登山アプリでプランニングからリスク対策まで|山がもっと快適になる

登山アプリでプランニングからリスク対策まで|山がもっと快適になる

2018.08.05

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登山を快適にするアプリを活用しよう

山行が決まったら、登山道具などハード面の準備だけでなく、プランニング(登山計画)、山の情報収集、当日の天気予報などソフト面の準備も重要だ。無計画に山に入り、山岳救助隊のお世話になるという無様な事態は避けたい。コース難易度、地形、標高差、避難路の有無、登山道の状況を地図や登山案内書などで確認し、プランを仲間や家族と共有することも欠かせない。万一遭難したとき、どこへ行ったのか誰も知らない、現在位置もわからない、では誰もあなたを助けてくれない。 登山アプリなら通勤途中の電車内でも簡単にダウンロードできる。山の準備は念には念を入れてやりすぎることはない。登山を快適にしてくれる登山アプリを賢く活用して、自分の力で快適に山から帰ってこよう。 登山アプリ

登山アプリでできること

GPS機能はもちろん、自動的に最適なプランを作成するアプリや、ルート情報を仲間や家族と共有する機能、現地の天気予報・雷予測などリスク対策に役立つ機能のほか、遠くに見える山の名前が即座にわかったり、高山植物の名前を教えてくれるアプリもある。

自分の位置情報が確認できる

自分が今どこを歩いていて、どこに向かっているのか、全体のルート上のどのあたりにいるのかを把握していることは登山において大変重要だ。この確認を怠ると遭難の危険性も高まる。実際に「道迷い」は、遭難の事故原因の上位にランクしている。 天候の急変による予定変更、時間が足りなくなった、怪我をしたなど事故やトラブルが起こったとき、ルート上の自分の正確な位置を知ることで、前進するべきか戻るべきか、あるいはエスケープルートがあるかどうかなどは重要な確認ポイントになる。地図とコンパスで正確に把握できればよいがGPS機能のあるアプリをダウンロードしておけば万一のときでも安心だ。

登山ルートの記録ができる

地図の保存やGPSのロガー、ルート案内など登山の記録を残せるほか、登山計画書の作成にも役立つ。登山計画書をたてる場合、ガイドブックに記載されている歩行時間を参考にするが、体力や体調などによって人それぞれ異なる。また、休憩や昼食などの時間はこれに含まれていない。ビギナーやブランク明けの場合は、ガイドブックなどに出ている参考コースタイムより余裕を持って計画をたてよう。 登山アプリで、ポイントとなる場所への到着時間、出発時間を記録しておけば、ガイドブックとの誤差がわかり、このガイドブックのペースとだいたい同じくらいで歩ける、1.2倍余裕をみておく必要がある、など次回のプランニングのおおよその目安にもなる。

その日の山のコンディションがわかる

当日の山の天気予報、雷予報、コンディションなどを教えてくれるアプリを使えば、予定ルートに沿って先の天候をチェックできる。山のコンディションがわかれば、当日の服装選びでも失敗しない。

荷物の軽減になる

これまで別々に持ち運んでいたカメラやアウトドア用GPS、高度計などがスマホ一台で操作可能になり、荷物の軽減になる。 登山グッズ

登山アプリの注意点

登山アプリは登山を快適にしてくれるが、スマホだけに依存するのは危険だ。充電切れや水没・紛失などのリスクもある。電池の消耗を抑えたり、落下や水没に備える工夫が必要だ。道に迷った状況でスマホが使えなくなったときのために、紙の地図とコンパスは必ず持参し(そんなに重い荷物ではない)、基本的な使い方を頭に入れておこう。

アプリは登山前にダウンロードしておこう

登山アプリのダウンロードは、Wi-Fi環境のある場所で登山前に済ませておこう。必要な地図やルート地名のダウンロードも忘れずに。

モバイルバッテリーは必ず持参しよう

登山アプリは圏外の山奥でも活躍するが、電池の消耗は激しい。機内モードに切り替えて操作することで消耗を軽減することもできるが、モバイルバッテリーは必ず持参しよう。

紙の地図とコンパスを持参しよう

スマホのバッテリー切れ、故障、紛失などのリスクに備え、紙の地図とコンパスは持参しよう。コンパスは回転盤(角度計、リングとも言う)付きのベースプレートコンパスがおすすめだ。

現在地の確認の仕方

進む方向がわからなくなったとき、まず地図で現在地を確認する。地図は北が上になるように作成されているが、コンパスが指す北は真北ではなく、そのN極を指している。地形図や登山用地図の欄外には「磁針方位は西偏○度○分」と表記があるが、これは日本の場合、北から西に10度(北海道東端)から5度(九州西端)傾いているために出る偏差(誤差)である。 このため地図が示す北(真北)と、コンパスが指す北(磁北)にはズレが生じる。そこで、地図の表記にある偏差をコンパスの回転盤で合わせて、正確な北を割り出す。登山前にあらかじめ地図に磁北線を引いておくと山中でもあわてない。 次に、地図上で確認できる目標物を二つ選ぶ。確認できるピークや、送電線、神社、山小屋など、できるだけ遠くて、離れた方位に見える建造物がよい。コンパスで二つの目標物の方位を測り、地図上でそれぞれから直線をひく。それぞれの目標物からの線の交差する地点、それが現在地だ。もし道に迷った時は先へ進まず、来た道を戻るのが鉄則だ。

山中では機内モードにしよう

山中で登山アプリを使用する場合、機内モードに設定することで電池の消耗を軽減できる。

スマホの管理はしっかりと

専用の防水ケースや、落下衝撃への耐久性のあるケースに入れるなど、前もって対策を。突然の雨や水たまり、沢などへの落下で使い物にならなくなったら、せっかくアプリを入れても宝の持ち腐れだ。 登山

便利なGPS機能付き登山アプリ

GPS機能付き登山アプリは何をおいてもぜひとも活用したい。無料で利用でき(一部課金あり)、使いやすく、iphoneまたはandroid対応のアプリをチェックしておこう。

YAMAP

利用者数最多の人気アプリ。登山、トレッキング、トレラン、スノーボーダーなど幅広いアウトドア層に支持されている。2014年グッドデザイン特別賞「ものづくりデザイン賞」受賞。
  • 圏外の山奥でも、登山ルートの記録や現在地の確認が無料でできる
  • 国内最大急のアプリユーザーによる豊富な山情報や名所情報により、ユーザー同士の情報交換や登山計画作成がスムーズにできる
  • ルートや活動時間、距離、写真、感想などの情報を簡単に共有できる
  • YAMAPのウェブサイトから地図をPCにダウンロードでき、それを印刷すれば紙の地図として携帯可能
  • 課金すればサポーターズクラブ会員になれる (会員特典:フルカラーの立体プレミアム地図ダウンロード、日本の名山300カ所を網羅した詳細な天気予報、軌跡のダウンロードが無制限、オフ会・講習会などイベントへの優先参加など)
【参考:https://itunes.apple.com/jp/app/yamap-%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%97/id558780450?mt=8&ign-mpt=uo%3D4

ジオグラフィカ 登山用GPS

音声によるルート案内や、スマホを振ると喋る機能など、画面操作なしでも情報を得る機能を搭載しており、雪山などでも重宝する。
  • 圏外の山奥でも、機内モードでも動作可能
  • 画面に表示した地図は自動で保存
  • 容量と期間により古いものは自動削除され、メモリがいっぱいになるのを防ぐ
  • 海外でも使用可能
【参考:http://geographica.biz/

ヤマレコMAP

ヤマレコサイトとの連携が簡単で、無駄がなくわかりやすい。電波が繋がったときに家族に居場所を教えてくれる機能もある。
  • 国内向けに国土地理院の地図、海外向けにOpenCycleMapがダウンロード可能
  • オフラインで地図が使え「みんなの足跡」が同時に表示されるため、どこに登山道があるか一目でわかる
  • 地図に載っていないマイナーな山や峠も確認できる
  • ルートと地図をセットでダウンロードできる
  • 登山中にGPSやログが残せる
  • 登山中に作成した写真やログで簡単に山行記録が作れる
【参考:http://www.yamareco.com/yamareco/map

アルパカナビ

androidのみ対応。ジオグラフィカの弟分的アプリ。簡単に使えて安心安全なナビゲーションシステム。
  • 軌跡が記録され、後で見返すことが可能
  • 目指す地点までの距離、標高差、時間を声で教えてくれる
  • コースから外れると声で警告してくれる
  • 歩きたいコースを選んでダウンロード可能
【参考:http://alpacanavi.com/

やまやまGPS

ヤマレコやGoogleアースとも互換性があり、インポートして使用できるのが使い勝手がよい。
  • 地図の種類が豊富
  • 日の出日の入り天気予報などの機能もあり
  • S.O.Sモールス符号発光
  • ipod、iphone、iphone5、ipad、ipad miniに最適化
  • スマホを振ることで操作なしで画面の切り替え
【参考:https://itunes.apple.com/jp/app/%E3%82%84%E3%81%BE%E3%82%84%E3%81%BEgps-%E7%99%BB%E5%B1%B1-%E6%B8%93%E6%B5%81%E9%87%A3%E3%82%8A-mtb%E7%94%A8%E5%9C%B0%E5%9B%B3/id493881190?mt=8山

山の天候がすぐにわかる天気予報アプリ

飛行機雲がいつまでも消えないでいたら天気が悪くなる兆し、入道雲は雷雨の兆し、など山の知恵も必要だが、もっと確実に身を守り、安心安全な登山を楽しむならこのアプリ。

tenki.jp 登山天気

日本気象協会の登山用公式アプリ。文句なしのハイスペック。
  • 最新の山の状況がひと目でわかる
  • 山頂、登山口ごとの天気がわかる
  • その日の服装を確認できる
  • 三百名山すべての山頂、登山口、ふもとの天気を掲載
【参考:https://tenki.jp/docs/mountain-app/promotion/

雨かしら?

山でも街でも「雨かしら?」と思ったらチェックできる。
  • 街の天気も山の天気も確認できる
  • 雷情報を地図で確認できる
  • 百名山の雨雲や天気予報がわかる
  • よく見る地点をお気に入りとして登録できる
【参考:https://itunes.apple.com/jp/app/%E9%9B%A8%E3%81%8B%E3%81%97%E3%82%89-%E5%9C%B0%E5%9B%B3%E3%81%A7%E8%A6%8B%E3%82%8B%E5%A4%A9%E6%B0%97%E4%BA%88%E5%A0%B1/id574221534?mt=8登山

登山を更に楽しくするアプリ

水場の位置や見どころがわかる、カメラをかざすだけで遠くの山の名前がわかる、高山植物の名前がわかるなど、登山が更に楽しくなるアプリを活用しよう。

山と高原地図

綿密な登山計画をたてている時間がない、でも山に行きたい、そんなときはこのアプリに仕事を任せよう。無計画に山に入る危険を甘く見てはいけない。
  • 最適ルートと行程表を自動で算出する
  • ゴールは何時か、昼食はどのポイントかなど無理のない登山計画を簡単に作成できる
  • 「ヤマレコ」への投稿や「ヤマレコ」内で作成したプランをルート表示できる
  • 水場の位置・高山植物などの見どころ・登山道の状況などの情報が豊富
【参考:http://mapple-on.jp/products/yamachizu/

日の出日の入マピオン

外出先で、出張先で、山だけでなくふとしたときに日の出時刻をチェックして、その日いちばんの朝陽を浴びる時間は格別だ。
  • 日の出と日の入りの時刻と方角がすぐにわかる
  • 地図上で自分がどの方向に向いているか矢印の向きでわかる
【参考:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.mapion.android.app.sunrize&hl=ja

AR 山 1000

見晴らしのよいポイントに出たら並び立つ山々を眺めて、それぞれの山の名前を言い当てることを「山座同定(さんざどうてい)」という。このアプリがあればカメラをかざすだけで即座に山座同定が可能だ。
  • カメラをかざすだけで山の名称がわかる
  • 山の標高や現在地から山までの距離などもわかる
【参考:https://app-liv.jp/416384573/

ランブラー

近所の散歩から南極探検まで。感動の瞬間瞬間を切り取ってそのままに記録してみてはどうだろうか。
  • 登山や旅の記録を詳細に記録できる
  • 写真、動画、説明、統計数値などで記録して地図上の位置に記録する
  • GPS機能で目的地までの道案内をする
  • 世界中の人と交流できるSNSアプリ
【参考:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.bientus.cirque.android&hl=ja

高山植物がすぐわかるフリー版

心惹かれた高山植物を見つけて撮影したものの、名前がわからず帰ったら調べようと思いつつすっかり忘れていることはないだろうか。このアプリがあれば、その場でその美しい花の名前を覚えられる。「とっていいのは写真だけ、残していいのは足跡だけ」。スマートな登山のお共に。
  • android対応
  • 花や葉の形・色などをセットするだけで検索可能
  • 代表的な高山植物140種を掲載
  • 237種掲載のシェア版も公開中
【参考:https://play.google.com/store/apps/details?id=plantResearch.alpineLimited&hl=ja登山

登山アプリで快適な登山を楽しもう

いかがだっただろうか。登山でたいせつなことは、常に先を見て備えること。あらゆる場面を想定して準備すること。あらゆる場面の中でも最も重要度が高いのが、遭難への備えではないだろうか。その一環として、便利な登山アプリをダウンロードして備えよう。無駄のない備えができていれば、安定した気持ちで山に向かえる。あとは存分に山を楽しもう。

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