正しくテーピングを巻いて股関節の症状を軽減しよう
運動した後、体に違和感があるような場合は、すぐに対処して、症状を軽減する必要があります。症状によっては、通院したほうがよいときもあるでしょう。この記事では、スポーツで痛めがちな股関節の改善方法について詳しく解説します。
具体的には、股関節に違和感があるときの対処法、テーピングのコツ、テーピングでは解決しないときの対応方法について取り上げます。よくスポーツする人やちょっとした痛みを自身でケアしたい人は、ぜひ参考にしてください。
股関節に違和感がある場合の対処法
股関節に違和感が生じた際は、テーピングを巻きましょう。太めのテーピングを用意して、椅子に座って巻きつけます。テーピングではケガを治療することはできませんので、場合によっては、病院に行くべきです。こうした股関節に違和感がある場合の対処法について詳しく紹介していきます。
テーピングで症状を軽減する
テーピングは約15cmの太めがおすすめです。椅子に座って、軽くひっぱるようにして違和感のある部位に貼りつけましょう。側面と前面であれば、長めのテーピングが適しています。
太めのテーピングを用意する
貼りつけるテーピングは、伸縮性があり、長さは15cm程度がおすすめです。枚数は2枚。違和感のある部位に、2枚を重ねるように貼ります。伸縮性あれば、貼りつけやすく、はがれにくいメリットがありますので、おすすめです。
椅子に座り違和感のある部位に貼る
テーピングを貼りつける際は、椅子に座り、足を広げましょう。違和感がある部位の真ん中に、少しひっぱるように、テーピングをつけていきます。2枚目のテーピングは、1枚目と半分程度重なるように位置を調整してください。
部位によっては長めのテーピングを用意する
股関節の側面に違和感がある場合は、長さ25cm程度のテーピングを使用します。脇腹から太ももの側面をしっかりと伸ばし、そこにテーピングを貼りつけます。股関節の前面でも、同じ長さで、違和感のあるポイントに伸ばして貼りましょう。
怪我の具合や症状によっては早期に受診する
テーピングは、必要以上に伸ばしてしまった股関節の動ける範囲を制限するだけではなく、今以上にケガをひどくさせない効果があります。また、テーピングを貼ることで、精神的な安定感も生まれるでしょう。しかしながら、ケガを治療するものではありませんので、応急処置として捉える必要があります。症状によっては、必ず診察を受けるようにしましょう。
テーピングを貼る時の注意点とコツ
テーピングを貼る際、いくつか注意点とコツがあります。かぶれ防止対策や剥がれにくい貼り方、剥がす際のポイントなどをおさえておきましょう。
かぶれ防止対策をする
伸縮するタイプのテープは、かぶれてしまうリスクがあります。かぶれ防止のためには、両端1cmほどを貼らずに、最後の仕上げとして、ゆっくりと押さえるように両端を貼りつけることをおすすめします。かぶれは、かゆみだけではなく、痛みを伴うこともありますので、注意が必要です。
剥がれにくい貼り方
剥がれにくくするコツもあります。まずは、貼りつける部位の周りをキレイにしておくことです。四角をカットすることもおすすめ。こうした剥がれにくい貼り方についてみていきましょう。
貼る部位周辺の汚れを落としてから貼る
テープを股関節に貼る前に、必ずその周辺の汚れを落としておきましょう。スポーツ後や夏場などは、汗をかき、皮脂が残っていることが多く、それではテープの粘着性を低下させてしまいます。また、汚れている状態で貼りつけてしまうと、かぶれが発生するリスクもありますので、清潔な状態にしてからテーピングを進めましょう。
テーピングの四つ角を丸くカットしてから貼る
股関節によりフィットさせるためには、テープの四角をカットしたほうがよいです。丸くなるように切りましょう。角がある場合、引っかかって、剥がれやすくなります。丸くカットすれば、そのような問題が起きることも減少します。
痛みがある部位の筋肉を伸ばした状態で貼る
テーピングする際は、痛いかもしれませんが、違和感のある部位を伸ばして貼ります。通常の体勢のときには、テーピングにしわが寄ることになりますが、皮膚をひっぱり、リンパ液にアプローチすることになりますので、伸ばして貼る方法がおすすめです。特にキネシオテープという種類においては、この方法で貼りつけましょう。
剥がす際のポイント
テープを剥がすときは、体毛の流れに合わせましょう。基本的には、上から下です。流れを無視して剥がしてしまうと、肌に刺激を与えてしまい、痛みを伴うことがあります。そして、一気に剥がすのではなく、ゆっくり優しく動かすようにしましょう。
テーピングを続けても症状が改善しない時は
テーピングを貼り続けていても、一向に違和感が消えないこともあります。それは、病気かもしれませんし、肥満が原因かもしれません。ストレッチを続ければ、症状の緩和を目指せることもあります。テーピングを続けても症状が改善しないときはどうすればよいのか、細かく解説していきましょう。
股関節の病気が潜んでいる可能性がある
テーピングを貼っても、ほとんど違和感がなくならないときは、病気の可能性も否定できません。
- 変形性股関節症 軟骨のすり減りによる病。初期は重みを感じ、徐々に痛みを伴う。症状が悪化すれば、常に痛みが続くことも。
- 股関節脱臼:大腿骨頭という骨が骨盤にはまる脱臼。痛みが出るだけではなく、歩行できなくなる可能性も。
- 大腿骨近位部骨折:大腿骨近位部という骨盤付近の骨折。症状は、痛みと歩行困難。
- 特発性大腿骨頭壊死症:骨の組織が死に、骨折に至る病。臀部から痛みが始まることもある。
- 関節リウマチ:股関節のリウマチ。関節が腫れたり、痛みを伴う病。
- 腰椎椎間板ヘルニア:椎間板が外れる病。腰痛などが主な症状だが、股関節が痛むこともある。
- 鼠径リンパ節炎:細菌などによるリンパ節の炎症。痛み、しこりなどの症状あり。
- 鼠径ヘルニア:腸などが飛び出す病。痛みやふくらみが主な症状。
「足を組んでいる時に股関節の違和感が気になる」「股関節の傷みが日に日にひどくなっている」という人は、テーピングでは対処できない可能性もありますので、必ず受診するようにしましょう。ケガや病気は、自身で治療できるものではありません。
肥満が原因で筋肉に負担がかかっている可能性がある
股関節の痛みは、肥満が原因となることもあります。肥満状態だと股関節が変形してしまい、痛みを伴うだけではなく、動く範囲も狭くなってしまうのです。肥満が原因となるために、ダイエットすることが対処方法となります。また、股関節への負担が減るように、筋力をつけて、症状を悪化させない姿勢を取ることも重要です。
固まった筋肉を柔らかくする為のストレッチをする
股関節をストレッチすることで、さまざまなメリットを実感できます。例えば、可動域が広がることで、痛みなどの緩和を目指すことができるでしょう。血行促進効果もあり、症状緩和も望めます。ストレッチは、あぐらストレッチや膝をかかえて股関節を伸ばす方法があり、自宅で手軽にできるものばかり。
もちろん、病気であれば、ストレッチで症状を緩和することはできませんが、ちょっとした違和感がある場合は、ストレッチを取り入れ、股関節の様子を見てみましょう。
股関節の痛みはテーピングと生活習慣の改善で緩和させよう
股関節に違和感があるときは、テーピングで症状を軽減することが可能です。太めのテーピングを用意して、椅子に座り違和感のある部位に貼りましょう。部位によっては長めのテーピングが必要です。症状によっては、早期に受診することをおすすめします。
テーピングを貼るときは、かぶれ防止対策、剥がれにくい貼り方などをおさえておきましょう。テーピングを続けても症状が改善しない際は、病気の可能性もありますので、注意が必要です。いずれにせよ、股関節の痛みはテーピングで緩和も目指せます。正しい貼り方について理解を深め、自身の体をしっかりとケアしましょう。