ランドクルーザーはトヨタが世界に誇る4WD
トヨタ自動車が手掛ける大型クロスカントリー車のランドクルーザーは、60年以上の歴史を持ち「ランクル」という愛称で親しまれています。トヨタの公式なキャッチコピーでも「ランクルなら辿り着ける世界がある」や「ランクル史上最高傑作」と「ランクル」という愛称を使用。
ランドクルーザーは世界的にも有名なクロスカントリー車で、耐久性は世界中で高い評価を受けています。最初は2ドアから始まったランドクルーザーは、現在ではトヨタが世界に誇る4ドアへと変化。長年、世界中で愛され続けているトヨタのランドクルーザーの魅力やプラドとの違い、70系などの旧型についてなどを見てみましょう。
ランドクルーザーの魅力
世界中で長年愛され付け付けているランドクルーザー。まずは、どのような魅力があるかについて見てみましょう。
パワフルな走破性
ランドクルーザーの最大の魅力となるのはパワフルな走破性。ダイナミックな走りを求められる4WD車であるために、大排気量の4.6LのV型8気筒エンジンを搭載し悪路でも正確に働く四輪制御機能も搭載。パワフルで安定した走行を実現しました。
現行モデルでは低フリクション化による燃費向上や低排出ガス化も考慮され、パワフルな走りを維持したまま環境性能をアップ。環境への配慮もしながらダイナミックを走りを味わうことができます。
大きなボディを支える強靭な骨格
道なき道を走る本格オフロードにも対応しているランドクルーザーは、強靭な骨格で安定感のある本格的なドライビングを堪能できます。ランドクルーザーの強靭な骨格となるフレームには、捻り剛性や曲げ剛性に優れたラダーフレームを採用。
オフロード走行に強く、最大安定傾斜角は44度で登板能力は45度と走行安定性を発揮できる強靭なフレームになっています。また、大きなボディを支えるトヨタの伝統的なラダーフレームを使いつつ見た目のかっこよさも魅力の一つになっています。
4WD性能をより高めるマルチテレインセレクトシステム
ランドクルーザーでは、4WD性能をより高めるマルチテレインセレクトシステムという最新システムを導入することによりオフロード走行においてトラクションやブレーキを最適に制御することが可能。路面状況に応じたブレーキ油圧制御が自動切り替えされ、駆動力を4輪に最適に分配されることによりオフロードでも常に快適な走行性能を発揮します。岩場や段差の激しい悪路はもちろん、ぬかるみや砂と土が混じった滑りやすい道も快適に走行することができます。
サスペンションシステムを最大限に活用
ランドクルーザーの中でも、ZXにはサスペンションを自在に制御する4-Wheel AHC&AVSを搭載。通常走行時・乗降時・オフロード走行時など、状況に応じて車体の高さを変えることができます。また、高速走行時では走行安定性を高めるため車高を自動的に最適な位置へと切り替え。
L4駆動時には車体の高さを高くするなど自動制御も行います。走行中の乗り心地を快適にするためにコーナリングの内側の浮き上がりを抑えて外側の接地性を高めるなど、操縦安定性も高度。走りを楽しむだけでなく、快適な乗り心地も追求した先進のフットワークが魅力の一台です。
車速に合わせてステアリング角度を制御
車速に合わせてステアリング角度を制御するVGRS(バリアブル・ギヤ・レシオ・ステアリング)を搭載。ギヤ比に応じて調整することで、優れた操作性と走行安定性を実現します。駐車の際など、低速域ではステアリングを切る角度を低減。取り回しの良さを高め、中速域では軽快で扱いやすく高速域では穏やかで安定感のあるレスポンスを実現しています。
高級感漂うシックな内装に充実装備
ランドクルーザーは、優れたオフロード仕様だけでなく高級感漂うシックな内装の充実さも魅力。大きな車体なので室内空間も広く、さまざまなシートアレンジが可能。また、装備も充実しており、寒い冬だけでなく夏の冷房中にも効果を発揮するシートヒーターや冷えやすい手をじんわり温めるステアリングヒーター、飲み物などを冷やすことができるクールボックスなど、標準装備されていない場合でもさまざまなオプションを付けることができます。
ランドクルーザープラドとの違い
ランドクルーザープラドは、ランドクルーザーの弟分のようなもの。ランドクルーザー伝統の強靭な骨格となるラダーフレームを採用し、頑丈なランドクルーザープラドは街乗りにも対応しています。2017年にマイナーチェンジされたランドクルーザープラドとランドクルーザーの違いについて見てみましょう。
大きさはプラドが一回り小さい
1954年に販売が開始されたランドクルーザーに対してランドクルーザープラドは、1984年にランドクルーザー70系のワゴンとして発売されたものが原型になります。ランドクルーザーもランドクルーザープラドも、大きな車体のためどちらも同じ車種と思われがちですが大きさが異なります。
ランドクルーザーの車体は、全長が4950mmで全幅は1980mm、全高は1870mm。一方、ランドクルーザープラドの車体は全長が4825mmで全幅は1885mm、全高は1850mmと一回り小さくなっています。
エンジンの排気量もプラドのほうが控えめ
ランドクルーザープラドは、ランドクルーザーとは違い街乗り仕様も意識して作られているためエンジンの排気量も控えめになっています。ランドクルーザーは4.6リッターのV8ガソリンエンジンに対し、ランドクルーザープラドは2.7リッターの直4ガソリンエンジンもしくは2.8リッターの直4ディーゼルエンジン。
ランドクルーザープラドの場合はエンジンを2種類から選択ですますが、どちらもランドクルーザーよりエンジンの排気量は控えめになります。しかし、ランドクルーザープラドもランドクルーザーと同様に抜群の4WD性能を搭載しているため、街乗りでもオフロードでも楽しめる一台になっています。
ランドクルーザーの変遷と特徴
長年、世界中で愛され続けているランドクルーザー。これまでのランドクルーザーの変遷と特徴について見てみましょう。
BJ型からランドクルーザーへと改名された20系
ランドクルーザーの始まりは、1951年に誕生したトヨタジープBJになります。富士山の6合目まで登るという快挙を達成したことで国家警察のパトロールカーとして採用されていました。当時の日本では「ジープ」という言葉は四輪駆動車のこと指していたのですが、アメリカのウィリス・オーバーランド社がジープを商標登録していたため1954年6月にランドクルーザーへと改名。
その後、トヨタジープBJはフルモデルチェンジされランドクルーザー20系が誕生。1955年から1960年に販売され、トヨタ初の海外進出モデルにもなりました。ランドクルーザー20系は、室内空間を広くしてスプリングを改良することで乗り心地を改善しました。
25年ものロングセラーとなった40系
1960年から1984年まで販売されていたランドクルーザー20系をフルモデルチェンジして作られたランドクルーザー40系は、史上ナンバー1のロングセラーモデルでした。軍用車や作業車として使われることをイメージして作られていた20系と比べ、個人向けに作られたことでグレー・イエロー・グリーン・ホワイト・フリーボーンレッド・シシリアンオリーブ・フィールライクブルーとカラーバリエーションも豊富に展開。当初、20系と同じF型ガソリンエンジンを搭載していましたが、1974年からはディーゼルエンジンへと変更されました。
45型の後継として並行販売された55・56型
1967年から1980年まで販売されていたランドクルーザー40系の中で、ロングボディのFJ45Vの後継としてFJ55Vが製造されました。静粛性と乗り心地を兼ね備えた四輪駆動車という位置づけで開発されたロングボディタイプの55型と56型は、高級志向SUVの先駆けとなったモデル。北米市場を意識して作られたステーションワゴンで、ムースという愛称で親しまれました。
1975年2月、エンジンをF型から2F型へと変更しFJ55VからFJ56Vへとマイナーチェンジ。2F型のエンジンは、ランドクルーザー60系初期にも搭載されておりトルクがあるのため今でも根強い人気を誇るエンジンです。発売当時は55型・56型と呼ばれていましたが、現在では50系と呼ばれています。
56型の後継として生産された60系
1980年から1989年まで販売されていたランドクルーザー60系は、ランドクルーザー56型の後継として誕生しました。56型と同様のロングボディタイプで、ショート・ミドルタイプの40系と並行して販売。60系には、2Fガソリンエンジンに加えて3Bディーゼルエンジンも展開。
その後、2Hディーゼルエンジンも追加販売され、ランドクルーザーでは初めてATやパワーステアリングを搭載。運転のしやすさも追求したモデルになっています。現在では、オフロード仕様のランドクルーザーですが60系までは乗用車ムードを持つ四輪駆動車という立ち位置をキープしていました。
40系の後継でバリエーションが豊富な70系
1984年から2004年に販売。ランドクルーザー40系の後継として生産された、ランドクルーザーの原点ともいえる走りと耐久性を追求した本格派モデルの70系。国内では、ショート・ミドル・セミロングと3種類のボディタイプを展開し用途に合わせて選べるようにしました。
エンジンに関してはディーゼルのみにしていましたが、ディーゼルエンジンが規制されるなどの時代背景から2004年7月に国内での販売を終了。海外のみでの販売となりました。しかし、2014年に30週年記念として異例の1年間限定再販を行い、ガソリン車のマニュアルのみの設定でボディーは4ドアセミロングとダブルキャブピックアップの2種類のみでした。
ランドクルーザープラドは70系から派生
1984年から販売されたランドクルーザープラドは、オフロードも走れる乗用車をコンセプトに誕生。ランドクルーザー70系をイメージして作られたプラドは、70系よりも足回りが軽くコンパクトなボディが特徴です。ランドクルーザーで気軽に街乗りを楽しみたい人におすすめの一台です。
60系の後継として快適性を追求した80系
1990年から1997まで販売されていたランドクルーザー80系は、ランドクルーザー60系よりもボディが大きく70系と並行販売されていました。50系・60系と同様の4ドアロングボディタイプのみの設定にし、日常で使いやすいようにサスペンションを変更。
乗り心地と走行安定性を追求した結果、日常でも使いやすいコイルリジットサスペンションへと変更されました。80系からワゴン仕様とバン仕様ができ、ワゴンはガソリンエンジンを搭載しバンはディーゼルエンジンを搭載しています。
80系の後継として高速安定性を増した100系とシグナス
1998年から2007年まで販売されたランドクルーザー100系は、ランドクルーザー史上初のV8エンジンを搭載。ランドクルーザー80系の後継として作られた100系は、乗り心地の快適さと高速安定性を強化した一台。グレードは下からVX、VXリミテッド、VXリミテッド Gセレクションがありました。
100系販売から1年後、レクサスから100系とほぼ同型のシグナスが誕生。当時の日本にはレクサスブランドがなかったため、LX470の名称での販売ができず国内ではランドクルーザーシグナスという名称で販売することになりました。
100系の後継として最新技術を盛り込んだ現行200系
2007年から販売されている現行モデルのランドクルーザー200系には、さまざまな最新技術が盛り込まれています。200系では、世界初となるオフロード走行時での低速を維持するクロールコントロールを採用し、日本初となる高速安定性とオフロード性能という相反する性能を高次元で両立する油圧式スタビライザーを装備。エンジンはV8型で、低フリクション化による燃費向上や低排出ガス化をして安全装備や快適装備、環境への配慮などトヨタが持つハイテク技術が惜しみなく盛り込まれています。
現行ランドクルーザー200系の新車価格とスペック
現行のランドクルーザーにはZX・AX Gセレクション・AX・GXの4種類が展開されています。グレード別で異なる価格やスペックについて見てみましょう。
ZX
・価格:684万7,200円(税込) ・エンジン:4.6L ・燃費消費率:6.7km/L ・乗車人数:8人 ・標準装備:4-Wheel AHC&AVS、VGRS、ドライブモードセレクト、LEDヘッドランプ、LEDフロントフォグランプ、ブラインドスポットモニター、チルト&スライド電動ムーンルーフ、パワーシート、シートヒーター、パワーイージーアクセスシステム、シートベンチレーション
AX Gセレクション
・価格:587万880円(税込) ・エンジン:4.6L ・燃費消費率:6.7km/L ・乗車人数:8人 ・標準装備:KDSS、VGRS、LEDヘッドランプ、LEDフロントフォグランプ、パワーシート、シートヒーター
AX
・価格:515万1600円(税込) ・エンジン:4.6L ・燃費消費率:6.9km/L ・乗車人数:8人 ・標準装備:マニュアルシート、LEDヘッドランプ、LEDフロントフォグランプ
GX
・価格:473万9040円(税込) ・エンジン:4.6L ・燃費消費率:6.9km/L ・乗車人数:5人 ・標準装備:マニュアルシート
新型ランドクルーザー300系はどうなる?
ランドクルーザー200系は発売から長く、フルモデルチェンジが期待されているが公式発表はされていないため300系という呼び名もファンの予想になっています。今後のランドクルーザーはどのようになっていくのでしょうか。
プラドのディーセルエンジン復活や、ハイブリッドカーの推進により300系が出るとしたらハイブリッドエンジンになるのではないかという予想もされています。定期的にモデルチェンジされてきたランドクルーザー。新型ランドクルーザーへのファンの期待は大きくなっています。
パワフルでかっこいいランドクルーザーを運転しよう
パワフルな走行性と高い安定性、強靭な骨格などを兼ね備えているランドクルーザー。本格的オフロード仕様のランドクルーザーには、街乗りをメインとしたランドクルーザープラドも展開されています。世界中で長年愛され続けているランドクルーザーで、ダイナミックな走りと快適な乗り心地を楽しみましょう。