ロータリーエンジンの魅力に迫る|そのメリットとデメリット

ロータリーエンジンの魅力に迫る|そのメリットとデメリット

CAR / MOTORCYCLE 2018.07.14

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ロータリーエンジンのメリットデメリットを学ぶ

1957年に開発されたロータリーエンジンは当初「夢のエンジン」として世界中の注目を集めました。回転運動によって出力を得るエンジンは効率がよく、音も静かで特徴のあるものです。

ロータリーエンジンとは

ドイツで開発されたロータリーエンジン。量産化できるのはマツダのみです。

ドイツの技術者フェリクス・バンケルが開発

1957年、西ドイツのNSU社、Wankel社の2社で共同開発されたロータリーエンジンは正式にはバンケルエンジンとよばれます。NSU社が最初に量産を開始しました。

DKM型とKKM型

ヴァンケル博士が開発したのは「DKM型」とよばれるタイプです。回転ピストンエンジンのことで、ローターとトロコイドとよばれるハウジングにより構成されています。このトロコイドとローターは3:2の速度で回転します。構造が複雑なため量産には不向きでした。 一方、マツダで製造しているロータリーエンジンはKKM型とよばれます。こちらは固定されたハウジングの内部でローターが回転する軌道回転ロータリーエンジンです。開発当初は、軌道が高速回転するためアペックスシールに負荷がかかり異常摩耗する「チャターマーク」が発生、長時間の走行には耐えられない問題がありました。 第一次世界大戦の頃、飛行機のエンジンは回転式エンジンでした。プロペラとエンジンが一体となって回転する方式。この場合クランクシャフトとは固定されている回転式レシプロエンジンをロータリーエンジンとよぶことがありました。日本では自動車用のエンジンとしてバンケルエンジンをロータリーエンジン(RE)とよぶことが一般的です。

回転運動によって出力を得るエンジン

まゆ型をしたハウジングの中を三角形のおむすび形状のローターが回転するので「Rotary」エンジン。ハウジングとはレシプロエンジンのシリンダーやシリンダーヘッドにあたります。ロータを包み込むケースです。そしてピストンに該当するのがローターとなります。 ローターを回転させることで動力を得る内燃機関のエンジンです。最初から回転しており、回転しやすい特徴があります。このローターが回転することで出力を得るのです。そしてロータリーエンジンはモーターのようにスムーズに回ると例えられます。 性能基準である「エンジン回転数」はロータリーエンジンの場合、エキセントリックシャフトの回転数です。この回転数が4サイクルレシプロエンジンのクランクシャフトの回転数に相当します。

量産技術を持つのはマツダだけ

開発当初は画期的な発明として、世界中のほとんどの自動車メーカーで技術導入、または委託開発などの契約を結びました。しかし多くのメーカーは研究段階でロータリーエンジンを搭載した自動車の開発計画の破棄を決定。残ったのはイギリスのバイクメーカーであるノートンとマツダだけでした。

旧ソビエト連邦でも量産

自動車用としてロシア連邦でも2002年頃まではロータリーエンジン搭載車が販売されていました。その車体を利用していたのは、高級官僚や軍人などです。高出力が出せることから高性能車両として販売されていました。NS系のロータリーエンジンを元に、資本主義圏との提携もなく独自の研究開発により市販の車両で8車種に搭載されています。 またその技術は航空機にも使用されており、4ローターエンジンは試作段階で400馬力に達していたといわれているのです。ソ連が崩壊しロシア連邦となってからも販売されていたとの情報もありますが、エンジン設計の内容など多くの情報は、冷戦終結後の現在でも西側諸国には伝わっていません。

NSUと東洋工業の技術提携

1965年、日本では乗用車の輸入自由化に向けて通商産業省(現在の経済産業省)の主導による自動車業界再編の噂がありました。後発メーカーである東洋工業(現在のマツダ)はその影響から統合、合併の危機に。事態打開を目指した当時の松田恒次社長は1960年にNSU社と技術提携の仮調印を行なっています。契約に際しNSUから提示された条件は一方的なものでした。
  • 1. 当時の従業員数8,000人分の給与に相当する2億8,000万円の契約金
  • 2. 10年契約
  • 3. 東洋工業で取得した特許はNSUに無条件で提供
  • 4. ロータリーエンジン搭載車を販売した場合、1台ごとにNSUにロイヤリティーを支払う
NSU社から送られてきた課題だらけのロータリーエンジンを、次世代のエンジンとして開発、実用化に向けた研究が行われました。ロータリーエンジンとはマツダによって付けられた名称です。 現在、マツダはロータリーエンジンに関する特許を数多く取得しており、その数は1,300以上。国内メーカーでは日産やトヨタ自動車も研究開発していますが、実際に販売されることはありません。マツダは西側諸国で唯一ロータリーエンジンの量産技術をもつ自動車メーカーといえます。

ロータリーエンジンとレシプロの仕組みの違い

レシプロエンジンとは構造が異なるつくりとなっています。しかし効率はレシプロエンジンよりもよいのです。

エネルギーを作り出すための過程がある

レシプロエンジンは、ピストンがシリンダー内部で上下の往復運動を行うことで4サイクル「呼気・圧縮・膨張・排気」の過程を行います。それに対してロータリーエンジンは、シリンダーに該当するローターハウジングの内部でおむすびの形をしたローターが回転することで「呼気・圧縮・膨張・排気」を行う特徴があるエンジンです。 ハウジングの形状はまゆ型、その内部でおむすび型をしたローターが回転します。ローターに独特の動きをさせエネルギーを作り出すために、エキセントリックシャフトとよばれる部品がローターの中心に使用。このエキセントリックシャフトとローターはお互いが歯車のようになっています。 ハウジングの内部をローターが1回転するごとにエキセントリックシャフトは3回転する構造です。歯車がかみ合うことでローターが描く3つの幾何学的な線はペリトロコイド曲線とよばれます。 レシプロエンジンと比べると動きが少なく、エンジン内部でエネルギーを作り出すためのすべての工程を行うのがロータリーエンジンの特徴です。

エネルギーを作りだす過程を同時並行でこなす

レシプロエンジンは同じシリンダー内部で、吸気、圧縮、膨張、排気の工程を行います。ロータリーエンジンは同じ工程をローターが作り出す3つの空間で同時に行う構造です。効率が高いことと構造がシンプルなことから開発当初は「夢のエンジン」と注目を浴びました。

アペックスシール

ローターの各頂点にはめ込むように取り付けられています。ローターハウジング内部の気密を保持するために取り付けられているものです。NSU社がロータリーエンジンを量産化できなかったのは、このアペックスシールが原因。 NSU社の製品はローターハウジング内部を擦りながら高速回転することで、内面のクロームメッキが数時間で傷がつく異常摩耗の「チャターマーク(悪魔の爪痕)」現象により実用化に実現せずにいたのです。 さまざまな素材を使用した試行錯誤の末、日本カーボン社との共同開発によるアルミ合金のカーボン複合素材を使用し、ローターハウジング内部には硬質クロームメッキを施すことにより耐摩耗性を向上させました。

レシプロエンジンの3倍のエネルギー

レシプロエンジンの往復運動と異なり回転運動で出力を得るロータリーエンジン。おむすび型のローターが作り出す空間で吸気、圧縮、膨張、排気を同時に行う構造です。この4つのサイクルを行うのにレシプロエンジンはクランクシャフトが2回転します。同じ工程を行うのにロータリーエンジンは3回転です。 ローターハウジング内部では吸気、圧縮、膨張、排気の4つのサイクルが同時進行で3組行われています。このため同排気量の場合、レシプロエンジンと比べて3倍のエネルギーを生み出す効率のよいエンジンなのです。

ロータリーエンジンのメリット

ロータリーエンジンはシンプルでコンパクトな構造のエンジンです。

コンパクトで軽量

レシプロエンジンと比べるとロータリーエンジンの構造はコンパクトです。レシプロエンジンに装着されている吸排気バルブがロータリーエンジンでは不要、カムシャフトもロータリーエンジンにはありません。部品数が少ない構造なのでエンジンは軽量です。 構造から「積み木」とたとえられることもあるロータリーエンジン。ローターハウジングの中へローターが入りサイドハウジングで前後をサンドウィッチにするシンプルな構造です。このためレシプロエンジンと比べると70%の容積となります。レシプロエンジンよりも合理的なエンジンです。

低振動で騒音が低い

ロータリーエンジンの中心部、ローターはエキセントリックシャフトという部品に取り付けます。このエキセントリックシャフトはおむすび型のローターがバランスが取りやすい独自の形状。ローターはエキセントリックシャフトのまわりを回転運動することで、駆動輪に軸出力が伝えられます。このためピストンの往復運動を行うレシプロエンジンと比べるとエンジンの振動や騒音が少ない特徴があります。

耐ノック性が高い

ノッキングとはプラグで点火したあとで起こる異常燃焼のこと。走行中にコンコン、カリカリなどエンジンから異音がする状態です。ノッキングは低速ノッキング、高速ノッキングの2種類あります。 低速ノッキングはカリカリと音がしますが、高速ノッキングはジーと静かに音がし、高負荷、高回転域で発生する高速ノッキングはエンジンが壊れる原因となるものです。エンジンのノッキングはさまざまな発生源、原因があります。多い原因は、プレイグニッションとデトネーション。

プレイグニッション

異常燃焼の1つです。早期点火ともよばれエンジンは圧縮した空気を効率のよいタイミングで点火し燃焼します。そのタイミングよりも早く着火することをプレイグニッションと呼ぶのです。エンジンは圧縮比が高いほど熱効率が高くなります。しかし圧縮比が高いとノッキングが起こりやすくなるのです。点火のタイミング前に燃焼が始まり爆発する現象で大きなダメージをエンジンにあたえる可能性があります。

デトネーション

高速ノッキングともいわれています。異常燃焼により火炎伝播の速度が音速よりも速く、衝撃波を伴うことがる爆轟現象のことです。異常燃焼の原因としていくつかのパターンがあります。点火前に行われる圧縮で高温になった混合気が自然発火する、点火した燃焼ガスの火で未燃焼のガスが高温、高圧となり自然発火するなどです。重度のものはエンジンが壊れる原因となります。 しかし、ロータリーエンジンは燃料が燃焼する温度が低いのでノッキングは起こりにくい構造です。またレシプロエンジンとは異なり、固定の燃料室がないロータリーエンジンは排気ガス中の窒素酸化物NOxが低いというメリットもあります。

パワーロスが少なくハイパワー

ロータリーエンジンはローターの回転力を出力します。出力軸にローターの回転力を直接伝えるため、レシプロエンジンよりもパワーロスが少ないためハイパワーです。約650ccのローターが2個で1,300ccになりますが、レシプロエンジンに比べると排気量が2倍の性能になるといわれています。 ピストンの往復運動であるレシプロエンジンに比べると、ローターが回転するロータリーエンジンはパワーロスが少ないため高出力が可能な構造。エネルギーロスが少ないハイパワーエンジンなのです。

ロータリーエンジンのデメリット

ロータリーエンジンはレシプロエンジンにはない欠点があります。

燃費が悪い

ロータリーエンジンの燃費が悪い原因はいくつかあげられます。代表的なものとして燃焼サイクル、低圧縮比、低トルクです。

燃焼サイクル

レシプロエンジンは2回転で1回爆発しますが、ロータリーエンジンの場合クランクシャフト3回転に3回爆発する燃焼サイクルです。レシプロエンジンに比べ2倍爆発。2倍の爆発で2倍の動力が得られればレシプロエンジンと燃費は同じくらいですが、実際には1.5倍の動力しか得られず燃費が悪いということになります。そして排気量が同じ場合、2倍爆発するのは2倍燃料を使用していることなので燃費が悪いということになるのです。

低圧縮比

エンジンのスペックで重要な圧縮比。コンプレッションのことです。ピストンが吸い込む気体をどのくらい圧縮可能かを表したものを圧縮比といいますが、圧縮比の数値が低いと燃料を効率よく燃やすことができません。レシプロエンジンの圧縮比は「10」ですが、ロータリエンジンの圧縮比は「9」なのです。

低トルク

車を加速させる力のことをトルクといいます。トルクが低いエンジンは加速が鈍いエンジンです。構造上の問題でロータリエンジンは、低回転域のトルクがレシプロエンジンと比べると低くなります。トルクが低いので「加速が鈍いのでアクセルを踏み込む」結果燃費が悪くなるのです。 燃焼効率が悪い低回転域で走ることが多い街乗りの場合、特に燃費が悪くなります。

オイル管理が難しい

ロータリーエンジンにとってオイルはとても重要な働きをします。構造上ローターハウジング内部にもオイルが必要なロータリーエンジン。1,000kmから1,500km走行すると約1Lのオイルを消費するともいわれています。

エンジンの熱を吸収、冷却する

レシプロエンジンはエンジンの熱を冷却水とエンジンオイルが吸収します。しかしロータリーエンジンは「分割型」の冷却システムの構造です。高温のエンジンを冷却するためにエンジンの外側に冷却水、エンジン内部ではエンジンオイルと分離してエンジンの熱を吸収し冷却します。 それぞれ別の場所でエンジンの熱を吸収するためレシプロエンジンと比べると高温になるのです。高温になったエンジンはエンジンを構成する部品をゆがませる、部品がそるなどの変形を引き起こしエンジン故障の原因ともなります。

燃焼室内部のすき間を埋める

ロータリーエンジンはエンジンオイルを燃焼室に直接噴射させます。「メタリングオイルポンプ」というオイルポンプによってエンジンオイルを燃焼室に送られ、エンジン回転や負荷にあわせオイルノズルを燃焼室に噴射。 ロータリーハウジングの内側とローターの側面の燃焼室、そしてアペックスシールへ付着しすき間を埋めます。アペックスシールとローターの密閉が重要です。すき間を埋めることで圧縮される際に燃料と空気が混じった混合気が漏れ出ないようにします。 ガソリンと同時にオイルも燃焼されます。構造上、常にオイルを燃焼するためオイルの消費は多くなるのです。

吸排気効率が低い

燃焼室が縦長の広い構造のロータリーエンジン。しかしバルブが無いため吸排気に問題があります。レシプロエンジンは吸気バルブを開くことでシリンダー内部に空気を送る仕組みです。 空気の流れには質量があり、この質量のためバルブを閉じた後でも、シリンダーの内部に空気が入り続けようとします。吸気慣性効果と呼ばれるものです。吸気慣性効果を利用し多くの空気を取り込むことができるレシプロエンジンに比べ、バルブがないロータリーエンジンは多くの空気を取り込むことができません。 また、サイドポートも吸気効率が悪いです。吸気管から90度曲げる構造なので空気がスムーズに入りません。ロータリーエンジンの吸排気効率が悪いため、低回転域でエンジン内部の負圧が低い場合トルクが弱いなどの原因になります。

メンテナンスがしずらい

ロータリーエンジンはローターハウジングにエンジンオイルを直接噴射させます。ガソリンと共にオイルも燃焼させるため、エンジン内部に「すす」が堆積し圧縮が低下する不調が多く発生することがほとんどです。 レシプロエンジンよりも構造がシンプルなため、「ばらしてもすぐ組み立てられる」ともいわれています。しかし、レシプロエンジンよりもパーツの入手が困難です。とくにローターはマツダ以外の社外製品は少なく、個々のパーツが高額となっています。

自動車税が高い

ロータリーエンジン搭載車は自動車税の区分が特殊になります。排気量の区分では1,300ccでも税務上では2,000ccの自動車と同じ扱いになるのです。計算式としては「単室容積×ローター数×1.5」を使用し、得られた値を総排気量として税率の区分を適用します。 ロータリーエンジンはローターが1回転するごとにエキセントリックシャフトが3回転する構造。レシプロエンジンはピストンが爆発するためにはクランク軸は2回転する必要があります。これを数式に表すと「3:2」となることから、ロータリーエンジン搭載車は1.5倍の自動車税を支払う必要があるのです。

ロータリーエンジンの寿命とオーバーホール

ロータリーエンジンもメンテナンスをきちんと行っていれば長くのることができます。技術力のある業者と見抜く目を持つことが大切です。

メンテナンスが十分行われていれば10万キロは走れる

レシプロエンジンを搭載した車には20万kmを超えてもまだまだ使用可能なものがあります。また、軽油を利用するディーゼルエンジンを搭載した車は100万km以上走行している車もあります。ロータリーエンジンはメンテナンスがよければ10万kmから20万kmは走行が可能です。 ロータリーエンジンを選ぶときに注意するのは圧縮比です。圧縮比の目安は7.0kg以上といわれています。この圧縮比が低下するほとんどの原因は、カーボンやスラッジの蓄積です。レシプロエンジンとは異なるメンテナンスが必要なロータリーエンジン。定期的なオイル交換も大切ですが、オイルの定期的な補充も必要です。

オーバーホールの値段はショップによって異なる

エンジンが不調なときは、エンジンを分解、清掃を行うオーバーホールを行い新品同様に再生する方法があります。ロータリーエンジンは70,000kmから100,000kmでオバーホールが必要といわれているのです。 ローターに「すす」が堆積することでエンジンが傷みます。その場合、エンジンを分解整備するオーバーホールが必要。このオーバーホールはショップによって異なりますが平均で約50万円といわれています。オーバーホールのほかにリビルトエンジンという手段もあります。ロータリーエンジンが不調な場合、どちらかの作業が必要になるのです。

リビルトエンジン

一度役目を終えたエンジンの消耗品は新品の部品に交換し、不具合のある部品は手を加えることで再生、再度生産しなおしたエンジンです。消耗品や不良部品を交換するので短時間で完成するメリットがあります。

オーバーホール

エンジンの部品をすべて分解し清掃、組み立てる作業です。メリットとしては部品すべてを点検することになるので、傷んだ部品の交換も簡単に行うことができます。そのため、新品のときよりも性能が上がることも。 また、部品の金属疲労の点検を行うために超音波やレントゲン撮影なども簡単に行えます。デメリットとしては、すべての部品を分解するため時間と手間がかかりること、エンジンの再組立て作業にある程度の知識と経験が要求されることです。1回あたりの費用も高額になります。 エンジンの状態によってリビルトエンジン、オーバーホールのどちらかの作業に分かれます。できればオーバーホールの費用は抑えたいものです。しかし安価に済ませたオーバーホールの場合、再度修理をしなおすことにもなりかねません。きちんとオーバーホールの作業を行ってくれる業者を選ぶことが大切です。

技術力のある信頼できる業者を選ぼう

ロータリーエンジンのメンテナンス作業は技術力の高い業者を選ぶようにしましょう。自分で定期的にオイル交換を行っていても、専門の整備士の目からはエンジンオイルの状態が悪い場合があるといわれています。エンジンオイルの粘度が足りない、黒色に変色している、鼻につくガソリン臭などの状態になっていることが多いのです。 考えられる原因として、不調のある車を整備するショップの整備士の技術力がないこと、トラブルを抱えている箇所を見抜けないなどがあげられます。技術力がないのでユーザーの車をみてもトラブル箇所が確認できず、ただパーツのみを交換しメンテナンス作業を終了させる業者も存在するといわれているのです。 大切な車のメンテナンスはロータリーエンジンの知識が豊富で技術力の高い業者を選びましょう。また、オーナーもロータリーエンジンについて少しでも知識を身に付けることも大切です。

ロータリーエンジン搭載のバイクが無い理由

ロータリエンジンを搭載したバイクは、以前は生産、販売されていました。しかし現在は生産されていません。

バイクには重すぎるエンジン

開発当初「夢のエンジン」とまでいわれたロータリーエンジン。そのエンジンをバイクにも搭載できないかとバイクメーカー各社は研究、開発が進められました。日本ではスズキやヤマハ発動機、川崎重工業などもライセンス契約を締結していたのです。 世界最初のロータリエンジン搭載のバイクはドイツメーカーIFA/MZの175Wといわれています。試作車として生産され3,800km以上のテスト走行を行った車両が現存しているのです。

スズキとノートンだけ

ロータリーエンジンを搭載したバイクは、英国のバイクメーカーであるノートン、日本国内ではスズキのRE-5などが有名です。RE-5は日本国内で上限とされていた750ccの基準にあわせるため、497ccの排気量となっています。 レシプロエンジンに換算するときは1.5倍しますので497cc×1.5で745ccにしましたが、国の認可が下りずに国内での販売ができませんでした。海外向けとなり販売されますが、オイルショックなどの影響からわずか2年で市場から姿を消すことになるのです。 レシプロエンジンと異なり、剛性をもたせるため肉厚にする必要があるロータリーエンジンは重くなっています。しかも開閉バルブなどもついているロータリーエンジンは重量があります。重いエンジンはバイクには向かないのです。

ハンドリングへの影響が大きい

ロータリエンジンを搭載したバイクは、エンジンの回転部分の爆発振動によるジャイロ効果の影響を受けます。高速で回転するタイヤなどの物体はその位置を保とうとする、重いものが高速で回転していると向きを変えにくくなる現象がジャイロ効果。そのジャイロ効果がハンドリングに直接影響を及ぼします。 タイヤ、ホイールはジャイロ効果で直進の際に安定した走行が可能になるのです。しかしロータリエンジンを搭載したバイクは、爆発振動の影響を直接受けてしまうためハンドリングが取りにくく安定した走行が難しいデメリットがあります。

マツダの歴史を彩るロータリーエンジン搭載車

マツダのロータリーエンジン搭載車は人気が高くさまざまな車種が存在します。

ロータリーエンジン実用量産世界初のコスモ

1967年5月、マツダは量産ロータリーエンジンを搭載した日本国内初の実用車、コスモスポーツを生産販売しました。初代から4代まで存在。すべてのモデルにおいてクーペタイプのモデルを持っています。3代のみ4ドアのセダンタイプとハードトップが用意されました。そして4代のみセダンタイプがありません。車名は世代により異なります。 1981年に発売された3代目は4代目ルーチェと姉妹車として設定されています。部品の共用部分が増えてセダンタイプのボディも販売されています。コスモの4代目はマツダのユーノスブランド、「ユーノスコスモ」としてロータリーエンジン専用車として登場しました。

マツダの基軸車種のカペラ

カペラは1970年5月に誕生しました。エンジンはレシプロエンジンと新開発の12A型2ローターロータリーの2つのタイプで設定。空力理論の応用から開発されたスポーティーな性能をもち、圧倒的な加速力と斬新なデザインで「風のカペラ」とよばれました。初代タイプは輸出の際に名称を変えています。レシプロエンジンタイプは「マツダ616」「マツダ618」、ロータリーエンジン搭載タイプは「マツダRX-2」と名付けられました。 環境意識の高まりを受け1974年2月には排ガス規制に対応した低公害車としてモデルチェンジ。しかしサーマルリアクター方式を採用したため、ほかの車種と異なり性能の低下も少なく、ガソリンも有鉛、無鉛どちらのタイプも使用可能でした。 3代目のカペラは海外向けを意識し開発されましたが、オイルショックなどの影響からロータリーエンジンの採用は見送られ、レシプロエンジン専用車として発売されています。その後、2002年に生産が中止となるまで7代のモデルが販売されました。

ハイオーナーカーの先駆的存在のルーチェ

イタリア語で「光、輝き」の意味のあるルーチェは、1966年から1995年の長きに渡り生産されたマツダの高級車です。モデルチェンジを重ねながら5代まで生産されました。マツダ・929は2代目以降の海外モデルとして販売。2代目や3代目のロータリーエンジンを搭載したモデルはマツダ・RX?4として販売されています。 発売当初、1,500ccで6人が乗れる広い室内、フロント、センター、リアに3本のピラーが入る「Aライン」と称されるデザインで人気を集めました。5代目のルーチェはマツダではセダンタイプのロータリーエンジン車として最後の設定車です。

熱狂的ファンが多いRX-7

1978年3月、初代サバンナRX-7はサバンナクーペの後継車として発売されました。12A型水冷2ローターエンジンを搭載しています。1991年フルモデルチェンジが行われ、アンフィニブランドからアンフィニRX-7と名称が変更され発売。1997年10月アンフィニブランドの展開終了に伴い、マツダブランドからの発売となりました。 1996年にはマツダで販売していたユーノスコスモの生産終了に伴い、世界で唯一のロータリーエンジン搭載車になりました。2002年8月、自動車排出ガス規制の影響で生産を終了しています。 1991年のフルモデルチェンジ後のRX-7は、シーケンシャルツインターボが搭載された13B型ロータリーエンジンが採用され、車体の軽量化対策、エンジンの高出力化がはかられるなど開発が続けられていたのです。しかし、日本国内、海外市場においてスポーツ車の需要が減少したこと、二酸化炭素を排出する規制が強まったことが影響しての生産でした。

ロータリースポーツ車の新規機種のRX-8

2003年3月から2012年6月までのあいだに生産、販売された車種です。RX−7の後継車ではなく新機種としての位置づけとなっています。エンジンは、直列2ローターのロータリーエンジンを採用。ハウジングやポートなどを新設計した自然吸気型13B-MSP型RENESIS搭載が搭載されています。 RENESISはREとGENESISの造語です。ロータリーエンジンとしては初搭載の電子スロットルや電子制御された走行安定装置を搭載しました。 アメリカ合衆国などの保険の関係によりフォード側からの要求は4ドアが絶対条件でした。大人4人が乗って長距離移動に向くような車体が求められたのです。4ドアにすることで車体が大きく重くなることからロータリースポーツの「軽快さ」がスポイルされることになります。その解決策として前後ドアが観音開きとなるフリースタイルドアを採用しました。

マツダのロータリーエンジンの復活はあるのか

マツダのロータリエンジンエンジン搭載車が復活するのではないかといわれています。

エンジンは完成している可能性あり

2012年に生産が中止されたマツダのロータリーエンジン搭載車。生産中止の要因は、排気ガスが問題でした。レシプロエンジンと比べると熱効率の部分がロータリーエンジンは不利だといわれています。そのためロータリーエンジンが復活するには「発電用エンジン(レンジエクステンダー)」との説が有力でした。発電用であれば排気ガスについても問題がないとの観点からです。 しかし現在でも人気が高いマツダのRX-7、RX-8は中古車でも500万の値段が付くものがあるといわれています。新型ロータリーエンジンは2ローターで排気量は800cc×2、燃費よりパフォーマンスを重視したスーパースポーツになるとの情報がありました。根強いファンの要望に応える形でロータリエンジン搭載車が発売されるのではないかとの期待が高まっています。

2019年のワールドプレミアに期待

マツダは2019年、最新ロータリー技術を装備した新ロータリーエンジン「SKYACTIV-R」を搭載したEVモデルを発表します。ロータリーエンジンにオプションでレンジエクステンダー(発電機)技術が採用される予定。レンジエクステンダーのみで航続が可能な距離が60kmとアナウンスされています。  新型RX-9としての車名をマツダはすでに商標登録されおり、2019年ワールドプレミアにてお披露目の予定といわれています。すでにドイツにてプロトタイプのテスト走行が公開されました。

RX-7好きにおすすめのロータリーエンジンキーホルダー

ロータリーエンジンの車が手に入らななくても、ロータリーエンジンのキーホルダーならば入手が可能です。精巧な作りと高級感が人気です。

ロータリー エンジン キーホルダー オリジナル ケース ギフト プレゼント ボックス 付 シルバー

RX-7、RX-8のファンの方のためのロータリーエンジンがモチーフのキーホルダーです。辺が約2.5cmの三角形キーホルダーで小型ですが厚みとほどよい重さがあり高級感があります。ギフトボックス入りです。

ロータリー エンジン デザイン メカニカル キーホルダー 車 鍵 RX-7 RX-8 型 タイプ カラビナ付き

メカニカルなデザインのキーホルダーです。ロータリーエンジンがモチーフですが、ローター部分は回転しません。3.5cm×3.5cm×0.7cmと小さめですが重厚感があります。

ロータリー エンジン キーホルダー カギ 鍵 車 ステンレス キーリング マットシルバー

ロータリーエンジンがモチーフのキーホルダーです。メカニカルなデザイン、ローターがハウジング内をトコロイド曲線を描きながら回転します。重さ34gですが重厚感がある商品です。

ロータリーエンジン愛好家におすすめの模型

ロータリーエンジンの原理模型です。動かすことも可能なタイプが人気となっています。

青島文化教材社 1/5 エンジン No.02 ロータリースピリット MSP2 メッキ仕様

ロータリーエンジン13Bの完成型です。マルチサイドポートが装備されている、13B-MSPの原理模型となります。シャフトを手で回すことが可能な模型なのでローターの動きをみることが可能です。

青島文化教材社 スカイネット 1/5 エンジン No.01 ロータリースピリットMSP 組み立て済み完成品

ロータリーエンジンRENESISの1/5スケールの原理模型です。手でエキセンを回すとローターが回転します。半透明の製品なので自分の好みで塗装・改造可能です。

ロータリーエンジンの復活に期待しよう

「夢のエンジン」と開発当初はいわれたロータリーエンジン。最初に開発したドイツのメーカーは研究開発を断念してしまいましたが、マツダは諦めずに研究を続け世界で唯一の量産化に成功しました。 根強い人気のあるロータリーエンジン搭載車は復活を望む声があります。マツダはその要望に応える形で新ロータリーエンジンを開発、新型ロータリーエンジン搭載車の発売も近いのではといわれています。

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