしょう。

夜間ののり心地を助けるヘッドライト

夜間の乗り心地を左右するのは、やはりライトの性能が重要です。ライトにはLEDとHIDあるようですが、HID、LEDはそれぞれ放電と半導体粒子の技術により発光しています。明るさですが、LEDは十分な光量ですが、HIDはそれを超えたかなり強い光量です。 そこで、できればHIDに変えたほうが、夜間走行の安全、視覚性、乗り心地を助けることにつながります。HIDにするには、必要な部品が揃ったHIDキットがおすすめです。バイク用のHIDキットは、振動、耐久性に優れた構造になっています。HIDキットで、明るいライトにしてみる価値はあると思います。

妥協を許さない硬派な世界と独特の魅力

男なら、一度は誰でも硬派な世界に憧れるのではないでしょうか。男らしさを演出するアイテムに、バイクという選択。バイクにこだわることも、硬派な世界に入っていく一つの手段。 山間の峠を走り抜けるときの自然との対話、風を感じていく独特な感覚。オートバイならではの世界を味わってみることが、心を喜ばせることになるかもしれません。

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