住宅ローンを借り換えようか迷っている
住宅を購入し毎月返済していると、やはり返済が家計に重くのしかかりもう少し安くならないかななどと考えるものです。借り換えをすすめるコマーシャルなども多くなり、住宅ローンの借り換えに興味を持つ方も多いと思いますが、リスクなど気になることもたくさんあります。
借り換えに関してある程度の知識を持っていないと、タイミングよく借り換えしたり、メリットの高い借り換えになりません。住宅ローンの借り換えについてメリット、デメリットなど、両方理解を深めましょう。
住宅ローンを借り換えるメリットとは
毎月、家計の中でも大きな費用となる住宅ローンを支払っていると、返済が楽になる可能性のある借り換えを考えることもあります。借り換えを考える時、利用する金融機関商品が今の返済よりも利息が低いものとなれば、今までよりも月々の返済が楽になります。また支払総額を削減できる方法としても知られ、最近ではよく、金融機関が借り換えを進めるコマーシャルなども行っています。
借り換えはとても魅力的な方法ですが、これから借り換えを検討したいという方は、どのようなメリットがあるのか理解して利用する事が必要です。そのメリットが自分の今の返済を楽にしてくれるのか、また損のない返済となるのか、しっかりとメリットをつかみ現在の住宅ローンよりも魅力あるものとなるのか、考える必要があるでしょう。
返済総額を減らせる
住宅ローンの借り換え、そのメリットの中でもよく聞くのが返済総額を減らすことができるということです。住宅ローンの借り換えを行うことで残金に対しての金利になるため最初よりも金利が低くなり総額が減らせるというものです。
総返済額の削減は住宅ローンを抱えている人にとって非常に魅力的です。総額が少なくなれば返済がかなり楽になるのです。実際にどのくらい減るのか?このだいたいの金額を知りたい人は、インターネット上に金融機関のシミュレーターがあるので利用してみるとわかります。
現在利用しているローン全てについて月々の借り入れ金額を入力することで借り換えした場合の試算ができるものです。一度やってみるとだいたいの削減金額がわかります。
月々の返済額を減らせる
住宅ローンの借り換えは別の金融機関で新たに住宅ローンを組み替えるというイメージです。現在利用している住宅ローンよりも金利が低くなれば返済金額が削減できます。月々の支払金額も低くなるので、家計が楽になるのです。
住宅ローンを新規契約した時は家族に費用がそれほど掛からなかった、しかしお子さんも大きくなり、高齢の方に介護が必要になるなど家族の状況が変わることもあります。今まで返済に苦労する事がなかったけれど家族状況が変わったことで返済が辛くなることもあるでしょう。そんなとき、金利の低い住宅ローン商品に変えることで月々の返済額を楽にし、また返済総額を削減できる借り換えは魅力的です。
また借り換えの時に金利が変わらなくても、返済期間を伸ばしすことで月々の返済額を変えることもできます。借り換えは住宅ローンを別の金融機関で組み直すという意味もあるので、組み直し時点で回数を見直し、月々の返済額を落とすこともできるのです。
住宅ローンの特典が得られる
金融機関によって、また住宅ローン商品によってですが、疾病保障を無料でつけることができたり、買い物が5年、5%オフできるなど、特典が設けられている事があります。こうした特典に関しても借り換えの際には必ず調べて置いてほしいです。
金利が低くなったり、月々の返済金額が低くなる事、また買い物が安くなるということを目的に借り換えを行う人もいるくらいで、こうした特典も住宅ローン借り換えの大きなメリットとなっています。
住宅ローンの借り換えのデメリット
住宅ローンの借り換えはメリットが多く、魅力的なことですがデメリットもあります。借り換えの時にメリットばかり理解しデメリットを理解していなかったことで、後から後悔する事もあるようです。そういうことがないように、住宅ローン借り換えのデメリットについても深く理解しておくべ記でしょう。
後々金利が上る可能性がある
住宅ローンには固定金利型や変動金利型があります。今返済している住宅ローンが固定金利型で、そこから変動金利型に借り換えする事もありますが、この場合、後に変動して金利が高くなると元の住宅ローンよりも返済額が増える事も予想されます。
変動金利型から固定金利型に借り換えしたときも、その後、金利が上がらない状態なら返済額が増えることになるのです。こうした金利によるデメリットもあるので、借り換えした場合に本当に返済額が下がるのかどうか、詳細をよく理解して借り換えする必要があるのです。
審査が厳しい
住宅ローンを利用する時、また別のローンを組む時には、必ず審査を受けることになります。自動車のローンも教育ローンも同じ、黙って何も審査せず貸してくれるところはありません。
借り換えする時にも審査があり、この場合、新規で住宅ローンを組む時よりも審査が厳しくなることが多いので、これも注意が必要です。
借り換え費用と手続きが必要
住宅ローンの借り換えで月々の返済が楽になる、また総額が減らせることができると予測でき実際に利用する場合には、住宅ローンを新規で利用した時と同じように手続きする必要がありますし、費用も必要となります。
今よりも低い住宅ローン商品に借り換えて返済額を削減できるとしても、手数料がかなりかかり、ローンに組み込んでみたら以前と返済額が変わらない、高くなったという事もあります。
最近はネット銀行の住宅ローン商品で、手続きがインターネット上で完結するというものがあり、手続きの期間がかなり短い商品もあります。しかし一般的に手続きに時間がかかり、また手数料などの費用も掛かるので、簡単にいかないということを理解しておく必要があるのです。
メリット | デメリット |
返済総額を減らすことができる 月々の返済額を減らすことができる 商品によっては特典がある | 審査が新規住宅ローン借入時よりも厳しくなる 手続きに時間がかかる 手続きの費用がかかる |
借り換えは条件次第で有効
コマーシャルを見ていると、住宅ローンの借り換えをした方がいいと伝えていますが、借り換えをするすべての人に有効というわけではありません。住宅ローンを組んだばかりという人等にとっては有効な手段といえないのです。
住宅ローンの返済の額については、元本に金利を乗せた分となり、借り換えによって金利部分を減らそうと狙うのが借り換えです。現在の日本は低金利となっているので、借り換えが得策といわれていますが、借り換えが有効になるといわれる状態かどうか、考える事が必要です。
一般的に、残りの返済期間が10年以上あり、ローンの残額が1000万以上、住宅ローンを組んだ時の金利と比較して現在の金利が1%以上あるという場合は、借り換えが有効になるといわれています。
借り換えを考えるタイミング
住宅ローンの借り換えを考えるタイミングですが、今の自分、若しくは家庭の経済状態をよく考えてタイミングを計ることが必要です。タイミングよく借り換え出来れば、ローン総額の削減や月々の支払いが楽になるなど、借り換えは大きなメリットのある方法となります。
返済が苦しくなった時
住宅ローンを組んだ時には奥さんも仕事をしていて共働きで余裕があった、しかしご家族に介護が必要な方ができて奥さんが仕事を辞めたことで、経済状態が大きく変わったなどの家庭も少なくありません。
こうなると余裕をもって行っていた返済もきつくなり、中には返済が難しくなって住宅を手放すことを決意しなければならない方も出てきます。そうなる前に考えたいのが借り換えです。今支払っている住宅ローンの金利よりも低い金利商品に借り換えできれば、月々の支払いも楽になり、総額も少なくなるので生活が楽になるでしょう。
また借り換えに関して、審査を受ける必要があるので信用情報が低くなるのでは?などと考える方もいますが、これは関係ありません。借り換えしたとしても個人の信用が低くなることはないのです。
金利の上昇が考えられる時
変動金利型は金利が低くなっていれば返済も楽になりますが、景気がよくなると金利も上昇するため、それによって金利が上がれば今までよりも返済金額が高くなります。変動金利型から固定金利型に借り換えしたとき、金利が低くなれば損をしますし、固定金利型から変動金利に変更し、金利がそこで上がってしまった場合も損をします。
金利のタイミングを読むのは難しく、経済に精通している事が必要です。金利や経済に関することに明るい人は、金利の動向を読み金利の上昇の前に、固定金利型に変えるなど考えるタイミングになるでしょう。
金利優遇期間の終了が近づいた時
現在は優遇金利を利用できる住宅ローン商品が多数あり、そういった住宅ローンを利用している方も多いと思います。3年、5年などの優遇金利の商品なら、その期間中は金利が安くなります。しかし期間が過ぎると金利が上がるので、そのタイミングで借り換えを考える方も多いです。
一定期間が過ぎ、優遇金利が終了する時に、金利が低い住宅ローン商品を探し借り換えすれば、高い金利を払う必要もなく、返済も楽になります。
借り換えに必要な諸費用について
住宅ローンの借り換えには、新規で住宅ローンを組んだ時と同じように、費用が掛かります。借り入れの額や返済の年数などによってかかる諸費用の金額も変わってきますが、数十万になるケースもあるので諸費用について理解しておくことも必要です。
例えば契約書に貼り付ける印紙税ですが、借入額が1000万から5000万位がでも20,000円、5000万を超えて1億以下となると60,000円必要になります。保証料なしの金融機関もありますが、保証料も大きな費用となるので理解が必要なのです。
元利均等返済で借り入れ1000万にあたり返済期間が10年なら85,000円くらい、返済期間が20年となると15万くらい、返済期間が30年になると20万近くかかるのです。これに加えて事務手数料もかかりますし、抵当権設定費用として3万から10万、抵当権抹消費用として2万くらいかかります。
諸費用がかなりかかるので借り換えのローンに組み込むこともありますが、それによって返済総額が高くなり、借り換えのメリットが活かせないこともあるのです。
借り換えの諸費用を安く抑える方法
借り換えの諸費用がそんなにかかるなんて!という声が聞こえてきそうですが、この費用を抑える方法もあります。諸費用は金融機関や商品によって違うので、それぞれの商品を比較すると共に、諸費用に関しても比較検討が必要です。
各金融機関の諸費用を比較する
諸費用については決まりがあるわけではなく、金融機関や商品によって異なります。ネット銀行系の場合は、保証料がかからないというところが多いですが、事務手数料がいくらかかるのか、確認が必要です。
諸費用は金融機関によってかなりの違いとなるので、借り換えの時には、各金融機関の諸費用を比較して、金利なども検討し選ぶ必要があります。
団体信用生命保険が無料の住宅ローンを選ぶ
団体信用せ名保険は金融機関ごと諸費用が異なり、商品の中には上乗せされるものもあります。例えば借り入れ金利に年0.1%から0.3%上乗せ、などです。また加入時の年齢や借り入れ条件によってどのくらいの諸費用となるのか決まるところもあるので出来れば無料で利用できるところを選びましょう。
諸費用を総額で考える
借り換えをする場合の諸費用で最も高くつくのがローン保証料です。保証料は返済していく中で何らかの理由から返済が滞った場合に保証会社に建て替えてもらう費用です。返済が終わるということではなく、返済を銀行ではなく保証会社に行うことになりますが、この保証料が高いのです。
保証料が0円ということで人気となっている住宅ローン商品もありますが、手数料がその分高くなっているということもあるので、諸費用は事務手数料や保証料など単体で考えるのではなく、諸費用総額でいくらかかるのかということを考える必要があるのです。
借り換えの必要な書類と手続きの流れについて
借り換えに必要な書類、また必要な手続きはどのようなものか、あらかじめ知っておくことで契約も早く進みます。準備しておくべき書類は、個人の証明となる書類や、家屋に関する書類など色々です。すぐに準備できるものもありますが、役場に行ってとることが必要な書類もあるので、早めに準備するほう安心です。
また手続きについては時間がかかります。数日で終わるということは少なく、ある程度の期間が必要となる場合もあるので、手続きをなるべく早く済ませたいという場合は、ネット銀行系の住宅ローン借り換えを検討されるといいでしょう。
必要書類は金融機関によって異なる
住宅ローンの借り換えの時に必要な書類は、金融機関によって違うので確認が必要です。一般的に必要になる書類もあるので紹介します。個人を証明する書類として運転免許証や住基カードなど「写真付」が必要です。健康保険証は個人特定以外で必要となるため住所記載のものを持っているといいでしょう。
健康診断の結果についてですが、借り換えの金額によっては医師の診断書が必要となります。金融機関にとって置く必要がある確認すべきです。源泉徴収票については前年度分が必要となりますが、1月から6月に借り換えする場合、前年度分と前々年度分が必要となります。住宅ローンの現在の返済予定表、ローンを支払うための口座通帳も記帳して準備しておきます。
役場でとっておくものとしては住民票の写し、これはその年度、1月1日に暮らしていた住所の市町村役場で入手します。課税証明書若しくは住民課税決定通知書も準備しておきましょう。
現在暮らしている住宅が一戸建てでその借り換えを検討しているという場合には、別に必要な書類があります。不動産売買契約書、重要事項説明書、建築工事請負書(土地付き住宅の場合には必要なし)、建築確認済証、検査済証、これらが必要となるので準備しておきます。
住宅ローン借り換えの手続きの流れ
住宅ローンの借り換えを金利、諸費用など検討して決定し、利用する場合、手続きの流れも理解しておきましょう。流れを理解しておけば、その時に必要な書類を準備し、手続きが滞ることなくスムーズに進みます。
住宅ローンの借り換え商品を選んだら、まずは申し込み、そして審査を受けます。審査に通れば連絡が来るので融資実行日を金融機関と相談して決めます。それから現在の借入先に借り換え手続きを依頼し、借り換え先と契約、その後、抵当権設定、融資が実行されるという流れです。
審査を受けて通ると融資実行日が決まるのでそれまでに必要書類を揃えておくこと、また抵当権設定の前には住宅に関する書類等が必要となるので、併せて準備しておきましょう。役所で入手する書類などもあるのであらかじめ準備しておくとスムーズです。手続きは時間がかかりますが、書類が準備されていないことでさらに時間がかかるのです。
手続きの期間をなるべく短くするためにも、審査が通過したらすぐに書類を準備しておくほうがいいでしょう。
支払いに余裕が出たら繰り上げ返済がお得
住宅ローンの借り換えは商品を吟味しタイミングよく行うことで、返済額の削減や月々の支払が楽になるなどメリットの高い方法となります。しかし住宅ローンの支払いをしながら生活に余裕があるなら、借り換えよりも繰り上げ返済をする方がお得です。
繰り上げ返済の手数料などをしっかり確認し、余裕をもって繰り上げ返済できるようなら繰り上げて、住宅ローンの残額をどんどん減らしていきましょう。
住宅ローンの借り換えはメリットもデメリットもある
コマーシャルでは住宅ローンの借り換えが魅力的に伝えられています。確かに住宅ローンの借り換えをタイミングよく行うことで返済総額を減らすことができ、月々の支払いも楽になる事があります。しかし、メリットが多い方法でも時にデメリットとなる事もあるので、良い点、悪い点両方を理解し、利用する必要があるのです。
また現在の住宅ローンの状況によっては借り換えしない方がいい場合もありあります。金利なども深くかかわってきますので、借り換えは金利、タイミング、手数料などの諸費用などを総合的に比較してから利用することが重要です。金利に関してはインターネット上で確認できるのである程度現在の金利を理解しておくと商品選択に活用できると思います。
メリットの多い方法ですが、デメリットもあるのだと知り、金融機関や商品の情報を上手く掴み、慎重に考えていくことが必要でしょう。