オーバーワークにメリットはない
高度成長期では、働けば働くほど収入が増え続け、暮らしが楽になると言われ、過度なロードワークがごく当たり前に行われていました。しかし、現在では無理な労働は、肉体の老化を早めるだけではなく、精神面にも極度のストレスがたまり、病気の原因となることがわかっています。つまり、オーバーワークには、メリットは一切ない事が証明されているわけです。
いくら、働くのが大好きだといっても、さすがに体を壊すまで働き続けるといった方は、いらっしゃらないでしょう。しかし、オーバーワークの恐ろしさは、身体だけではなく心の奥深くまで忍び寄り、最悪2度と立ち直れなくなったといったケースも珍しくはないのです。
気をつけたい2種類のオーバーワーク
一般的に知られるオーバーワークは、仕事のやり過ぎによるもので、会社によってはブラック企業に指定されるほど、長時間労働が義務付けられている会社も隠れています。実は、オーバーワークには、もうひと種類の原因もあり、それは過度な運動のし過ぎによる、オーバーワークが存在しています。
環境と自分に原因がある仕事のオーバーワーク
昨今では、さほど珍しくなくなった過労死のニュースですが、すべての原因はオーバーワークにあり、業務量の多さや業務時間の長さ、人員不足などによる環境の問題によって、社会的な問題を投げ掛けています。このオーバーワークは、すべて企業側の責任と受け止められがちですが、実際にはそうではないケースも見かけられます。
このオーバーワークは、自分自身が原因となるもので、つい気楽に仕事を安請け合いしてしまったり、仕事が非効率で時間内までやりとげられないといったケースが見られます。では、その原因となりやすいものを、表にして挙げてみましょう。
仕事によるオーバーワークの原因
・仕事環境に起因するもの | ・自身が起因となるもの |
業務の量が多すぎる | 仕事の行い方が非効率である |
業務時間が長く休日が取れない | 自身のスケジュール管理の不備 |
人員不足によるサービス労働 | 仕事の調整が周囲とうまくかみ合っていない |
慢性的な問題になるスポーツオーバーワーク症候群
オーバーワークは、多忙な仕事環境だけが原因ではなく、過度な運動などもオーバーワークの原因となり、最近ではスポーツオーバーワーク症候群として、深刻な病気の認定を受けています。
このスポーツをオーバーワークで怖いのは、疲労回復が不十分なまま筋トレを続ける事によって、身体に栄養が足りなくなり、栄養不足に陥ってしまうものです。それでは、その原因となりやすいものを、まとめて一覧にしてみました
- トレーニング後の疲労回復の手段が十分に取れていない
- トレーニング後の十分な栄養と休養がとれない
- トレーニングの疲れが取れないが放置をしている
- バランスの良い食事をとっていない
- 慢性の睡眠不足
仕事によるオーバーワークの症状と5つの対策
男にとって、会社である程度の地位を得て、業務をやりこなすのは、男の仕事としてはかなりのやりがいを感じるはずです。給与やボーナスもさらに上昇し、さらに向上心を伸ばし会社の為に、わが身を捧げようと感じるのは、一時代前までは会社員としての誇りとまで言われてきました。
しかし、現代社会では、人件費を削れるだけ削り、会社は業績を伸ばす為役員たちを叱咤する事によって、さらにその波及が末端の従業員までに及んでいるのが今の現実です。法的には禁じられているサービス残業ですが、実際は多くの会社が黙認し、オーバーワークによって末端の社員に多大な影響を与えています。そこで、自らを守る為にも、その症状と対策を講じておく必要が出てきました。
免疫力が低下して病気になりやすい体
オーバーワークの極端な例は、飲食店などのサービス業に多く、事業形態としてすでに慣例化している為、なかなか改善がうまく行われないといったジレンマがあります。こうした長時間労働は、慢性的に行われているという事もあり、疲れが取れにくく睡眠不足によって、日中から疲労感ででも疲れやすくなってしまいます。
こうした状況が長く続けば、ホルモンバランスが崩れ、免疫力が低下していきますので、風邪にかかりやすくなったり、持病をお持ちの場合は、悪化してしまうといったケースがよくみられます。
モチベーションや集中力の低下
長時間労働による疲れは、身体機能が衰えるだけではなく、脳が正しい判断をしにくくなる事も、医学的に証明されている事です。オーバーワークは、モチベーションが保てなくなる原因となり、それによって仕事の効率が落ちていくのがその特徴です。本来仕事というものは、私たちにとって家庭と同様に大切なもので、人生のやりがいや生き方をも向上させるものです。
オーバーワークによるモチベーションの低下は、仕事だけではなくプライベート面にも影響を与えるものです。したがって、オーバーワークは、長い目で見ても人生にとっても、マイナスになる事がお分かりいただけるでしょう。
ストレスにより見た目の悪化
性的なオーバーワークは、心がうつ状態になりやすく、慢性的な不眠を招く事もあります。特に、長期的なオーバーワークを強いられた場合、精神面だけではなく、身体的にも老化を促進してしまう事が知られています。
老化そのものは、現代医学でも避ける事はできませんが、現在ではそれを抑制する事も可能となってきました。しかし、過度なオーバーワークは、身体的にも劣化が起こりやすく、見た目では目の下にクマができたり、新陳代謝が滞る事によって、肌荒れがひどくなったり抜け毛や白髪が増えていきます。また、円形脱毛症など、身体に著しく症状が出やすくなってしまいます。
スキルを身につけ仕事の効率化
オーバーワークを無くす為には、時には自分の努力によって、解決してしまうケースも当然あります。特に、業務の効率化は、就労時間を短縮する事に役立ち、心にも余裕が生まれてくるものです。
例えば、パソコンでの業務では、ショートカットコマンドの活用やメールの自動分類などを行い、社内の文章作りにはテンプレート作成で対処するなど、ルーチンワークを見直して時短をはかるといった手段もあります。
自分の限界を把握して仕事をする
普段から、当たり前に行われている残業ですが、オーバーワークを無くす為には、頭を切り替えるといった事も常に考えておかなければなりません。特に、自分は現役バリバリと思っていても、若い頃に比べて体力や集中力は落ちてくるのは確実で、若い気持ちでいるのは大切な事ですが、体を養生させる事も大切な仕事のうちです。
つい点気軽に行ってしまう残業ですが、その日に無理やり終わらせるのではなくて、必要のない仕事であれば、翌日に回すくらいの気持ちを持って、業務に取り組みましょう。
チームとして業務をこなしていく
どのような仕事でも、言える事ですが、オーバーワークによる負担を、できるだけ少なくするという考えをしっかりと持つ必要があります。特に仕事ができるようになり、上になれば部下も多く増えてきますが、自分がやった方が早いからと、仕事をなんでもやろうとしない事が大切です。
部下としては、上司が先に帰宅しなければ、帰りづらいという事もある為、自分がオーバーワークの原因になっている可能性も否定できません。したがって、効率よく仕事行う為にも、目標達成に向かって仲間と協力して仕事を終わらせる事を心がけましょう。
規則正しい生活をして疲れを残さない
健康な体を維持するには、健全な規則正しい生活を送る必要があります。オーバーワークは、そうした規則正しい生活を崩すもので、時には症状が現れてしまい、長期入院してしまうといった可能性もあるのです。つまり、逆に言えば、健康であるからこそ仕事ができるのであって、健康を維持する事は私たちの日常生活の中でも、最も大切な事だと理解しておく必要があります。
食生活においては、3食しっかりと取り、栄養バランスの取れた食事を行います。そして、睡眠時間の確保と、入浴をして疲れを取るなど、健康面での気遣いが重要となってきます。
仕事が滞らない範囲で休む
予定を立てておく事は、業務を円滑にこなすうえで非常に重要なものですが、あまり予定を詰め込み過ぎてしまうのも考えものです。無理な業務は、心身ともに負担を招き、体の動きや頭の回転も鈍ってしまいますので、正常な業務がこなせなくなってしまう可能性も否定できません。
そこで、体に疲労感を残さない為にも、1日のスケジュールの中に休憩時間を組み込み、適度な休養をとっておく必要があります。また、有給も効率よく使いながら、ぜひリフレッシュを心がけておいて下さい。
スポーツのオーバーワークの症状と対策
これまでの流れで、仕事に関するオーバーワークの症状と対策は、ある程度理解できたかと思います。問題なのは、スポーツによるオーバーワークで、慢性的にその症状が長引くスポーツオーバーワーク症候群は、スポーツを専門に行うアスリートたちには、致命傷にもなりかねないからです。
また、問題の理由はもう一つあり、知識不足や認識不足によって、症状が悪化してしまうという恐れがあります。その為、何らかのスポーツを行う選手たちは、オーバーワークによる危険性と共に、症状と対策を理解しておく必要があるわけです。
初期段階は日常生活では気づけない
スポーツオーバーワーク症候群の非常に厄介なところが、日常生活や軽い運動では全く問題無いというところです。一見、何も問題がないように見えますが、いざ本気で運動を行おうとすると、いきなり本来の実力が発揮できなくなるところが、その特徴となっています。
実際には、初期の段階では、日ごろの練習で気付かない場合も多く、実際に本番となる大会などでの成績不振が続く事によって、初めて周囲が気づいたりする場合があるようです。
症状が進むとトレーニングができなくなる
先だって、サッカーのプロ選手が、このスポーツオーバーワーク症候群とみなされた事によって、初めてこの病気の存在を知ったといった方も多い事でしょう。スポーツ選手に多いといわれるこの症状ですが、一般の方であっても、継続的にスポーツや運動を行っている方は、常にスポーツオーバーワーク症候群の危険性がある事を、理解しておく必要があるでしょう。
病状が進むと、疲労感や立ちくらみや腹痛に下痢などの症状が出てくるほか、精神面にもその症状が表れてきって、不眠なども起こりやすくなる為、うつ状態にもなりやすいと言われています。
診断は専門の医師にしてもらう
スポーツオーバーワーク症候群自体が、臨床スポーツ医学に基づいていますので、診断についてはできるだけスポーツ外来のある病院で行うのが、ベストと言えるでしょう。かなり似た症状に、慢性疲労症候群といったものもありますので、専門家でないと判別しにくいのです。
通常の病院では、内診や問診などによって、消去法での診断方法となる為、専門の医師でなければはっきりと症状を判断しにくいというのもあります。近隣の病院で、こういったスポーツ外来のある病院もしくは、専門の部署がなければ、内科で診断してもらいましょう。
兆候があるなら何より休むこと
一般的に、ほとんどの病気では、自己判断は禁物とよく言われていますが、スポーツオーバーワーク症候群に関しては、その兆候を感じたなら休養をとる事を、まずは心掛けるようにしましょう。具体的には、負荷の軽いトレーニングに切り替えたり、運動に費やす時間そのものを短くする事を心がけておきます。
場合によっては、思い切りよく、その日はトレーニングを休んでしまうといった判断も、症状を進ませない為の最善策となるからです。
疲労を回復できる食事を摂る
スポーツオーバーワーク症候群の改善策は、十分な休養を摂るだけでは不十分です。なぜなら、運動後の筋肉を作る為のタンパク質は、食品などでしか摂取する事ができないからです。タンパクは、体内でアミノ酸などに細分化され、それぞれが体づくりの栄養素として使用されます。
また、ビタミンやミネラルなどの栄養素も、重要な栄養素で運動した量に見合っただけのカロリーを、摂取する必要があるわけです。スポーツ選手には、特に高タンパクが必要不可欠で、そのほかの炭水化物や脂質なども、バランスよく適度に摂取しておく必要があります。
結果を焦らず根気強くトレーニング
スポーツオーバーワーク症候群は、症状が良くなってきても、いきなり強いトレーニングは禁物です。負荷は徐々に大きくする指定くのが大切で、まずは最大筋力の20%程度から始めるとよいでしょう。体調が良いからと言って、トレーニングはいきなり高負荷から始めず、徐々に慣らしていくのが得策です。
いったん、スポーツオーバーワーク症候群にかかってしまったら、長引かせるのは禁物で、休養と睡眠をしっかりと取りながら、食生活にも気をつけていきましょう。結果は焦らずに、数カ月のスパンで考えるとよいでしょう。
毎日同じサイクルで動き不調を逃さない
スポーツオーバーワーク症候群にならない為には、常日ごろから健康に気遣い、睡眠と休養そして栄養面からもしっかりと英気を養い、少しでも不調があれば、トレーニングを軽めにするなど、調整方法も変えていきましょう。
まずは、ラジオ体操のようなストレッチで、体を点検しながら集中して行い、体の異変をチェックすることが大切なのです。有効な対策として、朝起きた時の状態を確認する事が、予防策としてかなり役立ちます。朝起きたら疲れの度合いを確かめ、けん怠感や疲労感があった場合には、あまり無理をしないように心がけておきましょう。
オーバーワークが改善できない人向け相談所
オーバーワークにも、2種類のケースがある事がわかりましたが、どちらも強い義務感から中々改善できないといったケースもよく見かけられます。
仕事のオーバーワークは、必要に駆られてどうしても行わなければならない場合もあり、スポーツのオーバーワークは、選手として活躍しているのなら、なおさら更なる高みを目指すのは、アスリートとしても当然の事でしょう。しかし、結局は体を壊してしまうのは自分自身で、最悪自分の人生を棒に振ってしまう可能性も否定できません。そこで、自分で解決できない場合は、相談するといった方法をとってみましょう。
直属の上司に働き方の相談
会社での仕事の場合は、その都合上どうしても、オーバーワークになってしまうといったケースが、当然考えられます。しかし、働く人間にとって、最も大切なのは自分の体であり、病気になって入院してしまえば、働くことさえかなわないのです。
そこで、仕事量が多くなり過ぎないように、仕事量についての調整や、仕事を分担できる人の確保を頼むというのも、解決策としては有効な手立てになります。ご自分が動きづらい場合には、直属の上司に直接相談を行い、働き方に対して前向きに相談していくのも、一つの解決策になり得るものです。
会社がオーバーワーク体質なら転職も検討
日本の社会には、法律によって労働基準法が定められていますが、法の合い間をかいくぐり、いまだにオーバーワーク体質といった会社が後を絶ちません。
こうした会社の特徴は、仕事を効率化しても、人員削減により仕事量が圧倒的に多かったり、時間に余裕を作った分だけ仕事を増やされたりするケースも多く、ひとりの力ではどうしようもないといった相談ごとも少なくありません。特に、飲食店などのサービス業は、こうした体質の会社がいまだに多く、ブラック企業の可能性もありますので、転職を視野に入れて検討しておかなければなりません。
筋トレのプログラムを専門家に組んでもらう
長くアスリート生活を続けていると、体がすでに慣れてしまい、オーバーワークが改善できないといったケースもみられます。これは、トレーニングそのものが、ご自分の生活の一部となっている為で、習性のような形でつい体に負担をかけてしまうのです。
オーバートレーニングは、いわば自分の体が悲鳴を上げている状態によく似ています。トレーニングの負荷は、第3者には分かりづらいもので、自分で制御するしか方法はありません。しかし、どうしてもトレーニングが癖になっており、なかなか運動をセーブできない方は、信頼のおける専門家やAIに、自分に合ったプログラムを組んでもらうというのも一つの方法です。
パフォーマンス維持のためオーバーワーク禁止
過度な長時間労働は、オーバーワークになりやすく、第3者にも比較的気づかれにくいものです。オーバーワークは、体に多大な負担をかけるだけではなく、精神的にもダメージが蓄積していきます。したがって、長く仕事やスポーツに取り組む為にも、パフォーマンス維持の為の休息は、かなり重要な案件となっています。