確定型拠出年金とほかの金融商品を比較し最適なプランを練ろう

確定型拠出年金とほかの金融商品を比較し最適なプランを練ろう

2019.02.05

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確定拠出年金のための口座はどこに?何を比較して決めればよいのか

確定拠出型年金とは、私的年金のことです。その方法は、まず自分で専用口座を開設し、そこにお金を拠出(積み立て)していきます。拠出したお金は定期預金や投資信託として運用します。そして60歳になったら、その運用してきたお金を年金として受け取れるというものです。

どこの金融機関に確定拠出型年金の口座を開設するかによって、運用方法も異なってくるため、同じ掛け金であっても支給される年金は違ってきます。今回は、確定拠出型年金の選び方やその他の金融商品との相違点について解説します。

確定拠出年金には企業型と個人型がある

確定拠出年金とは、60歳以降に公的年金に上乗せして受け取りできるお金のことです。個人向けの老後のための準備制度と言い換えても良いでしょう。この確定拠出型年金には、企業型と個人型があります。まず、企業型と個人型の違いについてご説明します。

企業型確定拠出年金(DC)

企業型の確定拠出型年金とは、掛け金を出すのは個人ではなく会社です。または企業が出したものに上乗せして、従業員も拠出するマッチング拠出を採用している会社もあります。いずれにせよ、拠出したお金は会社の損金として計上することができ、会社の節税対策にもなります。

会社が拠出するという特性上、加入可能者は、国民年金の第2号被保険者、つまり会社員です。自営業者や専業主婦はこれには当てはまりません。企業型確定拠出型年金は退職金制度の一部であり、労使合意に基づき実施されます。

個人型確定拠出年金(iDeCo=イデコ)

企業型が加入者に制限があるのに対し、個人型確定拠出型年金(通称iDeCo)は誰でも任意で加入できます。制度上月々の掛金の上限額は 決まっていますが、その範囲内で自由に拠出する額を決めることができます。また掛金は、全額所得控除の対象となり税金面でも優遇されます。このため、iDeCo 加入者が確定申告もしくは年末調整をすると税金の還付などが受けられたり翌年の納付金額などが減ったりします。

2.iDeCoの選択肢は

運用方法により、将来受け取れる額が違ってくるiDeCo。つまり、いかにその額を増やすかは運用方法の選択にかかっているといえます。それでは、その方法の選択肢にはどのようなものがあり、どういった特徴があるのでしょうか?こちらではiDeCoの運用方法についてご説明します。

手堅くしたいと考えるなら元本確保型

拠出したお金を減らしたくない、元金割れをしたくないと考えるなら定期預金や保険での運用がおすすめです。こちらは、元金が保証されている元本確保タイプです。拠出したお金を増やすより、減らさない方が大切と考えている人に支持されています。また、通常の貯金とあまり感覚の変わらないという点で特に定期預金を選択する人が多いです。

リスクはあるが資産が増やせる元本変動型

拠出したお金を増やしたいなら、元金変動型つまり投資信託がおすすめです。こちらは元本割れしてしまう可能性もありますが、大きく資産を増やすチャンスもあります。投資信託はリスクがあるからなかなか手がでないと感じる人も多いでしょう。

しかし、実際には自分で資産配分を決められる投資信託だけでなく、一切をプロに任せられるバランス型などさまざまなラインナップがあります。このためバランス型は初心者の人にも取り入れやすいのが特徴です。

元本確保型を元本変動型の併用

上記の2つを併用するのが、最もおすすめの方法です。元本確保型は一定の期間ごとに利率の見直しがされます。このため、利率があまりにも低いと運営コストの方が利益を上回り、総資金がマイナスになってしまいます。これをカバーするためにも確保型と変動型とバランスよく組み合わせることがおすすめです。慣れるまでは確保型に拠出金を集中させても良いですが、しばらくしたら変動型をぜひ取り入れてみましょう。 

iDeCoにかかる経費

続いて、iDeCoにかかる経費について見てみましょう。これらの経費は毎月拠出している掛け金や、年金資産から差し引かれます。つまり、運用益が少ない際にこれらの経費がかなりかかってしまったら、運用結果がプラスでも資金がマイナスになってしまうことがあるのです。このため、経費についても知っておくことが大切です。

加入初年度にかかる初期費用

iDeCo加入次年度に1回のみかかる費用です。金融機関により差はなく、一律2,777円(税込)です。

毎月支払わなければいけない口座管理料

口座管理料は毎月口座があるかぎり発生する経費です。1ヶ月単位で見ればわずかな額であっても、数十年分となると十万単位となる場合もあります。このため、できるだけ口座管理料が安い金融機関を選びましょう。

おすすめは口座管理料が無料もしくは条件付き無料の金融機関

おすすめなのが、SBI証券・楽天証券・マネックス証券・イオン銀行・大和証券・松井証券です。これらの金融機関は、口座管理料が完全無料です。またのむら証券、みずほ銀行、第一生命、損保ジャパン日本興亜アセットは条件を満たせば管理料が無料です。その他の金融機関では200円から300円程度の幅の中で手数料が必要となるため、こだわりがないのであれば上記の金融機関がおすすめです。 

他にも毎月の拠出にかかる経費がある

他にも毎月拠出金が引き落とされる際に国民年金基金連合会に103円、iDeCoの資産管理をしている信託銀行に64円が手数料として必要になります。これらは、金融機関問わず一律料金です。

受け取る時の手数料

金融機関に関わらず、1回年金を送金されるごとに432円が手数料として必要です。つまり、受け取れる60歳を超え、年金を受け取る度に発生します。

返金される際の還付事務手数料

iDeCoは原則として途中解約できませんが、場合により拠出金が還付されます。還付とは、規定されている限度額を超えた掛け金や、加入資格のない月に納めてしまったものを加入者に返すことです。還付される具体的な理由としては以下のものが挙げられます。

  • 企業型から個人型など移換のタイミングが合わずに二重に掛金が拠出される
  • 国民年金保険料の納付していないのに拠出された時
  • 限度額を超えて拠出してしまったとき

この際、還付される金額は拠出金そのままではなく、手数料を引かれた後の金額となります。その手数料ですが、国民年金基金連合会のが還付する場合は1,029円、事務委託金融機関の場合432円かかります。

金融機関の変更時の移換時手数料

金融機関を変更するとき、または4iDeCoから企業型確定拠出型年金に変更する際にかかる手数料です。金融機関による違いはあまりなく、4,320円がほとんどです。

投資信託の商品を選んだ場合は信託報酬

iDeCoの運用方法として、投資信託を選んでいる場合は、信託報酬が必要となります。信託報酬とは、買い付けなどにかかる費用を投資信託保有者が負担するものです。信託報酬は一律料金ではなく、資産残高に応じてかかります。またこの比率も運営会社により違ってきます。

iDeCoは6つの基準から考えよう

どの金融機関でiDeCoを始めようか決める際は、次にお伝えする6つを基準にしてください。この6つをおさえれば、利益がでない金融商品を選んでしまう可能性はずっと減ります。ポイントをおさえて、iDeCoでできるだけ利益を出すようにしましょう。

口座管理費手数料の低さ

はじめから口座管理費手数料の安い金融機関に口座を持つことをおすすめします。もちろん途中でも口座は変更もできます。しかし、途中変更は手間や時間、手数料などさまざまな負担がかかります。これらを考えると最初から口座管理費手数料が安い金融機関を選んでおく方が良いでしょう。

信託報酬の低さ

運用す方法に投資信託を選ぶなら、信託報酬の安さもポイントとなります。信託報酬は、保有中は常にかかり、また保有残高が大きくなれば金額も大きくなるというものです。特に若くからiDeCoを始める人は年金受給までので時間が長く、信託報酬がかなりの額となることがあります。このため、若い時から土佐をするならなおさら考えるべき基準の一つです。

各金融機関が所有する商品の多さ

新しく金融商品を販売し続けている金融機関の商品数は多くなります。なぜなら金融商品は新しいものが出ても、古いものをなくすことができないからです。このため、多くの金融商品を扱う金融機関に運営コストが安く利益が出やすい良質な商品がある可能性が高いと言えます。ちなみに2018年11月現在、最も投資信託部門での取り扱いが多いのはSBI証券です。

問い合わせ先の充実度

iDeCoに関する疑問点や悩みを随時解決していくためにも問い合わせ先の充実渡は大切です。多くの金融機関のiDeCoの問い合わは先はコールセンターがメインです。しかし、なかにはWEB対応や窓口対応してくれるところもあります。コールセンターに時間内に電話するのが難しい人でも24時間対応のWEBなら相談しやすく便利です。窓口対応は、安心感は高いですが、対応してくれる金融機関が少ないのが現状です。

2018年11月現在、コールセンター、WEB 、窓口すべてを設けているのはイオン銀行、大和証券、東京海上日動火災保険、みずほ銀行、三井住友銀行と一部の地方銀行などです。

金融商品の内容

投資信託を運用する場合は、その内容にも注目しましょう。投資信託にはインデックスファンド、アクティブファンド、バランスファンドがあります。また一口にインデックスファンド、アクティブファンドなどといっても何の株式や債券に投資するかも異なります。バランスファンドとは、複数のインデックスファンドを組み合わせたものであり、分散して投資を行うため、複数の株式や債券を所有することになります。ただし、どこの株式と債券であるかや、割合は運用会社により異なります。それぞれのファンドの違いをよく理解した上で、投資信託を選びましょう。 

管理のしやすさ

スマホのアプリでiDeCo口座残高が確認できたり、パソコン画面上ですぐに口座状況を見れたりなど、管理のしやすさは大切です。その方が見直しがしやすく、結果として利益につながりやすくなります。楽天証券では、スマホのアプリでiDeCo口座と証券口座の一括管理ができるようになっており、使いやすさにも支持を集めています。

確定拠出年金と生命保険で比較した場合

確定拠出型年金と同様に、生命保険でも個人年金を扱います。どちらかだけで十分なのではないかと思う人もいるでしょう。こちらで、両者を比較していきます。

生命保険の場合はもらえる年金額は決まっている

生命保険での個人年金は、元本割れすることがほとんどなく、将来的に受け取れる額が決まっています。こちらは、貯蓄性が高く安定しているという面があります。一方、iDeCoは貯蓄商品ではなく、投資商品です。このため、元本割れする場合も可能性もあります。しかし、運用結果によっては掛け金以上の額がもらえることもあります。

解約する際に違いがある

生命保険個人年金の場合は、個人の意思でいつでも解約が可能です。ただし、タイミングによっては戻ってくるお金が、掛け金より少なくなることもあります。もし解約する場合はいつから解約の払戻金が掛け金と同額になるかよくチェックしましょう。

一方でiDeCoは、原則として60歳まで解約できません。所得が低く生活保護を受給し始めたときなどは、解約ではなく脱退の扱いとなります。脱退になる理由はほぼ資金不足により拠出困難と判断されたときのみであり、自由意思で解約することは認められていません。

税金面の差は大きいといえる

iDeCoは、掛け金の全額が所得控除されます。一方、生命保険の個人年金の所得控除の対象となりますが、全額ではありません。保険料に対していくらまでという上限額が定められています。このため、節税効果に対しては生命保険よりiDeCoの方が高いといえます。

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確定拠出年金の中で元本確保型を比較した場合

運用方法として、元本確保型である定期預金と保険にもわずかですが、違いはあります。その違いとは何かについて見ていきましょう。元本確保型だから定期預金と保険どちらでも良いという考えはしない方が良いでしょう。

元本確保型には落とし穴がある

iDeCoは原則として60歳まで解約できませんが、運用方法の変更は可能です。変更の場合は既存のものを売却し、その際には手数料がかかります。この売却手数料ですが、保険の場合は今までの利益より高いことがあります。定期預金では、今までの利益を手数料が上回ることはありません。

それなら定期預金の方が良いのかと思いますが、それも違います。保険料の利率は各社により違いますが、定期預金の利率は現在0.001%、今後も増える可能性はないといわれています。毎月のiDeCo運営コストは掛け金や運用利益から差し引かれます。このため、定期預金であっても運営コストが高ければ、元本割れを知らず知らずのうちにしてしまってることがあるのです。

デフレの場合に価値がある

それでは、元本割れするかもしれない元本確保型でなく、すべてを変動型の投資信託にした方が良いのかということになりますが、そうだとも一概にはいえません。現在、日本はデフレの状態です。デフレの場合は、株式や債券などと比べると現金が資産として強いのです。このため、日本がデフレを脱却するまでは、保証型と変動型をあわせて持つか、保証型のみにして様子見かがおすすめです。

加入年齢を加味する

保証型と変動型をあわせ持つ場合は、この割合をどのようにしたら良いのでしょうか?実は、こうしておけば確実という正解はなく、どの運用方法を選んでも定期的な残高チェックは必要となります。結果がほしいなら、放置が一番いけません。

しかし、年代によって多少保証型と変動型のウェイトは変えた方が良いです。30代から40代程度でiDeCoに加入する場合、60歳まで時間があります。そのため、少しリスクを負っても巻き返せる可能性が高いため、変動型に重きを置いても良いでしょう。しかし、これが50代となると60歳まで時間が短くなります。このため、リスクは少なくするべきであり、保証型にウェイトをおいた方が良いでしょう。

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確定拠出年金を投資信託で比較した場合

最後に、iDeCoと投資信託の違いについても見ていきましょう。iDeCoでも投資信託を運用方法として選べるなら、同じではないかと思う人もいるでしょう。しかし、両者には違いがあります。その違いを見ていきましょう。

掛け金に上限がある

投資信託をする場合、月々の掛け金には上限額が定められていません。しかし、iDeCo では、職業により上限額が決められています。iDeCoの掛け金の上限額は以下のとおりです。またiDeCoの掛け金の下限は5,000円で1,000円単位で増額できます。

職業毎月の上限額
自営業者6万8,000円
専業主婦2万3,000円
公務員1万2,000円
会社員(企業年金がない場合)2万3,000円
会社員(企業型確定拠出型年金のみに加入している場合)2万
会社員(確定給付企業年金のみに加入している場合、確定給付企業年金と企業型確定拠出年金の両方に加入している場合)1万2,000円

信託報酬がかかる

iDeCoで投資信託を運用しても、それ以外で投資信託を保有しても、保有する限り信託報酬がかかります。信託報酬は、保有額が大きければ大きいほど高くなります。運用益があまり出ないため、通常の投資信託であれば解約できますが、iDeCoはそうではありません。iDeCoの運用方法の変更のために、売却することはできますが、その場合は解約手数料がかかることもあります。解約手数料の有無やや信託報酬の割合は商品により異なります。

まずはブレずにいたい自分の選択基準を考えよう

iDeCoをはじめるなら、運用方法はさまざまです。元本確保が良いのか、変動型が良いのかは考え方や年代によっても違います。また変動型の場合は、どの投資信託を選ぶかはその人の判断基準によります。利益を出すのに大切なのは、どの運営方法を選んだとしても放置せず定期的にチェックすることです。

そうすることで、どのように運営するのが自分にとってベストか感覚がつかめるようになるでしょう。そして、自分の選択基準や判断基準をどんどん磨いていきましょう。

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