リートが人気が出始めている
2017年は日経平均が1年間で約19%も上昇したのに対し、リートの指標となる東証REIT指数は約10%の下落を見せるなど、ここ数年人気のなかったリート。ところが、昨年末頃から東証REIT指数は上昇トレンドへ転換を始めており、年初から約4%の上昇を遂げています。ここでは、投資先として今魅力的なリートについて、掘り下げていきます。
リートとは何か
リートへの投資を始める前に、まずはリートの定義や仕組みを理解しておかなければいけません。ある程度手軽に扱えることもリートの魅力のひとつですが、だからといってなにも知らないまま手を出せばいいというわけにはいきません。まずは、「リート」という言葉の由来や、どのように運営されているのかなどの情報をひとつひとつ整理していきましょう。
リートとは簡略化した不動産の投資信託のこと
リート(REIT)は「Real Estate Investment Trust」の略称であり、元々は米国で発祥した金融商品です。日本では2001年から市場が開かれました。米国のものと異なる点があり、日本のものを特にJ-REITと称しています。リートでは複数の不動産を所有し利益を上げ、投資主に還元します。その点で、投資信託の不動産版ともいうことができます。
不動産を購入し賃貸収益や売却益などを分配する
リートは株式の銘柄と同様に、それぞれが証券取引所に上場されて日々売買されています。投資主から集めた資金を利用して不動産を購入、メンテナンス等行い、賃料を得たり不動産の売却益を得ることで収益を上げます。利益のうち9割以上を投資主に配分することで法人税が課税されないようにしているため、利益のほとんどが投資主に分配されます。そのため、分配金利回りは他の金融商品より高めであるのが一般的です。
リートの始め方
リートを購入するには、まず証券会社に口座を開設する必要があります。リートの銘柄ごとに4桁の証券コードが割り当てられており、株式と同様に売買できます。1口から購入可能ですが、銘柄によって投資口価格が異なる点も株式と同様です。現在上場しているリートは1口1万円台〜100万円以下と幅がありますが、10万円前後から20万円台で購入可能の銘柄が半数以上を占めています。購入の際証券会社に支払う手数料は発生しますが、1度購入すれば維持にかかる費用は発生しません。
リートにはいくつかの種類がある
各リートは、所有する物件の用途によってカテゴリー分けされています。オフィスやホテル、住居等様々な用途の不動産を保有する場合、総合型と称します。所有する物件すべてがオフィスのみの場合はオフィス特化型、ホテルの場合ホテル特化型、以下住居特化型、物流施設特化型、商業施設特化型、ヘルスケア施設特化型等存在し、これらは単一用途特化型とまとめられます。
おすすめリート銘柄
いざ投資しようにも個別リートだけで50銘柄以上あるため、選びきれない方のために2018年おすすめリート銘柄をご紹介します。分配金利回りが3%以上のものを選定しました。なお、文中で紹介する利回りは2018年6月15日現在のものになります。
iシェアーズ Jリート ETF
世界最大の投資会社ブラックロックの日本法人によるリートETF。東証REIT指数に連動することを目標に運用しています。複数のリートに分散投資しているため、個別のリートに投資する場合と比較し、銘柄の選択によるミスがなくリートに投資することができるます。信託報酬が0.16%で、他のリートETFと比較しても安い点もお勧めです。
スターアジア不動産投資法人
主に日本の不動産投資を行っているスターアジアによる総合型リート。取得額比率はオフィスが約31%、住居が約21%、ホテルが約13%、物流施設が約36%と分散しています。東京圏に約8割の物件を所有しており、平均稼働率は約98%と高いです(2018年4月末時点)。分配金利回りは5.24%で、個別リートの中でもトップクラスです。
日本ヘルスケア投資法人
大和証券グループによる、日本初の高齢者施設・医療施設等を投資対象としたヘルスケア特化型リート。所有する物件の97%が有料老人ホームであり、社会インフラへの投資によって社会貢献することを基本方針に掲げています。残存賃貸借契約期間が10年以上ある物件が約96%で、すべて固定賃料契約であり、稼働率は設立当初から100%で推移しています。他のリートと比較して、徹底した安定運用であることが特徴です。
インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人
外資系の投資会社インベスコがスポンサー。オフィス特化型REITで、物件も取得価格ベースで東京圏に約9割保有しています。2017年に、J-REITでは初めて自己投資口取得を行っています。2018年2月末には分割も行っており、投資口価格が安くなったため購入しやすくなりました。分配金利回りは5.84%で平均よりも1%近く高く、オフィス特化型REITの中でもトップクラスです。
ラサールロジポート投資法人
世界有数の不動産投資グループのラサールがスポンサー。物流施設特化型REITで、東京エリアと大阪エリアを重点投資する目標を掲げています。2016年2月に上場した比較的新しいREITですが、有利子負債比率も比較的少なく、物件を着々と取得し資産規模を増やしているリートです。
リートで不動産投資をしてみよう
不動産投資は通常多額の資金が必要ですが、リートは少額から始められることが魅力的です。1度購入すれば面倒な管理は不要で、放置するだけで分配金収入が得られます。値上がりすれば売却してキャピタルゲインもゲットすることができます。お金を増やしたいと考えている方は、ぜひリートへの投資を検討してみてはいかがでしょうか。