タンパク質摂取が筋肉作りになぜ欠かせないなのか。その重要性に迫る

タンパク質摂取が筋肉作りになぜ欠かせないなのか。その重要性に迫る

2018.09.18

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筋肉にはタンパク質が必要

身体を気遣う人にとって、「タンパク質が筋肉にいい」というのは常識でしょう。では具体的にどのようにいいのかと聞かれれば、答えに詰まることも少なからずあるかもしれません。 今回、筋肉とタンパク質の関係、タンパク質以外の筋肉維持に必要な栄養素、筋肉痛は筋肉を成長させるチャンス、超回復時の食事のタイミングなど、「なぜ筋肉にはタンパク質が必要なのか」という観点から、タンパク質と筋肉の関係をみていきます。 栄養 肉

筋肉とタンパク質の関係性

筋肉とタンパク質の関係性について、早速みていきましょう。

そもそもタンパク質とは

三大栄養素とはタンパク質と炭水化物、脂質のことをいいます。この栄養素は、人間の筋肉や臓器、体内の調整を行うホルモンの材料となるだけでなく、エネルギー源にもなる重要な栄養素です。 この栄養素は主にアミノ酸で構成されています。その三大栄養素のうちの一つであるタンパク質は、アミノ酸や、アミノ酸がつながったペプチドに分解されて体内に取り込まれたあと、必要なタンパク質へと再形成されるのです。 自然界には多くのアミノ酸が存在していますが、身体の材料になりうるアミノ酸は、このうち20種類。これら20種類のアミノ酸がそれぞれの目的に応じて結合パターンを変え、約10万種類のタンパク質に形を変えるのです。 そして20種類のアミノ酸のうち9種類は体内で合成できません。そのため食事から摂取する必要がありますが、食事から摂取必要なアミノ酸9種類を必須アミノ酸、それ以外の11種類を非必須アミノ酸と呼びます。

タンパク質が筋肉にもたらす役割

次にタンパク質は20種類のアミノ酸から構成されており、アミノ酸を材料として筋肉、内臓や髪の毛なども作られています。これらアミノ酸は、先述したように体内で作り出せる「非必須アミノ酸」と体内で作り出せない「必須アミノ酸」に分類されます。 体内で生成できない必須アミノ酸は、食事やプロテインなどのサプリメントで補う必要があります。これらの必須アミノ酸のうちバリン、ロイシン、イソロイシンのことをBCAA・分岐鎖(ぶんきさ)アミノ酸といいます。
  • 筆者注:BCAA=Branched Chain Amino Acidsの頭文字:分子構造から分岐鎖アミノ酸といわれる
人間の筋タンパク質を構成する必須アミノ酸のうち、BCAAが35%を占めています。筋肉づくりでのBCAAの役割は大きいといえそうです。

タンパク質不足によって起こること

  筋肉量の減少

ではタンパク質不足になるとどうなるのでしょうか。運動などでBCAAが不足すると、人間の身体は筋肉を分解してエネルギーを作りだす、筋分解が進みます。筋肉量を減らさないためにも、筋肉を作る食材を摂取しなければんりません。 次に筋肉をつくる食材や摂取するタイミング、摂取量についてですが、タンパク質を構成するアミノ酸は、種類が複数あります。そのうち「ロイシン」というアミノ酸 が筋肉作りの主要な役割を果たしています。ロイシンは、動物性・植物性の食材から摂取可能です。以下にロイシンを含む食材の具体例を挙げます。
  • 低脂肪肉(赤身肉や鶏胸肉)
  • 乳製品
  • 鶏卵
  • ナッツと種子
  • 全粒穀物
  • 大豆
質の高い筋肉を作りたいのであれば、日中3~4時間ごとにタンパク質を摂取した方がいいでしょう。その場合の摂取量ですが、筋力アップを目指す場合、体重1kgあたり2gのタンパク質摂取が必要とされています。 例えば体重70kgの人であれば140gといった具合に。タンパク質は1回に大量摂取するのではなく、1日の食事でバランスよく摂取しましょう。なお1回の食事で30g程度、間食で15g程度のタンパク質を摂取できればいいでしょう。以下に筋力アップの間食例を挙げます。
  • ナッツやナッツバター
  • ギリシャヨーグルト
  • ナチュラルチーズ
  • ミューズリーやグラノーラ(ノンシュガー)とフルーツ

体調不良の原因

タンパク質は、筋肉や髪の毛、爪など身体を作る重要な栄養素です。他にもホルモンや酵素といった身体を機能的に働かせるシステム、 免疫など身体の防御システムなどを構成する材料になっています。このようにタンパク質は身体の機能維持にも必要不可欠な栄養素です。 タンパク質は毎日、体内で新しいものを作り古いものと交換されています。ところがタンパク質が不足すると、この作り替えができなくなります。不足すると筋力の衰えのほか、身体の機能低下、体調不良に陥るリスクが増えると考えられています。 栄養 食材

タンパク質以外に筋肉維持に必要な栄養素

ここからは筋肉維持のため、タンパク質以外に必要となる栄養素について、みていきます。

ご飯などに含まれる糖質

昨今、糖質制限という言葉をよく耳にします。筋肉を成長させるため、実は糖質にも筋肉のエネルギー源としての重要な役割があります。三大栄養素の一つである炭水化物は、糖質と食物繊維で構成されています。米などの炭水化物を摂取すると体内で分解され、グリコーゲンとして筋肉や肝臓に貯蔵。そして体を動かすときのエネルギー源として消費されます。 このグリコーゲンが体内に十分貯蔵されていない状態で筋トレを行うと、皮肉なことに人体は筋肉を分解してエネルギーを作り出してしまうのです。そのため筋トレ前などは特に糖質も摂取する必要があります。

野菜などに含まれるビタミンB群

ビタミンB6はタンパク質の代謝に必要な栄養素です。 タンパク質の摂取量と比例して必要摂取量が増加し、肉や魚などの動物性食品、サツマイモ、アボカドなどの植物性食品に含まれています。動物性食品に含まれるビタミンB6のほうが、体内で効率よく利用されるようです。 代表的な食材として、牛や豚のレバー、鶏ささみ、マグロ(赤身)、カツオ、サバ、鮭などがあります。ビタミンB6を含む食材を使った料理とプロテインを摂取すれば、タンパク質の摂取量が増加しても、よりスムーズに代謝されます。バナナにはビタミンB6が多く含まれるので、補助食品にバナナが適しています。

海藻や牛乳などに含まれているミネラル

ミネラルは16種類あり、特にマグネシウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムなど主要ミネラルは、タンパク質や糖質の代謝に関係します。そのため筋肉を作る過程で、必要不可欠な栄養素です。具体的には以下の食材が挙げられます。
  • マグネシウム…あおのり、わかめ、昆布
  • カリウム…昆布、ひじき、わかめ
  • ナトリウム…梅干し、アンチョビ缶、味噌
  • カルシウム…干しエビ、イワシ(田作り)、チーズ
ビタミンと同様、ミネラルも筋肉の成長に必要な栄養素です。

筋肉アップには栄養バランスも重要

人間の身体は一度に大量のタンパク質を代謝できません。そのため、一日の必要量を3回の食事、もしくは間食を含めた4〜5回の食事に分けて、タンパク質を補う必要があります。摂食したタンパク質が全て筋肉に回されるわけではありません。 皮膚や臓器、細胞など、人体の多くを構成するタンパク質は、常に一定量必要なので、定期的な補給を意識してみて下さい。良質なタンパク質が多い肉、魚、卵のような動物性タンパク質は、積極的に摂った方がいいでしょう。 ただし、脂質などを過剰摂取しないよう、大豆製品など植物性タンパク質を組み合わせて摂取して下さい。最後に野菜や果物なども一定量用意し、栄養バランスも整えましょう。 このように栄養バランスのよい食事を摂ることで、健康的に筋肉量のアップや維持が期待できます。 トレーニング

筋肉痛は筋肉を成長させるチャンス

それではどういった時に、筋肉は成長するのでしょうか。人体には運動した後、個人差はありますが24〜48時間程度の休息を取ると、運動をする前よりもエネルギーを増加させ、大きな回復を遂げるという仕組みが備わっています。これを超回復といいます。 例えば筋トレなどで筋肉を使ったり、瞬発的に激しい運動をしたりすると、筋肉の組織である筋線維が傷つき自然に修復されます。その修復の際に筋膜が刺激を受け、筋肉に痛みを感じるのです。この壊れた組織を治す力を自然治癒力といいます。 自然治癒力の例としては、骨折が挙げられます。骨折で一度折れた骨は、自然治癒の発動で元の骨より太く強い骨に生まれ変わります。 これと同じことが筋肉でも行われているのです。すなわち筋肉組織を回復するときに、筋肉の材料になる「アミノ酸」をたくさん取り込んで、筋繊維をより太くする。これが超回復と呼ばれる現象なのです。 トレーニング

超回復時の食事のタイミング

それでは超回復時の食事を摂るタイミングについて、みていきます。

トレーニング後は早めに

筋肉を超回復させるため、重要な栄養補給のタイミングがあります。トレーニングで筋肉を使った後、すぐに栄養補給を行いましょう。カギとなる栄養素は糖質とタンパク質。糖質を補給すれば体内にインスリンが分泌されますので、体内に栄養素が吸収されやすい状態になります。 このタイミングでタンパク質を補給して下さい。そうすれば、傷ついた筋肉細胞がタンパク質で修復できます。なおプロテインパウダーと一緒に100%果汁のジュースを飲めば、簡単に糖質とタンパク質を摂取が可能です。

トレーニング前は余裕を持って

トレーニング前に、タンパク質と糖質(炭水化物)を前もって補給しておきましょう。摂取してすぐの運動は苦しいですし、何より身体にもよくありません。そのためトレーニング開始1〜2時間前に、食事を摂ればいいでしょう。 なぜなら、空腹時に「コルチゾール」というホルモンが分泌されるのですが、このコルチゾールはストレスがかかるときに分泌されるホルモンで、空腹が身体にとってストレスになるため分泌されるのです。 またコルチゾールは筋肉を分解する作用があるので、コルチゾールが身体に分泌された状態で筋トレを行っても、期待する効果は得られないでしょう。したがって空腹時での筋トレは、ストレスのある状況でさらに身体に負担を強いることになるので、極力避けた方が無難です。時間的に余裕をもって、栄養補給しておいた方が安心でしょう。

就寝前も有効

例えば夕方にトレーニングを行う人は、就寝前に適切量のタンパク質を摂ればトレーニング効果が最大化されます。またタンパク質の摂取量は30g~40gが適切で、摂るべきタンパク質としてはカゼインがいいでしょう。ただカゼインのみではなく、カゼイン加水分解物とカゼインの比率1:1が、血中アミノ酸濃度を迅速に増加させ、長時間筋タンパク質の合成作用を高めます。 ストレッチ

良質なタンパク質を摂って筋肉を育てよう

ここまで筋肉にタンパク質が必要な理由をみてきました。タンパク質は筋肉の成長に必須のみならず、人間の身体を維持するためにも、必要不可欠な重要栄養素であることが分かりました。筋トレにおける栄養バランスがいかに大切であるかもみてきました。本記事を参考に健康的な身体で筋肉をつけませんか。良質なタンパク質でモテる筋肉を育てましょう。

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