股関節が固い人へ効果的なストレッチ方法|硬くなる原因と対策も紹介

股関節が固い人へ効果的なストレッチ方法|硬くなる原因と対策も紹介

2019.06.24

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この記事の監修者
プロゴルファー・レッスンプロ
小原大二郎
プロフィール・所持資格 18歳で初めてゴルフを経験し、殆どの時間を練習場で過ごしながら26歳でプロデビューを果たすという異例の上達を遂げたプロゴルファー。その経験とこれまでの指導経験、海外での研究経験を全国に10店舗以上展開するゴルフレッスンスタジオ「ゴルフパフォーマンス」の代表。

股関節が硬いとデメリットが多い

普段生活していく上で座る、歩く、走るなどほとんどの行動で使われる股関節。 スポーツやトレーニングを日常的に行い、日ごろからストレッチなどを行っている人がいる一方、長時間のデスクワークや体力の低下などから同じ体勢でいることが多くなった現代人は股関節の硬質化が大きな悩みの一つになっています。 股関節が硬くなるとさまざまなデメリットが生じ、日常生活を送るのが困難になる他、大怪我に発展してしまう場合もあります。なぜ股関節が硬くなるのか、硬質化を改善するストレッチはどのようなものが有効なのかを知っておくことで、硬質化を未然に防ぎ、対策も立てやすくなるでしょう。

股関節が硬い原因

股関節が硬い原因は一つではなく、日常での振舞いや怪我などさまざまな要因から引き起こされます。股関節を硬くする原因を大きく三つにまとめましたので、簡単な予防を含めながら紹介します。

筋肉のコリ

股関節にはふくらはぎや背中など複数の筋肉が集まっており、どこかが硬くなると同時に股関節も硬くなってしまいます。 周辺の筋肉が硬くなってしまう原因としては、長時間のデスクワークや立ち仕事など、長い間同じ体勢、姿勢を続けることが挙げられます。 股関節が硬い人の多くは姿勢の悪さによる筋肉の緊張状態が原因なので、こまめに姿勢を変える、適度にストレッチをして体を伸ばすなどの対策をしましょう。

加齢による歪み

年を取る事によって血管や筋肉が硬くなり、関節と関節のクッションである軟骨が磨り減る事によって柔軟性が低下し、結果股関節が硬くなってしまいます。 ただし、体が固い人に年齢はあまり関係が無く、若くても硬い人もいるので、総じてストレッチや運動をこまめに行い、体を柔らかくすることで改善できます。

骨格が影響している

ストレッチや運動を続けても変化が無い場合、骨格が影響している場合もあります。 脱臼などの痛みがはっきりわかる症状もありますが、股関節亜脱臼と呼ばれる、大腿骨頭という球状の骨がずれているという脱臼や、もともと大腿骨頭の形が正常では無い場合もあります。 また、日常生活で姿勢を悪くしていると骨格が歪み、バランスを悪くした結果股関節が硬くなることもあります。ストレッチの効果を感じられなかったり、これらの症状に心当たりがある場合は、接骨院や整形外科などを訪ね、医師の診断を仰ぎましょう。

股関節が硬い人の4つのタイプ

股関節の周辺には幾つもの筋肉が集まっており、股関節が硬い人はこのいずれかの筋肉が硬くなっている可能性が一番高いです。 どこの筋肉が硬いのかは、体を曲げるなどの簡単なチェックで判別することができます。

ハムストリングスが硬い人

ハムストリングスとは別名、大腿二頭筋とも呼ばれる筋肉の一つで、股関節の下に位置する筋肉です。日常生活では、膝を曲げたり足を後方に突き出す為に使われており、ハムストリングスが柔らかいと歩行がスムーズになります。 仰向けに寝転んだ状態で膝をまっすぐ伸ばし、足が頭の方向に90度まで開かない状態はハムストリングスが硬いことを意味します。

腸腰筋が硬い人

腸腰筋とは大腰筋、小腰筋、腸骨筋の三つからなる筋肉の総称で、腰から足の付け根にかけて存在しています。一般的には歩くときや起き上がる時などに使われる筋肉です。長時間座ったままでいると、この腸腰筋が縮み、腰痛などの原因にもなります。 体を垂直に保ち、片膝立ちの状態で膝を床につけた方の足を後ろに引いた時に腰が沿ったり前のめりにならなければ、腸腰筋が柔らかいという証拠です。

外旋六筋が硬い人

外旋六筋、または深層外旋六筋とは大臀筋と呼ばれる臀部にある筋肉の更に深部に存在する大腿方形筋、梨状筋、内閉鎖筋、外閉鎖筋、上双子筋、下双子筋の六つから構成される筋肉の総称です。主な働きとしては、歩行時の方向転換や、股関節を安定させる行動に使われています。 外旋六筋の硬さを調べる際は、うつぶせの状態で膝を曲げ、膝を床に付けたままの状態で足が45度以上開くかで判別できます。

内転筋が硬い人

内転筋、または内転筋群は骨盤から膝の辺りまで位置する筋肉で、大内転筋、小内転筋、長内転筋、短内転筋から構成される筋肉群を指します。歩く、走る等の基本的動作から、多くのスポーツ動作に作用し、この筋肉を重点的に鍛える筋トレなどもあります。 座った状態で両足の裏を合わせ、そのまま足を開いて膝が床につかなければ内転筋が硬いという状態です。

股関節を柔らかくするストレッチ

股関節の硬質化はこまめなストレッチで改善する場合が多く、効果的なストレッチ方も多くあります。 しかし、ただやみくもに体を曲げたりしただけでは柔らかくするどころか、逆に体の負担になってしまう場合もあります。股関節を柔らかくする効果的なストレッチ方を幾つかご紹介します。

膝を上下させるストレッチ

床に座った状態で足の裏を合わせ、膝を20回ほど上下させます。その後、両手を膝に置き、床に向かって押して10秒間キープします。 このストレッチを正しく行うコツは、背中を丸めず、リラックスした状態で行う事です。背中が丸まった状態では、筋肉がしっかり伸びてくれないのであまり効果が現れないからです。 また、膝を強く押しすぎない事もこのストレッチでは重要です。ストレッチとは体に痛みを与えるのが目的ではなく、筋肉を刺激する事が目的の運動ですので、無理に体に負荷をかけすぎると、怪我を負う可能性も出てしまいます。

片足立ちのストレッチ

真っ直ぐに立った状態から片方の足を90度曲げ、曲げた足を大きく前に踏み込んで体重をかけます。反対側の足は後ろ側にできるだけ伸ばし、10秒キープします。ワンセット終わったら逆側の足も同じ手順で伸ばします。 このストレッチのコツは背中を丸めず、体に一本の線を通したように真っ直ぐを意識する事です。左右にぶれたり、体勢が歪んでいると、十分な効果を得られない場合があります。

片膝立ちで重心を変えるストレッチ

両膝立ちから片足を立て、両膝が90度に曲がるようにします。両手を立てている足の膝に乗せ、重心をゆっくり前に倒します。股関節と床をできるだけ近づけ、その状態で深呼吸を5回行います。 その後立てた足のつま先を体の外側に開き、両肘を床につけて少しずつ肘を前進させ、進めなくなった状態で深呼吸を5回。 そして立てた足の裏を体の内側に折り曲げ、反対側の足は後方へ伸ばし、臀部と両手を八の字に床に付けて深呼吸を5回行い、この際に余裕があれば両手を頭上に上げて指を組んだ状態で深呼吸をします。 以上の動作を両足分行います。手順は複雑ですが、その分大きな効果が見込めます。このストレッチの際、伸ばす筋肉を意識して行うとより効果的です。

足を開いた状態で左右に屈曲するストレッチ

座った状態で膝が曲がらない程度に両足をいっぱいに開きます。片腕を上げて右腕なら左側へ、左腕なら右側へ上半身をゆっくり反らします。両方終わったなら次に両手で左右どちらかのつま先を掴むように腰を折り曲げ、こちらも左右両方分行います。 ストレッチの最中に息をゆっくり吐きながら伸ばしている筋肉を意識しておこなうことがポイントです。

股関節が硬いことのデメリット

股関節が硬くなることにより生じるデメリットは、ただ動きにくくなるだけではありません。 怪我や肥満、骨格の歪みなど一般に知られていないようなさまざまな弊害が潜んでいるので、起こりうるデメリットを把握し、体に問題が出る前に自分自身でできることを探しましょう。

足がむくみやすい

股関節の内側の筋肉は、足の骨や血液の流れを保護する役割を持っており、股関節の可動域が狭まり筋肉が弱まるということは、血行が悪くなり老廃物が溜まりやすくなってしまい足のむくみや冷え性などのデメリットを引き起こします。

身体が歪みやすい

股関節が硬くなると体を自由に動かせないと、骨盤の周りの筋肉もどんどん硬くなってしまいます。その結果、肩こりや腰痛の原因にも繋がります。さらに、十分に体を動かせない事により体に付く筋肉や脂肪にも偏りが出てしまい、背骨、肩、胸骨などのあらゆる骨格に更なるゆがみを引き起こします。 また、上述したとおり血流の悪化は新陳代謝機能の低下を招いてしまうので、太りやすくて痩せにくくなる体質になるなどの症状の原因にもなります。

O脚やX脚になりやすい

股関節の内側の筋肉が硬くなると骨盤の歪みや筋肉が均等に身に付かないなどの原因からX脚、もしくはO脚と呼ばれる体型になることもあります。 X脚とは真っ直ぐに立ち、膝同士はくっつくけれども足首がくっつかず、正面からみると足がXの形をしている状態のことで、O脚は反対に足首はつくけど膝がくっつかない足の歪みの事を指します。 X脚やO脚は、歩き方に癖がつきやすく、足に負担をかける歩き方になりやすくなってしまい、結果、股関節や膝の痛みなどを引き起こします。

腰や膝などが痛みやすくなる

股関節が硬い状態だと体を十分に動かすことができず、骨盤と周りの筋肉の動きが悪くなります。 骨盤周りの動きが悪くなってしまうと猫背やX脚等の体に負担をかける体勢になりやすく、結果として膝や腰を痛めることに繋がってしまいます。

怪我をしやすくなる

硬質化した股関節の周りは緊張化と呼ばれる状態になり、うまく動かせなくなります。その結果として、肉離れ、腰痛、脱臼等の怪我をしたり、足がうまく上がらず小さい段差で転んでしまうなどの事故を引き起こしてしまいます。 また、転んだり躓いた時にとっさの動きができずに無理な体制で受身をとろうとした結果、捻挫や脱臼をしたり、酷い時には骨折などの大怪我を負ってしまうこともあります。

股関節が硬い原因を知ってストレッチなどで柔らかくする

股関節が硬くなる原因のほとんどは、日常生活での姿勢が原因です。デスクワークなどでずっと座ったままでいる、ずっと立ったままの姿勢で体の手入れを怠るなど、意識していれば改善できることばかりです。 ですが、気を付けていても股関節が硬くなってしまった場合、飲み薬や湿布などよりもストレッチがもっとも効果的です。体の筋肉を伸ばし、刺激することで身体機能を活性化させ、柔らかい股関節を取り戻すことができるでしょう。 ただし、ストレッチを続けても改善されなかったり、むしろ痛みが増すなどの症状が出た場合、骨格や筋肉になんらかの異変が起きている可能性がありますので、その場合は無理にストレッチを続けずに医師に相談しましょう。

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