住宅ローンは何を比較するべきか
住宅をこれから建てたいと思う人にとって、問題になるのが住宅ローンです。住宅ローンにも種類がありますので、比較して考えた方が良いのですが、何をポイントに比較するべきかはよくわからないという人が多いでしょう。そこで、今回は住宅ローンそれぞれの比較のポイントについて、お届けします。
住宅ローンの比較ポイント
まずは住宅ローンを比較するときに大事なポイントが全部で4つのポイントあります。1つ目は住宅ローンの種類、2つ目は金利、3つ目はローンによって異なる手数料、4つ目は手続きの内容です。こういった事柄は金融機関によって異なる事が多いので、事前にチェックしておくとよいでしょう。
多くの人が選ぶ住宅ローンは変動型、固定期間選択型という将来は金利が変わるタイプです。最初は低金利ですが、将来的には金利が上がります。一方、全期間固定型という金利が変わらないものもあるのですが、こちらは最初の時点で金利が高めになるのです。住宅ローンを選ぶ際は、このようなことも考えてみましょう。
固定金利型住宅ローンの特徴
固定金利型住宅ローンにはどのような特徴があるのでしょうか。借りている間の金利、返済額の増減、変動金利型よりも少し高めの金利について、掘り下げて考えてみましょう。
借りている間の金利が一定
金利とは借りているお金の利息のことで、景気が良くなると上がるというように、景気によって変動します。けれども、固定金利型のローンであれば、このように景気によっての変動はなく、借りている間は一定の金利になるのです。ただし、変動型よりも金利は高めに設定されます。
一般的な経済の流れとして、景気が回復すると金利が上がり、景気が悪くなると金利が下がり、再び景気回復になりますとまた、金利が上がるという状態を繰り返します。この景気の動向を見ながら、金利を考えると良いでしょう。金利が下がっているときにローンを組みますと金利が安いです。
返済額が増減しない
固定金利型の住宅ローンは金利が一定なので、返済額は今後も変わりません。こういったところは、金額がわかりやすいです。返済額が決まっているので、資金繰りの予定をたてるのに適していますし、金利の上昇によって返済額が高ってしまうこともありません。
子供の教育費を念頭に入れておくのも一つの手です。その何年後か先に住宅ローンがどの位のこっているか、その時の月々の支払はどのくらいなのか、将来のことを予め考えておくと、いざとなったときにお金の面で困らないでしょう。
金利は変動金利型より少し高め
固定金利型の住宅ローンの場合、変動型より金利は高めなので、返済額が変動金利型よりも高くなることが多いです。
固定金利型は契約時の金利がそのままずっと続くので、金利が安い時の契約ならよいのですが、高い時の契約ですと、その高い金利がずっと続くのでその支払が家計にどう影響するか考えた方がよいです。金利が高いとローンの支払がつらいと考える人もいるでしょう。ただし、安定しているので、この資金を今後は何に使うかという計画はたてやすいものです。
変動金利型住宅ローンの特徴
次は変動金利型住宅ローンの特徴です。金利の見直し、金利の安さ、景気に伴って返済額が変わること、125%ルールについて、考えてみましょう。住宅ローンを考えている方にとってはタイムリーな話題です。
金利が見直される
変動金利型住宅ローンのメリットの一つは、金利の見直しがあることです。金利の見直しは5年に1度になりますので、低い金利で契約すると、5年間は同じ金利がキープできるのです。
逆に金利が高い時でも、5年間は同じ金利ですから、返済額の支払が多くなります。しかし、5年後は景気が変わり、金利が安くなる可能性もあります。
景気が良くなると返済額が増える
景気の動向によって金利の変動があるのでローンを組むタイミングによっては金利が高く、返済額もおおくなってしまう可能性もあります。変動型で住宅ローンを考えているなら、今現在とこれからの景気動向も視野に入れて検討しましょう。
125%ルールが設定されている
125%ルールは景気との連動で金利が上がる場合でも、上限をかけるために儲けられたルールです。たとえ金利がどんなに上がっても、直前の返済額の1.25倍を超えてはいけないというルールになります。このルールがあれば、急激に金利が上がっても安心です。
ただし、5年ルールという返済額の見直し策があるため、この125%ルールは6年目以降に採用されます。つまり、この5年ルールは5年ごとに返済額を見直すというやり方なので、5年間は同じ返済額です。返済額が変わるのは6年めということで、125%ルールの適用が6年目以降になります。
固定金利選択型住宅ローンの特徴
次は固定金利選択型住宅ローンの特徴です。一定期間金利を固定すること、固定金利型と変動金利型の中間である金利、返済額が大幅に増える可能性について紹介します。ローン選択の際の参考にしてください。
一定期間金利を固定する
固定金利選択型住宅ローンの特徴の一つに、一定期間の金利の固定があります。このように、一定の期間に金利を固定したら、期間終了後に再び金利を選べるのです。例えば、再び10年固定を選んでもよいですし、固定金利をやめて変動金利に方向転換することも可能になります。
一定期間の金利固定でその後は再び金利が選べるとなると、借り手だけが得をする金利のようにも思えますが、銀行側にとっても有利な条件もあります。変動金利型のように125%ルールがありませんので、金利の急激な上昇も考えられるのです。
金利は固定金利型と変動金利型の中間
固定金利選択型住宅ローンの金利は変動型と全期間固定型の中間くらいです。金利は特約期間が短いほど低く、長ければ長いほど高くなります。10年以上という場合もありますが、そうなると借りている期間が長いため、固定金利型とあまり変わらないです。
しかし、ここで考えなければならないのは、固定金利選択型住宅ローンが変動金利型だということです。固定という言葉が入ると、固定金利型と混同しやすいのですが、変動金利であることは間違いないでしょう。金利を見直しながら、リスクを回避しないといけません。
返済額が大幅に増える可能性がある
固定金利選択型住宅ローンの金利は変動金利型と異なり、返済額の上限はありません。そのため、金利が上昇すれば、返済額は跳ねあがってしまう可能性があります。ここで、固定金利型、変動金利型、固定金利選択型の3つの住宅ローンの特徴を分かりやすく見てみましょう。
それぞれの特徴を踏まえた上でどの住宅ローンがよいのか、考えましょう。固定金利選択型住宅ローンは期間が過ぎたら選択できますが、その時の家の経済状態などを考えなければいけません。だいたい想像できるのは、子供の年齢で受験の時期になるかどうかということ、親の年齢が高くなって介護が必要になると共働きが続けられるかどうかわからない可能性もあるということでしょう。
固定金利型住宅ローン | 変動型住宅ローン | 固定金利選択型住宅ローン |
金利は固定だが、高め | 金利は景気で変動、125%ルールがあるので、金利が上がっても返済額の1.25倍超えない。但し、このルールは6年目から採用される。 | 一定期間、金利が固定されるが、期間終了後は金利を選択できる。但し、125%ルールの適用はないので、急激な金利上昇も考えられる。 |
固定金利型と変動金利型の返済額の比較
固定金利型と変動金利型の返済額を比べてみましょう。金利に変動がない場合、上昇した場合と異なりますので、注意した方がよいです。こういったことを理解した上で、どのようにしたらよいか考えてみてください。
金利に変動がなかった場合
金利に変動がなかった場合で考えます。借入金額を3,000万円、返済期間を35年間とシミュレーションしてみましょう。変動金利が年に0.5%の場合と固定金利が年に2.45%の場合でどうなるか、見てみます。
変動金利0.5%/年の場合、返済総額は32,707,560円、支払い利息総額2,707,560円です。そして、固定金利2.45%/年の場合は返済総額44,707,167円、支払い利息総額14,707,167円になります。ここでわかるのは支払い総額に11,999,607円の違いが出るということ、支払う利息は変動金利の方が安くなります。
金利が上昇した場合
次は変動金利型で5年ごとに1%の上昇があった場合に3000万円、35年で借りたと考えてみましょう。変動金利型ですと、毎月の支払は最初の年は7万9544円ですが、5年経つと10万2760円まで上昇します。
上記の例では23,216円の差が見られます。この差は家計で考えますと、なかなか大変なものです。たとえば、子供2人の4人家族ですと、住宅を建てた当初は子供が小学生くらいでも、5年経てば、中学生ですから、習い事や塾にお金が掛かりますし、高校受験で私立を考えていれば、さらなる出費もあり少なからず生活の負担になってしまいます。
住宅ローンの金利や手数料の比較する方法
では、住宅ローンの金利や手数料を比較する方法を考えてみましょう。ネットで確認、金融機関への問い合わせなどがあります。
ネットで確認する
インターネットを活用すると簡単に確認できます。金融機関やローンの商品によって金利や手数料は異なりますが、インターネット検索をすると割と簡単に住宅ローンの金利や手数料がわかるので、便利です。それに、電車の待ち時間などのちょっとした時間に調べられます。
住宅ローンの金利、手数料を比較しているサイトがありますので、ご覧になってみてください。こういったサイトを見ると、分かりやすいでしょうから、家族と相談する際に活用しましょう。また、日頃から、見ておくとローンの金利や手数料がよく分かりますし、家族に説明しやすいです。
金融機関に問い合わせる
不明な点は直接、金融機関に問い合わせることもできます。問い合わせ先はインターネットで調べられますので、希望の銀行名で検索してみるとよいです。大抵の銀行は住宅ローンに関するページがありますので、そこを見てみるとよくわかります。
直接、話しを聞きたいという場合は連絡先が出ていますので、電話をしてみましょう。日時を約束して、来店ということもできますし、とりあえず電話で知りたい事だけを聞きたいのであれば、その旨を伝えるとよいです。銀行はどんなことにでも、丁寧に対応してくれます。
住宅ローンを借り換えするメリット
住宅ローンの借り換えが出来るのをご存知でしょうか?金利を少しでも安くしたいなどを考える場合、金利タイプの変更、返済額の削減ができるのです。また、銀行によっては関連のスーパーが安くなるなどの特典があるというところもあります。いずれも、家計を少しでも楽にしたいという人には助かることでしょう。
しかし、メリットのみではないのです。デメリットは以下に注意点として挙げますので、ご確認下さい。
住宅ローンを借り換えする時の注意点
住宅ローンを借り換えする時に注意した方がよい点を挙げてみます。そして、借り換えの審査の厳しさ、費用の手続きが必要なこと、金利上昇の可能性について言及します。借り換えを考えている方はよい参考になるでしょう。
借り換えの審査は厳しい
借り換えにも審査があります。それはいわば住宅ローンに審査と申込みを再度行うようなものです。そのために審査基準は住宅ローンの新規申込よりも厳しめになります。
厳しくなるにはそれなりの理由があります。まずは、物件そのものの価値が年数を経過していることで下がっていること、新規の借り入れ時と家庭状況等が変わっている可能性があることです。たとえば、ローンの返済の遅延がある、世帯主が団体生命保険に加入できないほどに健康状態が悪い、転職や独立開業などで収入が安定しいない、住宅ローン以外にも借金があるということが考えられます。このようなことがある人は借り換えの審査基準で引っ掛かるかもしれません。
借り換えはメリットだけではない
借り換えはメリットばかりではないのです。費用と手続も必要ですし、後々の金利上昇の心配もあります。その辺りを把握して上で借り換えに踏み切った方がよいでしょう。以下に詳しく説明します。
費用と手続きが必要
今現在の金利より低い金利に借り換えると、返済額が減らせて家計が少々楽になるかもしれませんが、手数料などの諸費用は掛かります。その辺りを煩わしいと考える人は、借り換えをよく考えた方がよいです。どんなことでも、このような費用と手続きは必要なものでしょう。
諸費用は総額で30万から80万の範囲です。この総額を差し引いても、借り換えをする方がメリットが大きいかどうかはよく考えた方がよいでしょう。ただし、こういった費用を借り換え後の住宅ローンに組み込んで、借り換えを行えば持ち出しはいりません。どちらはよいかは銀行と相談するとよいです。
後々金利が上る可能性がある
後々の事を考えますと、金利が上がる可能性もあります。当然ながら、金利が上がれば月々の返済額も上がってしまいますから、家計がさらに大変になる事も考えられるのです。少しでも楽な返済額にしたいと思って借り換えをしても、結果としてさらに返済が大変になってしまったら、元も子もないでしょう。
こういったことがあるということも踏まえた上で、借り換えに踏み切った方がよいです。すぐに決めずに家族との話合いが大事ですし、銀行に不明な点は質問しなければいけません。また、借り換えをしたという知り合いがいたら、その経験を聞いてみるのもよいでしょう。
住宅ローンにはそれぞれメリット・デメリットがある
住宅ローンには、それぞれメリット、デメリットがあります。そういったことを踏まえた上で、どの方法にするか考えましょう。メリット面のみ、デメリット面のみで考えない方が得策です。もしも、こうであったらとあらゆる想定をしながら、家族で話し合ってみてください。