スペシャライズドはアメリカの会社
自転車用パーツの小売店として創業したアメリカのスペシャライズドは今やトッププロチームにバイクを供給する世界有数のブランドにまで成長しました。アメリカ屈指の老舗メーカーの歴史から最新のアイテムまでお伝えします。
スペシャライズドという会社の概要
スペシャライズドという会社名前は聞いたことがあっても、その実体を知る人は少ないのではないでしょうか。その概要を説明します。
正式名称はSpecialized Bicycle Components
SPECIALIZED(スペシャライスド)はアメリカの自転車ブランドです。1974年にアメリカ カリフォルニア州のサンノゼで誕生しました。「Innovate or Die(革新を、さもなくば死を)」をスローガンに掲げ、ロードバイク、マウンテンバイクの自転車フレームのみならず、ウエア、ヘルメットなどのアクセサリーも展開する総合的なサイクリングブランドとなっています。
創業者はマイク・シンヤードで、大学卒業後にも自転車に関わる仕事がしたいとの理由で当時乗っていたフォルクスワーゲンバスを1500ドルで売却。その資金を元手に、自転車文化発祥の地であるヨーロッパ縦断へと旅立ちました。そこでイタリアの老舗バイクブランド、チネリの創始者チーノ・チネリと会う機会を得て、アメリカへの輸入権を獲得し、輸入代理店を始めたのが始まりです。
スペシャライズドの歴史
スペシャライズドは1976年にオリジナルパーツ開発に着手。手始めに作られたツーリング用タイヤは日本の三ツ星ベルトが製作したと言われています。1979年には、現在もアルミロードバイクのモデルとして名前が残る「Allez(アレー)」を発売しています。1981年、世界初の量産型マウンテンバイクであり、大ヒットモデルとなった「スタンプジャンパー (Stumpjumper)」を発売しました。
エアロロードバイクの開発にもいち早く着手しており、VENGE(ヴェンジ)は、F1の名門チームであるマクラーレンと共同開発が行われました。VENGEは2011年のツール・ド・フランスで、マーク・カヴェンディッシュに5度のステージ優勝をもたらし、さらにカヴェンディッシュはその時の世界選手権でも優勝を飾っています。
多様な自転車を扱う
スペシャライズドで取り扱う自転車は、マウンテンバイク、ロードバイク、フィットネスバイク、キッズバイクなど多種多様です。
ロードバイクのS-WORKSとSPECIALIZEDのブランドの違い
スペシャライズドのロードバイクのフレームにあるロゴが違うモデルがあります。「S-WORKS」と「SPECIALIZED」です。S-WORKSがプロ仕様のバイクと考えて下さい。WORKS(ワークス)はF1にもありますが、プロチームに機材を提供して、メンテナンスも含めてレース活動を支援する団体を指します。
SPECIALIZEDのWORKSを略して「S-WORKS」となります。つまり、S-WORKSのロゴを冠しているバイクはプロ仕様のバイクです。ロードバイクという趣味のメリットの一つは、お金さえあればプロチームと同じ機材を揃えて実際に走ることが可能であること。自分の好きなプロ選手が乗っているバイクと同じグレードのロードバイクで公道を走れるということです。
ロードバイクのモデルラインナップ
スペシャライズドのロードバイクにはメンズモデルとレディースモデルがあります。
<メンズモデル>
- VENGE(ヴェンジ) 世界最速を目指すエアロロードバイク
- TARMAC(ターマック) 世界最高のバランスを目指したロードバイク
- ROUBAIX(ルーベ) 石畳も走れるエンデュランスロードバイク
- ALLEZ(アレー) アルミロードバイク
<レディースモデル>
メンズモデルの名前違いで、フレームのジオメトリが女性向けになっていると考えるて良いです。
- AMIRA(アミラ) ≒ TARMAC(ターマック)
- RUBY(ルビー) ≒ ROUBAIX(ルーベ)
- DOLCE(ドルチェ) ≒ ALLEZ(アレー)
夫婦でも楽しめるモデル
レースバイクとしてはAMIRAがあります。RUBYは、ロングライド向けで、軽量のフレームのエンデュランスジオメトリーによって優れた安定性と反応力の走りを実現しています。悪路に強いのも特徴です。
Dolceは、長距離から短距離まであらゆる長さのライドに対応しています。エンデュランスジオメトリーから生まれる滑らかで安定したハンドリング、フォークに搭載されたZertz振動減衰機構は路面の凸凹からくる振動を吸収して、滑らかで疲れ知らずのライドとなっています。
メンズモデルの特徴
メンズモデルとはどのようなものか、その特徴を説明します。
世界最速を目指すVENGE
世界最速のロードバイクを目指すのであれば既存のフレーム形状やテクノロジーに手を加えるだけでは不十分です。そのため、自社風洞施設のウィントンネルで開発とテストに長年を費やしVENGEは誕生しました。
そこでは個々のパーツを開発し、それぞれが一つのシステムとしてまとまったときはじめて最高の空力性能を発揮します。つまり、フレーム、シートポスト、ブレーキ、Aerofly ハンドルバーの形状を、それぞれの速さの合計値より一まとめにした方が速くなるようにしてあるのです。
様々なグレードがあるTARMAC
ターマックはレースモデルあることは間違いないですが、硬過ぎて足に負担がかかるモデルとは違います。スペシャライズドがフレームの箇所ごとにカーボンの積層量を変えて、剛性を高くし過ぎないようにしている点が大きく影響しています。
もちろん、乗り心地のよさで勝負しているタイプではないので、例えばスペシャライズドでも「ルーベ」などに比べれば硬くて、乗り心地もハードという評価になります。
しかし、これは500�Hも600�Hも走るロングライドならまだしも、通勤で1日20〜30�H、週末にツーリングで100�Hほど走る位の距離であれば何の支障もありません。舗装路であれば、平坦でも坂の上り下りも何でもこなす、オールラウンドの性能を持っています。
悪路に強いロードバイクのROUBAIX
スペシャライズドのルーベの最も大きな特徴は、フロントのサスペンションです。通常ロードバイクは、リジットフォーク、つまりフォークに使われている材質と形状によって振動を吸収しますが、石畳ではそれだけでは十分に振動を吸収することができません。
そこで、ルーベでは、ヘッドチューブ内にショックアブソーバーを設置することで、より体に伝わる振動を抑えています。フロント周りの特徴的なサスペンションに加え、フレームの形状とカーボンの積層によって路面からの振動を軽減し舗装の悪い道路でも滑らかな走り心地を実現しています。
もっとも乗りやすいALLEZ
扱いやすさから、エントリーモデルに使われることが多いアルミニウム。カーボン全盛の時代にもかかわらず、あえてアルミモデルを選ぶライダーも多いです。重量はカーボン製に負けますが、漕ぎ出しのダイレクトな反応や安定したライド感は好評です。安価であり、カーボンバイクに比べてコストパフォーマンスが高いです。
アルミバイクは耐久性にも定評あります。繊細なカーボンバイクと異なり、ちょっとした転倒などにも強さをみせます。なにかとトラブルが多い初心者にとっては、安心で快適に走ることができるのです。カーボンほどのしなりはないですが、剛性が高く長く乗ることができるのがアルミバイクの特徴で、スペシャライズドの「アレー」は、そうしたことも考慮されている最も乗りやすいバイク・シリーズのひとつです。
超高剛性のレース用バイクから、ロード入門用としてうってつけな高性能オールラウンド・バイクまで7機種あり、バイクの反応性と快適性、またハンドリング特性の理想的なバランスを生み出すことに成功しています。
スペシャライズドのロードバイクで快適なサイクリングをしよう
スペシャライズドは男性女性ともに評価が高いです。バリエーション豊富で街乗りから競技志向のものまでライナップが揃っています。2000年には、初めてツール・ド・フランスに出場して、チームは総合2位の成績を収めました。2012年のロンドンオリンピックでの個人ロードレースでは、アレクサンドル・ヴィノクロフがゴール直前で飛び出して金メダルを獲得しています。
ロードバイクを始めて乗ったとき、お尻が痛くなってしまったという人は多いと思います。痛みの原因は、サドルとお尻のマッチングです。スペシャライズドは人間工学の観点から、サドルを開発していますからその点も安心です。スペシャライズドのロードバイクは快適なサイクリングライフを保証してくれます。