ミシュランガイドの星の意味とは。星獲得の人気店も徹底解説

ミシュランガイドの星の意味とは。星獲得の人気店も徹底解説

2018.03.30

日本版のミシュランガイドが発売されてから、ミシュランの星を獲得した店について、話題になることも多くなっています。デートのときや仲間との会話の中で、ミシュランの星に関しての豆知識があると、話題豊富な大人として一目置かれること間違いなしです。

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ミシュランの星評価について知ろう

ミシュランガイドは、フランスのミシュラン社より出版されているガイドブックですが、グルメのガイドは、別名「レッド・ミシュラン」とも呼ばれています。ミシュランといえば星の数で評価されている、とイメージされる通り、店によって独自の評価がされて、ガイド本にそのランクが掲載されています。 では、ミシュランガイドの星の評価が意味することと、その内容はどのようなものなのでしょうか。それぞれの星の数が意味することと、調査の方法についても、こちらで解説していきます。 【参照: https://clubmichelin.jp/】

ミシュランの星評価と掲載まで

ミシュランの星はどのようにして決定され、出版に至るのでしょうか。各お店はどのように調査されて、星を決定する過程は、どうなっているのかなどについて紹介していきます。

調査員によるレストランへの匿名調査

ミシュランガイドの調査員は、ミシュランタイヤ正社員で、フルタイムで勤務しています。フランスで厳しいトレーニングを受けたあとに、はじめは先輩とともに店を回り、その後は世界中に派遣されて、対象の店を調査することになります。ミシュランタイヤ社では、毎日少なくとも一人の調査員が、世界のどこかの店を訪れているといわれています。 調査員は、匿名で予約をして食事をします。そして、ほかの客と同じように料金を支払って行われます。平均で一人あたり、年間約240食ほど調査するといわれています。店側には、いつどんな人が調査に入ったのかが分からないように、調査が行われるのです。

5つのカテゴリーによる評価

ミシュランガイドに掲載される店の評価は、五つのカテゴリーに分けて評価されます。 一つ目は、素材の質がよいかどうかということです。 ニつ目は、調理の技術がどれだけ高いかということと、味付けの良さと完成度についての判断です。 三つ目は、料理に独創性があるかどうか。 そして四つ目は、料理の値段に対する総合的なコストパフォーマンスがよいかどうか、という評価です。 最後の五つ目は、料理が安定して、一貫性があるように作られているかどうかが評価されます。星を与えられた店は、以後も少なくとも年に数回ほど、調査員が試食調査に入り、チェックを行っているのです。

星獲得と掲載は合議制により決定

店の調査は、はじめは調査員によって匿名で行われます。その後は、身分を明かして「訪問調査」という段階に入ります。その際に、レストランやホテルのシェフや経営者などに、インタビューなども行います。この訪問調査は、少なくても2年に1回は、全てのレストランを対象に行われているのです。 調査員は自分の担当地域だけではなく、ほかの地域も訪問して調査をする、クロスチェックを行っています。これにより、平等で偏りのない評価を行うようにしているのです。では星の数はどのようにして決まるのでしょうか? 星の数の決定は、調査員の報告をもとに行い、読者からの意見も反映します。そして最終的には、調査員、編集長、ガイドブック総責任者の合議により決定されるのです。

読者のメッセージをもとに再調査

ミシュランタイヤ社は、ガイド本を発行後も、読者からの意見をなるべく反映させるために、再調査を行っています。読者からの意見やメッセージは、年間で約45000通あるといわれています。これら意見があった店は、調査員が後日、再調査のために訪れる仕組みになっているのです。 再調査では、はじめに調査員が調査に入ったときと、料理の質などが変わっていないかどうか、そして実際の状況は、読者の意見と同じであるかどうかという点も含めて、判断していきます。この再調査をもとに、さらに報告書を提出して、今後の評価の参考にしていくのです。

星の数とそれぞれの意味

ミシュランガイドに記載してある星の数には、どのような意味があるのでしょうか?ミシュランガイドに掲載される飲食店やレストランは、全てが評価に値する店であるのです。たとえ星がなくても、一定の基準値を超えていて評価されているのですが、一つ星、二つ星、三つ星の違いは、どのようなところであるのでしょう。その違いや内容に注目して、みてみましょう。

三つ星の意味

三つ星の意味は、ミシュランガイド内には「そのために旅行する価値のある卓越した料理」と記載されています。つまり、遠くからでもその料理を目的にして、出かけるくらいの価値があると評価されているといえます。 ただしこれは、お店の雰囲気やサービスなどは含まれず、料理そのものの味や、お皿への盛り付けなどの価値を意味します。ほかにはない、オンリーワンの料理といえます。

二つ星の意味

二つ星の意味は「遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理」とガイドには記されています。あるジャンルの中で食事をしたいと思ったときに、少し遠くても出かけたいと思う店という位置づけです。 三つ星は、その店に行くこと自体が目的になり得ますが、それに比べ、ほかの目的と同時に訪れたいというニュアンスといえるでしょう。

一つ星の意味

一つ星の意味は、ミシュランガイド内には「そのカテゴリーで特においしい料理」と記載されています。各ジャンルの料理の中で、人におすすめできるようなとてもおいしい料理を出す店という意味といえるでしょう。 一つ星は、二つ星や三つ星と比べると、劣る店なのではないかと思う人もいるかもしれませんが、ミシュランガイドにおいては、星を獲得すること自体が優れたお店といえるのです。一つ星は、「おいしくて満足ができる店のランキングの上位にくる店」との証明ですので、ぜひともおすすめしたいお店なのです。

2018年度ミシュランで話題性のあるお店

ミシュランガイド2018では、どのような店が星を獲得し、紹介されているのでしょうか。ここでは、和食から、フランス料理、中華など幅広いジャンルの中から、特に人気が高くて、星を獲得した店をみていきます。

フランス料理 ジョエル・ロブション

ジョエル・ロブション 【参照: http://www.robuchon.jp/】 ジョエル・ロブションのシェフは、フランスの国家最優秀職人章(MOF)の資格を持っています。世界で最多の三つ星のシェフで、世界の11カ国に自分の名前が入った店舗を展開しています。ジョエル・ロブションは、フレンチの皇帝とも呼ばれています。 彼がその一つとして、日本でオープンしたガストロノミー(美食学)のフランス料理の店が、「ジョエル・ロブション」です。2007年から、ミシュランガイドで11年連続三つ星を獲得しています。 店のコンセプトは喜びと幸せで、ロブション氏が世界中で展開しているレストランのうちでも、最高のブランドが、恵比寿にある「ジョエル・ロブション」なのです。「ジョエル・ロブション」は、素材のよさを最大限に引き出した、モダンフレンチの集大成の店です。

日本料理 麻布 幸村

麻布 幸村 【参照: http://kenzoestate.jp/restaurant/jap/restaurant-86.html】 東京の麻布十番にある「麻布 幸村」は、ミシュランガイド東京2010以降、連続で三つ星を獲得している京料理の店です。東京にいながら、京都の食材をふんだんに使った京都料理が味わえます。店内はこぢんまりとしていて、カウンター席にテーブル席は一つという店内になっています。 店主の幸村純氏は、京都で25年間修業を積み、名店の料理長をも務めた人物です。この幸村では、店主も豊富な経験をもとに、旬の食材を使った四季折々の京料理のアレンジと、ナパワインも楽しめます。ワインに合う日本料理という、新しいスタイルの食事が堪能できます。

菊乃井 本店

菊乃井 本店 【参照: http://kikunoi.jp/kikunoiweb/top】 菊乃井本店は、ミシュランガイドで三つ星を獲得している、京都の老舗料亭です。 大正元年に開業し、伝統を生かしながら、革新も常に視野に入れた料理で、国内外のゲストをもてなしています。料理長で代表取締役の村田吉弘氏は、テレビや雑誌などで活躍し、和食の料理人としても出演して活躍しています。 料亭のコンセプトは「きれい寂び」で、「上品で美しくあれ。ひょろひょろした華奢なもんはあかん。渋くても力強くあれ。枯れすぎて弱々しいのはあかん。」と村田氏も述べているように、日本の文化の侘び寂びにこだわりすぎずに、おいしさと美しさを追求しています。日本の心の一期一会でおもてなしをする伝統をもとに、常に革新をはかった独特の懐石料理が楽しめる料亭です。

イノベーティブ Hajime

Hajime 【参照: http://www.hajime-artistes.com】 大阪市西区にある「イノベーティブ料理Hajime」は、ミシュラン京都大阪2018に、2012年以来の返り咲きを果たした店です。前回の二つ星から三つ星へランクアップして、フランス料理という看板も外した、新しいスタイルのレストランとなりました。 ミシュラン史上最も短い期間で、三つ星を獲得したことでも話題になりました。「アジアのベストレストラン50」、「Foodie Top100」などにも掲載されて上位にランクインしています。今、世界が最も注目するレストランの一つといってもよいでしょう。 レストランは、調和と秩序の世界観を表現した店内と、メニューで構成されています。メニューの「TASTING MENU STANDARD」は、Hajimeの世界観そのものを表現したメニューになっています。約17品のフルコースは、約4時間かけて提供され、壮大なスケールで描かれたお皿の料理は絵画のようでもあり、芸術的なガストロノミーの新世界を表現しています。

中華料理 茶禅華

茶禅華 【参照: http://sazenka.com/】 日本のミシュランガイド初の、二つ星に輝く中華料理の店が茶禅華です。元フィンランド大使公邸をリニューアルした、南麻布の一軒家の店です。シェフの川田智也氏が、西麻布の「麻布長江」や日本料理の「龍吟」で修行後に、「和魂漢才」の精神にもとづき、中国料理をさらに進化させたスタイルでオープン。 日本の食材の豊かさを、中国料理に生かしたスタイルの料理と、コースに合わせたお茶とを提供し、ティーペアリングでも注目を集めている人気店です。まさに、和と漢のバランスが絶妙の中華料理店といえます。

フランス料理 フロリレージュ

フロリレージュ 【参照: http://www.aoyama-florilege.jp/】 ミシュランガイド東京2016に掲載されたときには、一つ星レストランでしたが、現在は星が一つアップして、二つ星を見事獲得した、青山にあるフレンチの店です。カウンター席は、ダウンライトに照らされたシックな作りで、まるでシアターにいるかのような空間です。 日仏の名店で修行をした川手寛康シェフが、その豊かな感性をもとに作り上げるフレンチのコースは、日本の厳選食材を使用していて、一皿一皿が詩集のようなアートのようです。メニューはコースのみで、それぞれ「投影」「再生」「分かち合う」などのタイトルと、食材名が記載されています。

Japanese Sob Noodle 蔦

Japanese Sob Noodle 蔦 【参照: https://m.facebook.com/jsn.tsuta/?locale2=ja_JP】 東京都豊島区巣鴨にあるラーメン店です。ミシュランガイドの一つ星を、ラーメン店では世界初で獲得をしたことで話題になった「Japanese Soba Noodles 蔦」。オープン当時は、メニューは醤油ラーメン、煮干しラーメンの2品のみを提供していましたが、その後、塩ラーメンやつけそばなどの新作も、提供するようになりました。 かなりの人気店のために、整理券制となっています。整理券を受け取った時点で、六つの集合時間別に分けられ、各自のデポジットとして1,000円を納める形になっています。 メニューについては、看板メニューの醤油ラーメンは、だしの材料に青森シャモロックとあさり、白身魚の切り身と魚介を、ふんだんに使用していることが特徴です。また、使用している油にもこだわりがあり、イタリア産黒トリュフと鶏油を使っていて、香りも豊かに楽しめるラーメンとなっています。

星評価からミシュランガイドを楽しもう

ミシュランガイドの店の調査から星の数の決定、出版に至るまでの流れを見てきました。すでに知っていること、初耳だったことなどの情報は、これからデートや特別な記念日など、店を選ぶときにぜひ活用してみてはいかがでしょう。 ミシュランガイドについての知識を得たことで、今後さらに、ガイドブックに掲載されている店を探索してみるという楽しみ方もできます。ミシュランガイドで今までとは違う視点から、レストランでの食事が楽しめるかもしれません。

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