ロードバイクのメンテナンスをしよう。愛車を守る大人の流儀

ロードバイクのメンテナンスをしよう。愛車を守る大人の流儀

2018.03.19

颯爽と風を切り、道路を駆ける愛車。大切な愛車に長く乗るためには、メンテナンスは必須です。自分の道具のパフォーマンスを最高に引き出すのはオトコのマナー。愛車のメンテナンスに気を付けて、大人の流儀を身に付けよう。

Share :

長く乗るためにメンテナンスは必須

どんな道具でも使い続けていると劣化してきます。それはロードバイクでも同じ。特にロードバイクの高いパフォーマンスを保ち、長く乗るためにはメンテナンスは必須。メンテナンスの頻度や方法を知って適切なメンテナンスをしましょう。

メンテナンスの頻度

雨の後は必ずメンテナンスする

サビはロードバイクの天敵。雨の中走ったロードバイクには雨水や泥で汚れています。塗装でカバーされている部品にはそれほど影響はありませんが、金属がむき出しの部品は別。 守るものがないボルトやチェーンはとてもサビやすくなります。雨天時にはロードバイクの泥汚れの除去、サビ防止は忘れずに行いましょう。

チェーンが汚れてきたらメンテナンスの時期

チェーンの汚れはチェーンオイルをつけるロードバイクの定め。オイルは汚れを取り込みやすくチェーンが真っ黒になることもあります。油膜がなく汚れた状態のチェーンには砂利や細かい金属が挟まってしまいます。これが原因でチェーン、ギアの摩耗につながり交換時期を早めてしまうことも。 チェーンはロードバイクの大切な部分。汚れに気づいたらすぐに掃除、給油し愛車を守りましょう。

乗った後簡単に拭き掃除をするのがおすすめ

フレームを拭く

汚れは放っておくとどんどん取りにくくなるもの。なにより汚れたロードバイクをそのままにしておくなんて、大人のオトコとしてカッコ悪いことにもなりかねません。汚れをためないよう、乗った後にはふき取るようにしましょう。 方法は簡単。まずウエスを用意しフレーム全体の汚れやホコリを拭きとるだけ。大事なのは汚れをふき取るだけではなく、ヒビなどの異常がないか点検しておくことです。

タイヤを拭く

フレームをキレイにしたら次はタイヤ。タイヤは土やアスファルトに接する部分なので気を付けたいところです。汚れをそのままにしておくとタイヤのゴムの劣化の原因になることも。 タイヤの汚れを落とすにはフレームをひっくりかえすのが効率的。タイヤが回らないようにして2周程度拭くようにしましょう。このときフレームで取り切れなかった汚れも落としておくとよいです。 フレームと同じくゴムのひび割れなど異常がないか点検しましょう。このとき各パーツに異常がないかも確認しておくことが大事。ひび割れが拾う小石などはパンクの原因になることもあります。

空気圧を確認する

実は自転車のタイヤの空気圧は自然に抜けていくもの。しかもロードバイクのタイヤの空気圧は高く、抜けるのも早いという特徴があります。対処法としては乗った後に空気圧を確認することになります。 もし空気圧が低いと感じたらタイヤの横の表記を見てみましょう。2.5‐4.5BARや35‐65PSIなどの単位が書かれているはず。この適正空気圧を保つよう気を付けましょう。

定期的に本格的なメンテナンスをしよう

チェーンとスプロケットの洗浄

チェーンが汚れるということは当然スプロケットも汚れます。汚れに気づいたらチェーンとスプロケット、同時に洗浄しましょう。

チェーンの洗浄

道具: ウエス、洗剤 ウエスを下部のチェーンの下にかまえ、上からパーツクリーナーを吹きかけます。このとき油がフレームやタイヤ等に飛び散らないように気を付けましょう。特にブレーキパットに付着した油はブレーキの効きを悪くする可能性があります。 パーツクリーナーを吹きかけた後はウエスで拭き取ります。汚れが取れないときは再度パーツクリーナーを吹きかけ拭きましょう。ペダルを回しチェーンが一周するまでこの作業をして終了です。

スプロケットの洗浄

道具: ウエス、ブラシ スプロケットの洗浄はホイール(後輪)を外すことから始まります。ブレーキの開放、クイックリリースレバーを緩めホイールを外します。ホイールが外れたら、スプロケットの汚れをブラシでこすりウエスを間に押込み拭くことで汚れを除去することができます。

ホイールの洗浄

道具: ウエス(ペーパーウエス)、洗剤 前後輪を外し最初に洗浄するのはリムです。ホイールの外周部のリムは地面と一番近く最も汚れるところ。また目につく部分でもあり気を付けたい部分でもあります。 ウエスにパーツクリーナーをしみこませ、リムの汚れを拭き取ります。このとき注意するのがリムに脂分が付かないようにすること。使いまわしのウエスは避けるか、使い捨てのペーパーウエスを使いましょう。不織紙のペーパーウエスがおすすめです。リムの汚れが落ちた後はスポーク。リムと同様にパーツクリーナーをしみこませたウエスで汚れを拭き取りましょう。

フレームの洗車

道具: ウエス、洗剤、バケツ、水道ホース 水道ホースを使いフレーム、ホイール、ハンドル周りにかけていきます。このとき水圧を弱くし不要な部分に水がかからないよう注意が必要。 汚れが浮いてきたら水を含ませたウエスで一通りやさしく拭き上げます。次に洗剤をしみこませたウエスで拭き上げ、車体を裏返して隅の汚れもしっかり取り除き、最後に水分を残さず拭き取り終了です。

ワックスで磨いて汚れ防止

道具: ワックス、鏡面仕上げ用の布 洗浄が終わったらワックスがけ。ワックスは汚れや水から塗装を守りロードバイクの寿命をのばします。美観だけではなく長く乗るための大切なメンテナンスとなります。 ワックスをしみ込ませた鏡面仕上げ用の布でフレームを磨きます。隅々まで磨いてロードバイク本来の美しさを取り戻す大事な作業となるので、気を抜かずに丁寧に行いましょう。ワックスがけは月1回の頻度で。手を抜かず洗練された生活を手に入れましょう。

フロントディレイラーとリアディレイラーに注油する

道具: オイル、ウエス 洗車後はオイルが落ちている状態。オイルは被膜を作りサビ付きを防止し動きを滑らかにするため、洗車後の給油は欠かせません。

フロントディレイラー

全てのピポット部に注油していきます。プレートは軽く注油し表面を保護しましょう。

リアディレイラー

フロントディレイラー同様ピボット部に注油します。ワイヤ出口やプーリーの軸などの注油も忘れずに行いましょう。

チェーンに注油する

道具: チェーンオイル、ウエス フロントディレイラー・リアディレイラー同様、チェーンへの注油も忘れてはいけません。チェーンを保護し動きを滑らかにするのはもちろんですが、チェーン独特の金属音もおさえてくれます。 一度にチェーン全体へ注油するのではなく、1コマずつ注油していきます。このときチェーンオイルをかけすぎず、最小限の量を使うことがポイント。オイルが多すぎると汚れが付きやすくなるため注意が必要です。 注油後は、ギア全体にオイルをなじませます。クランクを回転させながらシフトチェンジし、時間に余裕があれば30分ほどそのままにしておきましょう。

タイヤに空気を入れる

道具: ポンプ まずはバルブの位置を上にすること。バルブが上にあると体の負担が少なく効率的に作業ができます。後輪は逆回転するとチェーンが外れる恐れがあるので注意が必要です。 バルブを上にしたらキャップを外し先端のネジをゆるめます。空気を入れるにはネジをゆるめバルブを開く必要があります。 バルブを開いた後は、頭の部分を一瞬押しましょう。こうすることで空気が抜け空気を入れやすい状態になります。次にバルブの軸に対しまっすぐ奥までポンプをさします。まっすぐささないと、バルブ先端部分が破損してしまう可能性があり、空気が漏れやすくなるので注意が必要。 ポンプをさした後は、レバーを上げます。このときレバーを完全に上げること。現在の空気圧をポンプの空気圧計が示してくれます。ポンプのハンドルをフルストロークさせ空気を入れましょう。急がず確実にフルストロークさせることが大事。適正空気圧まで空気を入れましょう。 あとはレバーを下ろしポンプを抜いて、バルブ先端のネジを軽く締めます。ポンプを抜くときは、さすとき同様バルブ先端部分を破損させないようにまっすぐに。最後にキャップをして完了です。

ディスクブレーキのメンテナンス

油圧式の場合

道具: ブレーキオイル(注油ホース付き)、4mmアーレンキー(六角レンチ)、プラスドライバー、7mmのソケットとラチェットレンチ、7mmのスパナ、スペーサー(ブレーキシステムに付属)、抜いたブレーキオイルを入れる容器、ブレーキクリーナー ディスクブレーキはシマノ製がおすすめ。交換パーツ、補修部品、店舗や情報も多く使いやすいです。 ホイールを外しスペーサーをローターが入る隙間にはさみます。スペーサーをはさまずブレーキレバーを握るとピストンが飛び出すので気を付けましょう。ハンドルを固定した後、ブレーキレバーのブラケット部分のボルトをゆるめリザーバータンクを地面と水平にします。 リザーバータンクのふたとダイヤフラムを外します。ブリードニップルのダストキャップは外しブリードニップルを少しゆるめ軽く締めます。ここではラチェットレンチを使いニップルのカドをなめないよう確実に作業しましょう。 ブレーキオイルに入れる容器にホースの片方をつなぎ片方をブリードニップルにつけます。ブレーキレバーを数回握り、かたくなったところで軽く握っておきます。そのままスパナでブリードニップルを少しゆるめます。ブレーキレバーが動きブレーキオイルがホースへ抜けていくので、ブレーキオイルを握りきったところでブリードニップルを締めます。あまり強く締めないよう注意しましょう。 オイルが抜けた分だけリザーバタンクに注油します。あふれないように補充しましょう。 このオイルを抜いて入れる作業を繰り返していき、全て新しいオイルに交換しましょう。メーカーにはオイルの規定量があるので、参考にするとよいです。また着色されたオイルもあるので古いオイルと色を変えれば注油の程度がわかりやすくなります。新しいオイルに交換したら、最後にリザーバータンクめいっぱいに注油しましょう。ブレーキオイルは塗装面などを腐食させないので、あふれても問題ありません。 リザーバータンクのダイヤフラム・ふたを取付け、ホースを抜きブリードニップルを締めます。ブリードニップルがゆるんでいるとブレーキオイルが漏れてしまうので、ラチェットレンチを使い確実に締めましょう。最後にブリードニップル・キャリパーについているオイルをブレーキクリーナーを使って取っておきましょう。 工程は多いですがブレーキ機能を左右する作業。確実に行い安全を確保しましょう。

機械式の場合

道具: 中性洗剤、ウエス、アーレンキー、グリス アーレンキーでボルトを外しキャリパーを外します。パットを抜き出すために、割ピンを外します。パット・キャリパーの汚れを中性洗剤をしみこませたウエスで拭き取ります。 スプリングをキャリパーに挿入し割ピンの先を曲げ落ちないようにします。グリスを塗布したワイヤーをブレーキアームに固定。このときブレーキアームを1〜1.5cm押し上げましょう。 時計回りに内側パッド調整ボルトを一番奥までねじ込みます。キャリパーの固定ボルトを締めマウントに固定します。内側パッド調整ボルトを反時計回りに回し、ディスクローターとの間に隙間を作ります。隙間が最小限になるよう注意して調整しましょう。 機械式の場合はブレーキローターがゆがんでいる場合があるので、専門工具のローター修正器を使用して対応しましょう。

一部のパーツは定期的な交換が必要

快適な走りのために欠かせないチェーン

道具: チェーン、チェーンカッター、作業用手袋、段ボールまたは新聞紙 負荷がかかりやすく使用するたびに伸びていくチェーン。チェーンの交換時期は走行距離3000kmが目安になります。伸びたチェーンはギアを削るため必ず定期的に交換しましょう。 前後共にチェーンの位置を一番大きいギアに合わせます。チェーンの丸いでっぱり部分にチェーンカッターを合わし、奥までしっかりセット。カッターを締めていくとチェーンが切れ、コネクタが出てきますが、このコネクタは不要なので捨ててもよいです。 切れたチェーンは外して段ボールまたは新聞紙の上に置いておきましょう。切れたチェーンと新しいチェーンを並べ、リンクの数を合わせます。新しいチェーンのリンクが多い場合は古いチェーンの長さに印をつけておきましょう。 前後の一番大きいギアに新しいチェーンを付け、始点終点を合わせます。この状態でリアディレイラーのアームが地面と水平になるよう調整しましょう。チェーンの長さが長すぎ・短すぎる場合は、印からリンク2つ分長くまたは短くします。 チェーンの調整が終わった後、前後の一番大きいギアにチェーンを通します。チェーンが逆S字の形になっていることを確認したら、全てのギアにチェーンが触れていたら穴を合わせコネクティングピンでチェーンをつなぎます。ピンの差し込む側には角度が付いているので、差し込む方向を間違えないようにしましょう。 差し込んだピンにチェーンカッターを合わせネジを締めていきます。ピンが折れないよう慎重に作業しましょう。また締めすぎるとピンが外れるため、頭を0.2mmほどを残しておくこともポイント。チェーンに差し込んで出ているピンはペンチ等で折っておきましょう。チェーンの交換後は前後のディレイラーを動かし、変速の確認を行っておくことも忘れずに行いましょう。

タイヤは普段からまめにチェック

道具: タイヤレバー、ポンプ、作業用手袋、新しいタイヤ、新しいリムテープ タイヤの溝が減ってきたら交換時期。一緒にリムテープも交換しましょう。リムテープはチューブを守る大切な部品。リムテープが劣化するとパンクの原因になることもあります。 車輪脇についているレバーを反対側に倒し、レバーを反時計回りに回します。このとき車軸反対側のつまみを固定しておきます。車軸が外れたら中入っているバネをなくさないように注意しましょう。 キャリアブレーキのアーチ部分についているレバーを上げブレーキを解除します。フレームからホイールを外しタイヤの空気を抜きましょう。タイヤの空気を抜いた後ホイールからタイヤを外していきます。ホイールとタイヤの間にタイヤレバーを入れてタイヤを外していきます。タイヤの中のチューブに引っ掛けないよう注意しましょう。 次に差し込んだタイヤレバーからスポーク3本分あたりに2本目のタイヤレバーを差し込みます。それから1本目のタイヤレバーを滑らせていくとタイヤがきれいに外れるはず。タイヤが外れたらリムテープの交換を行います。ホイールに付いているリムテープをはがし新しいリムテープをはりましょう。 次は新しいタイヤをはめる作業。タイヤに進行方向がないかどうか確認しておきましょう。まずタイヤを片側だけはめ中にチューブを入れていきます。この際、チューブがねじれないように注意。チューブが入ればタイヤをホイールにはめ込んでいきます。入りにくい場合は、すでに入った部分を指で挟んで持ち上げると入りやすくなります。完全にタイヤがホイールに入れば後は空気を入れて完了です。

雨の日は減りが激しいブレーキパッド

道具: 新しいブレーキパッド、ブレーキピストンツール、アーレンキー、マイナスドライバー、ラジオペンチ、作業手袋 ブレーキパッドは消耗品です。雨の日が続いた時は溝をチェックしたほうがよいです。もし溝が減ってきているようなら交換しましょう。 事前にホイールを外しておき、ブレーキパッド脱落防止用のスナップリングをラジオペンチで引き抜きます。次にマイナスドライバーでブレーキパッドピン外せばブレーキパッドとスプリングを取り外すことができます。 ブレーキパッドを外すとキャリパーが確認できるはず。キャリパー内のピストンは押し出された状態になっているので、押し出させた分ブレーキパッドががすり減ったことがわかります。ピストンをブレーキピストンツールを使って押し戻します。後は新しいブレーキパッドを取付け、外すときと逆の手順でスナップリング、ブレーキパッドピンを取り付けて完成です。

ワイヤーは年に1回交換する

道具: 新しいワイヤー、ワイヤーカッター、六角レンチ、ラジオペンチ、マイナスドライバー ワイヤーは年に1度は交換しましょう。ワイヤーの先がほつれが気になったときも交換の時期です。 まずギアシフトをトップにしワイヤーのテンションを下げます。ディレイラーのボルトを六角レンチで緩め、固定していたケーブルを外しワイヤーエンドキャップを外します。ケーブルを外した後はディーラー調整ボルトを最後まで締めておきましょう。リア側からケーブルを抜いていくとアウターケーブルが外れるので、このときアウターケーブルの取付位置を確認しておきます。 シフター側のワイヤーを守っているカバーを外し、タイコを外します。ワイヤーを押込みながらマイナスドライバーでタイコを軽く持ち上げるのが、簡単に外すコツ。 新しいワイヤーを取り出し、タイコをシフターに取り付けます。古いワイヤーと同じ取り付け位置に取り付けるよう気を付けましょう。ワイヤーを通したリア側のアウターケーブルをフレームとリアディレイラーに固定します。ワイヤーにテンションをかけボルトで固定、ワイヤーの余りをワイヤーカッターで切ります。ワイヤーエンドキャップを忘れずに取り付けて完了。 ワイヤー高官はデリケートな作業。うまく取り付けられたと思っても、乗ってみて違和感があればショップで見てもらいましょう。

バーテープは汚れが目立ってきたら交換

道具: 新しいバーテープ、ビニールテープ、ハサミ ロードバイクのバーテープは自分の手に触れる部分であり乗る人のこだわりが見えるところ。汚れてきたり気に入らない巻き方の場合は交換しましょう。 ブレーキレバーのゴムカバーを開き、ステム近くのビニールテープからはがしていきます。バーエンドキャップまではがしカップが外れたら、古いバーテープの除去は終了。はがした後バーが汚れているようならきれいにしておきましょう。 新しいバーテープから中指1本分ほどの長さを切っておきます。バーテープの半分のところにハンドルバーの下端をあて一周巻きます。このときハンドルバーの下端が隠れるように巻くこと。そのままブレーキレバーまで丁寧に巻いていきます。 ブレーキレバーの箇所では、最初にバーテープから切り離したものをブレーキバーとハンドルの接合部に沿うように置きその上からバーテープを巻きます。ハンドル上側へ巻き続けブレーキレバーのゴムカバーを戻します。握りこぶし1つ分の幅まで巻ければ、次はテープを留める作業に入りましょう。 巻幅を決めたバーテープに横から少し切れ目を入れ目印を付けます。そこからもう1巻きし先ほどの逆側に切れ目を入れます。切れ目から切れ目に沿ってハサミで切ると切り口がハンドルと垂直になるため、きれいに留処理をすることができます。留処理の部分をビニールテープで留め、バーエンドキャップを付ければ完成です。

メンテナンスに必要なグッズ

メンテナンススタンドは必須

ロードバイクにはサイドスタンド、センタースタンドがありません。軽量化のためとはいえ自宅に置くとき、メンテナンスをするときに不便なのも確か。そんなときの道具としてメンテナンススタンドが使われています。メンテナンススタンドには4つのタイプがあります。
  • フリック型スタンド
シートステーとチェーンステーにフックを引っ掛けるだけの最も固定が簡単なスタンド。折りたたみ式なので置き場所にも困りません。ただ固定力が弱く変速調整などには不向きといえます。
  • ディスプレイスタンド
後輪のクイックレリーズ部をはさみ固定するためフリックスタンド型よりも安定しています。変速調整や大抵の設備に対応できます。しかし後輪が外れたロードバイクは対応できないので注意が必要です。
  • シートポスト/トップチューブ固定型
シートポストを固定し、胸の高さで作業できます。一度にメンテナンスを行いたいときには便利。しかしフリック型スタンド、ディスプレイスタンドに対して価格が高いデメリットが挙げられます。
  • フレームエンド/BB固定型
このタイプは本格的にメンテナンスをしたい人向け。フロント、リアどちらのフレームエンドでも固定可能です。プロメカニックも選ぶタイプのスタンドで、抜群の安定感を誇るといえるでしょう。 メンテナンススタンドはタイプによって価格も大きく変わるので自分の用途に合ったスタンドを選びたいところ。また自作することもできるため用途に合ったものを自作するほうが安上がりになることもあります。

汚れを拭き取るボロ布

汚れや油をふき取るのに必ず必要となるのがウエス。使わなくなった衣類の切れ端を使っても、ホームセンターで購入してもよいです。最近ではマイクロファイバーのクリーニングクロスもあるので、用途に合わせ使い分けるのもよいでしょう。

油汚れに強いビニール手袋

ロードバイクのメンテナンスに欠かせないのが作業用手袋。油汚れに強いビニール系で使い捨てできるものがよいです。またバイクのパーツはとがったものが多く手を切りやすいので軍手もあると便利です。

注油に使うオイル

パーツの摩耗防ぎチェーンの滑りを良くするチェーンオイルは大きく5つに分類されます。
  • マルチタイプ
天候や条件に左右されない日常利用に適したタイプ。メンテナンスの頻度は下がるが、チェーンの汚れは目立ちやすいといえます。
  • ウェットタイプ
粘度が高く雨に強いタイプ。メンテナンスの頻度は下がるが、油汚れが目立つ傾向があります。
  • ドライタイプ
粘度が低く汚れが付きにくいタイプ。メンテナンスの頻度は高め。雨に弱くオイルが落ちてしまうこともあります。
  • ワックスタイプ
粘度がとても低く汚れが非常につきにくいタイプ。雨などの悪条件には弱いが、晴れた日のとっておきのロングライドには最適といえます。
  • 掃除&潤滑タイプ
掃除と注油が同時にできるタイプ。古いオイルを落とさずに塗り増しすることができるのでメンテナンスがやりやすいです。 色々なシーンを想定して作られているチェーンオイル。自分に合ったオイルを選び最適なメンテナンスを心がけましょう。

洗車に使う洗剤やクリーナー

洗車に使う洗剤やクリーナーには定番のワコーズの洗剤・クリーナーというものがあります。
  • BCスーパージャンボ
定番パーツクリーナー。スプレー式でチェーンやギアなどの汚れを吹き飛ばすことができます。速乾性が高く油分の脱脂に威力を発揮するが、プラスチックやゴムを傷める可能性があるため注意が必要です。
  • チェーンクリーナー
BCスーパージャンボに比べ速乾性が低いがプラスチックやゴムに対する攻撃性は低いです。生分解性に優れ臭いも少なく使いやすい点が特徴です。
  • フォーミングマルチクリーナー
ノンシリコーン・弱アルカリ性のためギアなどの金属部だけでなく、フレームやサドルなど自転車全体に使用可能。また水の代わりに洗い流せるため、チェーンクリーナー使用後にフォーミングマルチクリーナーを吹きかけ水の代わりに洗い流すことができます。 なお、カーボンホイールなどの傷みやすい部分には中性洗剤を使用し、素材を傷めないよう気を付けましょう。

パーツの調整に使う工具

ロードバイクのメンテナンスには一般工具のほかに専用工具も必要となります。一つ一つ買い揃えていくのも一つの手ですが、一式揃ったツールボックスがおすすめ。ロードバイクのメンテナンスに必要な工具はある程度決まっています。
  • アーレンキー:六角レンチ
  • チェーンカッター : シフトワイヤー、ブレーキワイヤー、ケーブルなどを切断する専門工具
  • リムーバー : プロスケの脱着に使用
  • スポークレンチ : ホイールの振れ取りに使用
工具セットは5000〜40000円ほどの価格帯で販売されています。自分の好みにあうツールボックスをえらびメンテナンスの効率化を図りましょう。

室内作業に使えるメンテナンスマット

ロードバイクの保管・メンテナンスは室内で行うのが基本です。そこで気になるのが洗浄・注油時の汚れ。室内への汚れ飛散防止のためにメンテナンスシートがあり、大きく2種類あります。
  • 油・水を吸収するタイプ
  • 油・水をはじくタイプ
おすすめはシートの汚れを拭き取れる油・水をはじくタイプ。吸収するタイプはシート自体のメンテナンスが難しいといえます。質のいい油・水をはじくタイプのメンテナンスシートを手に入れるのがよいでしょう。

適切なメンテナンスで愛車を大切にしよう

ロードバイクは繊細な道具。金属部分はサビやすく油による汚れも目立ちやすいです。定期的な点検やパーツの交換も必要な手のかかる道具といえます。 メンテナンスに時間とエネルギーを使って育てたロードバイクはまさに愛車。適切なメンテナンスされたロードバイクは大人のオトコにふさわしいといえるでしょう。愛車を通して大人の流儀を身に付けましょう。    

category

記事カテゴリー