股関節が痛むが、まず仕組みが分からない
ちょっと歩きすぎたり、久しぶりに運動をして股関節が痛くなることがあります。若い時には股関節が痛いなんて感じたことがなかったのにと落ち込む前に、なぜ痛くなるのか?まずは仕組みからしっかり理解すべきです。
股関節の仕組みと場所
股関節はどのようにして動くのか、どういう仕組みになっているのか、また正確な場所はどこなのか、意外と自分の体のことなのに理解していない人の方が多いと思います。股関節の仕組み、どの位置にあるのか、こうした仕組みの知識を学び、痛みの原因を探りましょう。
股関節を構成する大腿骨
股関節を形成している大腿骨は非常に大きな骨ですが、股関節と大腿骨は非常に深いつながりを持っています。大腿骨という大きな骨を動かすために不可欠なのが股関節です。
球状の骨頭
大腿骨の一番上、骨頭と呼ばれる部分は球状となっています。この球場となっている部分が骨盤の寛骨臼と呼ばれる場所にピッタリはまり込んで股関節が形成されているのです。
通常、骨頭の4/5を寛骨臼が包み込むような形になっていて、ここがしっかり包み込むような形になっているため間瀬tの動きがスムーズになります。周辺の筋肉が性状に動くことで関節とともに、股関節の動きを安定させ、不自由なく足を前後左右に動かすことが出来るのです。
骨頭の根元部分の大腿骨頸部
足の付け根部分から太ももまでの骨を大腿骨頸部といいます。この骨は人の骨の中で最も長く、大人になると40㎝にも成長する骨です。人の体を支えて体重をコンロトールしながら歩くために利用されます。
大腿骨の上端部分にある骨頭は骨盤の寛骨臼に包み込まれるような状態ですが、大腿骨頭の下、骨が少しくびれていて細くなっている部分が大腿骨頸部です。
体重を支える役割を持っている骨なのでどうしても負担がかかります。若い時には筋肉などが骨とともにしっかり体重を支えていますが、年齢とともに筋肉量が落ちると骨で体重を支えることになり、そのため、高齢者はこの大腿骨頸部を骨折する事が多いのです。
大腿骨頸部に接する小転子
大腿骨頸部の下の方に少し出っ張ったような場所がありますが、この部分を転子部と呼んでいます。転子部の内側、大腿骨頸部のくびれの内側にあるのが小転子、少し膨らみのある部分です。
小転子が大腿骨から剥離、つまり離れた状態にあると腸骨筋という筋肉の作用を受けて小転子部分が引っ張られるようになってしまうため痛みを感じます。しかしこれが完全に剥離してしまうと痛みはほぼ感じないようです。
股関節のちょっと出ている骨が大転子
大腿骨と骨盤、この結合部分の少し横の方に大きな骨の出っ張りがあります。この部分を大転子といいます。大腿骨と骨盤は歩行する際、様々な方向に曲がることが出来るように、骨盤の連結部分が包み込むような構造です。体内の関節の中で最も可動域が広いといわれています。
しかし関節が自由に動くために骨盤がゆがんだり、身体の癖でズレが起きたりします。こうした状態にあると大腿骨と関節の連結部分が通常よりも浅い状態となり、太ももの骨の付け根、大転子が飛び出してくるのです。
普段から大きな骨ですが、異常があれば通常よりもずっと外に大きくはみ出す状態になります。見た目にもわかりますしお尻が大きくなるなど、スタイルにも影響してしまうのです。
骨頭の受け皿になる寛骨臼
股関節は人が立ったり歩いたりするなど様々な動きに欠かせない部分です。股関節に異常をきたすと立つこともままならなくなるため日常生活にも大きく影響します。股関節と大腿骨の連結部分となる骨頭の受け皿となっているのが寛骨臼です。
加齢によって筋肉量が少なくなると寛骨臼にも大きな負担となり、変形性関節症を引き起こすこともあります。
お椀状になっている臼蓋
寛骨臼は大腿骨の骨頭という部分をほぼ包み込み、左右前後、自由に動けるようにしている部分です。この部分に支障をきたすと立つ、歩くなどの日常生活にも影響を及ぼします。
股関節はこの寛骨臼と骨頭が滑らかに稼働することで、左右前後、広い可動範囲を保つことが出来るのです。寛骨臼の土手部分にある臼蓋が加齢によってすり減ったりすると、変形性股関節症など痛みの強い症状が現れ、動きが阻害されます。
生まれつきこの臼蓋という部分が小さいといった先天的な迫害形成不全を持っている方もいますが、この場合も寛骨臼とのサイズが合わないことですり減りの原因となり、痛みを感じたり歩行などに支障をきたすのです。
生まれつきの形成不全をそのままにしておくと17歳から20歳くらいで股関節の痛みなどを感じる人が多くなります。亜脱臼を起こすこともあり、その場合、骨きり術などの外科手術を行い股関節との連結部分に当たる骨盤の骨を切り可動域を広げる手術が必要となること盛るのです。
臼蓋の下側にある臼底
臼蓋はお椀のような形をしていて、大腿骨の骨頭を包み込み関節を安定させる役割を持っています。このお椀のような部分の中で、上の方を臼蓋、下の方を臼底(きゅうてい)という部分があり、臼蓋とセットになって股関節の働きを支えている部分です。
臼底と臼蓋がそろっていい状態にあることで、股関節が自由に稼働できます。股関節を動かすときには、周囲の筋肉、腱が動いてボールのような形を持つ骨頭が臼蓋の中で滑らかに動くことで、他の関節よりも広い可動域で動くことが出来るのです。
股関節が痛い時に気を付けたい病気
股関節が継続的に痛いという時、また急激に痛みが出てきたという場合、何らかの病気が隠されている事が多いです。痛みが継続する時、また急激な痛みが出てきたときなどは病気を疑い、医師の診断を受けることが必要となります。
変形性股関節症
変形性股関節症は、股関節の軟骨のすり減りによっておこる疾患です。年齢を重ねると筋肉が弱くなり股関節の軟骨などにも負担が大きくなります。また加齢によって少しずつ軟骨がすり減り、それによって摩擦が大きくなることで痛みが出る病気です。
股関節部分に痛みがある人はこの病気が疑われます。初期は痛みも少し休息をとることでやわらぎいつの間には感じなくなりますが、これを繰り返しているうちに痛みが取れなくなることが多いです。
症状が進むと立つだけでも痛みが走るようになり、歩くこともままならなくなります。早めに受診し、筋力を付けるなどの対応が必要です。
大腿骨頭壊死
病気やケガが原因となって骨に血液が十分に運ばれなくなると、骨内部の細胞が死んでいき、骨が弱くなります。この骨の衰えと同時に骨の周辺にある軟骨がすり減り劣化し、痛みなどが出てきます。
これが骨壊死という状態です。大腿骨の上、骨盤との結合部に起こることが多く、30代くらいから60代くらいまでに発症が多いようです。しかしこの年齢以外でも発祥する事があるため注意しなければなりません。
時間が経過するにつれて悪化してしまうので、早急に医療機関を受診し治療を開始する事が必要です。ケガや病気などでこの疾患になる方が多いのですが、男性の大腿骨壊死症の要因の中には、過剰なあるコース摂取も含まれます。アルコールの多量摂取は様々な病気の要因となるため、日頃から控えることが必要なのです。
股関節を知っていつまでも健康に過ごす
年齢を重ねても元気な人は一人で歩くことができ、日常生活に少しだけ補助が必要でも、自分のことは自分で行いますし、元気にお散歩などされ生活を楽しんでいます。しかし股関節に異常をきたすと外出もままならなくなり、それが痴呆に使がることもあるのです。
心身共に健康な状態で余生を楽しむためにも、40代から股関節の健康についてしっかり考えることが必要となります。バランスのいい食事と無理のない運動で筋肉を鍛えて、股関節が弱くならないようしていきたいものです。