ゴルフが上達するための早道。ビジネスゾーンを鍛える練習法とは

ゴルフが上達するための早道。ビジネスゾーンを鍛える練習法とは

2018.04.29

ビジネスゾーンはゴルフスイングの中核ともいえる部分。このゾーンの動きを徹底的に鍛えることがゴルフ上達の早道です。ビジネスゾーンとはなにを指すのか、なぜそのゾーンが重要なのか、そしてどう練習すれば正しく鍛えられるのかを説明してゆきましょう。

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ゴルフのビジネスゾーンを完璧にして、上達したい

ゴルフを上達させるためには、練習が基本です。「ゴルフが上手い」というのは、要するにクラブヘッドをイメージ通りにボールに当てられることで、ゴルフの練習は突き詰めていえば全てそのためにあります。 クラブヘッドがボールに当たる瞬間がゴルフでもっとも大事である以上、その前後のスイング、一般的にビジネスゾーンと呼ばれる部分のスイングを鍛えることは、ゴルフ練習の基本中の基本といえます。どのように考え、練習すればビジネスゾーンの正しいスイングを身につけられるのかを知識で習得しましょう。

ゴルフのビジネスゾーンとは

スイングの腰から腰の範囲のこと

ビジネスゾーンとは、ゴルフスイングの一連の動作のうち、クラブの位置が「クラブが腰と平行かそれより低いところにあるとき」のこと。ボールをたたく動きをする部分なので、インパクトゾーンとも呼ばれています。 右利きの場合、バックスイングではシャフトが右腰の位置で地面と平行(またはやや上向き)になるまで、振り下ろし中は、シャフトが右腰の位置からボールに向けて振り下ろされるまでです。 フォロースイングでは、シャフトが左腰の位置で地面と平行(またはやや上向き)になるまでとなっています。スイング動作から、クラブを腰より上に振り上げたり、腰より上から振り下ろしたりする部分を除いたものともいえます。

完璧にできればゴルフで食べていける

ビジネスゾーンという名前の由来は「このゾーンの動きがよければゴルフでビジネスができる」というところから。いいかえると「プロが違いを見せて、お金を稼ぐゾーン」ということです。 それほどにゴルフスイングでは、この範囲(ゾーン)がキモとなるといわれており、レッスンプロの動画にも、ビジネスゾーンの重要性を説いているものがたくさんあります。

ビジネスゾーンの役割

理想のインパクトをつくる

非常にシンプルないい方をするなら、ゴルフというのはクラブヘッドをいかに上手くボールにぶつけるかという競技です。ヘッドがボールに当たる瞬間を「インパクト」といい、ゴルフスイングでもっとも重要な瞬間。 そこで、インパクトの精度を高めるために大切になってくるのがビジネスゾーン、すなわちインパクトの直前と直後のスイングです。インパクトの瞬間のクラブヘッドが意図した角度で意図した動きをしているかどうかを決めるのがビジネスゾーン。 ビジネスゾーンの動きを徹底的に正しくする練習を繰り返すことで、ショットの質を決めるインパクトも理想的なものになっていくでしょう。

フルスイングのトップのための土台

ビジネスゾーンを意識した練習は、フルスイングを行うための土台の役目を果たします。飛距離を出すため、大きなバックスイングを取り、クラブを頭の上まで持ってくると、身体が大きくねじれて力が入るため、どうしてもスイングは不安定になります。 特によくあるのが、右利きの場合、ダウンスイングに入ったときに左脇が空いて、左腕が曲がり、クラブヘッドの軌道が大きくゆがんでしまう症状です。またそれを修正しようとすればするほど、余計なところに力が入りスイングが崩れていったりします。

スイングの軌道修正にはビジネスゾーン

軌道修正を立ち返るべき基礎が、ビジネスゾーンです。ビジネスゾーンできっちりと左脇を締める意識づけをし、そのフォームを身体に覚えこませていれば、大きくトップを取ってもスイングが崩れにくくなり、修正も効くようになります。 クラブが右腰の位置に来たとき、どういう体勢になっていればよいか感覚的にわかっているからです。スイングのしっかりとした基礎を作るために、重要になるのがビジネスゾーンだといえます。

ビジネスゾーンのスイング練習のポイント

体を正しい状態で安定させる

ビジネスゾーンを意識したスイング練習の目的は、何回でも正確に繰り返せる安定した基礎動作を身につけることです。常に正しいインパクトを行うためには、その時その時で動きがブレることをなるべく防がなくてはなりません。 そのため、身体のどこを意識し、どのように動くのが正しいのかを、頭と身体の両方で覚えるのが練習の目的です。ゴルフスイングの場合、「身体の前傾角度、腕の三角形維持、顔の向きの固定」の3つのポイントを意識するのが重要。いずれも安定したスイング軌道を作るために欠かせない要素です。

膝と腰と首の角度を維持する

スイングをするにあたって、身体全体でゆるやかな前傾姿勢を作り、それを維持するところから練習を始めます。最初に背中を曲げないように、背筋を伸ばしてすっと立ち、次に、背中を丸めないよう意識して、お辞儀をするように身体を少しだけ前傾させます。 時計の針でいうと、12時を指していた上体が1時を指すぐらいまで曲げます。ややお尻を突き出し、股関節から折り曲げるイメージで、この腰の角度をインパクト前後で一定に保ちましょう。インパクトのとき、前傾が変わってしまうと、クラブヘッドがボールにちゃんと当たりません。

前傾姿勢を作ったら

姿勢を作ったら、次に膝を少しだけ曲げましょう。このとき、お尻を落としすぎて身体の前傾角度を変えてしまわないよう意識します。膝の下のすねが、地面に対して垂直になるイメージです。 ここで注意が必要なのは、ひざの角度。それ以上曲げるのはNGです。腰の前傾と膝の角度が正しければ、重心が両足の親指のつけねのふくらんだ場所にきます。この基本姿勢を維持して、インパクトの瞬間を迎えることが大切です。

首の角度も一定にして変えないこと

最後に、首の角度を一定にしておくことも大切。クラブを振り下ろす時に無意識に顎を引いてしまい、それがスイングを狂わせているケースが多いからです。 首からのどにかけてのラインをかちっと固定するような意識を持ちましょう。顎と喉をつなぐ「つっかえ棒」があるようなイメージを持つとうまくいきやすいでしょう。

腕の三角形を維持する

「両肩と両腕で三角形を作れ」というのは、ゴルフの基本レッスンで必ずいわれることです。両肩を結んだラインを底辺とし、クラブを持った両腕を両辺とする細長い二等辺三角形にします。

なぜ三角形を作る意識が大切なのか

肩と腕と手首の余計な動きを、できるかぎり抑えるためです。そのどれか1つでも勝手に動かしてしまうと、正確にボールをインパクトすることなどできません。きっちりと位置関係を固定しておくことが大切であり、そのために一番よい形が「三角形」なのです。 中でも一番余計な動きをしやすいのが「手首」。脇をきっちり締めて動く余地を少なくし、両手を絞って構えることで、手首をしっかり固定するのが、三角形を意識する最大の目的です。 スイング動作がビジネスゾーンにある間、この三角形をずっと維持しておくことが大切。崩れてしまうと、クラブヘッドは好き勝手な動きを始めるでしょう。

顔の向きを変えない

顔の向きも大きなポイントです。よくある間違いが、クラブの動きに合わせて顔の向きを変えてしまうやり方。身体をひねるのは楽ですし、クラブを見ることができているという安心感もあるので、ついやってしまう人も多いのですが、これは間違いです。

顔は最大の方向指示器

顔というのは、人間にとって最大の方向指示器です。顔を1カ所・一定方向にずっと向けておくことで、その場所を格段に狙いやすくなります。よって、スイング中は顔の向きをなるべく変えないのが正解です。 具体的には、鼻を意識するとうまくいきます。鼻筋のラインを顔の軸だと考え、鼻筋が身体の中心軸からずれないようにする感覚を持つと、顔が動かなくなるでしょう。クラブの動きに絶対に釣られないという意識を持つことがなにより大切です。

クラブを正しい状態に安定させる

手首を固定して、常に正確なインパクトができるよう、スイングを始めたあとのクラブの動きをチェックしましょう。正しい状態に安定させるためには、バックスイングでクラブが右腰(右利きの場合)の位置まで上がってきたところをチェックポイントとすることです。

チェックポイントまで来たらクラブのフェースを見よう

腰の横に、地面と平行に上がったクラブのフェースを見てみましょう。クラブフェースのエッジは、どこを向いているかを確認します。12時の方向(真上を向いている)のが正しいスイングです。もしも向いていないなら、バックスイング中に余計なひねりを加えてしまっているということになります。

クラブシャフトの向きを見よう

次はクラブのシャフトです。シャフトの向きは、ターゲットラインと平行になっていなくてはなりません。ターゲットラインとは、打ちたい目標地点とボールを結んだ線のこと。つまり腰の位置にクラブが来たとき、シャフトの向きは打ちたい方向と一致していないとなりません。 方向が一致せず、内に入っていたり外に出すぎている場合は、スライスや引っかけの大きな原因になります。

最後にクラブシャフトと身体との位置関係を見る

腰の位置でのシャフトは、身体から遠すぎても近すぎてもいけません。シャフトの位置が、つま先のちょうど真上から引いたラインにあるのが理想的。それより身体の横に来ていたり、逆に身体から離れた場所に来ても正しいスイングになりません。 まとめると、バックスイングで腰の横に来たクラブは、両つま先を結んだラインのちょうど真上にあり、ターゲットラインとぴったり一致するように寝ていて、そしてフェースが真上を向いているという状態になっているのが正しいスイングです。 そして、インパクトの後、フォロースイングでクラブが左腰(右利きの場合)に来たときにも、全く同じ状態になっているのが理想となります。

ビジネスゾーンの練習の注意点

クラブはPWを使う

ビジネスゾーンの練習には、ピッチングウェッジを使うようにしましょう。このクラブを選ぶ理由はいくつかあります。その理由は以下の通りです。 ● 1.極端なミスショットが少なく初心者でも扱いやすいこと。
● 2.ボールが上がりやすいのでスイングの結果が見やすいこと。
● 3.実戦でもピッチングウェッジでハーフショットのアプローチをする機会はたくさんあり、実戦的な練習にもなる。

フルスイングをしない

ビジネスゾーンのみに意識を集中し、そのゾーンの中の正しい動きを身につけるためには、フルスイングをしないことが大切です。クラブを腰から上に上げないようにしましょう。 振り幅は、必ず腰から腰までの範囲を越えないようにし、最初のうちはインパクト前後のごく小さな幅から練習しましょう。余計な動きをしないこと、身体の角度を崩さないことなどを徹底的に意識し、繰り返しスイングしましょう。慣れてきたら、少しずつ振り幅を大きくしていくとベストです。

肘を引かない

練習時にもっとも気をつけたいポイントは、「腕の三角形を保ちつづけること」です。アドレスで作った形を崩さないようにします。特によくあるのは、後ろ側の肘、右利きの場合は右肘が必要以上に曲がってしまうことです。 とはいえ人間の身体の構造上、バックスイングでクラブを右腰まで上げるのに、どうしてもわずかに右肘が曲がってしまうのは仕方ありません。バックスイングでの右肘・フォローでの左肘の少しの曲がりはOKです。 NGなのは、肘を引く動きでクラブを上げることです。肘を働かせず、あくまで仕方ない範囲内で少し曲がるだけにし、腕の三角形を保持しつづけるイメージを消さないようにしましょう。

体重移動は小さくする

ビジネスゾーンの身体の使い方の最重要ポイントは、顔も含め身体の軸を動かさないことです。そのために、なるべく左右均等の動きをするようにします。 左右均等のアドレスを作りバックスイングでもフォロースイングでも同じ動きになるよう意識することで、はじめて軸が身体の中心で安定し軸ブレを防止できます。もしこの左右均等がおろそかになると、身体の軸がどちらかに寄り、とたんに不安定になります。 軸を身体の真ん中に置き、スイング中は動かさず、身体の前傾も固定してそのまま打つのがビジネスゾーンの正しいスイング方法。つまり、体重移動をできるかぎり行わないということです。 体重移動を行わないとボールが飛ばないのではという方もいるかもしれません。しかし、ビジネスゾーンでは飛距離を心配をする必要は一切ないのです。正確かつ安定したインパクトができるようにするということだけ考えましょう。

フィニッシュの形をチェック

ビジネスゾーンのスイングが上手くいっているかどうかをチェックするには、クラブシャフトが腰の位置にあるときに姿を確認しましょう。打つ前後の形で静止し、チェックします。 チェックポイントは、フェースの向き、シャフトの向き、そしてシャフトの位置です。 ● フェースが真上を向いているか
● シャフトは打ちたい方向と一致した向きになっているか
● シャフトはつま先のラインの真上にあるかどうか 以上の3つを入念にチェックしましょう。バックスイングをチェックしたら、スイングしてフォロースイングを腰の位置で止め、同じようにチェックします。

ビジネスゾーンを鍛えるドリル

左脇を右手で抑える

手首や腕の動きを抑え、身体の軸回転でボールを打つというスイングの基本を覚えるためには、左脇を右手で抑えて打つ練習をしましょう。左利きの場合は、左右逆になります。

練習方法

左腕の上腕部に右の手のひらを当てて軽くつかみ、その形のまま左手1本でクラブを握り、スイングします。強制的に腕の動きを抑えると同時に、右手で抑えているので、左脇が絶対に開かない形に。無理な体勢になるので、振り幅は小さくても大丈夫です。 ヘッドをボールにちゃんと当てることだけを意識し、打ってみましょう。このドリルをやると、身体の回転を利用しないと正確にボールは打てないという事実をあらためて実感できます。手首や腕で小細工しても全くうまくいきません。だからこそ、軸を意識して回転で打つやり方を身体にたたきこむことができます。

頭の位置に注意

注意したいのは頭です。首から上はなるべく動かさず、ボールを見続けましょう。ボールがちゃんと捉えられるようになるまで、何度でも繰り返し振ることが大切です。

片手でスイングする

左脇を抑えるドリルの発展形であるこの練習方法は、右手を一切使わず、左手だけでクラブを振ります。プロがトーナメントなどで、ボールを打つ前にやっているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。上手下手を問わず、有効なドリルなのです。

練習方法

腰から腰までの振り幅で振り、強く打つのではなく、正確に打つことを意識します。片手スイングのドリルは、左脇を抑えるドリルよりも身体の動きが妨げられないので大きく振れますが、左脇が開きやすくなるので、難易度は高くなります。 よって、この練習方法は小さなスイング幅からスタートしましょう。最初は当てるだけでも大丈夫です。

ビジネスゾーンで飛距離を出す方法

フェースがインパクトで目標に向くようにする

基本的に、ショットの正確性が増せば、自然に飛距離は伸びてきます。ヘッドのよく飛ぶ場所にボールがきちんと当たるようになるからです。ビジネスゾーンがインパクトゾーンとも呼ばれるのはこのためで、インパクトの質を高めることで、ボールも飛ぶようになります。

フェースローテーションのチェックをしよう

「もう少し飛ばしたいな」というときでも、まずやるべきことは基本的なチェックです。中でも、バックスイングとフォロースイングでのクラブフェース開き方、いわゆるフェースローテーションのチェックは重要です。 腰の位置でフェースのエッジがちゃんと真上を向いているかどうか、繰り返し確認しましょう。もしフェースの向きがずれているなら、スイング自体をチェックし、握りも再確認して少し変えたりしてみてもよいです。そういった地道な確認と修正が、飛距離を伸ばす早道にもなります。

下半身主導になるインパクトを意識する

ビジネスゾーンの練習で、身体の回転だけを使い、打つコツをつかむと、上半身というのはゴルフスイングにおいてはあまり仕事をしないものということが実感できるようになってきます。上半身の力は、基本的にクラブや腕や手首をしっかり固定しておくために使われるもので、びゅんびゅん動かすものでは全くありません。 そして上半身を使いすぎない感覚を身につけると、自然に下半身が使えるようになってくるため、スイングは横振りになっていきます。それとともにスイングスピードが上がり、ショットの威力が増していくのです。

下半身の動きも最小限に

下半身主導のスイングがいいといっても、下半身もぐりんぐりん動かしたりするものではありません。よくあるのは、身体を回転させるということを腰をひねることと同一視しているケースですが、これは間違いです。腰は自然にひねられ戻るもので、意識して力を入れてねじるものではありません。 下半身主導のスイングでも、下半身の動きは最小限にするのがスイングの思想として正しいといえます。具体的にいえば、身体を回転させるトリガーとして「左膝」(右利きの場合)を使う意識を持つことです。 膝を大きく動かすのではなく、バックスイングではなるべく動かさないようにして、振り下ろす瞬間にグッと踏み込むことで、下半身の動きを最小限にとどめつつパワーを発揮できるようになります。

目標に振り切るフォローをする

ビジネスゾーンのスイングの基本は、左右均等です。フォロースイングで、バックスイングと違うことをする必要は全くありません。例えば、打ちたい方向にグッとクラブを突きだそうとしたりするのは百害あって一利なし。 フォローの腰の位置でのチェックを丹念に行い、フェースが真上を向いているか、シャフトがターゲットラインと一致する方向にちゃんと向いているか、シャフトの位置はつま先の延長線上かを確認しましょう。 フォローの方向性や正確性があると確信できるようになってくると、フォロースイングも振り切れるようになってきます。自信がつくことで、力強さが出てくるのです。

大きなスイングを意識する

ビジネスゾーンの練習を繰り返し、目をつぶっていても同じスイングができるようになってきたら、そろそろ少し欲を出してもよいでしょう。具体的にいうと、大きなスイングを意識することでショットの威力と質を上げる段階に入れます。 余計な動きがなく、回転で打つスイングが確立できていれば、クラブを大きく動かし、遠心力を活かしてパワーを生むスイングをしても、身体がクラブに振り回されず、ボールが曲がらなくなります。力任せではなく理にかなったフルスイングが可能になり、飛距離を無理せず伸ばしていけるでしょう。 ただし、スイングはちょっとしたことで崩れるもの。地道なビジネスゾーンの練習と確認は毎日欠かさないようにしましょう。

ビジネスゾーンを鍛えてゴルフを楽しもう

ビジネスゾーンの練習は、地味で爽快感があまりありません。打ちっぱなしで気持ちよくボールを打つほうが楽しいので、ついそちらを重視してしまいがちです。 しかし、長い目で見れば、思ったところにショットが打てるようになればゴルフは格段に楽しくなります。地道な練習からビジネスゾーンを鍛えて、もっとゴルフを楽しみましょう。

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