マウンテンバイクはタイヤが命
ほかの自転車と同じく、マウンテンバイクもタイヤ選びが大事です。しかしさまざまな種類のタイヤがあるので、どのタイヤを選べばよいか分からないという方も中には居るでしょう。 タイヤは用途に合わせたものを選ばないと不慮の事故にもつながる可能性があります。そのため、ここでしっかりとどの状況でどのタイヤを選ぶのがよいかを確認していきましょう。マウンテンバイクのタイヤを正しくチョイス
状況に合わせたタイヤ選びが必要なのは、普通の乗用車と同じです。ではどのようなタイヤを選べばよいか、具体的な選択をするには、やはりタイヤの種類について知っておく必要があります。オフロードはブロックタイヤ
山道やぬかるんだ地面などの「オフロード」を走行するなら、「ブロックタイヤ」がおすすめです。タイヤのごつごつとした「ノブ」と呼ばれる突起が路面をしっかりと捉え、荒れた路面でもどんどんペダルを漕いでいくことができます。 全天候型やドライ用、マッド用といったタイプに分けられますので、状況に応じて使い分けるようにしましょう。街乗りメインならスリックタイヤ
「スリックタイヤ」とは、主に舗装された道路を軽く走るのに適したタイヤで、舗装路を走る限りだとペダルを漕いだときの感覚は非常に軽く、ブロックタイヤ時とは別の自転車のような乗り心地が味わえます。 ただ未舗装路を走るには不向きであり、これで無理にオフロードを走るとタイヤがパンクすることもあり得ます。そのため、未舗装路を走る際はなるべくブロックタイヤを使用するようにしてください。乗り味が軽いセンターリッジタイヤ
「センターリッジタイヤ」は、タイヤの表面の中央にあるブロックがつながっているため、未舗装路を走れるだけでなく、街乗りでも快適に走ることができます。 ただセンターリッジタイヤは路面との設置面積が少なく、少し強めにブレーキをかけると容易にタイヤがロックしてしまうそうです。中間的性格のセミスリックタイヤ
「セミスリックタイヤ」は、タイヤの中央部付近にはブロックがありません。しかし両サイドがブロックタイヤの状態となっています。 そのため、街乗りや未舗装路でも使うことのできるタイヤですが、そのサイズがあまりにも太すぎると軽くペダルを漕ぐことができなくなってしまいます。その太さは26×1.9。これ以上だとペダルを漕ぎにくいと覚えておくとよいでしょう。フロント用とリア用に別れる
多くのタイヤメーカーでは、前輪と後輪のそれぞれに専用のタイヤをラインナップしています。これは操作時の都合を考えてのものだといえるのではないでしょうか。 フロント用は横方向にグリップが利き、リア用は進行方向にグリップが利くようになっていて、それぞれの役割が分担されています。マウンテンバイク用タイヤの特徴
ではここで、マウンテンバイク用タイヤの特徴を知っておきましょう。ホイールのサイズによって特性も変わってくるので、そのへんを考えたうえでタイヤを選ぶようにしてください。ホイールのサイズは3種類ある
もともとマウンテンバイクのホイールは26インチの大きさしかありませんでした。それが現在、多種多様なホイールがあり、購入する側はさまざまなホイールの種類にどれを選ぶべきか迷うこともあります。 しかし裏を返せば、自分のマウンテンバイクに最も適したホイールを選ぶことができるようになった、ともいえるでしょう。かつての主流は26インチ
26インチのホイールだと、漕ぎだしが楽だという特徴があります。しかし他のサイズのホイールが出るにつれて、それらの特性ゆえに26インチのホイールが陰に隠れるようになってしまいました。 では、他のサイズのホイールの特徴をみてみましょう。走破性に優れスピードが出る29インチ
「29er(トゥー・ナイナー)」という通称で呼ばれており、バイクメーカーによると、このサイズでは設置面積が増加し、プロやアマチュアを問わず26インチよりも速く走ることができ、ハンドリングの安定性も増しているとのことです。 現在、クロスカントリーやロングトレイルをする人たちにとってはほぼ標準的な大きさとのことです。いまは27.5インチがトレンド
27.5インチのホイールは、26インチと29インチ両方の利点を併せ持ったものです。29erが持つスピード性と26インチの敏捷な操作性を両立させたサイズといわれていて、今の主流となっています。 そして27.5+と呼ばれるホイールサイズもあり、27.5インチのリムに3インチの大型タイヤを装着したものとなっていて、表面積の拡大によってグリップ力が増しています。むかしの26インチとほぼ同じスピード性を実現しています。マウンテンバイクのタイヤ幅に注意
自転車のタイヤサイズの表記は分かりにくいものになっています。そのため、これが分からないと目当てのサイズとは違うタイヤを手に入れてしまうことにもなりえます。 タイヤの大きさは横の部分に刻印されています。例えば28×1.75のタイヤだった場合、最初にある28はタイヤの直径で残りの1.75はタイヤの幅となっています。これをcmにするには1インチ=2.54を掛けます。そうすれば、タイヤのインチで表したタイヤの直径と幅が分かります。この場合だと、直径約71cm、幅4.4cmです。 タイヤ幅が広ければ接地面積も大きくなるので、グリップ力も高くなります。コーナリング時や高速走行時はタイヤのグリップによって安定性が増します。しかしそのぶん、路面抵抗も大きくなるのでペダルが重くなります。マウンテンバイクのタイヤの構造
その構造からいって、マウンテンバイクのタイヤには二種類あります。一方が「チューブラータイヤ」。もう一方が「クリンチャータイヤ」です。これはあくまで構造上の話になるので、タイヤ表面の凹凸や大きさで判断するものとは異なります。チューブラータイヤとクリンチャータイヤ
チューブラータイヤはチューブがタイヤと一体化されています。そのため、乗り心地がよくなるとされていて、低圧で使用してもパンクしにくくなっています。重量面ではもう一方と極端な違いはありません。 問題点は使用に専用のリムが必要なうえ、タイヤをはめるには正しい手順を踏まないと手こずることです。 クリンチャータイヤは種類が豊富で状況に応じたタイヤ選びができ、パンク修理も簡単です。同規格であれば、リムを問わず使えます。 問題点はチューブラータイヤと比べ、低圧時に段差に乗り上げたとき、噛み切られたようにパンクする可能性が高いこと。空気圧を厳しめに判断する必要があります。タイヤを構成するパーツ
マウンテンバイクのタイヤは、主に3つのパーツで構成されています。- ビード タイヤをリムにはめて、タイヤを支えるためのものです。
- ファブリック タイヤ本体の一部となっています。
- ラバー ファブリックを覆っていて、タイヤのグリップを生み、路面から車体に掛かる衝撃を吸収する役割があります。
マウンテンバイクのタイヤは消耗品
普通の乗用車と同じく、マウンテンバイクも「タイヤの付いた乗り物」というカテゴリーに属します。あちらと同じく、こちらのタイヤも消耗品です。グリップ力が低下したり、摩耗したりしたら交換しなければなりません。安全のため早めに交換する
自転車のタイヤは、一般的に3000km走行したら寿命だとされています。しかし自転車の種類や乗り方によってこうとは限らず、一概にはいえません。目安としては、タイヤの溝がなくなっていたら確実に交換する必要があります。 また、自転車に乗らずともゴムは劣化します。特に屋外に自転車を置いていた場合、そのままだと紫外線の影響を受けて劣化し、変形する可能性があります。また温度変化によってもタイヤは劣化し、紫外線を浴びると柔軟性を失って固くなってしまいます。これはゴムタイヤ全般にいえることですが、タイヤが柔軟性を失うと一時的な変形にも耐えられずに小さく裂けてしまいます。 また空気圧が不適切だと、タイヤが歪に変形して劣化が早まります。タイヤ交換にチャレンジ
タイヤ交換は力が要るイメージですが、実際は力をそんなに込める必要はなく、力を掛けるコツが大事になってきます。タイヤ交換ができれば、思わぬパンク時も対処できます。 タイヤ交換はタイヤレバーと空気入れ、新しいタイヤがあれば可能です。タイヤレバーは差込み部分が薄いタイプとスポークに引っかけられるタイプの2種類があるとよいでしょう。以下、簡単に順序を挙げます。- タイヤの空気を完全に抜く
- タイヤの両端からビードを落とす
- タイヤを両指で摘まんでリムから外す
- タイヤを摘まんだままホイールを床につけ、左手の腹でタイヤを下に押す
- タイヤを両手で下に押し出す
- タイヤとリムの間に指を入れ、片側を外す
- バルブが刺さっている部分以外のチューブを取り外し、その後チューブを固定しているワッシャーを外し、バルブを抜く
- タイヤのもう片側も外した方向へ向けて下へ押し出す