勝つためのアームレスリングトレーニング|鍛え方のポイントを知ろう

勝つためのアームレスリングトレーニング|鍛え方のポイントを知ろう

CAR / MOTORCYCLE 2018.07.25

Share :

アームレスリングに強くなる鍛え方を知りたい

アームレスリングは、ボクシングなど広いフィールドが必要な格闘技とは異なり、机の上で行われる競技として知られています。だからこそ、勝つためのトレーニングはアームレスリングに特化したものを知る必要があるのです。 鍛えるべき筋肉やトレーニング内容、実践に生かせる技などを知り、実践的なトレーニングをはじめてみましょう。

アームレスリングに必要な筋力とは

アームレスリングにも厳密なルールや専用の競技台があるように、アームレスリングはいわゆる腕相撲とはまったく異なる競技といえます。そのため腕力に自信がある人でも、アームレスリングの熟練者には全く敵わないことがほとんどです。 アームレスリングは、全身のパワーやバランス感覚などをフル活用することが前提。だからこそパワー・テクニック・タイミングという3つの要素が重要になります。

3つの要素とは?

パワーにおいてもいくつかポイントがあります。
  • 静的なパワー:どのような状況でも固定されたまま動かないパワー
  • 動的なパワー:手首をストロークさせるパワー
    • 以上のパワーコントロールが求められます。アームレスリングでは、どれだけ自分にとって有利で、かつ得意な姿勢を保てるかが勝負のカギ。腕は体幹に固定、肩関節や肘関節も動かさず、手首だけを動かすのです。 そのため、相手が力を出しにくい姿勢になるよう封じ込める力や、手をしっかりと組むためのホールド力、ウエイトを生かしたパワーなどが重要になります。単に腕力を鍛えるトレーニングだけでは、アームレスリングで勝つことは難しいのです。

      アームレスリングに必要な鍛えるべき筋肉

      それでは、どんな筋肉を鍛えるべきか、そのためにどのようなトレーニングが効果的かを知っていきましょう。

      ホールド力を維持するための握力

      アームレスリングでは、手を握る密度を高めることも重要視されます。しっかりとした握力がなければ、相手が自分の有利な姿勢に持ち込む過程でこちらの力を振り切られてしまうことに。 握力のトレーニングは、ハンドグリップを活用するのが効果的です。また、握力のアップはそのほかのトレーニングをより濃密にする手助けになり、さまざまな種目をより不自由なく、かつ以前より多くの負荷をかけながら行うことができるようになります。

      手首の返し等に必要な前腕筋群

      手首の返しや柔軟性は、勝負の際に重要な「引く力」を発揮させるポイントのひとつです。そのため手首から肘にかけての前腕筋群、「前腕屈筋群」を鍛えていきましょう。中でも、ダンベルを使ったリストカールが、自宅でもジムでも行いやすいトレーニングです。 リストカールを行う際は、筋肉のストレッチと緊張をしっかりと感じつつ行いましょう。ダンベル以外には、チューブでも代用が可能です。

      引き付ける力の要となる上腕二頭筋

      上腕二頭筋はいわゆる「力こぶ」を作る筋肉ですが、相手を引き付ける力を発揮する筋肉として重要な役割を果たします。効果的な鍛錬方法は、アームカールです。 バーベルを使うバーベルカール、ダンベルを使うダンベルカール、プリチャーベンチを活用するプリチャーカール、コンセントレーションカールの4種でローテーションを組むと、まんべんなく鍛えることができます。 最も手軽なのはダンベルカールです。これはジムに行かなくとも自宅でもできるトレーニング方法のひとつ。アームカールはトレーニングとして効果的ですが、このように種目数も多いため自分にとってどれが一番負荷をかけるべきトレーニングか、きちんと見極めることが重要です。

      最後の追い込みに必要な大胸筋と上腕三頭筋

      上腕三頭筋は、上腕の7割を占める重要な筋肉です。大胸筋とともに、相手を抑え込むのに必要になります。しっかり相手を抑え込めなくては、優位な立場を維持することが難しくなることも。トレーニングとしては、ライイングトライセプスエクステンションが効果的です。 これは、ベンチとEZバータイプのバーベルを用意して行うトレーニングで、ベンチに仰向けになった状態で行うのが特徴です。

      体幹の大きな筋肉と脚力

      肩、胸、背中の大きな筋肉は相手の腕を引き付けるため、脚の筋肉は立った状態(スタンディング)で競技を行うからこそ支えるために重要です。そのため、特に全身を鍛えるトレーニングは欠かせません。 体幹と脚力を鍛えるためには、ベンチプレスやデッドリフト、スクワットが効果的です。握力アップも同時に目指すと、次第にベンチプレスの負荷を挙げることにもつながります。またこれらの中でも体の大きな筋肉を鍛えるトレーニングは、基礎代謝の向上にも欠かせません。

      肩を鍛えるためのトレーニングとは

      種目としては、
      • シュラッグ
      • ベントオーバーローイング
      • フロントレイズ
      • サイドレイズ
      • リアレイズ
        • などの挙げられます。こうした種目はベンチプレスなどに比べると、鍛える筋肉のターゲットが絞られたアイソレーション種目です。トレーニングの強度アップや基礎的な力を身に着けるなら、先にコンパウンド種目と呼ばれる複数の筋肉を同時に鍛える種目に取り組んでいきましょう。

          アームレスリングの技を鍛えるトレーニング方法

          対人競技であるアームレスリングは、いくつかの技があります。そうした技の精度を高め、より有利に試合を進めるためのトレーニング方法をチェックしましょう。

          フックにはディップ

          フックとは、一般的に「かみ手」と呼ばれる技であり、手首で相手を巻き込むようにして倒します。力技であり、大胸筋下部と上腕三頭筋長頭を同時に鍛えられる「ディップ」は効果的なトレーニング方法です。 ディップマシンというトレーニング器具を使って行い、肘を開かない角度で行うとより効果的とされています。大胸筋下部の複合関節種目なので、大胸筋全体のトレーニングの後に行うとよいでしょう。

          トップロールにはダンベルカールと懸垂

          トップロールとは「釣り手」とも呼ばれる技であり、肘を支点に背中の筋肉のパワーを活用して、相手の指先を引き込む技です。てこの原理を使って、釘を引き抜くときを想像すると分かりやすく、上手に使えば子供でも大人に勝つことができます。 特に重要なのは肘の角度を90度に保つことで、そのために必要な上腕二頭筋を鍛えるのには、「ダンベルカール」というトレーニングが効果的です。ダンベルを縦に構えるダンベルハンマーカールとともに行うとより効率よく鍛えられます。 背筋トレーニングには、順手懸垂(プルアップ)が効果的で、肘関節が90度前後のポジションで小刻みに上下するような動作を心掛けるとよいでしょう。

          親指の壁にはリストピネーション

          アームレスリングでは「親指の壁」や「サイドプレッシャー」と呼ばれている筋力があり、これは前腕を回外させない筋力のことをいいます。肩関節のインナーマッスルである、ローテーターカフ(回旋筋腱板)の筋力が重要です。 中でも、上腕を体幹の前面へと向ける肩甲下筋は、特に鍛えておきたい部位。そこでウエイトに帯などを巻きつけ、回内運動を反復してトレーニングします。 肩甲下筋はインナーマッスルなので、体幹の筋肉を使わないことを心掛けながら、低めの負荷で何度も繰り返し行うことがポイントです。

          アームレスリングに勝つためのコツ

          トレーニングを勤しんできたら、今度はアームレスリングで勝つためのコツをチェックしましょう。

          握り方で有利に立つ

          アームレスリングでは、相手より高い位置で握った方が、有利な姿勢となります。その方が技へと発展させやすかったり、相手の抑え込みがしやすくなるからです。 方法としては、親指の上に人差し指を乗せる形で握ることで高い位置がとれ、有利に立てます。ただし「相手と組んだ状態で、親指の第一関節が隠れてはいけない」というルールがあるので注意しましょう。

          引く力に関係する筋肉を総合的に鍛えることが必須である

          アームレスリングでは、腕は相手を固定する道具となり、実際に相手を倒す力は腹部を曲げる動きに由来します。すると、必須条件として腕をしっかりと固めるための肘関節や手首、腕、大きな力を発揮する背中を繋ぐ肩の筋力が重要になります。 こうした「引く力」に関係する筋肉は、仕事やプライベートでの使用にも影響を受け、人によってどこを鍛えるべきかが異なります。総合的に鍛えつつ、自分が優先すべき筋肉を見つけましょう。

          骨折事故を起こさない様にする

          アームレスリングでよく起こる事故といえば「骨折」です。その骨折のほとんどは、上腕骨のスパイラル骨折(螺旋旋回骨折)であり、肘を支点にねじるような動きが加わることで起こります。 この骨折の厄介なところは、起きて数秒は骨折に気が付けず、手を放した瞬間に折れた骨や傷ついた繊維がさらに傷つき、予後が悪化してしまうところです。 防止するコツは、拳から目を離さず肩より内側で力を入れること。もし骨折した場合には、自分であればすぐに腕を抱えて固定し、観戦中なら相手が痛みで腕を余計に傷つけることが無いように後ろから抱えます。そして救急車を呼び、できるだけ落ち着くように声をかけることが大切です。

          日々の地味なトレーニングが成功のカギになる

          アームレスリングで勝つために鍛えたい筋肉や、コツなどをお伝えしてきました。アームレスリングは対人競技であり、そこにはルールがあるからこその駆け引きや奥深さがあります。しかし大きなパワーを発揮するためには、日々のトレーニングの積み重ねと、ペースを守った効率のよいメニューが欠かせません。 まずは、自分のトレーニング内容を考えることから始め、アームレスリングに強くなっていきましょう。

category

記事カテゴリー