個人向け国債の利率の仕組みとは|ローリスクで資産運用に最適

個人向け国債の利率の仕組みとは|ローリスクで資産運用に最適

CYCLING 2018.07.19

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安全で高金利?個人向け国債の気になるポイント

個人向け国債という投資をご存知でしょうか?実は国が発行している債権で、安全にお金を取引したい人にとってはおすすめの投資です。ローリスクな投資ではありますが、では実際どのくらいの利益があるのでしょうか?個人向け国債の利率を中心に、気になるポイントを見ていきましょう。

個人向け国債の種類

それでは個人向け国債とはどういった種類があるのでしょうか?個人向け国債は、まず利率の変化の種類によって固定と変動の2種類に分類され、さらに満期までの期間によって3年、5年、10年の3種類に分類されます。整理すると、固定3年、固定5年、利率が変動する変動10年の3種類です。

変動10年の利率

個人向け国債は最低利率が保証されているため、利息が上がる分は得をします。 変動10年は利息が変動するものなので、金利が上がると当然もらえる利息も上乗せされるところが固定型との大きな違いです。実勢金利の動きに応じて半年ごとに適用利率が変わり、そのときどきの受取利子の金額が増減します。 また、変動10年の利息は国債の基本となる利息になる基準金利から−0.80%引いたものとされていましたが、現在は個人向け国債も利率が低いため、財務省は変動10年の利率が低くなりすぎないように、平成23年の7月から金利の設定方法を見直しています。 現在は基準金利に0.66%をかけたものとされています。

固定3年や5年とは?

固定3年、5年は変動10年と違い、3年間または5年間、買ったときの利息が変化しません。 変動10年の利息が(もちろん上がることもありますが)下がった場合でも、固定3年、5年は利息に影響がなく、満期までに自分がもらえる利息額が分かりやすく見えやすい点が変動10年との違いでしょう。 金利の設定
  • 固定3年:基準金利から0.03%引いたもの
  • 固定5年:基準金利から0.05%引いたもの

個人向け国債の利率の仕組み

それではこれらの個人向け国債の利率はいったいどのように決まるのでしょうか?

利率の決定方法と発表

前述したように個人向け国債の変動10年は基準金利×0.66%、固定3年は基準金利−0.03%、固定5年は基準金利−0.05%ですが、この基準金利の決定は、変動と固定によって違います。

変動10年

利率を計算する期間の、前月の最終日に行われた、10年間固定されている利率の日本国債の平均落札価格額をもとにして計算。 徐々に元本部分が(変動なのでときどき差はあるが)増えていく複利利回りの値です。

固定3年と5年

10年固定されている利率の日本国債の入札日に、満期まで保有した場合の年間の利回りを基に計算した、固定された利率の日本国債の想定利回りです。 固定3年は満期まで保有した期間が3年、固定5年は5年で計算。 特に変動10年に興味がある人は、今の金利が気になるところでしょう。国債の金利は募集が始まる前の営業日から、財務省のホームページ、国債を取り扱う金融機関で確認できますので参考にしてください。 【参考URL:https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/main/qa/answer_qc.html#qa-kinri

個人向け国債の発行スケジュール

個人向け国債はだいたい月半ば、ひと月に1回発行されています。詳しい発行スケジュールは、同じく上記の財務省のホームページで確認しましょう。

これまでの利率の移り変わり

最近の個人向け国債の利率は、全体的に低金利状態が続いています。2006年には景気が回復し債権の金利も高くなると予想されていました。2007年には固定5年の金利が1.50%と超高金利になりましたが、有名なリーマンショックなどにより、株価は落ち、個人向け国債の金利も下がります。 その後2011年の震災を経て、2013年終盤アベノミクスなどにより、一時的に株価は上がりますが、再び下落。2015年と比較すると、個人向け国債の利率は底辺の0.05%というデータが残っています。

ネット銀行との比較

現在の個人向け国債は一般的な都市銀行に比べると0.05%と利息は高いです。 それでも、ネット銀行の中にはイオン銀行など、カードを所有することなどの一部条件が必要ですが、個人向け国債と同じ、またはそれ以上の利息が受けられるものも。 しかしネット銀行の、個人向け国債のような定期預金の金利は、利息が年ごとに変化する変動性もあるため、最低金利が0.05%と保証されている個人向け国債との比較が必要です。

マイナス金利との関係

現在の銀行はマイナス金利政策を行っており、銀行にお金を預けても利息は期待できませんが、個人向け国債にはマイナス金利はありません。 個人向け国債はローリスクではあるものの、あまり投資としては魅力がないといわれていましたが、マイナス金利政策によって前述したネット銀行も金利が下がっています。 しかし、個人向け国債にはマイナス金利はなく、金利こそ底辺の0.05%となっていますが、これ以上下がることはないので安心です。

個人向け国債の安全性

さて、個人向け国債がローリスクで安全な投資であることは、明らかでしょう。利率は変動しますが、もともとの投資したお金である元本は、国が確実に保証していること。 個人向け国債は銀行から証券会社まで、さまざまな金融機関が発行していますが、元本と利息は、これらの金融機関が万が一破綻した場合でも、確実に保証されていることもあり安心です。

取り扱い機関

個人向け国債はさまざまな金融機関で取引されていますが、具体的にはどのようなところで購入するのでしょうか?

全国の金融機関で買える

個人向け国債はとても広い窓口を持っており、メガバンクを代表する大手都市銀行を始めとして、信託銀行、第2地方銀行、ゆうちょ、地方銀行、農協、証券会社など全国のさまざまな金融機関で月半ばに1万円から気軽に購入できます。

よりお得に個人向け国債を買う方法

実は、証券会社によっては、キャッシュバックキャンペーンを実施しているところも。 これを利用して現金などの特典を受け取ると、かなり高い利息で定期預金をした場合と同じ金額がもらえるのでオススメです。 現在は前述したマイナス金利政策のため、以前より金額は下がっていますが、それでもキャンペーンは続いています。 証券会社によっては、最低金額として50万からでも、キャッシュバックキャンペーン金額は受け取れるところもあるので利用してみてはいかがでしょうか?

メールマガジンとシミュレーション

個人向け国債も、金利の変化など、やはり最新の情報は重要です。

財務省配信 国債の新情報

財務省は個人向け国債の募集や金利の変化の情報を中心に、最新情報を電子メールで配信する、「個人向け国債お知らせメール」サービスを実施しています。 登録方法は、登録フォームにメールアドレスを入力するだけなので簡単に最新情報をチェックできますね。 【参考リンク:https://www.mof.go.jp/e-service/jgbs/index.htm

利息がわかるシミュレーション

財務省は「購入シミュレーション」システムも行っています。 これは買った個人向け国債の情報を入力すれば、目安となる利息を計算し、目に見える数字で表してくれる便利なシステム。 個人向け国債を購入する以前にも、このシステムは利用することができるのでおよその目安も立てられるので活用していきたいところです。 こちらも同じく、財務省のホームページをご覧ください。

個人向け国債は資産運用としては安定的

個人向け国債は一般的に知られている投資のように、常に動向をチェックして、大きな利益を出す投資というよりも定期預金のように始められ、お金を守る、資産運用のための投資と考えた方がよいでしょう。 国が元本を保証してくれるため、リスクは(日本が破綻しない限り)安全で、現在の銀行より高い金利で自分の財産を守れるもの。金利が高いときは固定の3年または5年を選ぶのがオススメですが、現在のように低金利の場合は変動10年を選ぶのもよいでしょう。

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