死亡保険金の受取人は誰がなればいいのかについて徹底解説します

死亡保険金の受取人は誰がなればいいのかについて徹底解説します

2018.09.30

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受取人や税金についてややこしい点に注意

死亡保険の受取人を誰にするかで、実際に受け取れる金額が予定よりも減額されてしまうことがあります。 加入しようとしている生命保険会社のアドバイザーがいろいろレクチャーしてくれるはずですが、あらかじめ受取人の複雑な範囲や、受け取り時にかかるさまざまな税金のことを知っておけば契約がスムーズに進むので覚えておきましょう。 女性 風船

死亡保険の受取人の範囲

各会社の生命保険の場合、死亡保険金の受取人になるには規定の規約があります。それではまず、死亡保険の受取人の範囲から見ていきましょう。

通常の受取人の範囲

生命保険会社では死亡保険を契約する際に、保険契約者に死亡保険金の受取人をあらかじめ指定してもらいます。 通常の死亡保険金の受取人としては、戸籍上の配偶者または被保険者の2親等以内の血族と限定している保険会社が大半になっています。

通常とは異なる範囲での受取人

死亡保険金の、通常の受取人の範囲は前述のとおりですが、いざ契約という時にその範囲の親族が存在しない場合もあります。 また、いたとしてもいろいろな理由で受取人に指定できない場合もあるでしょう。明確な理由があれば、通常とは異なる範囲での受取人を認めてくれるケースもあります。

内縁関係や婚約関係の方を受取人に指定できることもある

生命保険会社の定める条件をクリアできれば、内縁関係の人や婚約者を受取人に指定できるようになっています。一般的には、内縁関係の人の場合の条件は次のとおりです。
  • お互いが独身であること
  • 同居して2年以上経過していること
また、婚約者の場合の条件は次のとおりです。
  • 一定の期間内に結婚する予定があること
ただし、生命保険会社によって条件が違う場合がありますので、保険契約前に生命保険会社に確認しましょう。

同性パートナーも受取人にできる場合もある

LGBTの存在が社会的に認められるようになった最近の社会情勢をふまえて、同性パートナーを受取人に指定できる生命保険会社も増えてきています。 ほとんどの生命保険会社では、同居の実態や戸籍上配偶者がいないかを確認するため、2人の住民票や戸籍の写し、自治体のパートナーシップ証明書などを提出してもらうようにしています。 特にパートナーシップ証明書の効力は絶大ですので、同性パートナーを受取人に指定される場合は証明書を取得されるとよいでしょう。こちらも生命保険会社によって条件が異なる場合がありますので、詳細は生命保険会社に確認してください。

受取人指定で押さえたいポイント

そのほかにも、受取人を指定する際に注意しておかないと実際の希望とは異なる条件となってしまう場合があります。

受取人を複数指定できる

死亡保険金を複数人に残したい場合、妻と子供両方を受取人に指定することもできます。その場合には、妻に70%、子供に30%と死亡保険金を受け取る割合を指定することができます。 受取人が2人以上いても同じことが可能です。例えば、妻に70%、長男に15%、次男に15%などです。

受取人は変更可能

一昔前とは違い、現代の世の中ではさまざまな理由で離婚をする夫婦が多くなっています。結婚していた時には配偶者を死亡保険金の受取人に指定していたとしても、離婚をしたら配偶者ではない親族を受取人に指定するのが人情でしょう。 その場合でも、受取人を例えば子供に変更することができます。基本的には保険会社に必要書類を提出すれば、死亡保険金の受取人の変更はいつでもできようになっています。

受取人が死亡していた場合

受取人と被保険者が相次いで死亡したりして、受取人の変更手続きができていなかったため、死亡保険金の受取人がいなくなってしまうケースが起こり得ます。その場合、死亡保険金はどうなってしまうのでしょうか。 死亡保険金の発生時に受取人が既に死亡していた場合は、受取人の法定相続人に死亡保険金が受け継がれます。 被保険者の希望とは違うかもしれませんが、法定相続人もいない場合には国庫に帰属してしまうので、少しでも縁のある受取人の法定相続人に死亡保険金が渡る方がまだ希望に沿うかもしれませんね。 データ 説明

受取時にかかる税金で押さえたいポイント

死亡保険加入時にはあまり意識していないかもしれませんが、実は死亡保険金の受取時にはさまざまな税金が発生するのです。

所得税が課される場合

まず、死亡保険の保険契約者と受取人が同一の場合は所得税がかかります。この場合、受け取る死亡保険金は一時所得として所得税の課税対象となるのです。 具体的には(受取死亡保険金 — 払込済総保険料 — 50万円)×50%が所得税の課税対象となります。 簡単に言うと、払い込んだ保険料よりも受け取る保険金が50万円以下であれば所得税の課税対象にはならないということです。

死亡保険金が相続税になる場合

次に保険契約者と被保険者が同一人の場合には、死亡保険金は相続人に渡りますので相続税の対象となります。平成27年に相続税が改正されて相続税を支払う対象となる人の範囲が広がりましたが、大切な相続人に残す死亡保険金ですので、手厚い非課税制度の仕組みが作られています。 詳細は後述しますが、まず死亡保険金の非課税限度額があり、その限度額を超えても相続税には非課税制度があるのです。 具体的には、他の財産を含む相続財産全体で「3,000万円+600万円×法定相続人の数」までは、相続税は非課税となります。

贈与税になることもある

贈与税の対象となるのは、例えば保険契約者が夫、被保険者が妻、保険金受取人が子供の場合のようにそれぞれが別人の場合です。贈与税の場合には基礎控除額が設けられています。具体的には「受取保険金 — 基礎控除額110万円」が贈与税の課税対象になります。 基礎控除110万円しか恩典がありません。税金の中でも贈与税は高いと言われる所以です。ご覧いただいたように、各税金の中では相続税が一番優遇されています。

生命保険には非課税制度がある

前述したとおり、生命保険には非課税限度額が設けられています。具体的には「500万円×法定相続人の数」までは相続税は非課税となります。この場合、法定相続人の数は相続の放棄をした人がいてもその放棄がなかったものとして考えます。本来権利がある法定相続人の数になります。 また法定相続人の中に養子が含まれている場合は、実子がいる時は1名まで、いない時には2名まで、養子を法定相続人の数に入れることができます。ただし相続人以外の人が取得した死亡保険金には非課税は適用されません。 パートナー

保険の受取人には注意して非課税制度を利用しよう

このように同じ死亡保険金を受け取るにしても、受取人に誰を指定するかによって実際に受け取る保険金が減額されてしまう場合があるので注意しなくてはなりません。 死亡保険金には非課税制度が用意されているのですから、せっかくの恩恵を利用しない手はありません。自分という存在がこの世からいなくなったときに大切な人に思いを込めて残す死亡保険金。生命保険契約時には、その点もしっかり考えて契約するようにしましょう。

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